ASBJ 企業会計基準委員会

IASB、国営企業に対する不要な開示を削除する提案の修正版を公表(IAS第24号改訂案)

2008年12月11日

国際会計基準審議会(IASB)は本日、一般のコメントを募集するために、国営企業に適用される開示規定を簡素化する提案の修正版を公表した。IAS第24号「関連当事者についての開示」は、企業が関連当事者との取引に関する開示を提供することを求めている。しかしながら、国営企業は、他の国営企業との取引に対するすべての求められる詳細を提供することは困難であり、コストがかかるかもしれない。IASBは、財務諸表の利用者に十分な情報を提供しながらも、いくつかの求められる詳細を省略することが可能であると考える。

その結果、IASBは、特定の条件を満たした場合に、国営企業が他の国営企業との取引に関する開示を提供することを免除する提案を、2007年に公表した。しかしながら、回答者は、その提案の複雑さについて懸念を示した。IASBは、したがって、国営企業に対する免除の提案を修正し、本日、この修正提案を公表した。

当初の提案と異なり、修正後の免除規定は、国営企業に国の影響の程度を評価することを求めないこととなる。これにより、そのような企業が、他の国営企業及び国との取引についての完全な詳細を提供することを免除されることとなる。その代わり、(2007年公開草案と異なり)重要な取引の種類及び程度についての全般的な開示を求めることとなる。

IASBは特に、本提案が財務諸表の作成者の不要な負担を負わせることなしに、投資家及びアナリストに必要な情報を提供できるかどうかを、回答者から聞きたいと考えている。

IASBは、公開草案「国との関係(IAS第24号改訂案)」に対して、2009年3月13日までコメントを募集している。本プロジェクトについてのより詳細な情報又は本公開草案を見るためには、www.iasb.orgのプロジェクトのウェブページを参照していただきたい。

本公開草案の印刷版(ISBN 978-1-905590-85-8)は、IASCF出版部から£10.00でまもなく購入可能となる予定である。

IASCF Publication Department,
30 Cannon Street, London EC4M 6XH, United Kingdom.
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プレス関係の問い合わせ先

Mark Byatt, Director of Corporate Communications, IASB,
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Sonja Horn, Communications Adviser, IASB
Telephone: +44 (0)20 7246 6463,
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専門的な問い合わせ先

Peter Clark, Director of Research, IASB
Telephone: +44 (0)20 7246 6451,
Email: pclark@iasb.org

Yung-Wook Kim, Visiting Fellow, IASB
Telephone: +44 (0)20 7246 6481,
Email: ykim@iasb.org

編集者担当者への注釈

本提案について

2007年2月、IASBは、IAS第24号「関連当事者についての開示」「国営企業及び関連当事者の定義」を公表した。

当該公開草案は、国により支配、共同支配又は重要な影響を受ける企業(国営企業)に対して、IAS第24号での開示規定の免除を提案した。

回答者は、IASBが当該企業に対して免除規定を提供するべきであることに全般的には同意した。しかしながら、彼らは、当該提案の複雑さ、特に国の影響が実際に存在するかどうかを評価するという規定案により引き起こされる複雑さについて懸念を持った。彼らは、多数の明確化も求めた。

回答者の懸念を考慮して、IASBは、国営企業に対する免除規定案を改訂し、簡素化することを決定した。

2007年公開草案は、意図された意味を明確化し矛盾点を除去するため、関連当事者の定義を改訂することも提案した。回答者は、大部分は関連当事者の改訂された定義に同意した。IASBは、(2008年公開草案から発生した重要でない問題1つを別として)さらなる公開なしに関連当事者及び関連当事者取引の定義を最終決定する予定であり、2008年公開草案による改訂を公表する際に、それらについても公表する。定義の予定される表現の更新版は、IASBのウェブサイトwww.iasb.orgで入手可能である。

国際会計基準審議会(IASB)について

国際会計基準審議会(IASB)は、2001年に設立された国際会計基準委員会(IASC)財団の基準設定機関であり、独立した民間の非営利組織である。IASBは、公益に資するよう、一般目的財務諸表において透明性があり比較可能な情報を提供する、高品質かつ国際的な会計基準の単一のセットを開発することを公約している。この目的を追求するため、IASBは、広範にわたる公開の協議を行っているほか、世界中の国際機関や各国機関と協力している。その14人のメンバー(うち12人は常勤)は、9か国から選ばれ、幅広い職務上の経歴を有している。彼らは、IASC 財団の評議員会から選任されるとともに、これに対して説明責任を負っており、専門的な能力と、国際的なビジネス及び市場に関する経験の多様性に関して、選択し得る最良の組み合わせを選択することが要求されている。