ASBJ 企業会計基準委員会

IASBが、開示フォーラムに関するフィードバック・ステートメントを公表、財務情報開示に関する行動の変化を求める

2013年5月28日

国際会計基準審議会(IASB)は、本日、財務情報開示に関してIASBが主催したフォーラムでの議論を要約したフィードバック・ステートメントを公表した。同時に、IASBは、財務報告開示の質と量に関する継続的な懸念に対処するため、作成者、規制機関、会計専門家及びIASBによる集団的な行動の触媒としての役割を果たすという願いを示した。

2013年1月に、IASBは公開フォーラムを主催した。財務開示の有用性と明瞭性を改善する方法に関して作成者、監査人、規制機関、財務諸表利用者とIASBとの間の対話を促進するためのものであった。このフォーラムの中で、これらの利害関係者グループの代表者は、財務情報開示の量の増大や、当該開示の質と有用性について認識されている低下の原因となってきた要因を議論した。参加者の間での議論で、改善を行うためには集団的な行動が必要であるという大まかな合意が示された。

このフィードバック・ステートメントは、それらの議論をそこから生じた施策の提言とともに要約している。IASBは、自らの責任に関して、次の3つの主要な領域で行動を取る意向である。

  1. IAS第1号の修正: IASBはIAS第1号「財務諸表の表示」の狭い範囲の修正を行い、財務報告書作成の際の作成者の判断行使に対する認識されている障害に対処する。
  2. 重要性: IASBは重要性に関する教育マテリアルを、諮問グループからのインプットにより開発する。
  3. 開示に関する別個のプロジェクト: IASBは、開示の有効性に関連した幅広い課題を、調査研究アジェンダの一部として検討する。

IASB議長Hans Hoogervorst氏は次のように述べた。

「多くの機関が、財務情報開示についての問題点に対処する方法に関する有用な報告書を作成してきた。我々や他の機関が、困難のいくつかを軽減するために我々の要求事項を改善する余地があることは間違いない。

しかし、重要な改善には、財務諸表がコンプライアンスではなくコミュニケーションのツールと見られるようにするための行動の変化が必要となる。これは、作成者が安全側に傾いて開示を『ありったけ並べる』理由の根本原因に対処することを意味する。

本日公表したフィードバック・ステートメントは、このような変化を導くための触媒としての役割を果たすという我々の願いを示している。」

フィードバック・ステートメント「討議フォーラム――財務報告開示」は、IFRS財団ウェブサイトでダウンロードできる。

以上

プレス関係の問い合わせ先

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「開示フォーラムに関するフィードバック・ステートメント」のうち“The IASB Response(IASBの対応)”部分日本語訳は以下からダウンロード可能です。この翻訳は、企業会計基準委員会スタッフが参考のために作成したものです。ご利用にあたっては、必ず原文をご参照ください。

「IASB 財務報告開示に関するディスカッション・フォーラムのフィードバック文書について(部分訳)」