ASBJ 企業会計基準委員会

第46回企業会計基準委員会議事要旨

日時 2003年12月5日(金) 13時30分~16時00分
場所 (財)財務会計基準機構会議室

議題

審議事項

  1. 役員賞与の会計処理について
  2. 法人事業税における外形標準課税部分の損益計算書上の表示について
  3. 不動産の売却に係る会計処理に関する論点の整理(案)について

報告事項

  1. IASB会議報告
  2. SAC(IASB基準諮問会議)報告

議事概要

(1) 役員賞与の会計処理について

西川副委員長及び秋葉専門研究員より、前回までの議論を踏まえた最終公表物(案)の具体的な内容等に関する説明がなされたのち、前回(第45回)合意が得られなかった最終公表物の形態(会計基準あるいは実務対応報告)及びそれに絡む適用時期を主な論点として審議が行われた。

審議における主な発言内容は以下のとおりである。

  • 会計基準として強制する場合には、拙速な対応は避けるべきである。本件の適用対象となる企業は未だ少数であり、まずは適用範囲を限定した実務対応報告として公表し、基準化に向けた議論は別途継続して行っていくというやり方もあるのではないか。
  • 発生時に費用処理するという取扱いは、長年の実務慣行を変えるものであり内容的には非常に重要な意味を持つものであるため、会計基準とするべきである。但し、適用時期については、実務への配慮が必要と思われる。

審議の結果、最終公表物の形態は会計基準とし、次回の委員会において、公開草案(案)の内容を審議の上で、公表の議決を目指すこととされた。

(2) 法人事業税における外形標準課税部分の損益計算書上の表示について

本件は、前回(第45回)の委員会において当委員会でテーマとして採り上げることが承認され、これを受けて実務対応専門委員会において検討が行われていたものである。まず、都委員及び湯川専門研究員より、専門委員会における検討結果(付加価値割及び資本割を原則として販管費に表示)及びその事由等について説明がなされたのち、審議が行われた。審議の結果、専門委員会での検討結果の内容で合意が得られ、次回の委員会において、公開草案(案)の公表の議決を目指すこととされた。

(3) 不動産の売却に係る会計処理に関する論点の整理(案)について

本論点整理(案)は、これまでの委員会での審議結果(1,原則的な考え方を定めた会計基準の構築を目指す 2,個別の取引に関する取扱いについては、その次の段階でその必要性等を含めて改めて委員会で審議を行う)を踏まえて作成したものである。まず、都委員及び古内研究員より、本論点整理(案)のうち、専門委員会において既に検討が行われた部分について説明がなされたのち、審議が行われた。

審議における主な発言内容は以下のとおりである。

  •  本プロジェクトが目指す最終的な成果(会計基準の構築)は、現行の個別取引に関する取扱い(JICPAの実務指針等、監査上の取扱いなど)に多大な影響を与える可能性がある。この点については十分に配慮して議論を行っていくこととなっているが、改めてその点を認識し、慎重に作業を進めていくべきである。
  • 本論点整理(案)は、必ずしも現行実務を否定するものではなく、基本的に現行実務の基礎となっている考え方を抽出してコンセプトとして作り上げ、原則的な考え方を定めていこうとしているものである。したがって、論点整理(案)を公表した段階で直ちに実務に影響を与えるとは思えないが、そうした懸念も念頭に置いて議論を進めていく必要がある。
(4) IASB会議報告

山田IASB理事より、11月のIASB会議の報告が行われた。

(5) SAC(IASB基準諮問会議)報告

樋口専門研究員より、11月(20~21日)に開催されたSAC会議(IASB基準諮問会議)の報告が行われた。

以上