IASB(国際会計基準審議会)の第63回会議が、2006年12月12日から14日までの3日間にわたりロンドンのIASB本部で開催された。今回のIASB会議では、1. 企業結合第2フェーズ、2. 財務諸表の表示(セグメントA及びB)、3. 金融商品(現行金融商品会計基準の置換)、4. 概念フレームワーク、5. 退職後給付(国際会計基準(IAS)第19号(従業員給付)の改訂)、6. 連結範囲、7. 米国会計基準との短期統合化(借入費用)、8. 国際財務報告基準(IFRS)の年次改善、9. テクニカル・プラン、10. SME会計基準及び11. 国際財務報告基準解釈指針委員会(IFRIC)の活動状況(IFRICのデュー・プロセス・ハンドブックに関する議論及びIAS第39号における部分ヘッジ会計を含む)についての検討が行われた。教育セッションでは、欧州銀行連盟(FBE)との間で懸案となっている金利マージン・ヘッジに関する同連盟関係者からの説明が行なわれた。会議には理事14名が参加した。本稿では、8. から11. を除く議論の内容を紹介する。
今回は、1. 非支配持分とのれん、2. 相互会社(含む協同組合)の企業結合及び3. 契約のみによって達成される又は取得企業を含む取引がない企業結合の3項目が議論された。ここでは、1. について解説する。
企業結合に伴うのれんの認識を巡って、購入のれん(親会社部分のみ)を認識すべきという見解と全部のれん(親会社部分と非支配持分部分の合計)を認識すべきという見解がIASBの中では拮抗している(FASBでは、大多数が全部のれんを支持している)。また、公開草案に対する多くのコメントが全部のれんに対する懸念を表明している。このような状況を打開するため、2006年10月には、のれんの認識という論点から議論するのではなく、非支配持分の測定属性という観点から議論することにより、のれんを巡る議論を収束させることを意図した提案がスタッフから示されたが、結論を得るには至っていなかった。スタッフの提案の骨子は、公開草案では非支配持分の測定属性が明確にされていないことから、これを明確することによってのれんを含む非支配持分全体の測定の問題の中でのれんの問題を解決しようとするものである。したがって、もし非支配持分の測定属性が公正価値であれば、非支配持分の公正価値には非支配持分に帰属するのれんが含まれ、これを公正価値で測定することにより、結果として全部のれん方式が採用される。しかし、非支配持分の測定属性が識別可能純資産の比例的持分のみであるとすると、非支配持分に対応するのれんは非支配持分に含まれないことになり購入のれん方式が採用されることとなる。
今回この論点が更に議論され、議論の結果、非支配持分を公正価値で測定するという原則を最終基準で明確にするということが僅差で暫定的に合意された。これを前提に、非支配持分を信頼性を持って公正価値で測定できるかどうかが議論され、実務上信頼性ある公正価値測定を行なうためのコストがかかりすぎる場合も考えられるため、公正価値測定の例外を設けることが暫定的に合意された。ただし、この例外をどのようなものとするか、また、例外を設けることで企業結合により取得又は引受けた資産及び負債を公正価値で測定するという原則にどのような影響を及ぼすかについて、検討することがスタッフに指示された。なお、この検討には、非支配持分全体を公正価値で測定する選択肢を認めるかどうかも含まれている。
今回は、セグメントAの公開草案に対するコメントの分析及びセグメントBの検討が行なわれた。セグメントBの検討では、1. セグメントBにおける短期的対応策のモデル、2. キャッシュ・フロー計算書及び3. 金融機関のための財務諸表の様式の3点について議論が行なわれた。
公開草案に対しては130通のコメントが寄せられた。コメントの分析から抽出された次の事項について議論が行なわれ、それぞれに暫定的な決定がなされた。
公開草案では、1組の財務諸表として次のものを定義している。
コメントを受けて議論した結果、次の点が暫定的に合意された。
公開草案では、包括利益を示す包括利益計算書を2つに分けて表示する2計算書方式(第一の計算書は現在の損益計算書と同様最終尻を当期純利益とし、第二の計算書にその他包括利益項目の変動を記載しその末尾で包括利益を表示する方式)を選択肢として導入することを提案していたが、コメントではこれを支持するものが多く、議論の結果、2計算書方式を選択肢として認めることが再確認された。ただし、IASBとしては、あくまでも1計算書方式が望ましいと考えていることを明確にすることも合わせて合意された。
組替え調整額(reclassification adjustment)とは、当期及び過去の期にその他包括利益として認識されていたもので当期において当期利益に振り替えられた金額を言うとされている。公開草案では、その他包括利益の各項目の組替え調整に関する情報を包括利益計算書又はその注記で開示することを要求している。議論の結果、この開示を求めることが再確認された。
その他包括利益にかかる法人所得税の表示と開示に関しては、公開草案の提案内容をそのままとすることが暫定的に合意された(これにより米国財務会計基準書(SFAS)第130号(包括利益の報告)との統合化が図られる)。公開草案では、次の表示及び開示が求められている。
包括利益計算書上で表示する1株当たり情報は、1株当たり利益のみとするという公開草案での提案が再確認された。
コメントの中に、公開草案において、IAS第1号(財務諸表の表示)の第7項を改訂して、「一般目的財務諸表は、独立して表示される財務諸表又は法定登録(regulatory filing)又は株主への報告などの公的文書に含まれる財務諸表を含む。」と定義しているが、この定義の変更が想定外の結果をもたらす可能性があるとの指摘(「法定登録」はオーストラリアにおいては意図するより広い意味を持っている)があり、一般目的財務諸表の定義の見直しがスタッフに指示された。
また、今回の議論を踏まえて、最終基準のドラフトを作成するようスタッフに指示が行なわれた。
2006年10月の米国財務会計基準審議会(FASB)とIASBの合同会議で、現在直接資本の部で認識されているその他包括利益項目の変動(売却可能金融資産の公正価値の変動、為替換算調整勘定の変動、退職年金の数理計算上の差異の変動、有形固定資産に再評価モデルを適用した場合の再評価損益の変動及びキャッシュ・フロー・ヘッジのヘッジ手段の公正価値の変動で、ここでは「OCI項目の変動」と呼ぶ)を包括利益計算書上どのように表示するか(リサイクリングを認めるかどうか)が議論された。
そのときの暫定合意では、長期的には、独立したセクションとしてOCI項目を区分表示せず、さらに当期利益も表示しない包括利益計算書とすることが決定された。このモデルの下では、OCI項目は、それらが属する営業カテゴリー、投資カテゴリー及び財務セクションの中で表示され、当該OCI項目が実現した時点で包括利益計算書において改めて認識されることはない。一方、長期的な決定は余りに革新的であるので、短期的には、SFAS第130号の下での包括利益計算書(又はIASBのセグメントAでの包括利益計算書の提案)のように、OCI項目を包括利益計算書上の独立したセクションとしてまとめて表示し、実現した段階でリサイクリングすることを認めることが決定された(ただし、その場合でも当期利益は表示しないという暫定的な決定が行われている)。このときの決定では、短期的に採用しようとするモデルが具体的にどのようなものかが明確でなかったため、今回これを明確化するための議論が行なわれた。
今回4つの短期的対応モデルが提示され、ボードメンバーがどれを選ぶかが議論された。提示されたモデルは、OCI項目を独立したセクションとしない2つのモデル(A案及びB案)と独立したセクションとする2つのモデル(C案及びD案)に分かれている。
A案:
OCI項目を独立したセクションとせず、事業セクション(さらに営業カテゴリー及び投資カテゴリーに細分される)又は財務セクション等該当するセクションに含めて表示する。これは、長期的モデルとほぼ同じである。
B案:
OCI項目を独立したセクションとせず、事業セクション(さらに営業カテゴリー及び投資カテゴリーに細分される)又は財務セクション等該当するセクションに含めて表示するが、それぞれのセクション又はカテゴリーの中でOCI項目をそれ以外と区分して表示する。
C案:
OCI項目を独立したセクションとして、事業セクションや財務セクションと同等のレベルで表示する。OCI項目は税引前で表示され、実現した時点で事業セクションや財務セクション等にリサイクルされる。
D案:
OCI項目を独立したセクションとして、事業セクションや財務セクションと同等のレベルで表示する。OCI項目は税引後で表示され、実現した時点で事業セクションや財務セクション等にリサイクルされる。D案は、SFAS第130号の1計算書方式と同じモデルである。
ボードメンバーの選好は4つの案に分散しており、また、ボードメンバーの中に、OCI項目を含む包括利益計算書全体を長期と短期(短期に実現する項目と長期性資産負債から生じる項目)に分けて表示すべきと主張する意見もあり、議論がまとまらなかった。議論の結果、包括利益計算書を長短に区分して表示する案について更に検討することがスタッフに指示された。
金融機関の専門家からなるサブワーキンググループとの相談も踏まえて、スタッフから、一般企業向けの作業原則が金融機関の財務諸表にも適用できるかどうか、また、修正すべき項目があるとするとどのようなものかについての提案が示され、それが議論された。
このプロジェクトは、金融商品に関する現行の会計基準を全面公正価値の採用によって置き換えるという長期的なプロジェクトであり、2006年2月にIASBとFASBが公表した覚書(Memorandum of Understanding、以下「MOU」という)に基づいて、2008年までにデュー・プロセス文書の公表が目標とされているものである。デュー・プロセス文書では、できるだけIASBの予備的見解を示すこととなっており、そのための議論が進められている。
今回は、2006年11月の議論に引続き、認識と測定に関して、1. 期限前償還オプション付貸付金及びクレジットカード契約、2. 銀行の預金契約、3. 要求払いという性格を有する負債の測定及び4. 借手から見た第三者による契約による又は法定の保証が付された負債の測定について議論が行われた。ここでは、1. から3. について解説する。
期限前償還オプション付貸付金とは、借手が満期以前に早期の償還を行なうことができるオプションが付された貸付金であり、貸手が償還を強制できない。通常は、貸付金の金利よりも市場金利の方が低くなれば償還が行なわれる。しかし、借手は、担保となっている不動産を処分したいといった理由から貸付金金利よりも市場金利が高い場合においてもオプションを行使することがあり、また、市場金利が低い場合でも、期限前償還をして更に借り替えるための手続が煩雑であるといった理由でオプションを行使しないことがある。すなわち、市場金利以外の要因によってオプションの行使が左右される。また、このような貸付金を取得しようとする市場参加者は、市場金利以外の要因も考慮して公正価値を計算する。
会議では、このような市場金利以外の要因によってもたらされる価値を貸手は認識すべきかどうかが議論され、このような価値を含めて期限前償還オプション付貸付金を認識すべきことが暫定的に合意された。すなわち、市場金利以外の要因によってもたらされる価値を認識するものの、独立した資産としては認識せず、金融商品の価値の一部として測定することとされた。
クレジットカード契約に関する議論が今回も行われた。クレジットカード契約では、カード保有者がクレジットカードを使用することは、カード保有者がカード会社に対して有しているオプションを行使して借入れを行なうことを意味する。カードの利便性等さまざまな理由から、カード会社から借入をするよりも銀行から同額を借入れた方が有利である状況であるにもかかわらず、カードが利用され、オプションの売手であるカード発行会社に有利なキャッシュ・フローが生じることになる場合がある。このような売手にとっての売建オプションの価値を独立した非金融資産として金融負債とは別に認識するかどうかが議論され、両者を区分せずに金融負債として表示することが暫定的に合意された。なお、クレジットカード契約をデュー・プロセス文書の範囲に含めるかどうかについては結論が出されていない。
銀行の預金契約が金融商品の定義(一方の当事者の第二の当事者に対する金融商品を当該当事者と交換するという契約上の義務であり、かつ、第一の当事者に金融商品の交換を要求できるという第二の当事者の権利である)を満たしているかどうかが議論され、銀行に預金を受入れなければならないという現在の義務がないとも考えられるため、金融商品に該当しないと判断された。このため、預金契約をデュー・プロセス文書の対象の金融商品に含めないことが暫定的に合意された。ただし、預金契約を金融商品から除くことに至った議論をデュー・プロセス文書に含めることとされた。
相手方の要求によっていつでも支払いを行わなければならない要求払金融負債の公正価値をどのように測定するかが議論された。代替案として、1. 直ちに決済を行なう場合の価値(要求によって支払いを開始する最も早い日に要求があると仮定した価値)と2. 将来キャッシュ・フローのタイミング予測に基づく支払価値(現在価値)の2つが検討され、後者の考え方を採用することが暫定的に合意された。なお、公正価値を見積もる際には、市場参加者が当該金融商品の取得によってサービスを行うためにかかる費用等があれば、これを勘案することになる。
今回は、フェーズD(報告企業)に関連して、1. 親会社とグループ事業体の関係、2. 報告企業と親会社アプローチとの関係及び3. フェーズDと連結範囲に関するプロジェクトとの整合性について議論が行なわれた。ここでは、1. 及び2. について解説する。
報告企業という観点から親会社(parent entity)とグループ事業体(group entity)をどのように見るかについては、2006年9月に議論が行なわれ、3つの考え方が検討された。3つの考え方は、1. 親会社とグループ事業体を1事業体と見た上で、一般目的外部財務報告として親会社単独財務諸表と連結財務諸表の2つを認める考え方(連結財務諸表は、単独財務諸表で表示されている資産負債に対する代替的表示方法と位置づけられる)、2. 親会社とグループ事業体を1事業体と見るとともに一般目的外部財務報告として連結財務諸表のみを認める考え方(親会社単独財務諸表は、一般目的外部財務報告としては認められないこととなる)及び3. 親会社とグループ事業体を別々の事業体と見る考え方(例えば、親会社とその子会社からなるグループの場合、親会社、グループ事業体(親会社及び子会社)及び子会社の3つが報告企業となり得、親会社単独財務諸表、連結財務諸表及び子会社の財務諸表がそれぞれ一般目的外部財務報告となる)である。このときの暫定合意では、3. が採用された。
FASBの教育セッションにおける議論の結論は、上記の3つの考え方が相互にどのように違うのかが明確ではなく、それを理解しなければどの考え方がよいかについて判断ができないというものであった。スタッフからは、この問題の論点を差異がわかる形で更に明確にする作業を行うことが提案された。議論の結果、ディスカッション・ペーパーにおいてこの問題をより明確に記述するための作業を行なうことがスタッフに指示された。その改訂を受けて、当該記述が適切かどうか及びIASBとFASBがこの問題に対して同じ予備的見解を見出せるかどうかを議論することとされた。
報告企業の議論の中で親会社アプローチについてこれまで突っ込んだ議論は行なわれていないが、概念フレームワークの読者は、報告企業と親会社アプローチとの関係に関する記述を期待していると考えられるため、今回親会社アプローチをどのように取り扱うかについて議論が行われた。スタッフの分析は、親会社アプローチは、グループ事業体に含まれるべき企業を判定する規準とは基本的に関係がなく、このような範囲に関する記述を行なうフェーズDとの関連はないというものであった。議論の結果、概念フレームワークの中で親会社アプローチについて記述する必要があるとの認識から、スタッフに対して、独立したディスカッション・ペーパーとする、報告企業のディスカッション・ペーパーに含める、又は、既にこの問題について触れているフェーズA(財務諸表の目的)の中に含めることとして、フェーズAの公開草案の段階で親会社アプローチに関する部分を取り上げる等の方法を検討することが指示された。
これは、2006年7月に新規に追加されたプロジェクトで、IAS第19号(従業員給付)の年金会計を見直すための2つのフェーズからなるプロジェクトの第1フェーズである。第1フェーズは、現行の年金会計を大幅に改善することを目的として、4つの項目を検討するが、今回は、このうち、キャッシュ・バランス・プランの会計処理が議論された。今回の議論は、キャッシュ・バランス・プランの会計処理を決めるためにどのようなアプローチで取り組むかという大枠の議論が行なわれた。
今回のスタッフの分析では、退職後給付を次の3つに分けた上で、(b)のタイプの退職後給付を第1フェーズで検討することが提案されている。(a)のタイプの退職後給付の問題は第2フェーズで検討することとされているのでここで検討すべきではなく、(c)は予測単位積増方式の下で特に問題となる論点はないため、(b)のみが対象となるというのが分析である。
資産ベース給付を提供する退職後給付の会計処理の候補として、次の3つが示された。
今回は、キャッシュ・バランス・プランの会計処理に対するアプローチに関する議論が行なわれたのみであり、今後スタッフによってそれぞれの代替案について更に詳しい内容の検討が行なわれる。また、今回の議論の中で、定義の不明確さが明らかになったものがあり、ここで用いられる定義を明確化することが指示された。
今回は、既にこれまでに議論した論点ではあるが、ディスカッション・ペーパーとして公表した場合に議論と予想される1. ファンドマネジャーが管理するファンドが保有する投資の取扱い及び2. 投資会社の連結問題について再度議論が行なわれた。
ある投資先に対して、ファンドマネジャー自身が投資を行うとともに、ファンドマネジャーが管理するファンドからも投資が行われている場合(ファンドマネジャーが2つの役割を担っている場合)、当該投資先に対する支配を有しているかどうかをどのように判定するかについては既に暫定合意が成立している。すなわち、ファンドマネジャーが管理するファンドが保有する投資のみでは投資先に対する支配を獲得できず、また、ファンドマネジャー自身の投資のみでも投資先に対する支配を獲得できないが、両者を合わせると支配を獲得できるという場合、ファンドマネジャーが当該投資先に対する支配を有しているかどうかの判断に当たっては、ファンドが保有する投資も合算した上で判定を行うことが暫定的に合意されている。この決定は、本来ファンドマネジャーが管理しているファンドが保有する投資は、第三者のために行なっている信託業務の一環であり、ファンドマネジャー自身の投資とは区別すべきであるが、ファンドが保有する投資を考慮しない取扱いとするとファンドを利用した乱用が起こる可能性があり、これに配慮したものである。
しかし、最近の支配と連結に関する考え方に基づいてこの問題を再度考え直してみると、ファンドが保有する投資を除外して支配の存在を判断できる可能性があるとして、スタッフから次のような提案がなされた。企業が投資先企業を支配している場合には、その支配を通じて投資先の方針を決定でき、希少な製品を調達する権利などの便益を得ることができる。しかし、ファンドマネジャーが、通常支配によって得られる便益のすべてを享受できなければ、その支配力は制限を受けているということになり、もし、ファンドマネジャーの受ける便益が非支配持分と変わらない内容であれば、ファンドマネジャー以外に支配を有する関係者がいると想定することができる。このように、ファンドマネジャーがアクセスできる便益の指標を参照して、支配の存在の有無を判定することができるというのが、スタッフの提案である。ボードメンバーは、このアプローチに実効性があるかどうかに疑問を持っているものの、この問題に関する質問をディスカッション・ペーパーに含めるようスタッフに指示した。
ベンチャーキャピタルのような投資会社を連結の対象とすることが暫定的に合意されていたが、今回この点について再度議論された。議論の結果、投資会社を連結から除外する合理的な理由がないことから、連結の対象とすることが再確認された。
本プロジェクトでは、IAS第23号(借入費用)において適格資産に対して認められている2つの処理(資産処理と費用処理)のうち費用処理を削除する公開草案を公開しコメントの募集を行なった。今回受領したコメントの分析結果を踏まえた議論が行われた。議論の結果、費用処理という選択肢を削除するという公開草案の提案が再確認された。また、コメントを受けて、次の変更を行うことが暫定的に合意された。
以上
(国際会計基準審議会理事 山田辰己)
*本会議報告は、会議に出席された国際会計基準審議会理事である山田辰己氏より、議論の概要を入手し、掲載したものである。