ASBJ 企業会計基準委員会

IASB、採掘活動に関するディスカッション・ペーパーに対してフィードバックを求める

2010年4月6日

国際会計基準審議会(IASB)は、本日、採掘活動に関する将来の国際財務報告基準(IFRS)に関する国際的調査プロジェクトの結果を、ディスカッション・ペーパー「採掘活動」として公表した。

オーストラリア、カナダ、ノルウェー及び南アフリカの会計基準設定主体のメンバーで構成された研究チームは、採掘活動に関する会計基準について考え得るアプローチを識別するために、広範囲の利害関係者と採掘活動に関する会計についての分析と議論を行った。本ディスカッション・ペーパーは、プロジェクト・チームの見解のみを内容としており、IASBの見解を示したものではない。本ディスカッション・ペーパーに対して受領した回答を検討した後、当審議会はこのプロジェクトをアクティブ・アジェンダに加えるかどうかを決定する。

採掘活動とは、企業が鉱物、石油あるいは天然ガスの探査及び最終的には採掘の際に行う活動である。採掘産業の分野では、採掘活動を行う企業が直面する不確実性による、いくつかの非常に特殊な課題が生じている。例えば、発見される可能性のある数量や、資源のアクセス及び採掘に伴うコストの評価などである。

現行の基準であるIFRS第6号「鉱物資源の探査及び評価」は、この研究プロジェクトの完成を待つ間の暫定基準として2004年に公表された。現行のIFRSは、鉱物又は石油及びガス資源の開発及び産出の会計を具体的に取り扱っておらず、採掘活動に伴うリスクの内容と程度を財務諸表の利用者が評価するのに役立つような具体的な開示要求も含まれていない。これらの問題に関するガイダンスがないため、採掘活動に従事する企業の会計処理と開示の実務は、業界ごと、法域ごと、及び企業の規模ごとに異なっていることが多い。

本日公表された文書は、採掘活動に関する基準が、これらの問題をどのように取り扱い、それにより財務諸表の目的適合性と比較可能性をどのように改善するかを議論している。Publish What You Pay 連合との継続的な議論を経て同グループから受け取ったフィードバックも検討した。

本ディスカッション・ペーパーの公表にあたって、Robert Garnett IASB理事は次のように述べた。

「鉱山及び石油・ガス会社は、世界最大の公開会社の一角であり、この分野の会計処理が透明で比較可能であることは、利用者と作成者にとって等しく重要である。このディスカッション・ペーパーは、国際的な研究チームの集中的な作業の成果であり、広範囲の業界からのインプットから多くの恩恵を受けている。このディスカッション・ペーパーの開発に関与されたすべての人々に感謝する。我々は、当審議会がこのプロジェクトをアクティブ・アジェンダに加えるべきかどうかについてのフィードバックを歓迎する。」

ディスカッション・ペーパー「採掘活動」は、コメント募集のために、2010年7月30日まで公開されている。本日から、www.iasb.org‘ Comment on a proposal’セクション経由でアクセスできる。購読者は、eIFRSのウェブサイトでも当該文書を見ることができる。

プレス関係の問い合わせ先 

Mark Byatt, Director of Corporate Communications, IASB,
Telephone: +44 (0)20 7246 6472,
Email: mbyatt@iasb.org

Sonja Horn, Communications Adviser, IASB,
Telephone: +44 (0)20 7246 6463,
Email: shorn@iasb.org

専門的な内容に関する問い合わせ先

Michael Stewart, Director of Implementation Activities, IASB
Telephone: +44 (0)20 7246 6922,
Email:mstewart@iasb.org

Glenn Brady, Project Manager, IASB
Telephone: +44 (0)20 7246 6460,
Email:gbrady@iasb.org

国際会計基準審議会(IASB)について

国際会計基準審議会(IASB)は、2001年に設立され、独立した民間の非営利組織である国際会計基準委員会(IASC)財団の基準設定機関である。IASBは、公益に資するよう、一般目的財務諸表において透明性があり比較可能な情報を提供する、高品質かつ国際的な会計基準の単一のセットを開発することを公約している。この目的を追求するため、IASBは、広範にわたる公開の協議を行っているほか、世界中の国際機関や各国機関と協力している。 IASBは、10か国から選ばれ、幅広い職務上の経歴を有している15名の常勤のメンバーから構成されている。2012年までに16名のメンバーに拡大される。メンバーは、IASC財団の評議員会から選任されるとともに、これに対して説明責任を負っており、専門的な能力と、国際的なビジネス及び市場に関する経験の多様性に関して、選択し得る最良の組み合わせを選択することが要求されている。彼らの作業において、評議員会は、公的機関のモニタリング・ボードに対して説明責任を負っている。