ASBJ 企業会計基準委員会

IASBが新たなIFRS会計基準書で要件を満たす子会社の財務報告を簡素化

2024年5月9日

国際会計基準審議会(IASB)は、本日、子会社についての新しいIFRS会計基準書を公表した。IFRS第19号「公的説明責任のない子会社:開示」は、要件を満たす子会社がIFRS会計基準を削減した開示で使用することを認めている。IFRS第19号の適用は、子会社の財務諸表の利用者にとっての情報の有用性を維持しつつ、子会社の財務諸表の作成コストを低減させるであろう。

親会社がIFRS会計基準に準拠した連結財務諸表を作成する際に、子会社は親会社にIFRS会計基準を使用して報告を行うことを要求される。しかし、子会社自身の財務諸表においては、子会社はIFRS会計基準、IFRS for SMEs会計基準又は国内の会計基準のいずれかを使用することが認められる。

自身の財務諸表にIFRS for SMEs会計基準又は国内の会計基準を使用する子会社は、2組の会計記録を保持していることが多い。これらの基準における要求事項はIFRS会計基準における要求事項と異なっているからである。

自身の財務諸表にIFRS会計基準を使用する子会社は、自社の財務諸表利用者の情報ニーズには不釣り合いである可能性のある開示を提供している。

IFRS第19号はこれらの課題を次のことによって解決する。

  • 子会社が1組の会計記録のみを保持することができるようにする ― 親会社と自社の財務諸表の利用者の両方のニーズを満たすため
  • 開示要求の削減 ― IFRS第19号は、子会社の財務諸表の利用者のニーズへの適合性がより高い削減した開示を認めている。

アンドレアス・バーコウIASB議長は次のように述べた。

「IFRS第19号は、利用者の情報ニーズを満たしつつ、財務報告の生態系におけるコスト(特に企業にとっての)を削減する。グローバルな財務報告言語をグループ全体に適用することを認めることによって、子会社についての報告を簡素化している。」

子会社は、公的説明責任がなく親会社が連結財務諸表においてIFRS会計基準を適用している場合には、IFRS第19号iを適用する要件を満たす。子会社は、証券取引所に上場されている株式又は債券がなく、外部者の広範なグループに対する受託者の立場で資産を保有していない場合には、公的説明責任を有していない。

基準書へのアクセス

IFRS第19号及び結論の根拠は、IFRS Digitalの購読者が入手可能である。IFRS Digitalの購読権又は本基準書のPDF版は、我々のウェブショップから購入できる。

補助資料へのアクセス

IFRS第19号の導入への支援は、IFRS 19 implementationのウェブページ通じて利用可能である。

以下の文書は、IFRS第19号とともに、完了プロジェクトのページから入手可能である。

リンダ・メゾン=ハッターIASB副議長と、国際作成者フォーラムの議長でRoche社の会計・連結・外部報告の責任者であるイアン・ビショップ氏がIFRS第19号の便益を論じているビデオはこちら


i  IFRS第19号は、当該法域でのエンドースメントを条件に、直ちに利用可能である。

以 上