ASBJ 企業会計基準委員会

実務対応報告第15号
「排出量取引の会計処理に関する当面の取扱い」の公表

平成16年11月30日
企業会計基準委員会

地球温暖化防止を目的とし、国ごとに二酸化炭素などの排出量削減義務を具体的に数値目標として定めた京都議定書(<参考>1参照)は、平成17年2月に発効することが見込まれ、これにより我が国は排出量削減の約束を達成する必要が生じることになります。この約束達成に関連して、国内制度として、企業ごと又は業界ごとに排出量削減義務を課すかどうかについて議論されてきておりますが、個々の企業においては、既に自主的な排出量削減に対する取組みがなされております。

こうした中、近時、排出量取引、すなわち、自主的な行動計画として設定した数値目標や将来何らかの義務が課された際の数値目標を達成するための補完的手段として、京都メカニズム(<参考>2及び3参照)におけるクレジット(以下「排出クレジット」という。)を獲得し、これを排出量削減に充てることを想定した取引や、第三者へ販売するために排出クレジットの獲得を図る取引が見受けられます。このような排出クレジット獲得のための支出等に関する会計処理を明確にすべきという意見があることから、企業会計基準委員会(以下「当委員会」という。)では、当面必要と考えられる実務上の取扱いを検討してまいりましたが、平成16年11月26日の第69回企業会計基準委員会において、標記の実務対応報告(以下「本実務対応報告」という。)の公表を承認しましたので、公表いたします。

本実務対応報告につきましては、平成16年9月29日に公開草案を公表し、広くコメントの募集を行った後、当委員会において寄せられたコメントを検討し、公開草案の修正を行った上で公表するに至ったものです。

以上

専門研究員等による解説文

実務対応報告第15号「排出量取引の会計処理に関する当面の取扱い」の解説