ASBJ 企業会計基準委員会

第46回会議

IASB(国際会計基準審議会)の第46回会議が、2005年5月16日から18日の3日間にわたりロンドンのIASB本部で開催された。今回は、1. IFRS公開草案第7号(金融商品:開示)、2. 業績報告、3. IAS第37号(引当金、偶発負債及び偶発資産)の改訂、4. 概念フレームワーク(質的特性1)、5. 中小規模企業(SME)の会計基準、6. 測定、7. 保険会計(第2フェーズ)及び8. 解釈指針案(IFRIC)の検討が行われた。IASB会議には理事14名全員が参加した。本稿ではこれらの議論の概要を紹介する。

1.公開草案第7号(金融商品:開示)

金融商品に関する開示全般を取り扱う公開草案第7号(ED7)(金融商品:開示)の基準化に向けた議論が最終段階に達している。今回は、1. 保険契約に関する開示、2. 当初認識時に認識される損益の開示及び3. 今後の日程について議論が行われ、1. 及び2. について暫定的な合意が形成された(以下では1. 及び2. について記述する)。なお、本公開草案に関する最終的なIFRS(ただし、IFRS第4号の適用ガイダンスの改訂を除く)の公表は2005年7月が予定されている(下記(1)の末尾参照)。

(1)保険契約に関する開示

一部のボードメンバーと欧州の保険会社のトップとの会合が行われ、これを受けて、ED7によって新たに設定されるIFRSの開示要求との整合性を図るためIFRS第4号(保険契約)をどのように改訂すべきかが議論された。その結果、保険会計の第2フェーズが終了するまで大きなシステム変更を伴う開示は求めるべきではない等を考慮して、次のように取扱うことが暫定的に合意された。

(a)ED7では、1. 期末現在におけるリスク変数の合理的に見込まれる変動が損益及び資本にどのように影響を与えるかを示す感応度分析、2. 用いた方法と仮定及び3. それらの前期からの変更の開示を求めている。さらに、これに加えて、リスク変数間の相関関係も加味したバリュー・アット・リスクのような感応度分析を行っている場合には、前述の感応度分析の開示に代えて、これを開示することができるとされている。今回、このオプションを拡張して、保険会社のキーとなる経営者が、文書化されたリスク管理又は投資方針に従って作成されたエンベッディド・バリューなどの技法を用いた感応度分析を業績の管理や評価に用いている場合には、当該感応度分析の開示を行なうことも認める。

(b)感応度分析の開示は、企業全体をカバーする分析であることが求められているが、異なる種類の金融商品に対しては、異なるタイプの感応度分析を用いることができるようにする。なお、この取扱いは、保険会社以外の企業にも適用する。

(c)流動性リスクの開示では、満期日別の分析の開示が求められている。しかし、保険会社の場合には、満期の明示されていない保険契約が存在することや、流動性リスクの管理は国又は企業別に行なわれており保険会社全体としての流動性リスク管理が行なわれていない等の理由で、満期日別分析に代えて、流動性リスクの源泉及び流動性リスクがどのように管理されているかとった定性的な分析を代替的開示として行なえる選択肢の導入が保険会社のトップから求められていたが、検討の結果、そのような選択肢の導入は行わないこととされた。

(d)IFRS第4号の適用ガイダンスに次の事項を追加する。

  • 規制当局によって課された仮定(関連するリスク変数が市場リスクと共に変動するかどうかに拘わらない)を用いて保険負債の測定を行っている企業には、もし関連するリスク変数の合理的に見込まれる変動を、規制当局によって求められているロックインベースの仮定に基づく測定に適用した場合、それらの変動が損益及び資本にどのような影響を与えているかを開示するような感応度分析を行なうことを求める。そのような感応度分析を行う場合には、規制当局が市場条件の合理的に見込まれる変動に対応してロックインベースの仮定を変更しないであろうという点を含む、この分析の限界に関する記述情報の開示を求める。
  • リスク変数の合理的に見込まれる変動が負債適正性テストのトリガーとならない場合には、当該リスク変数に関連する感応度分析では、開示すべき損益及び資本に対する影響はないと考えることができる。
  • リスク変数の合理的に見込まれる変動が負債適正性テストのトリガーとなる場合には、企業は負債の測定の変動に伴う損益及び資本への影響を開示しなければならないこととする。
  • 感応度分析では、対象となっているリスク変数の変動の開示されている影響を相殺するであろう経営者の将来の行動によって起こり得る影響を、企業が、定性的又は定量的に説明することを強制はしないが、許容することとする。

このほか、上記の暫定合意を踏まえて、これらを取り込みつつ、ED7の基準化を迅速に行なうために、今後どのように取り進めるべきかが議論され、2005年1月1日から始まる事業年度でED7に基づく開示を早期適用したいという企業の希望にできるだけ迅速に対応するため、次の通り取り進めることが暫定的に合意された。

(a)IFRS第4号の適用ガイダンスの改訂(上記(d))を切り離し、これを除く部分(すなわち、ED7の基準化とIFRS第4号の本体の改訂)を2005年7月に完成させる。

(b)IFRS第4号の適用ガイダンスの改訂(上記(d))は、年内を目処に完成させる。

(2)当初認識時に認識される損益に関する開示

IAS第39号の適用ガイダンスAG第76項(活発な市場がない場合における評価技法の適用に関するガイダンス)では、金融商品の当初認識時の公正価値の最良の証拠は、取引価格であるとしているものの、1. 他の観察可能な最近の市場取引と比較して公正価値が証拠付けられる場合と2. 観察可能な市場からのデータのみが変数となっている評価技法に基づいて公正価値が証拠付けられている場合には、取引価格以外を用いることができることが示唆されている。このため、取引価格以外を用いる場合には、金融資産又は金融負債の当初認識時に損益が生じることになる。

このような当初認識時に認識される損益に関連して次の開示を求めることが、2005年2月に暫定的に合意された。

  1. 当初認識時に認識される差額(当初認識時における取引価格と取引価格以外の価値との差額)。
  2. 当該差額の当期中の変動の調整表。
  3. 当該差額をどのように損益として認識していくかに関する企業の会計方針。

ところが、その後、この決定に対して、適切なデュー・プロセスを経ない決定であると指摘するレターが送られてきたことから、今回、改めて、上記決定内容の確認のための議論が行われた。
議論の結果、次の点が改めて確認された。

  1. 当初認識時に認識される損益に関する開示を求める。
  2. この決定内容に関して、再公開する必要はない。
  3. この部分の開示内容の改訂について、現在の改訂予定内容をこの会議の後速やかにウエッブサイトで公開する。

2.業績報告(包括利益の報告)

2005年4月の会議で、現在の損益計算書に代えて、小計として当期利益を含み末尾を包括利益とする単一の計算書として「当期利益及び包括利益計算書(statement of earnings and comprehensive income)」を導入することが暫定的に合意された。これを受けて、「当期利益及び包括利益計算書」において1株当たり利益(EPS)及び1株当たり包括利益(CPS)をどのように表示すべきかについて議論が行われた。

今回議論された論点は、次の通りである。

  1. CPSという尺度を要求すべきかどうか。CPSを要求する場合、1. 「当期利益及び包括利益計算書」上、2. 注記、又は、3. 次の(b)で決定されたEPSの開示方法と同じように開示する、のいずれによって開示すべきか。
  2. EPSの表示については、次の3つの方法が考えられるが、いずれとすべきか。
    • 代替案1:
      現行の規定を維持し、「当期利益及び包括利益計算書」上での表示を要求するべきか。
    • 代替案2:
      EPS基準を変更し、「当期利益及び包括利益計算書」上に表示することを禁止すべきか(すなわち、EPSは注記において表示することのみを要求すべきか)。
    • 代替案3:
      EPS基準を変更し、「当期利益及び包括利益計算書」上、又は、注記のいずれかで表示することを許容するか。
  3. 一株当たりの各数値の計算にあたって使用された加重平均株式数の開示を引き続き要求するか。要求する場合、それは、「当期利益及び包括利益計算書」上、又は、注記の何れかで開示することが許容されるべきか(もしくは、EPS及びCPSへの要求と同じように規定するか)。

議論の結果、次の点が暫定的に合意された。

  1. CPSの開示は、強制はしないものの、任意の開示を許容する。CPSは、IAS第33号(1株当たり利益)第73項(基本及び希薄化後1株当たり利益に加えて、損益計算書の構成要素に対する1株当たり金額を開示するときには、本規定に従って決定された普通株式の加重平均株式数を用いて計算し、注記で開示しなければならない)に従って、注記で開示しなければならない。
  2. EPSは、現行規定(IAS第33号第66項)に従って、「当期利益及び包括利益計算書」上で開示しなければならない。
  3. EPSの計算に分母として用いられた普通株式の加重平均株式数は、現行規定(IAS第33号第70項)に従って、注記で開示しなければならない。

3.IAS第37号の改訂

IAS第37号改訂のための公開草案ドラフトの内容の検討続いているが、今回は、ドラフトを各ボードメンバーが検討する過程で指摘された論点について議論が行われた。今回の論点は、1. 測定ガイダンスの追加の要否、2. 引当金の定義の要否、3. 偶発資産及び偶発負債に関する開示及び基準タイトルの変更の要否、4. 比較情報の開示、5. 経過措置、6. 赤字引当金及び7. 公開草案の様式の7点であった。このうち、1. から5. について紹介する。

今回の暫定合意の中では、IAS第37号のタイトルを「非金融負債(Non-financial Liabilities)」とした点(引当金という概念の削除)及び「偶発資産及び偶発負債」という概念を削除した点が特筆される。

(1) 測定ガイダンス

ボードメンバーから現在検討している改訂(例えば、偶発負債を無条件債務と条件付債務に分け、前者は負債の定義を満たすため負債として認識する。その測定に当たっては、偶発事象が発生する確率を考慮する。)は、あまりにも理論的な改訂であり、実務上どのように対応すべきかに関して、十分なガイダンスが提供されていないとの指摘があり、議論が行われた。
議論の結果、概念的には大きな改訂であるが、IAS第37号に基づく実務にはそれほど大きな影響を及ぼさないと考えられたため、例示を拡充する形で測定のためのガイダンスを提供することが暫定的に合意された。

(2) 引当金の定義の削除

現行IAS第37号では、引当金は、「時期と金額が不確定な負債」と定義している。したがって、引当金は負債の一部ということになるが、負債と引当金の境界は明確ではない。そのため、金融負債ではなく、また、他のIFRSの対象となっている負債(例えば、IAS第11号(工事契約)、第17号(リース)及び第19号(従業員給付))でもないが、さらに引当金に該当しないものがあると主張することができる余地がある(もしそのような負債があるとすると、そのような負債を規定するIFRSは存在していないことになる)。IASBは、金融負債及び他のIFRSの対象となっている負債以外の負債は、すべてIAS第37号の対象とすべきだという結論に達し、それを達成するには、現在の引当金の定義では不十分であることを認識した。

議論の結果、「引当金」という概念をやめ、IAS第37号の適用対象を「他のIFRSの対象となっているものを除くすべての非金融負債」とすることが妥当だとの暫定的合意に達した。これに伴い、IAS第37号の「目的」も、「他のIFRSの対象となっているものを除くすべての非金融負債の認識、測定及び開示に関する原則を構築するものである」と改訂される予定である(これに伴うIAS第37号のタイトルの変更は後述する)。

(3) 偶発資産及び偶発負債

1.定義の削除

今回、偶発資産及び偶発負債という概念をIAS第37号から削除することが暫定的に合意された。

現在のIAS第37号では、偶発負債(contingent liability)は、債務を決済するために必要とされる資源の流出の可能性が低いか、又は、債務の金額を十分な信頼性を持って測定できないため(すなわち、負債の認識規準を満たさないため)、認識されない潜在的な債務(possible obligation)又は現在の債務(present obligation)であると定義されている。したがって、偶発負債の決済によって資源が流出する可能性が高くならない限り、偶発負債を負債として認識することは認められておらず、注記による開示が求められているのみである。

ところが、これまでのIAS第37号の改訂を巡る議論では、偶発負債は条件付債務(conditional obligation)であり、現在の債務(present obligation)ではないので、負債ではないと解釈する考え方を採用している。また、多くの場合、偶発負債は無条件の債務(unconditional obligation)を伴っており、この無条件の債務は負債の定義を満たすとされている。例えば、製品保証を行っている場合、保証期間中いつでも製品保証を行うという待機状態でいることは無条件の債務(現在の債務)を負っていることを意味し、実際に製品の欠陥が生じた場合にそれを補修するという債務は、製品の欠陥の発生を条件として生じる条件付債務であるとされる。このケースでは、保証期間中いつでも製品保証を行うという待機状態は、無条件の債務に該当し、負債として認識すべきものとされる。さらに、この無条件の債務を負債として認識する際に行われる測定では、将来製品に欠陥が生じる可能性が考慮される(すなわち、経済的便益が企業から流出するタイミングや金額が将来の不確定な事象の発生又は不発生を条件としている場合において、その偶発性を測定に当たり考慮する)。言い換えると、この考え方の下では、製品の欠陥の発生という偶発性は、無条件債務(負債)の測定の中で考慮されている。そのため、偶発資産及び偶発負債という用語を用いる必要がないため、今回、この概念は削除されることとなった。

2.IAS第37号のタイトルの変更

IAS第37号から「引当金」及び「偶発資産及び偶発負債」という用語を削除することとしたため、タイトルを「非金融負債」とすることが暫定的に合意された。

3.偶発資産及び偶発負債に関する開示項目の削除

現行IAS第37号では、第85項から第92項において、偶発資産(経済的便益の流入の可能性が高い場合には、偶発資産の内容、財務上の影響の見積額)や偶発負債(財務上の影響の見積額、経済的便益の流出の金額又は時期に関する不確実性の内容及び補填の可能性)に関する開示が求められている。

今回、「偶発資産及び偶発負債」という概念を削除することに伴って、上述の開示も削除されることが暫定的に合意された。ただし、今後は、「偶発資産及び偶発負債」が有していた条件付債権・債務は、無条件債権・債務が資産・負債の測定値に反映されて認識されることから、削除された開示内容は、認識された資産・負債の内容に関する注記の一部として実質的に今後も開示されることとなる。

(4) 比較情報の開示

現行IAS第37号第84項では、引当金の期首から期末までの変動の調整表の開示が求められているが、求められている開示は、当期に関するもののみで、前期の比較情報の開示は求められていない(適用免除)。今回、この免除規定を削除して、非金融負債の調整表(改訂後のIAS第37号では、引当金に代えて、非金融負債についての調整表の開示が求められる)については、比較情報の開示も求めることとされた。

(5) 経過措置

もし今回の改訂内容に遡及修正を要求すると、後になっての判断(hindsight)に基づいて過去の見積りを行なうことを許容することになる。例えば、偶発負債の場合、これまで認識されていなかった無条件債務を負債として認識・測定することになるため、過去の時点での測定に当たり、無条件債務に伴う条件付債務の発生の可能性を遡及修正時点から評価しなければならなくなる。このため、改訂IAS第37号は、2007年1月1日以降最初に開始する事業年度から将来に向かって適用することが暫定的に合意された。したがって、比較財務諸表の遡及修正は必要がない。また、IFRSの初度適用企業にも同様な取扱いを求めることとされた。

4.概念フレームワーク(質的特性1)

今回は、概念フレームワークの本格的な議論の第2回目として、質的特性のうち、「目的適合性(relevance)」と「信頼性(reliability)」及びそれらに内包されるサブ特性に絞って議論が行われた。具体的には、次のような点について議論が行われ、合意が形成された。なお、これ以外の質的特性(理解可能性及び比較可能性)については次回議論が行われる予定である。

(1)目的適合性

目的適合性は、最も重要な質的特性である。有用であるためには、情報は、利用者が過去及び現在の事象が将来の純キャッシュ・フローに与える影響を評価する際に役立つことによって(予測価値)、又は、従前の評価を確認又は修正する際に役立つことによって(確認価値)、利用者の経済的意思決定に当たり、差異をもたらすことができるものでなければならない。また、情報は利用者が必要とするときに入手可能でなければならない(適時性)。

すなわち、目的適合性は、予測価値(predictive value)、確認価値(confirmatory value)及び適時性(timeliness)という3つのサブ特性から構成される。なお、会計情報は、利用者が予測を行う際に利用するか、又は利用できる場合に予測価値を有しているとされる。

(2)信頼性

信頼性は、IASBの場合、さらに、表現の忠実性(faithful representation)、実質優先(substance over form)、中立性(neutrality)、慎重性(prudence)及び完全性(completeness)の5つのサブ特性から構成されている。FASBの場合には、表現の忠実性(representational faithfulness)、実証可能性(verifiability)及び中立性(neutrality)の3つのサブ特性から構成されている。信頼性に関する議論は、次の通りであった。

  1. 実際の経済現象に係る表現の忠実性は、最も重要な質的特性であり、経済現象の実質を把握することがその要点である。また、表現の忠実性には、完全性(情報が信頼性を得るためには、重要性とコストという制約の範囲内で完全な(脱漏がない)ものでなければならない)という概念が含まれる。
  2. 財務情報の中立性とは、意思決定又は結果に影響を及ぼすことを意図したバイアスがないことを意味する。今回の議論では、FASBが用いている保守主義(ビジネスに固有の不確実性及びリスクが適切に考慮されていることを保証しようとする、不確実なものに対する慎重な対処)又はIASBが用いている慎重性(不確実な状況下で要求される見積りの判断に当たっては、資産又は収益の過大表示及び負債又は費用の過小表示にならないように、ある程度の用心深さを要求するというもの)は、今後作成されるIASB・FASBの共通概念フレームワークから除外すべきである点が暫定的に合意された。しかし、不確実性に対しては、慎重に対処することが必要であるである点は、触れられることになる。
  3. 情報は、1. 情報が表現しようとしていることを忠実に表現していること、及び、2. 情報が重要な誤謬を含まず、完全で、中立であることを、利用者に保証するために、検証可能性(測定を行う者の間の合意を通じて、情報が、表現しようとしているものを表現していること、又は選択された測定方法が誤謬又はバイアスなく適用されていることを保証する能力)を有していなければならない。観察者の間の合意によって直接検証可能な記述や方法(descriptions and measures)は、間接的にしか検証できない記述や方法よりも望ましい。
  4. その意味の解釈に多用な理解が存在する「信頼性」に代わる質的特性として、「表現の忠実性」を用いる。そして、表現の忠実性のサブ特性として、完全性、検証可能性及び中立性を位置付けることとする。表現の忠実性は、財務報告における記述や会計方法とそれらが表現しようとする現象との間に一致があることを求めている。用いられている記述や会計方法が検証可能でなければ、表現の忠実性は満たされず、また、記述や会計方法に中立性がなければ、表現の忠実性は満たされない。このように、表現の忠実性は、完全性、実質優先、実証可能性及び中立性を内包しており、表現の忠実性を用いることによって、人々が信頼性に対して持っている誤解を解決できると判断された。信頼性の問題点として、信頼性は、各基準によってさまざまなレベルで用いられており、例えば、取引所取引と相対取引、投資適格銘柄とジャンクボンド、有形固定資産と無形資産などに対して適用される「信頼ある」測定方法に求められる「信頼性」には、格差があるが、このような格差を適切に説明できない状況となっており、これらの問題を解決するには、新しい用語が必要と考えられた。

5.中小規模企業(SME)の会計基準

本プロジェクトでは、2005年10月に開催予定の円卓会議(主として認識及び測定の簡素化のあり方について議論する)で議論する論点を明確にするための質問状を2005年4月に公表し、コメントを求めている。これと並行する形で、SMEの一般目的財務諸表の表示(presentation)及び開示(disclosure)に関する質問状を作成することが意図されており、今回、これに関連する議論が行われた。議論されたのは、1. SMEの定義を構成する3つの鍵となる概念の明確化及び2. SMEの一般目的財務諸表を構成する財務諸表の内容であった。なお、中小規模企業に対して、「NPAE(Non-Publicly Accountable Entities)」という用語を一時期用いていたが、今後は人口に膾炙している「SME」を用いることとなった。

(1)SMEの定義

本プロジェクトでは、SMEは、1. 公的説明責任(public accountability)がなく、かつ、2. 外部の利用者のために一般目的財務諸表を公表する企業と定義されている。今回、この定義を構成する、公的説明責任、外部の利用者及び一般目的財務諸表の3つがどのような内容を有しているかが議論された。

1.公的説明責任

IASBは、企業が公的説明責任を有している場合とは、次のような場合を指すことに暫定的に合意しているが、この点が改めて確認された。

  1. 当該企業の有価証券が市場で取引されている(publicly traded)。
  2. 当該企業が信託財産として資産を保有している(例えば銀行)。
  3. 当該企業が電気・ガス・水道といった公益事業を行なっている。
  4. 当該企業が自国経済において重要な企業である。

2.外部の利用者

IASBの概念フレームワーク第9項では、「財務諸表の利用者には、現在の及び潜在的な投資者、従業員、貸付者、仕入先及びその他の取引業者、得意先、政府及び監督官庁並びに一般大衆が含まれる。利用者は、情報に対する各自の異なる要求のいくつかを満足させるために財務諸表を利用する。」とされている。IASBは、SMEの外部利用者を定義する際に、この定義を適用することができることを確認した。また、SMEという文脈では、外部利用者には、通常、企業の経営管理に携わっていない所有者、現在の及び潜在的な債権者(貸付者や仕入先)及び格付機関が含まれる。


3.一般目的財務諸表

IAS第1号(財務諸表の表示)の第3項では、「一般目的財務諸表とは、自己の特別に必要な情報ニーズに合わせた報告書を要求する立場にない利用者たちの要望を満たすための財務諸表である」とされているが、IASBは、この規定がSMEの文脈においても適切であることを確認した。

(2)財務諸表の構成

IASBでは、一般目的財務諸表の表示及び開示に関する質問状を作成する予定であるが、そこで質問すべき項目について議論が行われた。IAS第1号第4項では、完全な1組の財務諸表(a complete set of financial statements)は次の諸表から構成されるとされている。

  1. 貸借対照表
  2. 損益計算書
  3. 次のいずれかを示す資本の部の変動計算書
    • 資本の部のすべての変動、又は、
    • 持分所有者としての資格で行なわれた持分所有者との取引を除く資本の部の変動
  4. キャッシュ・フロー計算書、及び、
  5. 重要な会計方針及びその他の説明を含む注記

今回一般目的財務諸表に関連して、次の論点が議論されたが、合意は形成されていない。

  1. SMEの完全な1組の財務諸表には、キャッシュ・フロー計算書を含めるべきか。もし含めるとした場合、営業活動からのキャッシュ・フローは、直接法又は間接法のいずれで行うべきか。
  2. 資本の部の変動表として2つ示されているもの(上記(c)参照)のうちどちらの形式が最も適切か。
  3. SMEが支配又は共同支配されている企業である場合、当該SMEは、同一個人の共通支配下にある他の企業とともに結合財務諸表(combined financial statements)に含まれるべきことを要求すべきか。
  4. SMEを支配している親会社又は共同支配している企業に対して、連結財務諸表上において、結合された企業の情報を示す欄を示した上で、連結の合計を示すように求めるべきか。
  5. SMEが子会社を有している場合、連結財務諸表の作成を要求すべきか。
  6. SMEに対して、IAS第24号(関連当事者についての開示)に基づく開示を求めるかどうか。また、主たる経済的依存(主要顧客又は供給先に対する依存)に関する開示をSMEに求めるかどうか。

6.測定

IASBの依頼に基づいて、概念フレームワークの中で最も検討が遅れているといわれている「測定」のうち「当初認識時の測定」に関する研究がカナダ企業会計基準審議会(AcSB)よってリサーチ・プロジェクトとして行われている。その研究の成果が「財務会計の測定基礎:当初認識時の測定」としてまとまり、これをディスカッション・ペーパー(DP)として、IASBのロゴを付して公表する段階に来ている。今回は、DPとして公表することをIASBとして認めるかどうかが議論された。議論では、次の点が検討された。

  1. DPは、検討すべき論点を適切に識別し論じているかどうか。
  2. 「コメントのお願い」は、DPを適切に位置付けているかどうか。
  3. 「コメントのお願い」における質問は、IASBの将来の基準設定活動に役立つフィードバックを得られるものとなっているかどうか。

DPでは、当初認識時の測定に用いることのできる測定属性として、1. 取得原価、2. 再調達原価、3. 再生産原価、4. 正味実現可能価額、5. 使用価値及び6. 公正価値等を検討した結果、公正価値を最も適切な測定属性とし、公正価値の算定のためのヒエラルキーについても言及している。
議論の結果、次の点をDPで明確にすることを条件に、今回提示された内容でDPとして公表することが支持された。

  1. IASBとしてDPで取扱われている論点について意見形成が行なわれておらず、DPで表明されている見解は、AcSBのスタッフの見解であることを明確にする。
  2. IASBがFASBと行なっている概念フレームワークの見直しプロジェクトとの関連を説明すること(DPの成果が概念フレームワークプロジェクトで利用される)。
  3. 現在FASBが進めている「公正価値プロジェクト(公正価値の算定方法に関する基準)」での提案とDPでの勧告との間には公正価値の算定のためのヒエラルキーに差異があること、IASBがFASBの公正価値プロジェクトの成果をどのように利用しようとしているかについて説明すること。

7.保険会計(第2フェーズ)

保険会計に関しては、2004年9月にワーキンググループが組織され、その後4回にわたる会合において、損害保険契約及び生命保険契約ごとに論点の整理が行われてきている。また、IASB会議の一環として行なわれている教育セッションにおいても、保険会計の論点について、関係者からのプレゼンテーションを受けること等が行われてきた。このような一連の動きを受けて、今回、損害保険契約に適用すべき会計モデルに関する議論が行われた。

今回議論された論点は次の通りであるが、もっとも重要な点は、損害保険契約に対してどのアプローチを適用するかで、後述するように4つのアプローチが提案され、そのうち2つについて、今後検討することが暫定的に合意された。

  1. 損害保険における支払備金(claims liabilities)(既発生の保険事故に対する正当な請求の支払いに備える負債で、これには発生したが報告されていない請求(IBNR)を含む)の測定に関して「割引」及び「リスクマージン」を考慮するかどうか。
  2. 損害保険契約に関して4つの考えられうる会計アプローチのうちどれを今後検討対象とするか。4つのうち2つのアプローチ(アプローチC及びD)は割引とリスクマージンを考慮するが、他の2つ(アプローチAとB)ではそれらを考慮しない。
  3. 4つの考えられうるアプローチを用いた例示をレビューする。
  4. キャッシュ・フローの見積りに関しての詳細なガイダンスをIFRSにおいて示すかどうか。
    なお、今回の議論は、損害保険契約に絞って議論が行われたが、今後生命保険契約についての議論が行われる予定である。また、保険契約に適用すべき会計モデルを単一のものとするか、損害保険契約と生命保険契約とで別々のものとするかについては、将来議論することとなっており、当面は、損害保険契約と生命保険契約に分けて、議論することとされている。

(1)損害保険契約に対するアプローチ

今回、次の4つのアプローチが示され、スタッフからは、アプローチC及びDについて今後研究をすべきとの提案が行なわれた。議論の結果、この方向で今後議論することが暫定的に合意された。

(a)アプローチA(カレントアプローチ:資産にIAS第39号を適用)
  • 多くの国において保険負債に要求される既存の会計の主要な特徴を用いる。すなわち、アプローチAでは、未経過保険料負債は、時の経過に従って償却され、また負債適正性テストが適用される。繰延獲得費用は、繰延べられた上で、償却・減損が行われる。また、支払備金には明示的なリスクマージンが含まれず、割引も行われない。
  • 金融資産に対してはIAS第39号を適用する。
(b)アプローチB(カレントアプローチ:ある資産には原価法を適用)
  • 多くの国において保険負債に要求される既存の会計の主要な特徴を用いる(アプローチAと同じ)。
  • アプローチAにおける一定の保有金融資産に関する取扱いを修正する。すなわち、固定あるいは確定した支払を有し、保険負債に裏付けされて保有される金融資産に対しては、償却原価法の採用を許容する。
(c)アプローチC(カレントアプローチ:割引とリスクマージンを含む)
  • 保有契約に係る将来の保険事故による正当な請求に対する支払いに備える責任準備金と支払備金とを区別し、責任準備金は、保険料の未経過部分から繰延獲得費用を控除して測定される(繰延獲得費用が未経過保険料と区分して認識されるべきか否かについては今後論議する)(アプローチA及びBと同様)。
  • アプローチAの支払備金の取扱いを修正し、支払備金は、1. 将来キャッシュ・フローを割引き、2. リスクマージンを含んだ測定を行なう。
  • 金融資産に対してはIAS第39号を適用する(アプローチAと同じ)。
(d)アプローチD(プロスペクティブアプローチ)
  • 支払備金を責任準備金とは区別せず保険負債と一括した上で、支払備金に適用される「将来キャッシュ・フローを割引き、リスクマージンを含んだ測定」を保険負債に適用する。これは、IASBが収益認識に関するFASBとの共同プロジェクトにおいて研究しているアプローチであり、過去にIASCの保険契約に関する起草委員会によって作成された原則書案(DSOP)における提案と同様のものである。アプローチDでは、未経過保険料及び繰延獲得費用の繰延べは行われず、その代わり、保険会社の契約上の権利と義務は契約時から現在出口価値(current exit value)で測定される。
  • 金融資産に対してIAS第39号を適用する(アプローチAと同じ)。

(2)アプローチC及びDの特徴

既に触れたように、スタッフの提案に基づき、今後アプローチC及びDに基づいて損害保険契約の会計処理が検討されることとなったが、アプローチC及びDの特徴は、次の通りである。

  1. アプローチCとDは共通して次の特徴を有する。
    1. 支払備金の測定にはバイアスのない現時点の将来キャッシュ・フローの見積もりが反映される。
    2. 損害保険の支払備金は貨幣の時間的価値を反映し、またリスクマージンを含む。
    3. 災害準備金と平衡準備金は負債として認識されない。
    4. 保有金融資産には、既存のIFRS(例えば、IAS第39号)が適用される。そのため、損害保険契約に裏付けされた資産に対して原価法が適用されることはない。
  2. アプローチCとDは次の点において異なっている。
    1. アプローチDの下では、保有契約に係る将来の保険事故の正当な請求に関する支払いに備える責任準備金 は、既発生の保険事故に関する正当な請求の支払いに備える負債(支払備金)と同様の方法により測定される。一方、アプローチCの下では、責任準備金は保険料の未経過部分として、繰延獲得費用を控除して測定される(繰延獲得費用が未経過保険料と区分して認識されるべきか否かについては今後論議する)。
    2. アプローチCの下では、未経過保険料と関連する繰延獲得費用に関して負債適正性テストが実施される。そのテストは、バイアスのない現時点の将来キャッシュ・フローとの比較を含み、その際、現在価値は貨幣の時間的価値を反映して割り引かれ、またリスクマージンを含む。アプローチDの下では、責任準備金の測定に既に現在価値が反映しているので、負債適正性テストは必要とされない。このように、アプローチCでは、責任準備金の「ダウンサイド」の変動のときだけ調整が行なわれるが、アプローチDでは、「ダウンサイド」と「アップサイド」の両方の変動に対応して責任準備金の調整が行なわれる。

8.解釈指針

今回の会議では、公開草案D10(ある特定市場への参加によって生じる負債-廃棄電気電子器具)及びD11(従業員株式購入プランへの拠出)について議論が行われた。

(1)D10

D10は、2004年11月に公開草案が公表され、その後のコメントの検討を経て、今回最終解釈指針として公表することに対するIASBの了承が求められた。

この公開草案は、IAS第37号の解釈に関連するもので、欧州連合(EU)で廃棄電気電子器具に関する指令が制定され、これに伴って2005年8月13日以前に一般家庭向けに販売された電気電子器具(これを「HHE」という)の廃棄物管理費用を「測定期間」と呼ばれるEU各国が定める一定期間に市場に参加している製造業者にその市場占有率等の一定の仕組みに基づいて負担させようというものである。EU各国は、そのような負担制度を構築することが義務付けられている。D10の解釈案は、HHEの廃棄物管理費用に対するIAS第37号第14項(a)に基づく債務発生事象(obligating event)は、測定期間に市場に参加することであり、製造業者等がHHEを販売又は製造することによっては、HHEの廃棄物管理費用に対する負債は生じないという考え方に基づいて解釈が示されている。

議論では、EUという特定地域の特定の法律の施行に対応して解釈指針を公表することが妥当かといった根本的な問題が提起されたが、すでにある特定地域の問題に関して過去にも解釈指針が公表されており、そのことを理由に解釈指針の公表が中止されるべきではないと判断された。また、この解釈指針で取扱われた内容は、最終的には、IAS第37号の改訂を通じて、基準本体の中に反映されるべきであるという点でも一致した。

議論の結果、次の点を修正したうえで最終解釈指針として公表することが承認された。

  1. 「結論の背景」の中に「背景」というサブタイトルの下で、なぜHHEのみを今回の解釈指針の対象として限定したのか(逆に言うと、なぜ解釈指針に含まれないものを含まないこととしたか)についての説明が示されている。これは、解釈指針で示した結論に至った理由を説明するものではなく「結論の背景」の趣旨にそぐわないことから、解釈指針本体に移すこと。
  2. 「結論の背景」の中で、将来発生すると予想される廃棄物管理費用に対する義務を開示することが推奨されているが、解釈指針において、IFRSに規定のない開示を推奨することは、解釈指針の本来の趣旨に反することから、そのような推奨を削除すること。

(2)D11

D11は、2004年12月に公開草案が公表され、その後のコメントの検討を経て、IFRIC(国際財務報告基準解釈指針委員会)で検討が行われているが、その過程で、IFRS第2号(株式報酬制度)の規定の不備が明確になり、IASBは、IFRICの解釈を確認すると共に、IFRS第2号の改訂を含めた基準の明確化を行なうこととした。

D11は、英国等で普及している「従業員株式購入プラン(ESPP)」に対する拠出の会計処理に関する解釈指針案である。ESPPでは、従業員が一定期間(3年、5年及び7年等)にわたって拠出を行い、期間の終了時点で、当該拠出金を用いて、当該期間の開始時点の株式の市場価格の20%引きの価格である一定数の株式を購入するかを従業員が決定できるという仕組みである。従業員は、期間中いつでも拠出を中止することができ、また、期間が終了するまで拠出をしても株式を購入する義務はなく、返金を受けることができる。

ESPPを巡る解釈の焦点は、従業員が拠出を中止する行為を1. 「権利の喪失(forfeiture)」と見るか、2. 「解約(cancellations)」と見るか、又は、3. オプションの権利不行使と見るかという問題である。権利の喪失と見ると、それ以前に費用として認識されていた株式報酬に係る費用をその時点で振戻して利益として認識する会計処理が適用される。また、解約と見ると、従業員が労働サービスを提供することが予定されていた期間のうち残存している期間に配分される予定であった費用が、解約時点で一括して認識されることになる。さらに、オプションの権利不行使と見ると、この行為は株式報酬の会計処理に影響する事象ではないため、何の会計処理も行なわれないこととなる。IFRICは、このような解釈案を検討した結果、解約と見る立場を採用してD11を公開した。

コメントを受けての検討過程において、次の2点を巡ってIFRICは検討を進めることができなくなり、今回IFRICからIASBに対して見解を示すよう依頼があり、検討が行われた。

  1. 解約に関するIFRS第2号第28項では、「企業が、権利確定期間(vesting period)に付与した持分金融商品の解約又は決済を行なったときには、つぎの会計処理を行なう」という表現を用いているため、解約は、企業側からのみ行なえるものと解釈することができる。従業員側からも解約できるかどうかを明確にする必要がある。
  2. 権利確定条件(vesting conditions)は、サービス条件(一定期間のサービスの提供が完了することを求める条件)及び業績条件(特定の業績目標の達成を求める条件)の2つに限定されるかどうかを明確にする必要がある。

これらについて議論が行われた結果、IASBは、従業員がESPPに拠出を続けることは権利確定条件と見るべきではないと判断し、従業員の拠出の中止は、従業員からの解約として会計処理すべきであるとの暫定合意さに達した。また、これに伴い、IFRS第2号を下記の通り改訂することも暫定的に合意された。

  1. 解約
    IFRS第2号の検討段階で、IASBは、解約は企業側からしかできないと限定する意図を有していなかったため、現在のIFRS第2号第28項の表現は誤解を招くものとなっている。このため、従業員側からも解約ができると読めるように文言を修正することが合意された。この結果、ESPPに対する従業員の拠出の中止は、従業員からの解約として会計処理(解約時点で残存費用を一括認識する)されることとなる。
  2. 権利確定条件
    今回のコメントの中には、従業員が拠出を中止することは権利確定条件を満たさないもの(すなわち、権利の喪失)と見て、拠出を中止した時点でそれ以前に費用として認識されていた株式報酬に係る費用をその時点で振戻して利益として認識する会計処理が適用できるという主張があった。このコメントは、権利確定条件として、サービス条件及び業績条件以外のものが存在するということを前提にしている。IASBは、権利確定条件にはサービス条件及び業績条件以外のものはないと考えているが、現在の権利確定条件の定義では、この点が明確でないので、権利確定条件にはサービス条件と業績条件しかないことを明確にするための定義の修正を行うことが暫定的に合意された。

以上
(国際会計基準審議会理事 山田辰己)