ASBJ 企業会計基準委員会

第62回企業会計基準委員会議事要旨

日時 2004年8月3日(火) 13時30分~16時00分
場所 (財)財務会計基準機構 会議室

議題

審議事項

  1. 事業分離専門委員会における検討状況について
  2. 企業結合専門委員会における検討状況について
  3. 排出権取引専門委員会における検討状況について

議事概要

(1) 事業分離専門委員会における検討状況について

西川副委員長及び秋葉専門研究員より、事業分離専門委員会における検討状況について説明が行われた。説明では、「論点整理」で示した基本論点のうち、分離先企業が子会社となる場合の取扱いについての方向性及び検討内容が提示され、意見交換等が行われた。

なお、審議における主な発言は以下のとおりである。

  • 簿価での移転が適用されるケースでも、分離企業側の簿価と分離先企業側の簿価が一致しない場合があり得るので、そのような場合の処理も検討する必要があるのではないか。
  • (連結原則等の見直しの可能性に関する質問に対して)連結原則の見直しについては、そういうことも将来的にはあり得るという可能性を述べただけであり、このプロジェクトでは手を付けないという方針が確認されたということである。
  • のれんの処理は、連結実務上の取扱いとして親会社持分に帰属するのれんだけを持分比率に応じて処理をするという考え方で貫かれていると思われる。全体の体系を考慮して考えていくことが必要ではないか。
(2) 企業結合専門委員会における検討状況について

西川副委員長及び布施専門研究員より、企業結合専門委員会における検討状況について説明が行われた。今回は、今後のプロジェクト全体のスケジュールと、共通支配下の取引として取り扱う「範囲」、共通支配下の取引に関する「個別問題」について説明がなされ、その後質疑応答等が行われた。なお、スケジュールについては商法改正の動向を見極めることを考慮すれば、平成16年12月~17年1月頃に 「検討状況の整理」、平成17年春頃に「公開草案」、平成17年夏頃に「会計基準」等の公表を目途とすることが確認された。

審議における主な発言は、以下のとおりである。

  • 共通支配下の取引に該当するか否かに関連して、共同支配企業を形成した後に再編が行われた後の会計処理も検討する必要があるのではないか。
  • 共通支配下の取引の会計処理として、連結財務諸表上の帳簿価額によることになっているが、親会社と当該合併をする子会社以外の取引は考慮外としていいのか。
  • 期中の企業結合で連結財務諸表が存在しないということになった場合にどのような数値を用いるのかも示しておいたほうがよい。
(3) 排出権取引専門委員会における検討状況について

石井委員及び湯川専門研究員より、排出権取引専門委員会における検討状況について説明が行われ、その後質疑応答等が行われた。

審議における主な発言は以下のとおりである。

  • 排出権取引の現状についてもっと整理して教えてほしい。
  • 個別企業に排出枠を課し、未達成の場合は、将来罰則が設けられた場合のことも考慮した議論が必要ではないかという質問に対して、排出枠が課される可能性はゼロではないが、当面の間は課されないとの判断のもと検討を進めて、課されることとなったときはすぐ検討に入るような対応を考えているという回答がなされた。
  • 排出クレジットを単年度の商品と捉えるか複数年にわたる商品と捉えるかによって、会計処理が変わってしまい、異なる結論になる懸念がある。それぞれの前提をおく必要があるかどうかも検討してほしい。

以上