ASBJ 企業会計基準委員会

IASBが、金融資産の譲渡取引に関する認識の中止の開示要求の拡充を確定

2010年10月7日

IFRS財団の独立の基準設定主体である国際会計基準審議会(IASB)は、本日、オフバランスシート活動の包括的な見直しの一環として、IFRS第7号「金融商品:開示」の修正を公表した。

この修正により、財務諸表の利用者が金融資産の譲渡取引(例えば、証券化)に対する理解を向上させることができるようになる。これには、当該資産を譲渡した企業に残存する可能性のあるリスクにより生じ得る影響の理解などが含まれる。この修正は、不相応な金額の譲渡取引が報告期間末の近辺に行われた場合の追加的な開示も要求している。

この修正は、国際財務報告基準(IFRS)と米国の一般に認められた会計原則(US GAAP)の関連する開示要求をおおむね一致させるものである。

IASBは以前に、IAS第39号「金融商品:認識及び測定」における現行の認識の中止のモデルとIFRS第7号における関連の開示要求を置き換える提案を、一般のコメントを求めるために公表していた。しかし、受け取ったフィードバックに対応して、IASBは、現行の認識の中止の規定(IFRS第9号「金融商品」に織り込まれる予定である)を維持し、改善した開示要求を確定させることにした。新たな要求事項は、「開示――金融資産の譲渡」(IFRS第7号の修正)に収録されている。

この修正に対するコメントとして、IASB議長David Tweedie卿は次のように述べた。

「これらは、投資家がオフバランスシート・リスクをより良く理解するのに役立つとともに、報告期間末に生じたいわゆる「粉飾」取引の可能性について警告を与えるものともなる重要な開示要求である。」

IASBと米国財務会計基準審議会(FASB)は、さらに進めるべき作業を決定する前に、追加的な研究及び分析(FASBが最近修正した規定の適用後レビューを含む)を行う。

フィードバック・ステートメントが、ここをクリックすると入手できる。これはIASBが協議プロセスを通じて受けたフィードバックにどのように対応したかを要約したものである。新たな開示要求のポッドキャストによる紹介が、iTunes経由又はここをクリックすることにより入手できる。

プレス関係の問い合わせ先

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編集担当者への注釈

IASBについて

IASBの設立は2001年で、独立の民間非営利組織たるIFRS財団の基準設定機関である。IASBは、公益のため、高品質の国際的な会計基準(一般目的の財務諸表において高品質で透明かつ比較可能な情報を提供する)の単一のセットの開発に取り組んでいる。この目的に向け、IASBは広範な公開協議を行い、世界中の国際機関及び国内機関の協力を求めている。IASBには現在、10か国から選出された多様な職歴をもつ14名の常勤メンバーがおり、2012年までに16名に増員となる。メンバーはIFRS財団の評議員会により選任され、評議員会への説明責任を負う。評議員会に求められているのは、専門的能力と多様な国際的ビジネス及び市場の経験との最善の利用可能な組合せを選択することである。評議員会は、その職務上、当局者のモニタリング・ボードへの説明責任を負っている。