ASBJ 企業会計基準委員会

IASBが、covid-19に関連した賃料減免の借手の会計処理の助けとするためのリース基準の修正を公表

2020年5月28日

国際会計基準審議会(当審議会)は本日、IFRS第16号の修正を公表した。借手がcovid-19(新型コロナウィルス疾患)に関連した家賃免除や一時的な家賃減額などの賃料減免を会計処理することを容易にするためのものである。

この修正は、借手がcovid-19パンデミックの直接の結果として生じた賃料減免がリースの条件変更であるかどうかを検討することを免除し、そのような賃料減免を借手がリースの条件変更ではないかのように会計処理することを認めるものである。これが適用されるのは、covid-19に関連した賃料減免のうち2021年6月30日以前に期限が到来するリース料を減額するものである。

IFRS第16号は、借手がリース料の変更(賃料減免を含む)をどのように会計処理すべきかを定めている。しかし、それらの要求事項を大量となる可能性のあるcovid-19に関連した賃料減免に適用することは、特に利害関係者が当該パンデミックの間に直面する多くの課題を考えると、実務的に困難である可能性がある。この選択的な免除は、借手に適時な救済を与え、借手がリースに関して投資者に有用な情報を引き続き提供することを可能にする。この修正は貸手には影響を与えない。

この修正は2020年6月1日に発効するが、救済が最も必要とされる場合に利用できるようにするため、借手はこの修正を発行未承認のあらゆる財務諸表(期中でも年度でも)に適用することができる。

ハンス・フーガーホースト国際会計基準審議会議長は次のように述べた。

「この修正は、借手(特に多数のリース契約を有する借手)が、投資者に有用な情報を引き続き提供しながら、covid-19に関連した賃料減免を会計処理することを容易にするように設計されている。」

「Covid-19に関連した賃料減免」(IFRS第16号の修正)は、IFRS財団のcovid-19対応の一環として、無料で直ちにアクセスできる。

当審議会は本日、この修正に含まれている開示要求を反映するためにIFRSタクソノミを更新することも提案している。このIFRSタクソノミ・アップデート案は2020年6月29日までコメントを求めるため公開される。 

                                                                                                                                                                                                  以 上


「Covid-19に関連した賃料減免」の日本語訳は以下からダウンロード可能です。ご利用にあたっては、必ず原文をご参照ください。
基準の日本語訳は通常は掲載しておりませんが、この修正は緊急対応としてIFRS財団が原文を無料公開にしており、日本語訳も同様の取扱いといたしました。

なお、本資料はPDFファイルのみでの提供ですので、あらかじめご了承ください。

「Covid-19に関連した賃料減免」(IFRS第16号の修正)