ASBJ 企業会計基準委員会

第8回企業会計基準委員会議事要旨

日時 2002年1月29日(火) 13時30分~15時50分
場所 (財)財務会計基準機構会議室

議題

審議事項

  1. 企業会計基準適用指針「退職給付制度間の移行等に関する会計処理(案)」について
  2. 実務対応専門委員会に関する公開草案の公表について
  3. 自己株式等専門委員会の公開草案に対するコメントへの対応について

議事概要

1. 企業会計基準適用指針第1号「退職給付制度間の移行等に関する会計処理」について
  • 秋葉専門研究員より、新年金法対応専門委員会における本件公開草案(内容については「企業会計基準適用指針公開草案第3号 退職給付制度間の移行等に関する会計処理(案)」の公表を参照のこと。)に係るパブリック・コメントの内容分析とそれに対する検討状況の報告並びに同適用指針案の内容・経過措置等の説明がなされ、質疑応答・意見交換が行われた。
    なお、同公開草案に対するパブリック・コメントは計21件受領している。
  • 審議の後、採決が行われ、細かい字句等の修正に関しては委員長に一任の上、適用指針案は、出席委員13名全員の賛成により承認された。なお、制度終了の認識時点等の問題については、今後実務対応専門委員会において検討し、実務対応報告として取りまとめることとされ、これも承認された。
  • 同適用指針の内容については、「企業会計基準適用指針第1号 退職給付制度間の移行等に関する会計処理」の公表をご参照いただきたい。
  • 本件審議に際しての各委員よりの主な発言は以下の通り。
    • 「この適用指針では、経過措置と退職給付の大幅減額についてのみ注記を求める旨の記載があるが、財務諸表等規則はともかく、商法計算書類規則には退職給付会計関連の注記についての規定がない。この指針は、商法計算書類にも適用されるから、その点はどう考えたらよいのか。」
    • 「退職給付の問題は、企業経営に極めて大きな影響を与えると考えられるが、この適用指針の検討に際して、そのインパクトについての検討は行ったのか。あるいは、検討に際して、この指針が制度移行の阻害要因にならないようにするというような観点はあったのか。」
    • 「費用処理した場合、これを特別損益とするかどうかは、会計基準変更時差異の処理と同様の判断でよいのか。」
    • 「退職給付の大幅減額についての取扱いは、これが大規模な経営改善計画の一環でなされたような場合には、損益を一時に認識する方法が選択できるという意味なのか、あるいは実態がそうであれば認識しろという意味なのか。」
2. 実務対応専門委員会に関する公開草案の公表について
  • 1月21日の実務対応専門委員会で、「新株予約権及び新株予約権付社債に関する会計処理」に関する公開草案の提出が了承されたのを受けて、斎藤委員長より、同公開草案を公表したいとの提案がなされた。これは、昨年11月の商法改正で新たに新株予約権及び新株予約権付社債の規定が設けられたのを受け、これらの会計処理についての当面の取扱いを明らかにするべく検討を行っているものである。
  • 続いて上田専門研究員より同公開草案の内容等について説明がなされ、審議が行われた。
  • 審議の後、同公開草案についての採決が行われ、出席委員11名全員の賛成で公表が承認された。
  • 同公開草案の内容については、「実務対応報告公開草案第1号 新株予約権及び新株予約権付社債に関する会計処理(案)」の公表をご参照いただきたい。
  • 本件審議に際しての各委員よりの主な発言は以下の通り。
    「新株予約権と社債とを同時に募集し、両者を同時に割り当てていない場合とはどのような場合を指すのか。」
3. 自己株式等専門委員会の公開草案に対するコメントへの対応について
  • 小賀坂専門研究員より、自己株式等専門委員会における本件公開草案(内容については公開草案「自己株式及び法定準備金の取崩等に関する会計基準(案)」等を参照のこと。)に係るパブリック・コメントの内容分析及びそれに対する検討状況について報告があり、質疑応答・意見交換が行われた。
    なお、同公開草案に対するパブリック・コメントは、計34件受領している。

以上