2026年10月16日
企業会計基準委員会
当委員会が2016年に公表した中期運営方針では、我が国における会計基準を国際的に整合性のあるものとするための取組みの一つとして金融商品に関する会計基準を挙げており、我が国における会計基準の改訂に向けた検討に着手するか否かの検討を行うとしていました。
当委員会は、金融商品に関する会計基準の開発(改正)に着手することは、我が国の会計基準を高品質なものとすることにつながり得ると考えており、また、金融危機以降に改正された国際的な会計基準との整合性を図ることになり、国内外の企業間の財務諸表の比較可能性を向上させることに寄与し得るものと考えました。しかしながら、我が国の企業において多くの適用上の課題が生じることが想定されたことから、当委員会は、2018年8月に金融商品会計の開発に着手するか否かを決定する前の段階で、適用上の課題とプロジェクトの進め方に対する意見を幅広く把握するために「金融商品に関する会計基準の改正についての意見の募集」を公表しました。
この際、「金融資産の減損」に関しては、国際的に予想信用損失モデルが導入されており、国際的な整合性を図る観点から、開発に着手する意義は高いと考えられました。
これらの状況を踏まえ、当委員会は、2019年10月に開催された第419回企業会計基準委員会において、金融資産の減損について会計基準の開発に着手することとし、検討を重ねてまいりました。また、これに合わせて、金融商品の分類及び測定に関して、金融商品の分類に関する枠組みを維持した上で予想信用損失モデルを取り入れるにあたり最小限の見直しを行うこととし、検討を重ねてまいりました。
当委員会は、金融資産の減損について会計基準の開発により、将来予測的な情報を含む広範囲の情報の使用及び予想信用損失のより適時の認識を通じて、予想信用損失モデルが金融商品の信用リスクの変動を描写することによって、経済的意思決定のための関連性のある情報を提供すると考えております。
今般、2026年10月5日開催の第585回企業会計基準委員会において、以下の企業会計基準、企業会計基準適用指針、実務対応報告及び移管指針(以下合わせて「本会計基準等」という。)の公表を承認しましたので、本日公表いたします。
本会計基準等につきましては、2025年10月29日に公開草案を公表し、広くコメント募集を行った後、当委員会に寄せられたコメントを踏まえて検討を行い、公開草案の内容について一部修正を行った上で公表するに至ったものです。
以上
【参考】企業会計基準第10号「金融商品に関する会計基準」(2026年6月)からの改正点
「金融資産の予想信用損失に係る会計上の取扱いに関する適用指針」
【参考】企業会計基準適用指針第19号「金融商品の時価等の開示に関する適用指針」(2024年9月)からの改正点
【参考】移管指針第9号「金融商品会計に関する実務指針」(2026年6月)からの改正点
【参考】移管指針第12号「金融商品会計に関するQ&A」(2024年7月)からの改正点
【参考】企業会計基準第11号「関連当事者の開示に関する会計基準」(2006年(平成18年)10月)からの改正点
【参考】企業会計基準第29号「収益認識に関する会計基準」(2024年9月)からの改正点
【参考】企業会計基準第34号「リースに関する会計基準」(2024年9月)からの改正点
【参考】企業会計基準第37号「期中財務諸表に関する会計基準」(2026年1月)からの改正点
【参考】企業会計基準適用指針第13号「関連当事者の開示に関する会計基準の適用指針」(2024年9月)からの改正点
【参考】企業会計基準適用指針第30号「収益認識に関する会計基準の適用指針」(2024年9月)からの改正点
【参考】企業会計基準適用指針第33号「リースに関する会計基準の適用指針」(2024年9月)からの改正点
【参考】企業会計基準適用指針第34号「期中財務諸表に関する会計基準の適用指針」(2026年1月)からの改正点
「従業員等に信託を通じて自社の株式を交付する取引に関する実務上の取扱い」
【参考】実務対応報告第30号「従業員等に信託を通じて自社の株式を交付する取引に関する実務上の取扱い」(2015年(平成27年)3月)からの改正点
【参考】移管指針第7号「持分法会計に関する実務指針」(2024年7月)からの改正点
また、本会計基準等を適用する際に、実務に資するための情報を提供することを目的として、補足文書「金融資産の予想信用損失に係る会計上の取扱いについて」を本日公表いたします。
補足文書「金融資産の予想信用損失に係る会計上の取扱いについて」
「企業会計基準及び修正国際基準の開発に係る適正手続に関する規則」第27条に基づき、本会計基準等の定めが明確であるものの、これに従った処理を行うことが実務上著しく困難な状況が市場関係者により識別され、その旨当委員会に提起された場合には、公開の審議により、別途の対応を図ることの要否を当委員会にて判断することとしております。この対応に関する具体的な手順は、こちらに記載しております。