ASBJ 企業会計基準委員会

IASB、ヘッジ対象の指定に関する追加のガイダンスを提供するために基準を改訂する(IAS第39号の改訂)

IASBプレスリリース 2008年7月31日

国際会計基準審議会(IASB)は本日、「適格なヘッジ対象」(IAS第39号「金融商品:認識及び測定」の改訂)を公表した。この改訂は、ヘッジ会計の基礎となっている現行の原則を2つの特定の状況にどのように適用すべきかを明確にするものである。

国際財務報告解釈指針委員会(IFRIC)(*1)は、何がヘッジ対象として指定できるのかに関する追加のガイダンスを提供するようIASBに要請した。ガイダンス案の公開草案(2007年9月公表)に対するコメントは、以下のものの指定に関して、実務のばらつきがある(又はありそうである)ことを示していた。

  1. ヘッジ対象の片側リスク
  2. 金融商品であるヘッジ対象のインフレーション

このため、IASBは、ヘッジ会計の基礎となっている原則をこうした状況にどのように適用するべきかを説明するための適用ガイダンスの作成に焦点を当てた。

企業は、本改訂を2009年1月1日以後開始する事業年度から遡及的に適用することを求められる。早期適用は認められる。

IAS第39号改訂についてのより詳細な情報は、www.iasb.orgのプロジェクトのウェブページを参照していただきたい。

eIFRS購読者は本日から「適格なヘッジ対象」(IAS第39号「金融商品:認識及び測定」の改訂)を入手することができるeIFRSの購読希望者はwww.iasb.orgのオンラインショップ、又は下記にお問い合わせいただきたい。
 
IASC Foundation Publications Department,
30 Cannon Street, London EC4M 6XH, United Kingdom.
Tel: +44 (0)20 7332 2730
Fax +44 (0)20 7332 2749
Email: publications@iasb.org
Web: www.iasb.org

印刷版(ISBN 978-1-905590-58-2)は、IASCF出版部から£10.00及び郵送料でまもなく購入可能となる予定である。

プレス関係の問い合わせ先

Mark Byatt, Director of Corporate Communications, IASB
Telephone: +44 (0)20 7246 6472,
Email: mbyatt@iasb.org

Sonja Horn, Communications Adviser, IASB
Telephone: +44 (0)20 7246 6463,
Email: shorn@iasb.org

専門的な内容に関する問い合わせ先

Gavin Francis, Director of Capital Markets, IASB
Telephone +44 (0)20 7246 6901,
Email: gfrancis@iasb.org

Carol Wong, Technical Associate, IASB
Telephone: +44 (0)20 7246 6926,
Email: cwong@iasb.org

編集担当者への注釈

本改訂について

IFRICがIAS第39号「金融商品:認識及び測定」の下での、ヘッジ対象部分に関するガイダンスを求める多くの提案を受け取って以降、本プロジェクトは当初IFRICが取り組んでいた。これらの提案をケース・バイ・ケースに対処するのではなく、IFRICは、何がIAS第39号の下でヘッジ対象部分として指定可能であるかに関するガイダンスを提供するために用いることができる原則を開発することを試みた。しかし、IFRICは、この分野のIAS第39号の規定が不明確であると結論付け、本プロジェクトをIASBにゆだねた。
IASBは、最終的にIAS第39号全体の置き換えにつながるリサーチに着手しているものの、その作業は初期段階である。IASBは、したがって、短期プロジェクトとして、適格なヘッジ対象に関する追加のガイダンスに対する要望に対処することを決定した。本日の「適格なヘッジ対象」(IAS第39号改訂)の公表により、この短期プロジェクトは完了した。

本改訂は、ヨーロッパの数社で利用されているヨーロッパでのカーブ・アウトのオプションは取り扱っていない。これは、別個に取り扱われることとなる。

IASBについて

国際会計基準審議会(IASB)は、2001 年に設立された 国際会計基準委員会(IASC) 財団の基準設定機関であり、独立した民間の非営利組織である。IASB は、公益に資するよう、一般目的財務諸表において透明性があり比較可能な情報を提供する、高品質かつ国際的な会計基準の単一のセットを開発することを公約している。この目的を追求するため、IASB は、広範にわたる公開の協議を行っているほか、世界中の国際機関や各国機関と協力している。その 14 人のメンバー(うち 12 人は常勤)は、9か国から選ばれ、幅広い職務上の経歴を有している。彼らは、IASC 財団の評議員会から選任されるとともに、これに対して説明責任を負っており、専門的な能力と、国際的なビジネス及び市場に関する経験の多様性に関して、選択し得る最良の組み合わせを選択することが要求されている。


  1. IFRICは、国際会計基準審議会(IASB)の解釈指針作成部門である。