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実務対応報告第35号公共施設等運営事業における運営権者の会計処理等に関する実務上の取扱い
目 的
- 1. 「PFI(Private Finance Initiative:プライベート・ファイナンス・イニシアティブ)」とは、公共施設等の建設、維持管理、運営等を民間の資金、経営能力及び技術的能力を活用して行う手法である。我が国では、「民間資金等の活用による公共施設等の整備等の促進に関する法律」(平成11年法律第117号)(以下「民間資金法」という。)が1999年(平成11年)7月に制定され、PFI事業の枠組みが設けられた。その後、2011年(平成23年)に民間資金法が改正され、管理者等(民間資金法第2条第3項に規定する公共施設等の管理者である各省各庁の長等をいう。以下同じ。)が所有権を有する公共施設等(民間資金法第2条第1項に規定する道路、空港、水道等の公共施設、庁舎等の公用施設、教育文化施設等の公益的施設等をいう。以下同じ。)について、公共施設等運営権(民間資金法第2条第7項に規定する公共施設等運営権をいう。以下同じ。)を民間事業者に設定する制度(以下「公共施設等運営権制度」という。)が新たに導入された。
- 本実務対応報告は、公共施設等運営事業(民間資金法第2条第6項に規定する公共施設等運営事業をいう。以下同じ。)における運営権者(民間資金法第9条第4号に規定する公共施設等運営権を有する者をいう。以下同じ。)の会計処理等について、実務上の取扱いを明らかにすることを目的とする。
範 囲
- 2. 本実務対応報告は、公共施設等運営事業において、運営権者が公共施設等運営権を取得する取引に関する会計処理及び開示、並びに運営権者が公共施設等に係る更新投資(民間資金法第2条第6項に基づき、運営権者が行う公共施設等の維持管理をいう。以下「更新投資」という。)を実施する取引に関する会計処理及び開示に適用する。
実務上の取扱い
公共施設等運営権に関する会計処理
公共施設等運営権の取得時の会計処理
- 3. 運営権者は、公共施設等運営権を取得した時に、管理者等と運営権者との間で締結された実施契約(民間資金法第22条第1項に規定する公共施設等運営権実施契約をいう。以下同じ。)において定められた公共施設等運営権の対価(以下「運営権対価」という。)について、合理的に見積られた支出額の総額を無形固定資産として計上する。
- 4. 運営権対価を分割で支払う場合、資産及び負債の計上額は、運営権対価の支出額の総額の現在価値による。
- 5. 運営権対価の支出額の総額の現在価値の算定にあたっては、運営権者の契約不履行に係るリスク(以下「運営権者の信用リスク」という。)を割引率に反映させる。
- 運営権対価の支出額の総額とその現在価値との差額については、運営権設定期間(民間資金法第17条第3号に規定する公共施設等運営権の存続期間をいう。以下同じ。)にわたり利息法により配分する。
- 6. 第3項に基づき合理的に見積られた運営権対価の支出額に重要な見積りの変更が生じた場合、当該見積りの変更による差額は、第3項及び第4項に基づき計上した資産及び負債の額に加減する。
- 7. 公共施設等運営権の取得は、企業会計基準第34号「リースに関する会計基準」(以下「リース会計基準」という。)の適用範囲に含めない。
公共施設等運営権の減価償却の方法及び耐用年数
- 8. 無形固定資産に計上した公共施設等運営権は、原則として、運営権設定期間を耐用年数として、定額法、定率法等の一定の減価償却の方法によって、その取得原価を各事業年度に配分する。
- 9. 実施契約において、一定の条件の下で運営権設定期間を延長することができる条項(以下「延長オプション」という。)が定められる場合、運営権者が当該条項を行使する意思が明らかな場合を除き、延長可能な期間は公共施設等運営権の耐用年数に含めない。
公共施設等運営権の減損損失の認識の判定及び測定における資産のグルーピング
- 10. 公共施設等運営権は「固定資産の減損に係る会計基準」(2002年8月(平成14年) 企業会計審議会)(以下「減損会計基準」という。)の対象となる。その適用に際して、減損損失の認識の判定及び測定において行われる資産のグルーピングは、原則として、実施契約に定められた公共施設等運営権の単位で行う。ただし、管理会計上の区分、投資の意思決定(資産の処分や事業の廃止に関する意思決定を含む。)を行う際の単位、継続的な収支の把握がなされている単位及び他の単位から生じるキャッシュ・インフローとの相互補完性を考慮し、公共施設等運営事業の対象とする公共施設等ごとに合理的な基準に基づき分割した公共施設等運営権の単位でグルーピングを行うことができる。
その他
- 11. 実施契約において、運営権対価とは別に、各期の収益があらかじめ定められた基準値を上回ったときに運営権者から管理者等に一定の金銭を支払う条項(以下「プロフィットシェアリング条項」という。)が設けられる場合、当該条項に基づき各期に算定された支出額を、算定された期の費用として処理する。
更新投資に関する会計処理
更新投資に係る資産及び負債の計上
- 12. 更新投資に係る資産及び負債の計上に関する取扱いは、次のとおりとする。
- (1) 本項(2)の場合を除き、更新投資を実施した時に、当該更新投資のうち資本的支出に該当する部分(所有権が管理者等に帰属するものに限る。以下同じ。)に関する支出額を資産として計上する。
- (2) 運営権者が公共施設等運営権を取得した時において、大半の更新投資の実施時期及び対象となる公共施設等の具体的な設備の内容が、管理者等から運営権者に対して実施契約等で提示され、当該提示によって、更新投資のうち資本的支出に該当する部分に関して、運営権設定期間にわたって支出すると見込まれる額の総額及び支出時期を合理的に見積ることができる場合、当該取得時に、支出すると見込まれる額の総額の現在価値を負債として計上し、同額を資産として計上する。
- 13. 第12項(2)に基づき負債を計上する場合、現在価値の算定に用いる割引率は、運営権対価の支出額の総額の現在価値の算定に用いたものと同じ利率とする。
- 更新投資のうち資本的支出に該当する部分に関して、運営権設定期間にわたって支出すると見込まれる額の総額とその現在価値との差額については、運営権設定期間にわたり利息法により配分する。
- 14. 第12項(2)に基づき資産及び負債を計上する場合、更新投資のうち資本的支出に該当する部分に関して、運営権設定期間にわたって支出すると見込まれる額及び支出時期に重要な見積りの変更が生じたときは、当該見積りの変更による差額を資産及び負債の額に加減する。
更新投資に係る資産の減価償却の方法及び耐用年数
- 15. 第12項に基づき計上した更新投資に係る資産の額は、運営権設定期間中の各事業年度に配分する。その具体的な方法は、次のとおりとする。
- (1) 第12項(1)に基づき資産を計上する場合、当該更新投資を実施した時より、当該更新投資に係る資産の経済的耐用年数(当該更新投資に係る資産の経済的耐用年数が公共施設等運営権の残存する運営権設定期間を上回る場合は、当該残存する運営権設定期間)にわたり、定額法、定率法等の一定の減価償却の方法によって、その取得原価から残存価額を控除した額を各事業年度に配分する。
- (2) 第12項(2)に基づき資産を計上する場合、運営権設定期間を耐用年数として、定額法、定率法等の一定の減価償却の方法によって、その取得原価から残存価額を控除した額を各事業年度に配分する。
開 示
表 示
- 16. 第3項及び第4項に基づき計上した公共施設等運営権は、無形固定資産の区分に、公共施設等運営権などその内容を示す科目をもって表示する。
- 17. 第12項に基づき計上した更新投資に係る資産は、無形固定資産の区分にその内容を示す科目をもって表示する。
- 18. 運営権対価を分割で支払う場合に計上する負債は、貸借対照表日後1年以内に支払の期限が到来するものを流動負債の区分に、貸借対照表日後1年を超えて支払の期限が到来するものを固定負債の区分に、公共施設等運営権に係る負債などその内容を示す科目をもって表示する。
- 19. 第12項(2)に基づき計上した更新投資に係る負債は、貸借対照表日後1年以内に支払の期限が到来するものを流動負債の区分に、貸借対照表日後1年を超えて支払の期限が到来するものを固定負債の区分にその内容を示す科目をもって表示する。
注記事項
- 20. 運営権者は、原則として、次の事項を公共施設等運営権ごとに注記する。ただし、同一の実施契約において複数の公共施設等運営権を対象とすることにより一体的な運営等を行う場合、または個々の公共施設等運営権の重要性は乏しいが、同一種類の複数の公共施設等運営権全体については重要性が乏しくない場合には、集約して注記することができる。
- (1) 運営権者が取得した公共施設等運営権の概要(公共施設等運営権の対象となる公共施設等の内容、実施契約に定められた運営権対価の支出方法、運営権設定期間、残存する運営権設定期間、プロフィットシェアリング条項の概要等)
- (2) 公共施設等運営権の減価償却の方法
- (3) 更新投資に係る事項
- ① 主な更新投資の内容及び投資を予定している時期
- ② 運営権者が採用した更新投資に係る資産及び負債の計上方法
- ③ 更新投資に係る資産の減価償却の方法
- ④ 第12項(1)に基づき更新投資に係る資産を計上する場合、翌期以降に実施すると見込まれる更新投資のうち資本的支出に該当する部分について、合理的に見積ることが可能な部分の内容及びその金額
適用時期
- 21. 2017年に公表された本実務対応報告(以下「2017年実務対応報告」という。)は、2017年(平成29年)5月31日以後終了する事業年度及び四半期会計期間から適用する。
- 21-2. 2024年に改正された本実務対応報告(以下「2024年改正実務対応報告」という。)の適用時期は、2024年に公表されたリース会計基準の適用時期と同様とする。
議 決
- 22. 2017年実務対応報告は、第359回企業会計基準委員会に出席した委員12名全員の賛成により承認された。
- 22-2. 2024年改正実務対応報告は、第532回企業会計基準委員会に出席した委員13名全員の賛成により承認された。
結論の背景
経 緯
- 23. 1999年(平成11年)7月に制定された民間資金法によりPFI事業の枠組みが設けられた後、2011年(平成23年)に改正された民間資金法において、公共施設等運営権制度が新たに設けられ、2014年(平成26年)6月24日に閣議決定された「『日本再興戦略』改訂2014」において、当該制度を活用する場合における事業環境を整備するために、会計上の処理方法の整理を行うこととされており、2015年(平成27年)7月に開催された第24回基準諮問会議において、内閣府より、公共施設等運営権に係る会計上の取扱いについての検討が提案された。
- 24. これを受けて、2015年(平成27年)11月に開催された第324回企業会計基準委員会において、基準諮問会議より、公共施設等運営権に係る会計上の取扱いについて検討を求める提言がなされ、当委員会では、同年12月より、公共施設等運営事業における運営権者の会計処理及び開示に関する検討を行うこととなった。
- 2017年実務対応報告は、2016年(平成28年)12月に公表した実務対応報告公開草案第48号「公共施設等運営事業における運営権者の会計処理等に関する実務上の取扱い(案)」に対して寄せられた意見を踏まえて検討を行い、公開草案の内容を一部修正した上で公表するに至ったものである。
- 25. なお、本実務対応報告では、運営権者が公共施設等運営権を取得する取引及び公共施設等に係る更新投資を実施する取引に関して、当面、必要と考えられる会計上の取扱いを示しているが、公共施設等運営権制度は、今後、様々な事業分野において実施されることが想定されるため、本実務対応報告において定めのない事項については、今後の公共施設等運営権制度の進展や市場関係者の要望に基づき、その検討の要否を判断することになると考えられる。
- 25-2. 2024年改正実務対応報告では、2024年のリース会計基準の公表に伴い、結論の背景において「実務上の取扱い」について改正を行わなかった経緯を記載した。
範 囲
- 26. 公共施設等運営権制度は、民間資金法において次のとおり規定されている。
- (1) 運営権者が実施する公共施設等運営事業とは、特定事業(民間資金法第2条第2項に規定する公共施設等の整備等(公共施設等の建設、製造、改修、維持管理若しくは運営又はこれらに関する企画をいい、国民に対するサービスの提供を含む。)に関する事業であって、民間の資金、経営能力及び技術的能力を活用することにより効率的かつ効果的に実施されるものをいう。)であって、公共施設等運営権の設定を受けて、管理者等が所有権を有する公共施設等について運営等(運営及び維持管理並びにこれらに関する企画をいい、国民に対するサービスの提供を含む。)を行い、利用料金を自らの収入として収受するものである(民間資金法第2条第6項)。
- (2) 公共施設等運営権とは、公共施設等運営事業を実施する権利であり(民間資金法第2条第7項)、公共施設等運営権制度では、管理者等が所有権を有する公共施設等について、公共施設等運営権を運営権者に設定する。
- (3) 民間資金法では、公共施設等運営権が物権とみなされており(民間資金法第24条)、公共施設等運営権への抵当権の設定等が可能である。また、権利の性質上、その行使には一定の制約を受けるため、分割又は併合が認められておらず、第三者へ移転する場合は、管理者等の許可を受けなければならない(民間資金法第26条)。
- (4) 民間資金法では、実施契約において定められた事項に関して、運営権者に重大な違反があった場合等において管理者等による公共施設等運営権の取消しが認められているが(民間資金法第29条第1項)、運営権者による実施契約の解約の可否は、民間資金法上に規定されていない。
- 27. なお、内閣府が定めた「公共施設等運営権及び公共施設等運営事業に関するガイドライン」(以下「運営権等ガイドライン」という。)において、管理者等は、運営権の取消しについては公共サービスの継続的な提供の重要性等を勘案し、運営権の取消し以外に取り得る手段の有無を検討した上で慎重に行うこととされており、管理者等及び運営権者が実施契約を解約するケースは、重大な契約違反があった場合等、限定的であることが想定される。このため、本実務対応報告における会計上の取扱いは、管理者等と運営権者との間で実施契約が解約されるのは限定的であることを想定して検討している。
実務上の取扱い
公共施設等運営権に関する会計処理
公共施設等運営権の取得時の会計処理
(公共施設等運営権の会計処理の単位)
- 28. 公共施設等運営事業は、物理的資源や人的資源など様々な経営資源によって構成されることから、公共施設等運営権について、どのような単位で会計処理を行うかが論点になる。
- 29. この点、運営権等ガイドラインでは、公共施設等運営権は「管理者等が有する公共施設等の所有権のうちから、公共施設等の運営等を行い利用料金を収受する(収益を得る)権利を切り出したもの」と記載されており、民間資金法上も物権とみなされている(第26項(3)参照)。また、公共施設等運営事業は、複数の公共施設等が一体となって1つの事業を構成しており、民間資金法上、公共施設等運営権の分割又は併合が認められていないため、公共施設等運営権を一括して会計処理することによって、当該性質を会計処理に反映することができると考えられる。
- このため、公共施設等運営権を公共施設等ごとに分割せずに、一括して会計処理を行うこととした。
(運営権対価の会計的性質)
- 30. 公共施設等運営権の取得時の会計処理の検討にあたり、実施契約において定められる運営権対価の会計的性質について、運営権者が一定の期間にわたり公共施設等を使用する権利の取得の対価と捉える考えと、管理者等が所有権を有する公共施設等を毎期使用する役務提供に係る費用と捉える考えの2つが検討された。
- 31. この点、公共施設等運営権は、民間資金法において物権とみなされており、運営権者が独占的に公共施設等を使用することを認める法律上の権利であるため、運営権対価を、運営権者が一定の期間にわたり公共施設等を使用する権利の取得の対価と捉えることによって、他の法律上のみなし物権(鉱業権やダム使用権など)の会計処理と整合的に、公共施設等運営権を貸借対照表上に表すことができると考えられる。
- 32. ここで、運営権対価の会計的性質について、運営権者が一定の期間にわたり公共施設等を使用する権利の取得の対価であると捉えた上で、実施契約において、運営権対価が固定額ではなく、将来の業績等の指標に連動する形式で定められる場合の会計上の取扱いが論点になる。
- 33. 本論点は、リース会計におけるいわゆる変動リース料の議論と類似しており、結論が一義的に決まるものではないが、次の理由により、運営権対価が固定額ではなく、将来の業績等の指標に連動する形式で定められる場合においても、公共施設等運営権を取得した時に合理的に見積られた運営権対価の支出額の総額を無形固定資産として計上することとした(第3項参照)。
- (1) 運営権者は、一定の期間にわたり公共施設等を使用する権利を取得することに伴って、取得の対価を支払う義務を負っており、運営権対価が固定額であるか、全額が将来の業績等の指標に連動して定められるかによって、当該義務としての性質は異ならないこと
- (2) 公共施設等運営権はみなし物権としての性質を有しており、運営権対価が固定額であるか、全額が将来の業績等の指標に連動して定められるかによって、資産及び負債の金額が大きく異なることは適切ではないこと
- (3) 運営権対価の全額が将来の業績等の指標に連動する形式で定められる場合においても、実施契約に規定された一定の算式に基づき運営権対価を算定することが管理者等と運営権者との間で合意されており、公共施設等運営権を取得した時に、登録免許税の課税標準として合理的な見積りが行われる(民間資金法第27条第1項、公共施設等運営権登録令第13条、公共施設等運営権登録令施行規則第16条第21号及び登録免許税法第10条第1項)ため、運営権等ガイドラインにおいて、運営権対価は「実施契約において管理者等と運営権者が定めた価格であることから、その価格は一に定まる」ものであり、「固定価格と考えられる」と記載されている性質は変わらないと考えられること
- 34. なお、本件の議論においては、運営権対価に特有の性質に着目しており、一般的な変動リース料そのものの包括的な検討を行ったわけではないため、2017年実務対応報告は、その公表当時、リースに係る現行の取扱いに影響を与えるものではないとしていた。
(現在価値の算定)
- 35. 運営権対価を分割で支払う場合、無形固定資産として計上する金額は、現在価値によることとなるが、現在価値の算定にあたっては、運営権者の信用リスクを反映する必要がある。
- 36. この点、運営権対価を分割で支払う場合は支出時期及び支出額が固定されるため、運営権者の信用リスクを割引率に反映することとした(第5項参照)。運営権者は、例えば、次のような利率を割引率に用いることが考えられる。
- (1) 実施契約において明示される利率
- (2) 運営権設定期間における運営権者の追加借入に適用されると合理的に見積られる利率
(企業会計基準第13号との関係)
- 37. 企業会計基準第13号「リース取引に関する会計基準」(以下「企業会計基準第13号」という。)では、リース取引は、特定の物件の所有者たる貸手(レッサー)が、当該物件の借手(レッシー)に対し、合意された期間(リース期間)にわたりこれを使用収益する権利を与え、借手は、合意された使用料(リース料)を貸手に支払う取引と定義しており、2017年実務対応報告では、公共施設等運営権の取得がリース取引に該当する可能性があるため、企業会計基準第13号との関係が論点になるとしていた。
- 38. この点、運営権等ガイドラインには、公共施設等運営権の設定に関して次の特徴がある旨が記載されている。
- (1) 利用料金に関する事項は、適切な利用料金の上限、幅などについて実施方針(民間資金法第5条第1項に規定する実施方針をいう。以下同じ。)において規定され、個別法に料金に関する規定がある場合は、当該規定に従い所定の手続を行い、併せて民間資金法に基づく届出を行うことが要求される。
- (2) 公共施設等運営事業は公共施設等の運営等を行うものであり、当該施設等の維持管理が重要であることから、民間資金法に基づき、管理者等は、必要に応じて、運営権者に対して、業務及び経理の状況について報告を求め、実地の調査や必要な指示(改善命令)をするなどのモニタリングを行うことが要求される。
- (3) 公共施設等運営権を移転する場合は、実施方針に照らして適切であることを確認する必要があるため、移転の条件が実施方針に定められ、管理者等による運営権移転の許可が必要となる。
- (4) 管理者等は、公共サービスを継続的に提供することの重要性等を勘案した上で、公共施設等運営権の取消しを行い得る。
- 39. 前項のとおり、管理者等は、公共施設等運営権の移転の許可、公共施設等運営権の取消し、公共施設等運営事業のモニタリング等によって、公共施設等運営事業に引き続き強く関与するため、公共施設等運営事業は、管理者等による管理の下で行われ、運営権者が使用収益する権利に大きな制約があるという特徴がある。
- また、仮に公共施設等運営権の取得を企業会計基準第13号の適用範囲に含める場合、公共施設等運営事業の対象とする個々の公共施設等を個別に管理するために、個々に金額(時価)を把握して会計処理するときには、公共施設等運営事業は複数の公共施設等が一体となって1つの事業を構成し、民間資金法上、公共施設等運営権の分割又は併合が認められていないという実態を必ずしも適切に表さないと考えられる。
- これらを踏まえ、2017年実務対応報告では、公共施設等運営権の取得を企業会計基準第13号の適用範囲に含めないこととしていた。
(リース会計基準との関係)
- 39-2. 2024年改正実務対応報告では、リース会計基準においてリースの定義を「原資産を使用する権利を一定期間にわたり対価と交換に移転する契約又は契約の一部分」(リース会計基準第6項)と変更したことを受けて、公共施設等運営権の取得をリース会計基準の適用範囲に含めるか否かを検討した。審議の過程では、リース会計基準における新たなリースの定義及びリースの識別に照らして、公共施設等運営権の取得がリースに該当するか否かを整理する必要があるのではないかとの意見が聞かれた。
- 39-3. 公共施設等運営権の取得がリースに該当するか否かの検討は、公共施設等運営事業が物理的資源や人的資源など様々な経営資源によって構成される(本実務対応報告第28項参照)中で、公共施設等運営権を分割して会計処理すべきとの考え方、すなわち、公共施設等運営権の構成要素についてリースに該当するか否かを判断すべきとの考え方に基づいたものであると考えられる。この点、本実務対応報告では、公共施設等運営権を分割せずに、一括して会計処理を行うこととしている(本実務対応報告第29項参照)。リース会計基準において新たなリースの定義及びリースの識別を採用したとしても、公共施設等運営権を一括して会計処理する考え方の前提である公共施設等運営権の性質が変わるものではないことから、公共施設等運営権を一括して会計処理する考え方のもと、公共施設等運営権の構成要素について新たなリースの定義及びリースの識別に照らして検討するのではなく、公共施設等運営権の取得について、引き続き、一括して本実務対応報告を適用することが考えられる。
- 以上を踏まえて、2024年改正実務対応報告では、公共施設等運営権の取得について、企業会計基準第13号の適用範囲に含めない取扱いを踏襲し、リース会計基準の適用範囲に含めないこととした(本実務対応報告第7項参照)。
(運営権対価の見積りの変更)
- 40. 運営権対価の見積りの変更による差額の会計処理については、一般的に、会計上の見積りの変更には、将来にわたり会計処理を行う方法が採用されている点を考慮して、当該見積りの変更による差額を資産及び負債の額に加減し(第6項参照)、減価償却を通じて残存耐用年数にわたって費用配分を行うこととした。
公共施設等運営権の減価償却の方法及び耐用年数
- 41. 企業会計原則注解(注20)では、固定資産の減価償却の方法として、定額法、定率法、級数法、生産高比例法等が挙げられており、無形固定資産として計上した公共施設等運営権の減価償却の方法が論点になる。
- 42. この点、公共施設等運営権には複数の公共施設等が含まれるため、個々の公共施設等の性格や使用の実態は様々であることが考えられ、例えば、時の経過を主たる要因として減価が生じる公共施設等もあれば、資産の利用頻度を主たる要因として減価が生じる公共施設等もあると想定される。
- また、同一分野の事業においても、公共施設等運営権に含まれる公共施設等の範囲は公共施設等運営事業ごとに異なり得ることに加え、公共施設等運営権制度は、今後、様々な事業分野において実施されることが想定されるため、最も合理的な減価償却の方法を一義的に定めることは困難であると考えられる。
- このため、公共施設等運営権の減価償却の方法として、企業会計原則注解(注20)と同様に、運営権設定期間にわたって、定額法、定率法等の一定の減価償却の方法によって、その取得原価を各事業年度に配分する旨のみを記載することとした(本実務対応報告第8項参照)。
- 43. なお、運営権等ガイドラインでは、延長オプションを実施契約に定める場合があると記載されており、延長可能な期間について、無形固定資産として計上した公共施設等運営権の耐用年数に含めるか否かが論点になる。
- 44. この点、延長オプションの取扱いは、リース会計における再リースや延長オプションの議論と類似している。企業会計基準適用指針第16号「リース取引に関する会計基準の適用指針」(以下「企業会計基準適用指針第16号」という。)では、リース取引が置かれている状況からみて借手が再リースを行う意思が明らかな場合を除き、再リースに係るリース期間又はリース料は、解約不能のリース期間又はリース料総額に含めないこととしていた。
- 2017年実務対応報告では、公共施設等運営権の運営権設定期間は、一般的に超長期にわたるため、延長オプションを行使するか否かについて合理的に見込むことは通常困難であると考えられ、企業会計基準適用指針第16号の取扱いを参照して、運営権者が運営権設定期間を延長できる権利を行使する意思が明らかな場合を除き、延長可能な期間を公共施設等運営権の耐用年数に含めないこととした(本実務対応報告第9項参照)。
- 44-2. 2024年改正実務対応報告では、リース会計基準において、借手のリース期間について、解約不能期間に、借手が行使することが合理的に確実であるリースの延長オプションの対象期間を加える(リース会計基準第15項)ことに変更したことを受けて、延長オプションの取扱いを変更するかどうかを検討した。
- この点、公共施設等運営権の取得をリース会計基準の適用範囲に含めないこととしており、リース会計基準における借手のリース期間の定めの変更を2024年改正実務対応報告に反映させないことが適切であると考えられるため、延長オプションの取扱いについて変更しないこととした(本実務対応報告第9項参照)。
公共施設等運営権の減損損失の認識の判定及び測定における資産のグルーピング
- 45. 公共施設等運営権は減損会計基準の対象となるが、当該公共施設等運営権の減損損失の認識の判定及び測定において行われる資産のグルーピングにあたって、公共施設等運営権に複数の公共施設等が含まれる場合の取扱いが論点になる。
- 46. この点、減損会計基準及び企業会計基準適用指針第6号「固定資産の減損に係る会計基準の適用指針」(以下「減損適用指針」という。)では、資産のグルーピングは、他の資産又は資産グループのキャッシュ・フローから概ね独立したキャッシュ・フローを生み出す最小の単位で行うこととされており、管理会計上の区分や投資の意思決定(資産の処分や事業の廃止に関する意思決定を含む。)を行う際の単位等を考慮してグルーピングの方法を定めるものとされている。また、実務的に、例えば、継続的な収支の把握がなされている単位や他の単位から生ずるキャッシュ・インフローと相互補完的であるか否かを考慮することとされている(減損会計基準 二6.(1)及び減損適用指針第7項)。これらは、公共施設等運営権に複数の公共施設等が含まれる場合の検討においても同様である。
- 47. ここで、公共施設等運営事業では、公共施設等運営権の設定において複数の公共施設等が含まれることが想定されているが、公共施設等運営権の分割は認められていないため(民間資金法第26条第1項)、公共施設等運営権の移転時には、一括して移転することが要求されており、個々の公共施設等を処分する場合には、管理者等の承認が必要となる。このように、資産の処分や事業の廃止を公共施設等ごとには行うことができないため、通常は公共施設等運営権の単位でグルーピングを行うことが考えられる。このため、原則として、公共施設等運営権の単位でグルーピングを行うこととした。
- ただし、管理会計上の区分、投資の意思決定を行う際の単位、継続的な収支の把握がなされている単位及び他の単位から生ずるキャッシュ・インフローとの相互補完性を考慮して、公共施設等ごとに合理的な基準に基づき分割した公共施設等運営権の単位でグルーピングを行うことが公共施設等運営事業の実態を適切に表す場合もあると考えられる。
- したがって、減損会計基準及び減損適用指針に従い、公共施設等運営権ごとに適切に判断して、公共施設等運営事業の対象とする公共施設等ごとに合理的な基準に基づき分割した公共施設等運営権の単位でグルーピングを行うことも認めることとした(本実務対応報告第10項参照)。
その他
(プロフィットシェアリング条項の取扱い)
- 48. 運営権対価とは別に、実施契約において、プロフィットシェアリング条項が設けられる場合、当該条項に基づき各期に算定された支出額の会計処理について、運営権対価の全額が将来の業績等の指標に連動する形式で定められる場合の会計処理との整合性を図るか否かが論点になる。
- 49. この点、公共施設等運営権は、民間資金法上「公共施設等運営事業を実施する権利」と定義されており(民間資金法第2条第7項)、具体的には、運営権等ガイドラインにおいて、「管理者等が有する施設所有権のうち、公共施設等の運営等を行い利用料金を収受する(収益を得る)権利を切り出したもの」と定義されている。その対価として運営権者が支払う運営権対価は「実施契約において管理者等と運営権者が定めた価格であることから、その価格は一に定まる」ものであり、「固定価格と考えられる」と記載されており、運営権対価の算定にあたっては、「リスクは可能な限り金額に換算し算入する」こととされている。
- 一方、プロフィットシェアリング条項は、民間資金法には記載されておらず、法的には、運営権対価とは別のものとして取り扱われている。また、当該条項は、公共施設等運営権の運営権設定期間が一般的に超長期にわたるため、公共施設等運営権を取得した時に考慮されていない事象が生じた場合、運営権対価とは別に、運営権者が管理者等へ支払うものとして設けられるものである。
- このため、プロフィットシェアリング条項は管理者等と運営権者との合意に基づき実施契約に定められるもので、民間資金法上、運営権対価とは別のものとして取り扱われていることから、運営権対価の会計処理との整合性を図る必要は乏しいと考えられる。
- 50. また、プロフィットシェアリング条項に基づき各期に算定された支出額について、前項に記載した当該条項の趣旨を勘案すると、公共施設等運営権を取得した時に考慮されていない事象を当初に見込むことは想定されていないと考えられる。
- 上記の検討を踏まえ、プロフィットシェアリング条項に基づき各期に算定された支出額については、算定された期の費用として処理することとした(第11項参照)。
更新投資に関する会計処理
更新投資に係る資産及び負債の計上
- 51. 更新投資とは、運営権対価の支出とは別に、民間資金法第2条第6項に基づき、運営権者が行う公共施設等の維持管理をいうものであるが、運営権対価と同様に、公共施設等運営権を取得した時に、更新投資に係る資産及び負債を認識するかどうかが論点になる。
- 52. ここで、更新投資は、民間資金法に基づき公共施設等の維持管理を行う義務であり、当該義務に基づく支払は不可避的に生じるものと考えられるが、公共施設等運営事業ごとに、更新投資の具体的な内容は様々であり、今後の新たな公共施設等運営事業の進展も見据えると、単一の会計処理を定める場合、公共施設等運営事業の性質によっては、更新投資の実態を反映しない可能性がある。このため、個々の公共施設等運営事業の性質に応じて、一定の基準に基づき更新投資に関する会計処理を使い分けることが適切であると考えられる。
- 更新投資の会計処理を使い分ける場合、考慮する要素としては、次のようなものが考えられる。
- (1) 更新投資の義務性の程度(運営権者が公共施設等運営権を取得した時において、大半の更新投資が、管理者等から運営権者に対して実施契約等で提示された実施時期及び対象となる公共施設等の具体的な設備の内容に基づくか否か。)
- (2) 更新投資の支出額及び支出時期の合理的な見積りの可能性(公共施設等運営権を取得した時に、運営権設定期間にわたる更新投資の支出額の総額及び支出時期を合理的に見積ることができるか否か。)
- 53. 前項に記載した要素を組み合わせて、個々の公共施設等運営事業の性質を踏まえ、更新投資に関する会計処理を次のとおり定めることとした(第12項参照)。
- (1) 本項(2)の場合を除き、更新投資を実施した時に、当該更新投資のうち資本的支出に該当する部分に関する支出額を資産として計上する。この場合、更新投資に係る資産は、その支出の効果が当該更新投資の経済的耐用年数にわたって及ぶ資産と考えられる。
- (2) 運営権者が公共施設等運営権を取得した時において、大半の更新投資の実施時期及び対象となる公共施設等の具体的な設備の内容が、管理者等から運営権者に対して実施契約等で提示され、当該提示によって、更新投資のうち資本的支出に該当する部分に関して、運営権設定期間にわたって支出すると見込まれる額の総額及び支出時期を合理的に見積ることができる場合、当該更新投資の義務性を貸借対照表上に表すために、公共施設等運営権を取得した時に、支出すると見込まれる額の総額の現在価値を負債として計上し、同額を資産として計上する。
この場合、更新投資に係る資産は、運営権設定期間にわたって支出すると見込まれる額の総額を表しており、運営権設定期間にわたって費用配分する観点で計上される資産と考えられる。 - 54. また、公共施設等運営権を取得した時に、更新投資のうち資本的支出に該当する部分に関して、支出すると見込まれる額の総額の現在価値を負債として計上し、同額を資産として計上する場合、修繕費に該当する部分を資産及び負債として計上する範囲に含めるか否かが論点になる。
- この点、一般的に、契約等によって解約不能な取引で将来の支払義務が存在する場合であっても、双務未履行のときは、契約締結時点で資産及び負債を計上する会計処理は行われていないが、更新投資のうち資本的支出に該当する部分は、運営権設定期間にわたる支払義務がある点に加え、公共施設等運営権と同様に、運営権設定期間にわたって費用配分すべきものと考えられるため、支出すると見込まれる額の総額の現在価値を負債として計上し、同額を資産として計上した上で、費用配分することが考えられる。
- 一方、更新投資のうち修繕費に該当する部分は、運営権設定期間にわたる支払義務がある点は同様であるが、修繕費は原則として支出時に費用処理することが適切と考えられるため、資産及び負債を計上する必要性は乏しいものと考えられる。
- よって、資産及び負債として計上する更新投資に関する支出額の総額は、資本的支出に該当する部分に限定することとした(第12項(2)参照)。
更新投資に係る資産の減価償却の方法及び耐用年数
- 55. 更新投資には様々な公共施設等が含まれ得るため、公共施設等運営権と同様に、最も合理的な減価償却の方法を一義的に定めることは困難であると考えられる。このため、第12項に基づく更新投資に係る資産の計上に関する取扱いに応じて、定額法、定率法等の一定の減価償却の方法によって、その取得原価から残存価額を控除した額を各事業年度に配分する旨のみを定めることとした(第15項参照)。
- なお、例えば、第12項(1)に基づき更新投資に係る資産を計上する場合、当該更新投資の経済的耐用年数が公共施設等運営権の残存する運営権設定期間を上回るために、運営権設定期間の終了後の期間に対応する部分として、管理者等と運営権者との間で金銭の授受が行われることがあるが、このような場合、管理者等と運営権者との間で授受される金銭を基礎として残存価額を算定することが考えられる。
開 示
表 示
- 56. 公共施設等運営権は、民間資金法において物権とみなされており、運営権者が独占的に公共施設等を使用することを認める法律上の権利であるため、他の無形固定資産とは性質が異なると考えられる。このため、第3項及び第4項に基づき計上した公共施設等運営権は、無形固定資産の区分に、公共施設等運営権などその内容を示す科目をもって表示することとした(第16項参照)。
- 57. 更新投資は、運営権者が実施する公共施設等運営事業において、民間資金法に基づき運営権者が公共施設等の維持管理として行うものであることから、公共施設等運営権と同様に、無形固定資産の区分に表示することとしたが、民間資金法上の位置付けが公共施設等運営権とは異なると考えられるため、第12項に基づき計上した更新投資に係る資産は、公共施設等運営権とは区分し、無形固定資産の区分にその内容を示す科目をもって表示することとした(第17項参照)。
- 58. 運営権対価を分割で支払う場合に計上する負債は、公共施設等運営権に係る負債などその内容を示す科目をもって、一般的な流動固定の区分基準に従い、流動負債に表示するか、固定負債に表示するかを区分することとした(第18項参照)。
- また、第12項(2)に基づき計上する更新投資に係る負債についてもその内容を示す科目をもって、同様に流動負債に表示するか、固定負債に表示するかを区分することとした(第19項参照)。
注記事項
- 59. 公共施設等運営権制度は、2011年(平成23年)に改正された民間資金法において新たに設けられたものであり、当該制度の特徴について注記する一定の意義があると考えられるため、運営権者が取得した公共施設等運営権の概要の注記を求めることとした(第20項(1)参照)。
- なお、注記は、原則として、公共施設等運営権ごとに記載することとしたが、同一の実施契約において複数の公共施設等運営権を対象とすることにより一体的な運営等を行う場合、または個々の公共施設等運営権の重要性は乏しいが、同一種類の複数の公共施設等運営権全体については重要性が乏しくない場合には、集約して記載することも認めることとした。同一種類の公共施設等運営権とは、民間資金法第2条第7項に規定する公共施設等運営権の対象となる公共施設等(民間資金法第2条第1項に規定する道路、空港、水道等の公共施設、庁舎等の公用施設、教育文化施設等の公益的施設等をいう。)の種類が同一であることを想定している。
- 60. 更新投資については、個々の公共施設等運営事業の性質に応じて、更新投資に係る資産及び負債の計上方法を区分することとしたため、財務諸表利用者が当該公共施設等運営事業における更新投資の内容を理解することができる情報を提供することを目的として、更新投資に係る事項として、運営権者が採用した更新投資に係る資産及び負債の計上方法等の注記を求めることとした(第20項(3)参照)。
- また、第12項(1)に基づき更新投資に係る資産を計上する場合、更新投資に係る将来キャッシュ・フローの金額を財務諸表利用者が理解することができる情報を提供することを目的として、翌期以降に実施すると見込まれる更新投資のうち資本的支出に該当する部分について、合理的に見積ることが可能な部分の内容及びその金額の注記を求めることとした(第20項(3)参照)。
適用時期
- 61. 公共施設等運営権制度は、2011年(平成23年)に改正された民間資金法において新たに設けられたものであり、実際の運用が既に開始されていること、また、2017年実務対応報告は、公共施設等運営事業における運営権者の会計処理等に係る実務上の取扱いをより明確にするものであり、特段の周知期間が必要ないと考えられることから、2017年実務対応報告は、2017年(平成29年)5月31日以後終了する事業年度及び四半期会計期間から適用することとした(第21項参照)。なお、当該制度の実際の運用の開始から間もないことを踏まえ、特定の経過的な取扱いを定めずに、2017年実務対応報告を過去の期間のすべてに遡及適用することとした。
- 以 上
