IASBが保険契約の会計処理に関する改訂後の提案を公表

2013年6月20日

国際会計基準審議会（IASB）は、本日、保険契約の会計処理に関する提案の改訂公開草案を一般のコメントを求めるため公表した。本公開草案は2010年に公表した提案を基礎とし、当該提案の公表後の広範な公開協議の期間中に受け取ったフィードバックを反映している。

この改訂提案は、保険契約の会計処理について首尾一貫した基礎を提供し、財務諸表利用者が保険契約がどのように企業の財政状態、財務業績及びキャッシュ・フローに影響を与えているのかを理解するのを容易にする。2010年公開草案で提案したモデルはおおむね支持されたが、いくつかの具体的な論点が指摘され、IASBはそれらの解決を図ってきた。改訂提案は、人為的な会計上のボラティリティの最小化を図りつつ、保険契約の表示及び測定の拡充を導入することにより、それらの論点に対応している。

IASBが2001年に作業を開始したときには、国際会計基準（IAS）には保険契約に関する基準がなかった。欧州連合等による2005年の国際財務報告基準（IFRS）の採用に備えて、IASBは、保険契約に関する会計基準の包括的な見直しが完了するまでの暫定的な基準（IFRS第4号）を導入した。この包括的な見直しの第1段階は2007年にディスカッション・ペーパーの公表により開始し、その後、2010年に公開草案が一般のコメントを求めるために公表された。

改訂公開草案は、保険契約の会計処理に関する提案の全体を示している。しかし、コメント提出者は、IASBが2010年公開草案に対して受け取った回答の結果として変更した主要な領域についてのコメントを求められている。

本提案の公表についてのコメントとして、IASB議長Hans Hoogervorst氏は次のように述べた。

「我々は、保険契約の会計処理に首尾一貫性と透明性をもたらすためのこの重要なプロジェクトの終了に近づいている。本日公表した文書は、我々の以前の提案により生じる非経済的なボラティリティに関して示された懸念に対応している。

我々は、この大いに必要とされている基準を最終確定する前に、追加的なフィードバックを求めている。」

改訂公開草案は、2013年10月25日までコメントを募集している。コメントレターから受け取ったインプットに加えて、IASBは、アウトリーチ活動及び改訂提案のフィールドテストの追加的なプログラムを実施する。本提案のハイレベルの「スナップショット」要約は、こちらで入手できる。さらに、2013年6月25日に、IASBは2回のウェブキャスト生放送を午前10時と午後3時（ともにロンドン時間）に行う。追加的な情報（登録方法に関する詳細を含む）は、こちらで入手できる。

追加的情報（公開草案を含む）は、IASBのウェブサイトの「Open to comment」のページで入手できる。

以上

プレス関係の問合せ先

Mark Byatt, Director of Communications and External Affairs, IFRS Foundation
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Email: mbyatt@ifrs.org

Chris Welsh, Communications Manager, IFRS Foundation
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Email: cwelsh@ifrs.org

公開草案「保険契約」の日本語訳は以下からダウンロード可能です。この翻訳は、企業会計基準委員会スタッフが参考のために作成したものです。ご利用にあたっては、必ず原文をご参照ください。

なお、本資料はPDFファイルのみでの提供ですので、あらかじめご了承ください。