ASBJ 企業会計基準委員会

第23回企業会計基準委員会議事要旨

日時 2002年11月29日(金) 10時00分~12時00分
場所 (財)財務会計基準機構会議室

議題

審議事項

1. リース会計に関する検討

リース会計専門委員会で現在、議論されている「所有権移転外ファイナンス・リースにおける例外処理」について論点の概要及び例外処理を廃止した場合の借手・貸手における論点等について小賀坂専門研究員より説明がなされた。その後、意見交換が行われた。

本件については12月17日にリース会計専門委員会との合同会議を開催し、参考人からの意見聴取等を行う予定である。
委員の主な発言は以下の通りである。

  • リース取引において借手が本来、資産計上すべきであることはリース取引の会計基準が作成された10年前の議論において、結論付けられているところであり、再度、同じ議論を行う必要性があるか。
  • 数値基準により恣意的になりがちであるという問題については実務指針において「おおむね90%」、「おおむね75%」という実質的な判断を入れることにより手当てされていると思われる。
  • リース取引において借手が資産計上しなければならない場合、「300万円基準」を満たさない少額の固定資産も含めて、受け払いデータを処理する必要があるので、多大のコストがかかると考えられる。
  • 税法と差異が生じた場合、実際の取引に影響を与えるため、重要な問題である。
    税効果があるから是正できるという性格のものではない。
2. 「ストック・オプション会計に係る論点の整理(案)」について

標記論点の整理(案)の概要について豊田専門研究員より説明がなされた後、意見交換が行われた。

本論点の整理(案)については次回の企業会計基準委員会にて採決を行う予定である。

審議の主な内容は以下の通りである。

  • 「測定の基準日」の論点における「勤務日説」と「権利付与日説」又は「権利確定日説」との違いについて「勤務日説」は勤務に応じて、その都度ストック・オプションが発行されていると考えるという点で、権利確定日に一括してストック・オプションが発行されると考える「権利確定日説」とは異なっている。また、「勤務日説」は勤務に従って当初認識し、その都度、ストック・オプションの価値を測定するという点で、権利付与日の株価をもって固定して測定する「権利付与日説」とは異なっていることが説明された。
  • 今回の論点整理は会計基準を開発する際に方向性を左右するような論点を取り上げることとしたため、費用配分については本論点整理に取り上げないこととしたことが説明された。
3. 実務対応報告公開草案「連結納税制度を適用する場合の税効果に関する当面の取扱い(その2)(案)」について

今給黎専門研究員より標記実務対応報告公開草案の論点である「連結納税会社の個別財務諸表における法人税に係る繰延税金資産の回収可能性の判断」について設例を用いて説明がなされた。その後、意見交換が行われた。

本実務対応報告公開草案は次回の企業会計基準委員会にて採決を行う予定である。

審議の主な内容は以下の通りである

  • 連結納税制度に関する実務対応報告(第4号、第5号及び本公開草案)については、今後、基本通達等が出され、さらに検討を要する論点がないことが確認された時点で1つに取り纏めることが説明された。
4. 専門委員の選任及び退任について

企業会計基準委員会の委員の異動に伴う専門委員会の専門委員の選任及び退任について西川副委員長より説明がなされ、承認された。

報告事項

1. IASBリエゾン国会議出席報告

10月27、28日の両日、ロンドンで開催された標記会議の概要について荻原専門研究員より報告がなされた。

2. IASB会議の報告
3. 第13回国際対応専門委員会の議事概要について

上記報告事項2及び3については資料の配布をもって報告とされた。

以上