ASBJ 企業会計基準委員会

第55回企業会計基準委員会議事要旨

日時 2004年4月23日(金) 10時00分~12時30分
場所 財務会計基準機構 会議室

議題

審議事項

  1. 「事業分離等に係る会計処理に係る論点の整理(案)」について【公表議決予定】
  2. 企業結合専門委員会における検討状況について
  3. IASBリエゾン国会議の対応について

報告事項

  1. 会社法プロジェクト(仮称)の設置について
  2. 国際対応専門委員会の議事概要について
  3. 監査委員会報告第69号の改正について(日本公認会計士協会)

議事概要

(1)「事業分離等に係る会計処理に係る論点の整理(案)」について

標記の論点整理(案)の公表に関する審議が行われた。西川副委員長及び秋葉専門研究員による原案の概要説明の後、審議・採決が行われ、字句等の修正については委員長に一任することを前提に、出席委員11名全員の賛成をもって、原案を公表することが承認された。(最終的な公表物につきましては、「『事業分離等に係る会計処理に関する論点の整理』の公表について」をご参照下さい。)

(2) 企業結合専門委員会における検討状況について

西川副委員長及び布施専門研究員より、企業結合専門委員会における検討状況について説明が行われた。今回は、無形資産及び研究開発費への原価配分について説明がなされ、その後、質疑応答等が行われた。

また、これとは別途、企業再編に係る会計基準等に関する「論点整理」の公表時期の延期について説明が行われた。具体的には、関連法制(商法及び税法)の改正時期が当該会計基準等の適用時期とほぼ同時期になることが想定されるため、それら諸制度の改正に関する方向性等を確認した上で対応を図る(論点整理の公表時期を数ヶ月延期し、その公表形式についてもその時点で改めて検討する)こととしたいとの提案がなされ、その旨、了承された。なお、関連法制の影響を受けない部分については、その検討状況を早目に公表する等の対応がとれるか否かを、今後の検討過程において見極めていくこととされた。

なお、審議における主な発言内容は以下のとおりである。

  • 無形資産の取扱いについては、本プロジェクトでは基本的な考え方を逸脱しない範囲での必要と思われる言及をするに留め、その取扱いについてあまり詳細な規定は設ける必要はないと思われる。
  • 研究開発費の取扱いについては、今後、更に検討・整理していく必要があると思われる。
  • 公表時期の延期はやむを得ないと思うが、延期の期間が長引くような場合には、その時点における議論の状況を集約したものを、何らかの形で公表することを検討してもいいのではないか。
(3) IASBリエゾン国会議の対応について

西川副委員長及び荻原専門研究員より、4月26日及び27日に開催される第8回IASBリエゾン会議の議事対応(各議題の紹介及び各議題への対応方針等)について説明がなされ、その後、質疑応答等が行われた。

なお、審議における主な発言内容は以下のとおりである。

  • IASBにおける共同プロジェクト等のいずれかに、日本が参画する予定はないのか。
  • (上記の質問に対して)日本にとって意味のあるプロジェクトに重点的に参画したいという方針でいる。現段階で結論は出ていないが、概念に関係したプロジェクト、特に、包括利益(業績報告)プロジェクトへ参画したいとの意向を伝えている。
(4) 会社法プロジェクト(仮称)の設置について

西川副委員長より、今後、公表が想定される「会社法制の現代化に関する要綱」について、会計上の論点の抽出作業を行うこと等を目的とした研究(会社法プロジェクト(仮称))を開始する旨の報告が行われた。

(5)国際対応専門委員会の議事概要について

西川副委員長より、第28回国際対応専門委員会の議事概要について報告が行われた。

(6) 監査委員会報告第69号の改正について(日本公認会計士協会)

小宮山委員より、日本公認会計士協会からの報告事項として、監査委員会報告第69号「販売用不動産等の強制評価減の要否の判断に関する監査上の取扱い」の改正について報告が行われた。(なお、本件においては、日本公認会計士協会から公表されている同名の資料を審議資料として使用した。)

以上