IASB、特定の金融商品の財務報告を改善するための改訂を公表（IAS第32号及びIAS第1号の改訂）
IASBプレスリリース 2008年2月14日
国際会計基準審議会（IASB）は本日、普通株式と類似の性質を持つが現在金融負債として分類されている特定のタイプの金融商品の会計処理を改善するための改訂を公表した。
本改訂は、世界中の企業からの要求に対する回答であり、国際会計基準（IAS）第32号「金融商品：表示」及びIAS第1号「財務諸表の表示」の改訂－プット可能な金融商品及び清算時に生じる債務に示されている。
IAS第32号は、金融商品の保有者が現金による償還を発行者に要求できる場合に、当該金融商品を負債に分類することを規定している。ほとんどの状況では、この単純な原則がうまく機能する。しかし、通常は資本と考えられる金融商品（一部の普通株式やパートナーシップ持分）の中には、当該金融商品を「プット」（発行者に現金による償還を要求）することを保有者に認めているものも多い。現状では、こうした金融商品は資本ではなく負債とされる。
IAS第32号の本改訂は、この論点を取り扱っており、以下のタイプの金融商品が特定の性質を有し所定の条件を満たした場合には、資本に区分することを規定している。
- プット可能な金融商品（例えば、一部の協同組合が発行する持分）
- 金融商品又は金融商品の構成要素で、清算時にのみ当該企業の純資産の比例的持分を他の当事者に引き渡す義務を企業に負わせるもの（例えば、一部のパートナーシップ持分および存続期間が有限の事業体が発行する株式）
追加の開示が、本改訂が影響する金融商品に関して求められる。
本日公表した改訂は、2006年6月に公表した公開草案「公正価値でプット可能な金融商品及び清算時に生じる債務」での提案に対するIASBの検討の結果である。
本改訂は、2009年1月1日以後開始する会計期間より適用され、早期適用も認められる。
David Tweedie議長はIAS第32号の改定の公表に対して、次のようにコメントした。
「本改訂は、特定の金融商品の現行の会計を、その特徴をよりよく反映することにより、改善することとなる。本プロジェクトは、国際的な基準設定の共同体に、これに及び他のプロジェクトに対する継続的な協力を感謝する機会を私に与えてくれる。特に、ニュージーランド財務報告基準審議会、英国会計基準審議会及びドイツ会計基準委員会の本プロジェクトへの有益なインプットに感謝する。」
IAS第32号改訂についてのさらなる情報は、www.iasb.orgのプロジェクトのウェブページを参照していただきたい。
IAS第32号「金融商品：表示」及びIAS第1号「財務諸表の表示」の改訂－「プット可能な金融商品及び清算時に生じる債務」は、eIFRS購読者においては本日から入手可能である。eIFRSの購読希望者はwww.iasb.orgのオンラインショップ、又は下記にお問い合わせいただきたい。
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