ASBJ 企業会計基準委員会

第5回企業会計基準委員会議事要旨

日時 2001年12月18日(火) 10時00分~12時20分
場所 (財)財務会計基準機構会議室

議題

審議事項

  1. 会計基準等の名称・様式・公表方法等について
  2. 自己株式等専門委員会に関する公開草案の公表について
  3. 新年金法対応専門委員会における議論について
  4. ゴーイング・コンサーンの開示に関する扱いについて
  5. 実務対応専門委員会における議論について(商法等の一部改正に係る会計上の論点および連結納税制度の導入に係る会計上の論点)

議事概要

1. 会計基準等の名称・様式・公表方法等について
  • 前回の委員会に引き続いて、当委員会の公表する会計基準等の名称・様式・公表方法等について、山田常勤委員より説明がなされた。なお、その内容については、会計基準等の開発・公表の手続きについて、企業会計基準適用指針の開発についての当面の対応をご参照いただきたい。
  • 上記説明を受け、審議の結果、名称・様式・公表方法等について同案通り了承された。その際の各委員よりの主な発言は以下の通り。
    「当委員会の論点整理は、必要に応じて公表するとされているが、時間が許すのであれば、できる限り論点整理も公表する方がよいと思う。」
2. 自己株式等専門委員会に関する公開草案の公表について
  • 12月7日の自己株式等専門委員会で、公開草案の提出が了承されたのを受けて、斎藤委員長より、同公開草案を公表する旨及び案件の緊急性に鑑み事前の論点整理を省略するとともに公表期間を来年1月18日までとしたい旨の提案がなされた。
  • 続いて小賀坂専門研究員より同公開草案の内容等について説明がなされ、審議が行われた。
  • 審議の後、同公開草案についての採決が行われ、全会一致で公表が承認された。なお、同公開草案の内容については、公開草案「自己株式及び法定準備金の取崩等に関する会計基準(案)」等をご参照いただきたい。
  • 審議に際しての各委員よりの主な発言は以下の通り。
    「その他資本剰余金の処分による配当を受け取った側の会計処理に関して、具体的な設例を追加してはどうか。」
    「この基準案では適用時期を4月1日からとしているが、資本の部の区分の変更に伴い、特に連結財務諸表においては準備期間が必要であり、何らかの経過措置を設ける必要があるのではないか。」
    「「結論の根拠」には根拠以外のものも含まれるため、名称を再考すべきではないか。」
    「連結財務諸表で資本剰余金計算書を作成するのであれば、これを機に株主持分計算書の導入を検討すべきではないか。」
3. 新年金法対応専門委員会における議論について
  • 秋葉専門研究員より、12月11日(火)に開催された第1回同専門委員会における審議状況についての報告(内容については、第1回 新年金法対応専門委員会の議事概要についてをご参照いただきたい。)がなされ、意見交換が行われた。その際の各委員よりの主な発言は以下の通り。
    「本件は、中小企業を含め、非常に多数の企業の経営判断に影響が及ぶと考えられる。会計基準が確定拠出型へのスムーズな移行の障害にならないよう、経過措置あるいは代替的処理等について十分に配慮すべきである。」
4. ゴーイング・コンサーンの開示に関する扱いについて
  • 西川副委員長より、当委員会におけるゴーイング・コンサーンの開示に関する扱いについて説明がなされた。内容は以下の通り。
    本件はテーマ協議会よりの提案テーマであるが、開示についての基本的考え方は、すでに企業会計審議会において検討されており、その成果は改訂される監査基準に織り込まれるとともに内閣府令にも書き込まれる予定である。従って開示要請の規範性が確保されれば、それ以上に具体的な指針等は必ずしも必要はないものと考えられる。また、本件は中長期的には当委員会で検討するような問題と考えられるが、現状、記載例までを含む詳細な規定を短期間で検討し、結論を出すことは困難と思われる。よって、今回は当委員会では取り上げず、監査人のための開示指針として日本公認会計士協会に作成をお願いすることが考えられる。
  • 上記説明を受けて、意見交換並びに審議が行われ、本件は承認された。その際の各委員よりの主な発言は以下の通り。
    「将来、この委員会でゴーイング・コンサーンの開示について取り上げることになった場合には、もう少し広い意味での不確実性の開示というようなとらえ方で考えるべきであろう。」
5. 実務対応専門委員会における議論について
  • 現在、同専門委員会において検討されている「商法等の一部改正に係る会計上の論点について」及び「連結納税制度の導入に係る会計上の論点について」の検討状況についての報告が、それぞれ上田専門研究員及び木村専門研究員より行われ、質疑応答がなされた。

  • なお、その際の各委員よりの主な発言は以下の通り。
    「従来転換社債の処理は、一括法の選択適用が認められており、実務界もそれに馴染んでいるので、今回の会計処理の検討に際しても引き続き一括法が適用できるようにして欲しい。」
    「連結納税制度に特有の回収可能性の判断やタックス・プランニングの考え方については、それらが現在の実務指針の中で処理可能なものかどうかをよく検討する必要があるのではないか。」

    以上