ASBJ 企業会計基準委員会

IASB、2007-2009年次改善を完了

2009年4月16日

国際会計基準審議会(IASB)は本日、最新の一連の年次改善として、「IFRSの改善-12の国際財務報告基準(IFRS)改訂集」を公表した。

IASBは、他の主要なプロジェクトの一部に含まれない緊急ではないが必要とされるIFRSの改訂を行うために、年次改善プロジェクトを使用している。本日の公表に含まれている改訂は、2007年10月、2008年8月及び2009年1月に公表されたIFRSの改訂案の公開草案に含まれている論点を反映している。 改訂を断片的な変更の連作とせずに単一の文書で示すことにより、すべての関係者の変更に対する負担を軽減することをIASBは目指している。

別段の規定のある事項を除き、本改訂は2010年1月1日以後に開始する事業年度から適用され、早期適用は認められる。

2008年8月に公表した公開草案「IFRSの改善案」に対して受け取ったコメントの審議中に、IASBは、2つの論点については、追加的な分析が完了するまで再検討を延期することを決定した。 したがって、本日公表された文書をもって、当該3つの公開草案に含まれる他のすべての論点は、完了又はIASBの議題から削除された。

eIFRS購読者は本日から「IFRSの改善」を入手することができる 。eIFRSの購読希望者はwww.iasb.orgのオンラインショップ、又は下記にお問い合わせいただきたい。

IASC Foundation Publications Department,
30 Cannon Street, London EC4M 6XH, United Kingdom.
Tel: +44 (0)20 7332 2730,
Fax: +44 (0)20 7332 2749
Email: publications@iasb.org,
Web: www.iasb.org

「IFRSの改善案」の印刷版(ISBN 978-1-907026-05-8)は、IASCF出版部から£15.00(及び郵送料)で間もなく購入可能となる予定である。

プレス関係の問い合わせ先

Mark Byatt, Director of Corporate Communications, IASB
Telephone: +44 (0)20 7246 6472,
Email: mbyatt@iasb.org

Sonja Horn, Communications Adviser, IASB
Telephone: +44 (0)20 7246 6463,
Email: shorn@iasb.org

専門的な内容に関する問い合わせ先

Tricia O’Malley, Director of Implementation Activities, IASB,
Telephone: +44 (0)20 7246 6929,
Email: tomalley@iasb.org

Michael Kraehnke, Project Manager, IASB
Telephone: +44 (0)20 7246 6912,
Email: mkraehnke@iasb.org

編集担当者への注釈

年次改善プロセスについて

2006年に、IASBは、国際財務報告解釈指針委員会(IFRIC)や、スタッフ又は実務に携わる者からの提案によってもたらされた事項から生じる、緊急ではないIFRSの改訂を扱うための年次のプロセスを導入した。 本改善は、IFRS間の矛盾点や、表現の明確化が必要な分野に焦点を当てている。 毎年IASBは、年間を通じて生じるIFRSに対する改善の提案について議論や決定を行う。 第3四半期に、集められた提案を一括した公開草案が、一般のコメントを求めるために90日間のコメント期限を設けて公表される。 IASBは受領したコメントを検討した後に、最終的な形式による改訂を、翌年の第2四半期に発行し、さらにその翌年の1月1日から発効することを目標とする。

取り扱っているIFRS

以下の表は、本改訂案で取り扱っているIFRS及びトピックの一覧を示している。

IFRS 改訂対象
IFRS第2号「株式報酬」 IFRS第2号及び改訂IFRS第3号の範囲
IFRS第5号「売却目的で保有する非流動資産及び廃止事業」 売却目的で保有又は廃止事業に分類された非流動資産(又は処分グループ)の開示
IFRS第8号「事業セグメント」 セグメント資産に関する情報の開示
IAS第1号「財務諸表の表示」 転換商品の流動/非流動区分
IAS第7号「キャッシュ・フロー計算書」 未認識の資産に対する支出の分類
IAS第17号「リース」 土地及び建物のリースの区分
IAS第18号「収益」 企業が本人(principal)又は代理人(agent)のいずれとして活動しているかの判定
IAS第36号「資産の減損」 のれんの減損テストについての会計単位
IAS第38号「無形資産」 改訂IFRS第3号による必然的改訂の追加
企業結合で取得した無形資産の公正価値の測定
IAS第39号「金融商品:認識及び測定」 貸付金の早期償還ペナルティーの密接に関連する組込デリバティブとしての処理
企業結合契約の範囲除外
キャッシュ・フロー・ヘッジ会計
IFRIC第9号「組込デリバティブの再査定」 IFRIC第9号と改訂IFRS第3号の範囲
IFRIC第16号「在外営業活動体に対する純投資のヘッジ」
ヘッジ手段を保有できる企業に関する制限の改訂

国際会計基準審議会(IASB)について

国際会計基準審議会(IASB)は、2001年に設立されたIASC財団の基準設定機関であり、独立した民間の非営利組織である。IASBは、公益に資するよう、一般目的財務諸表において透明性があり比較可能な情報を提供する、高品質かつ国際的な会計基準の単一のセットを開発することを公約している。この目的を追求するため、IASBは、広範にわたる公開の協議を行っているほか、世界中の国際機関や各国機関と協力している。その14人のメンバー(うち13人は常勤)は、9か国から選ばれ、幅広い職務上の経歴を有している。彼らは、IASC財団の評議員会から選任されるとともに、これに対して説明責任を負っており、専門的な能力と、国際的なビジネス及び市場に関する経験の多様性に関して、選択し得る最良の組み合わせを選択することが要求されている。