ASBJ 企業会計基準委員会

第49回企業会計基準委員会議事要旨

日時 2004年1月27日(火) 13時30分~15時20分
場所 財務会計基準機構 会議室

議題

審議事項

  1. 「役員賞与の会計処理に関する当面の取扱い(案)」について【議決予定】
  2. 「不動産の売却に係る会計処理に関する論点の整理(案)」について
  3. 実務対応報告公開草案「法人事業税における外形標準課税部分の損益計算書上の表示についての実務上の取扱い(案)」に対するコメントについて

報告事項

  1. 国際対応専門委員会の議事概要について

議事概要

(1) 「役員賞与の会計処理に関する当面の取扱い(案)」について

標記の公開草案の公表に関する審議が行われた。西川副委員長及び秋葉専門研究員による原案の概要説明の後、審議・採決が行われ、本件の緊急性に鑑みコメント募集期間を1ヶ月未満とすること及び最終的な字句等の修正については委員長に一任することを前提に、出席委員13名全員の賛成をもって、原案を公表することが承認された。(最終的な公表物につきましては、「実務対応報告公開草案第12号『役員賞与の会計処理に関する当面の取扱い(案)』の公表について」をご参照下さい。)

なお、審議における主な発言内容は以下のとおりである。

  • 当面の対応として発生時の費用処理と従来の慣行による取扱い(利益処分による会計処理)の双方を認めることとした理由を、単に現行実務の混乱を避けるためと誤解されないように、商法との調整等、未だ検討を要する事項が残されていることなどを記載しておいたほうがよいのではないか。
  • 費用処理を行う場合、子会社等について、実質的に債務が確定しているようなときには、引当金でなく、未払計上とすることも認めるべきではないか。
(2) 「不動産の売却に係る会計処理に関する論点の整理(案)」について 

都委員及び古内研究員より、前回までの議論を反映(内容の修正等)させた標記の論点整理(案)について説明がなされ、これを受けて審議が行われた。審議の結果、次回の委員会において、今回の議論を踏まえて修正を行った原案につき最終的な審議を行った上で、本論点整理(案)の公表の議決を目指すこととされた。

なお、審議における主な発言内容は以下のとおりである。

  • 売却後の賃借取引(いわゆる、セール・アンド・リースバック取引)は、売手の継続的関与にほかならないと断言しており、基本的に全て継続的関与に該当するかのような表現になっているが、継続的関与に該当するか否かは、その賃借取引の内容如何によるのではないのか。
  • (上記の発言に対して)この論点整理(案)では、売却した物件につき、売手が賃借し継続して使用する場合には、その程度や内容の如何を問わず、全て売却後の売主の継続的関与と整理している。しかし、継続的関与があっても直ちに特定の会計処理に結び付くわけではない、というのはご指摘のとおりであり、どのような内容のどの程度の継続的関与があれば、どのような会計処理に結び付くのかという点がまさに検討課題となっている。
  • 本論点整理が対象としている範囲について、一見して読み取りにくいところ(特に「信託」が絡む部分)があるので、はっきりさせたほうがよい。
(3) 実務対応報告公開草案「法人事業税における外形標準課税部分の損益計算書上の表示についての実務上の取扱い(案)」に対するコメントについて

都委員及び湯川専門研究員より、標記の公開草案に対して寄せられたパブリック・コメントの内容及びそれらへの対応案について説明がなされ、これを受けて審議が行われた。審議の結果、公開草案の内容を大きく変更することはしないこととされ、次回の委員会において、コメントへの対応案等を反映させた原案につき審議を行った上で、最終公表物の議決を行うこととされた。

(4) 国際対応専門委員会の議事概要について

西川副委員長より、第25回国際対応専門委員会の議事概要について報告が行われた。

以上