ASBJ 企業会計基準委員会

IASBが、IFRS第9号の分類及び測定の要求事項の限定的な変更を提案

2012年11月28日

国際会計基準審議会(IASB)は、本日、IFRS第9号「金融商品」における金融商品に関する分類及び測定の要求事項の限定的な変更の提案を一般のコメントを求めるため公表した。

本提案は、金融商品の会計処理を刷新する広範なプロジェクトの一部を構成するものであり、当該プロジェクトの分類及び測定のフェーズの一部である。IASBは、新たな分類及び測定の要求事項を、金融資産については2009年、金融負債については2010年に公表した。しかし、2012年1月にIASBは、以下のことを行うための限定的な修正を検討することを決定した。

  • 狭い範囲の適用上の疑問点の明確化
  • 金融商品の会計処理における国際的な比較可能性の向上を達成するため、米国財務会計基準審議会(FASB)の暫定的な分類・測定モデルとの主要な差異の削減
  • 金融資産の分類及び測定と保険契約負債の会計処理との間の相互関係の考慮

IFRS第9号は基本的には健全なものであり、一部の企業は以前に公表されたIFRS第9号をすでに採用しているか又は採用の準備をしているため、IASBは要求事項の変更を最小限にするよう努めた。したがって、今回の修正は、IFRS第9号における事業モデル主導の分類の構造と整合している。本公開草案は、負債性金融商品について、企業の事業モデルに基づいて、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する測定区分(FVOCI)の導入を提案している。

IASB議長Hans Hoogervorst氏は次のように述べた。

「IFRS第9号が2009年に導入された際に、保険契約のモデルが十分に開発された時点でIFRS第9号と保険契約プロジェクトとの相互関係の再検討の考慮が必要となることが、我々には分かっていた。

さらに、この限定的な範囲の見直しにより、財務報告のこの重要な領域で、IFRSとUS GAAPを近づける提案をする機会が得られた。」

本公開草案はwww.ifrs.orgのプロジェクトのウェブサイト経由又は‘Comment on a proposal’ページ経由でアクセス可能である。本提案のハイレベルの要約はこちらで入手可能である。

以上

プレス関係の問い合わせ先

Mark Byatt, Director of Communications and External Affairs, IFRS Foundation
Telephone: +44 (0)20 7246 6472
Email: mbyatt@ifrs.org

Chris Welsh, Communications Manager, IFRS Foundation
Telephone: +44 (0)20 7246 6495
Email: cwelsh@ifrs.org



公開草案「分類及び測定:IFRS第9号の限定的修正(IFRS第9号(2010年)の修正案)」の原文は、IASBのウェブサイトの中の「分類及び測定:IFRS第9号の限定的修正」プロジェクトから入手が可能です。

公開草案「分類及び測定:IFRS第9号の限定的修正(IFRS第9号(2010年)の修正案)」の日本語訳は以下からダウンロード可能です。この翻訳は、企業会計基準委員会スタッフが参考のために作成したものです。ご利用にあたっては、必ず原文をご参照ください。

なお、本資料はPDFファイルのみでの提供ですので、あらかじめご了承ください。

公開草案「分類及び測定:IFRS第9号の限定的修正(IFRS第9号(2010年)の修正案)」の和訳