ASBJ 企業会計基準委員会

IASB、初めての年次改善プロジェクトにおいて、小幅な改訂を行う提案を公表

IASBプレスリリース 2007年10月11日

国際会計基準審議会(IASB)は本日、一般のコメントを募集するために、初めての年次改善プロジェクトにおいて、25の国際財務報告基準(IFRS)に対するさまざまな改訂を行うことを提案する公開草案を公表した。

提案は、IFRS第1号「国際財務報告基準の初度適用」の再編(主として不必要な経過規定の削除)から、意図を明確にするための表現の変更や基準間で生じている意図せざる矛盾点の解消まで、多岐にわたっている。IASBは昨年、個々の提案について議論を行い、それらについて結論に達した時点で、ウェブサイトに最終化直前の(near-final)ドラフトを掲載した。草案の集合体を1つの公開草案として公表するのは、会計基準の設定プロセスの合理化を図るためであり、関係者及びIASBの便益のためにもなる。

公開草案の紹介にあたって、IASB議長のDavid Tweedie卿は次のように述べた。

「小さなものであっても、基準の変更はボードの多大な時間を要するものであり、その他のものにとっても負担となるものである。年次改善プロセスは、緊急ではないが必要とされる小幅な改訂を、一連の断片的な変更とはせずに1つの文書にまとめることにより、すべての関係者の負担を軽減する。」

公開草案は、eIFRS購読者においては本日から入手可能であり、10月22日以降は、IASBの年次改善プロジェクトのウェブサイトから無料で入手可能となる。IASBは公開草案に対するコメントを2008年1月11日まで募集する。 提案された改訂の発効日は、承認されれば、2009年1月1日からとなる。

IFRSの改善案(ISBN 978-1-905590-43-8)の印刷物は、IASCF出版部から£10(郵送料は別)で間もなく入手可能となる。eIFRSの購読希望者はwww.iasb.orgのオンラインショップ、又は下記にお問い合わせいただきたい。

IASC Foundation Publications Department,
30 Cannon Street, London EC4M 6XH, United Kingdom.
Tel: +44 (0)20 7332 2730,
Fax: +44 (0)20 7332 2749,
Email: publications@iasb.org
Web: www.iasb.org

プレス関係の問い合わせ先

Mark Byatt, Director of Corporate Communications, IASB
Telephone: +44 (0)20 7246 6472,
Email: mbyatt@iasb.org

Sonja Horn, Communications Adviser, IASB,
Telephone: +44 (0)20 7246 6463,
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専門的な内容に関する問い合わせ先

Elizabeth Hickey, Director of Technical Activities, IASB,
Telephone: +44 (0)20 7246 6449,
Email: ehickey@iasb.org

Dora Cheung, Project Manager, IASB,
Telephone: +44 (0)20 7246 6919,
Email: dcheung@iasb.org

編集担当者への注釈

年次改善プロセスについて

IASBは、緊急ではなく、小幅なIFRSの改訂を扱うための年次のプロセス(「年次改善プロセス」)を導入している。このプロセスで扱われる論点は、国際財務報告解釈指針委員会(IFRIC)や、スタッフ又は実務に携わる者からの提案によってもたらされた事項から生じるものであり、IFRS間の矛盾点や、表現の明確化が必要なところといった分野に焦点をあてている。このプロセスは、年間を通じて生じるIFRSに対する改善の提案について、IASBが議論や決定を行う年次プロジェクトに伴って生じることになる。毎年10月に、集められた提案を一括した公開草案が、一般のコメントを求めるために90日間のコメント期限を設けて公表される。IASBは受領したコメントを検討した後に、最終的な形式による改訂を、次の4月に発行し、さらに翌年の1月1日から発効することを目標とする。

IASBについて

IASBは、2001年に設立された、IASC財団の基準設定機関であり、独立した民間の非営利組織である。IASBは、公共の利益のため、一般目的の財務諸表において透明で比較可能な情報を提供する、高品質かつ国際的な会計基準の単一のセットを開発することを公約している。この目的を追求するため、IASBは、広範にわたる公開の協議を行っているほか、世界中の国際機関や各国機関と協力している。その14人のメンバー(うち12人は常勤)は、9か国から選ばれ、幅広い職務上の経歴を有している。彼らは、専門的な能力と、国際的なビジネス及び市場に関する経験の多様性に関して、選択し得る最良の組み合わせを選択することが要求される、IASC財団の評議員会から選任されるとともに、これに対して説明責任を負っている。