ASBJ 企業会計基準委員会

IFRS財団評議員会が、サステナビリティ報告に対する国際的アプローチ及び財団の考えられる役割について公開協議

2020年9月30日

IFRS財団評議員会が協議ペーパーを公表した。国際的なサステナビリティ基準に対する需要を評価し、需要が強い場合には、財団がそうした基準の開発に貢献し得るかどうか及びどの程度まで貢献し得るのか評価するためである。

IFRS財団は、国際的に受け入れられる会計基準の単一のセットを開発するために設立された。140以上の法域で使用が要求されている財務報告基準であるIFRS基準の背後にある機関である。評議員会は、財団の戦略的方向性及びガバナンスとともに、IFRS基準を設定する国際会計基準審議会の監督に責任を負っている。

環境・社会・ガバナンス(ESG)事項への焦点の高まり、サステナビリティ報告の進展及びそうした報告の標準化を求める要望の増大の中で、評議員会は、国際的なサステナビリティ基準の必要性について利害関係者のインプットを求め、財団がそうした基準の開発において役割を果たすことに対する支持を測定しようとしている。

協議ペーパーは、財団が国際的なサステナビリティ基準の開発に貢献する可能性のある考えられる方法を示している。財団の現在の任務を財務報告基準の開発を超えて拡大し、国際的な基準開発における経験、十分に確立され支持されている基準設定プロセス及びガバナンス構造を利用することによるものである。

このペーパーに示されている1つの考えられる選択肢は、新しいサステナビリティ基準審議会を設置することである。新しい審議会は、国際会計基準審議会とともに同じ3層のガバナンス構造の下で運営し、既存の進展を基礎にして、サステナビリティにおける他の機関及び取組みと協力し、最初は気候に関連した事項に焦点を当てることが考えられる。

IFRS財団評議員会のエルッキ・リーカネン議長は次のように語った。

「サステナビリティ及び気候変動の問題についての報告の標準化と比較可能性を求める要望は、これらの事項が資本市場に対してますます重要となるにつれて、増大し続けている。したがって、我々は、国際的なサステナビリティ基準に対する需要があるのかどうか及びIFRS財団がそうした基準の開発において役割を果たすべきかどうかを評価しようとしている。」

協議ペーパーは、新しい審議会の設置のための不可欠の成功要因を示している。これには、公的機関及び市場参加者からの十分な支持の獲得、報告の領域における地域的な取組みとの協力によるグローバルな一貫性の達成及び複雑性の低減、適切な水準の資金調達の達成、IFRS財団の現在の使命が損なわれないことの確保が含まれる。

この協議は2020年12月31日までコメントを求めるため公開する。

評議員会は、財団の戦略について5年ごとに協議を行うことを要求されており、この協議ペーパーは、小人数のタスクフォースの作業に基づき、将来の戦略についての現在の評価を織り込んでいる。財団の任務の何らかの変更は、追加の公開協議の対象となる。

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協議ペーパーについて議論するウェブセミナーを公開協議の期間中に計画している。詳細の情報はプロジェクト・ページで公開する。

以 上


IFRS財団「サステナビリティ報告に関する協議ペーパー」 の日本語訳は以下からダウンロード可能です。この翻訳は、企業会計基準委員会スタッフが参考のために作成したものです。ご利用にあたっては、必ず原文をご参照ください。

なお、本資料はPDFファイルのみでの提供ですので、あらかじめご了承ください。

IFRS財団「サステナビリティ報告に関する協議ペーパー」