ASBJ 企業会計基準委員会

IASBがIAS第12号「法人所得税」の修正を公表

2010年12月20日

国際会計基準審議会(IASB)は、本日、IAS第12号「法人所得税」の修正を公表した。この修正は「繰延税金:原資産の回収」で示されているが、9月に一般からのコメントを求めて公表した公開草案での提案が基になっている。

IAS第12号では、繰延税金負債及び繰延税金資産の測定を、企業が資産の回収を見込んでいるのが当該資産の使用を通じてなのか売却を通じてなのかに従って行うことを要求している。資産がIAS第40号「投資不動産」における公正価値モデルで測定されている場合には、回収が使用を通じて行われるのか売却を通じて行われるのかを評価するのが困難で主観的となることがある。今回の修正は、帳簿価額の回収は通常は売却を通じて行われるという推定を導入することにより,この問題への実務的解決を与えている。

この修正の結果として、SIC第21号「法人所得税――再評価された非減価償却資産の回収」は,もはや公正価値で計上する投資不動産には適用されない。今回の修正では、これまでSIC第21号に含まれていた残りのガイダンスもIAS第12号に組み込んでいるため,SIC第21号は廃止となる。

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編集担当者への注釈

IASBについて

IASBの設立は2001年で、独立の民間非営利組織たるIFRS財団の基準設定機関である。IASBは、公益のため、高品質の国際的な会計基準(一般目的の財務諸表において高品質で透明かつ比較可能な情報を提供する)の単一のセットの開発に取り組んでいる。この目的に向け、IASBは広範な公開協議を行い、世界中の国際機関及び国内機関の協力を求めている。IASBには現在、11か国から選出された多様な職歴をもつ15名の常勤メンバーがおり、2012年までに16名に増員となる。メンバーはIFRS財団の評議員会により選任され、評議員会への説明責任を負う。評議員会に求められているのは、専門的能力と多様な国際的ビジネス及び市場の経験との最善の利用可能な組合せを選択することである。評議員会は、その職務上、当局者のモニタリング・ボードへの説明責任を負っている。