ASBJ 企業会計基準委員会

「中小企業の会計に関する指針」の改正に関する公開草案等の公表について

平成27年10月2日
日本公認会計士協会
日本税理士会連合会
日本商工会議所
企業会計基準委員会

コメントの募集

日本公認会計士協会、日本税理士会連合会、日本商工会議所及び企業会計基準委員会の関係4団体が主体となって設置された「中小企業の会計に関する指針作成検討委員会」(以下「委員会」という。)は、「中小企業の会計に関する指針」(以下「中小会計指針」という。)について、主として明確化の観点から見直しを行いました。この度、委員会において、中小会計指針の改正に関する公開草案(以下「本公開草案」という。)が承認されましたので、本日公表いたします。

本公開草案の公表は、改正点について広くコメントをいただくことを目的とするものです。コメントは、平成27年11月2日(月)までに、原則として電子メールにより、下記のいずれかの団体へお寄せください。なお、個々のコメントについては、直接回答しないこと、各団体のホームページ等で公開する場合があること、氏名又は名称が付されていないコメントは有効なものとして取り扱わないことを、あらかじめご了承ください。

関係4団体においては、我が国の経済の好循環を実現していくためには中小企業の果たす役割が重要であると認識しております。この点を踏まえ、中小会計指針を取引実態に合わせたより利用しやすいものとするために、継続的に見直しを行っており、今回の見直しもその一環です。これにより、中小企業における会計の質の向上、ひいては持続的な経済社会の成長と経済基盤の整備に貢献してまいりたいと考えておりますので、ご協力いただきますようお願い申し上げます。

本公開草案における改正点

本公開草案では、誤謬の訂正の注記において、企業会計基準第24号「会計上の変更及び誤謬の訂正に関する会計基準」に基づく会計処理を行わない場合には、当該注記が要求されないことを明確化しました(第82項)。また、重要性の原則(第9項(2))、固定資産の減損会計(第36項)、税効果会計(第61項)に関する記載についても明確化を図る観点から見直しを行いました。これらの見直しは、従来の取扱いについて変更することを意図するものではありません。

なお、各項目の改正提案の趣旨につきましては、本プレスリリースの「別紙」をご参照ください。

「今後の検討事項」(資産除去債務)の取扱いに関する検討

企業会計基準第18号「資産除去債務に関する会計基準」(以下「資産除去債務会計基準」という。)では、有形固定資産の除去に関して法令等で要求される義務(例えば、不動産の賃貸借契約における原状回復義務や建物等のアスベストの除去義務など。以下「資産除去債務」という。)についての会計処理を定めています。

資産除去債務会計基準については、本公開草案参考資料60ページの「今後の検討事項」において「本指針における資産除去債務の取扱いについては、今後の我が国における企業会計慣行の成熟を踏まえつつ、引き続き検討することとする。」としております。

委員会は、資産除去債務会計基準が金融商品取引法適用会社等に対して適用されてから5年が経過したことを勘案し、今後、「今後の検討事項」として記載しております資産除去債務を「各論」の一項目として取扱うかどうかについて、中小企業関係者の意見を踏まえ、コスト・ベネフィットも考慮して検討を行っていくことを考えております。