ASBJ 企業会計基準委員会

IASB、中小企業向けIFRS案のフィールド・テストを開始

IASBプレスリリース 2007年6月18日

国際会計基準審議会(IASB)は本日、中小企業向けの国際財務報告基準(IFRS for SMEs)公開草案における諸提案のフィールド・テストのためのプログラムを開始した。

フィールド・テストは、中小会社向けの共通の財務報告基準の採用から便益を得る可能性のある広範囲の関係者からのインプットを入手するための、IASBの広範な国際的な協議の一部である。本テストは、中小企業向けIFRS案の範囲、影響及び負荷を評価することを世界中に求め、再検討する必要があるかもしれない公開草案の状況を確認することに資することとなる。フィールド・テストの実施の際に、IASBは、新興経済国及び発展途上国の中小企業及び組織の運用の可能性に焦点を当てることとなる。

フィールド・テストは、6カ月間の一般との協議での広範な参加を奨励するためにIASBがとる手段の1つにすぎない。IASBメンバー及びスタッフは、公開草案を議論し、関係者からのフィードバックを得るために、25カ国超でプレゼンテーションを行い、円卓会議を主催してきた。さらに、本提案へのアクセスを拡大しコメントを促進するための特別なステップとして、本公開草案は、3つの言語に翻訳されている(フランス語、ドイツ語、スペイン語)。

フィールド・テストの開始にあたり、IASB議長であるDavid Tweedie卿は、次のようにコメントした。
「SMEsプロジェクトは、中小企業、特に新興市場の、特別なニーズに回答する共通の国際的な財務報告の言語に対する需要の増大を満たすことを目的としている。本フィールド・テストは、中小企業向けの高品質な会計基準のセットを策定するというボードのコミットメントを示している。我々は、本フィールド・テストが、できれば、どのように我々の提案を改善できるか、またさらなる簡素化のための分野をどのように区別できるかを示唆することを望んでいる。」

以上

お問い合わせ先 

Mark Byatt, Director of Corporate Communications, IASB,
Telephone: +44 (0)20 7246 6472,
Email: mbyatt@iasb.org

専門的な問い合わせ先

Paul Pacter, Director of Standards for SMEs, IASB,
Telephone:+852 2852 5896,
Email: ppacter@iasb.org

編集担当者への注釈

公開草案のフィールド・テストについて

フィールド・テストに参加する企業は、その企業に関する背景情報を提供、現行の会計フレームワークに基づく直近の年次財務諸表の提出、中小企業向けIFRS案に準拠した同一会計年度の財務諸表の作成、及び本公開草案を適用した際に企業が直面する特定の問題を認識するために設定された一連の質問の回答が依頼される。IASBは、世界中の各国及び国際機関と協力して、フィールド・テスト企業を特定し、本公開草案で提案されている規定の適用及びフィールド・テストの質問への回答を支援する。

IASBについて

国際会計基準審議会(IASB)は、ロンドンに本拠を置き、2001年に活動を開始した。同審議会は、IASC財団の評議員会によって集められる拠出金で運営されている。この拠出金は、世界中の主要会計事務所、民間金融機関及び事業会社、中央銀行及び開発銀行、ならびにその他の国際的専門団体からのものである。
現在の14人の審議会メンバー(うち12人は常勤)は、9か国から選ばれ、幅広い職務上の経歴を有している。IASBは、公共の利益のため、一般目的の財務諸表において透明で比較可能な情報を要求する、高品質かつ世界的な会計基準の単一のセットを開発することを公約している。この目的を追求するため、IASBは、全世界の会計基準のコンバージェンス(収斂)を達成するために各国の会計基準設定主体と協力している。