ASBJ 企業会計基準委員会

IASB、年金制度への前払いの会計処理の明確化を提案

2009年5月28日

 国際会計基準審議会(IASB)は本日、一般のコメントを募集するために、IFRIC第14号「IAS第19号―給付建資産の上限、最低積立要件及びそれらの相互関係」の修正を提案する公開草案を公表した。

本修正案は、IAS第19号「従業員給付」の解釈指針であるIFRIC第14号の意図しない結果を訂正することを目的としている。当該解釈指針の結果として、企業はある状況下では、最低積立拠出の一部の前払いを資産として認識することが認められない。

この問題は多くの関係者から懸念として提起されてもいる。本日公表された提案はそれらの懸念に対応しており、承認された場合、このIFRIC第14号の意図しない結果を改善することとなる。

本公開草案「最低積立要件の前払い」はIASBウェブサイトwww.iasb.orgの‘Open for Comment’セクションから入手でき、2009年7月27日までコメントを募集している。購読者はeIFRSsのウェブサイトで見ることもできる。本公開草案の印刷版(ISBN978-1-907026-06-5)は、IASC財団出版部から£10.00(及び郵送料)で、間もなく購入可能となる予定である。

IASCF Publication Department,
30 Cannon Street, London EC4M 6XH, United Kingdom.
Tel: +44 (0)20 7332 2730,
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Web: www.iasb.org

プレス関係の問い合わせ先 

Mark Byatt, Director of Corporate Communications, IASB,
Telephone: +44 (0)20 7246 6472,
Email: mbyatt@iasb.org

Sonja Horn, Communications Adviser, IASB,
Telephone: +44 (0)20 7246 6463,
Email: shorn@iasb.org

専門的な問い合わせ先

Andrea Pryde, Project Manager, IASB,
Telephone: +44 (0)20 7246 6491,
Email: apryde@iasb.org

国際会計基準審議会(IASB)について

国際会計基準審議会(IASB)は、ロンドンを拠点とし、2001年に業務を開始した。評議員会、すなわちIASC財団により、主要な会計事務所、世界中の民間の金融機関及び事業会社、中央及び開発銀行、並びに他の国際機関及び専門家組織から集められた寄付によって資金をまかなっている。その14人のメンバー(うち13人は常勤)は、9か国から選ばれ、幅広い職務上の経歴を有している。

IASBは、公益に資するよう、一般目的財務諸表において透明性があり比較可能な情報を提供する、高品質かつ国際的な会計基準の単一のセットを開発することを公約している。この目的を追求するため、IASBは世界中の会計基準のコンバージェンスを目指して各国会計基準設定主体と協力している。

IFRIC第14号について  

IFRIC解釈指針第14号「IAS第19号―給付建資産の上限、最低積立要件及びそれらの相互関係」は、国際財務報告解釈指針委員会(IFRIC)により作成され、2007年7月にIASBが公表した。当該解釈指針は資産として認識可能な積立超過に係るIAS第19号「従業員給付」の制限の評価方法についての一般的な指針を提供している。当該解釈指針はまた、法定又は契約上の最低積立要件がある場合に、年金資産又は負債がどのように影響を受け得るのかも説明している。

IFRIC第14号は2008年1月1日から強制適用となった。その年の終わりに、IFRICは年金制度への前払いの取扱いを明確にするよう要求を受けた。この論点は2008年11月にIFRICによって議論された。IFRICはこの論点が速やかに取り扱われることを望み、それゆえIASBに当該論点を持ち込み、IASBは1月の会議において議論した。IASBはIFRIC解釈指針案において通常の期間である60日の公開期間とすることを決定した。