ASSET-ASBJ

企業会計基準適用指針第32号中間財務諸表に関する会計基準の適用指針
目 的
- 1. 本適用指針は、企業会計基準第33号「中間財務諸表に関する会計基準」(以下「会計基準」という。)を適用する際の指針を定めることを目的とする。
適用指針
範囲及び用語の定義
- 2. 本適用指針を適用する範囲及び用語の定義は、会計基準と同様とする。
会計処理
債 権
一般債権の貸倒見積高の算定における簡便的な会計処理
- 3. 中間会計期間末における一般債権に対する貸倒見積高は、一般債権の貸倒実績率等が前年度の財務諸表の作成において使用した貸倒実績率等と著しく変動していないと考えられる場合には、中間会計期間末において、前年度末の決算において算定した貸倒実績率等の合理的な基準を使用することができる。
有価証券
有価証券の減損処理に係る中間切放し法と中間洗替え法
- 4. 中間会計期間末に計上した有価証券の減損処理に基づく評価損の戻入れに関しては、中間切放し法と中間洗替え法の2つがある。中間切放し法とは、減損処理を行った後の中間会計期間末の帳簿価額を時価等に付け替えて、当該銘柄の取得原価を修正する方法である。また、中間洗替え法とは、中間会計期間末における減損処理に基づく評価損の額を年度決算において戻し入れ、当該戻入れ後の帳簿価額と年度末の時価等を比較して減損処理の要否を検討する方法である。
- 中間会計期間末における有価証券の減損処理にあたっては、中間切放し法と中間洗替え法のいずれかの方法を選択適用することができる。この場合、いったん採用した方法は、原則として継続して適用する必要がある。
市場価格のない株式等の減損処理
- 5. 市場価格のない株式等について、発行会社の財政状態の悪化により実質価額(通常は、1株当たりの純資産額に所有株式数を乗じることにより算定される。)が著しく低下したときは相当の減額を行わなければならないが、当該財政状態が悪化しているかどうかの判断にあたっては、中間会計期間末までに入手し得る直近の財務諸表を使用する。なお、その後の状況で財政状態に重要な影響を及ぼす事項が判明した場合には、直近の財務諸表に当該判明した事項を加味することが望ましい。
棚卸資産
実地棚卸の省略
- 6. 中間会計期間末における棚卸高は、前年度に係る実地棚卸高を基礎として、合理的な方法により算定することができる。
棚卸資産の簿価切下げに係る洗替え法と切放し法
- 7. 年度決算において、棚卸資産の簿価切下げに洗替え法を適用している場合は、中間会計期間末においても洗替え法による。
また、年度決算において切放し法を適用している場合は、中間会計期間末において、洗替え法と切放し法のいずれかを選択適用することができる。この場合、いったん採用した方法は、原則として継続して適用する必要がある。なお、中間会計期間で洗替え法を採用して評価損を計上した場合、年度決算では、当該評価損戻入れ後の帳簿価額と年度末の棚卸資産の正味売却価額(市場価格が観察できないときの合理的に算定された価額及び年度末において再調達原価によっている場合の再調達原価を含む。以下同様)を比較して簿価切下げの要否を判断することとなる。
棚卸資産の簿価切下げにあたっての簡便的な会計処理
- 8. 中間会計期間末における通常の販売目的で保有する棚卸資産の簿価切下げにあたっては、収益性が低下していることが明らかな棚卸資産についてのみ正味売却価額を見積り、簿価切下げを行うことができる。なお、収益性が低下していることが明らかかどうかは、棚卸資産を管理する製造部門又は営業部門の損益の状況や、品目別の損益管理を行っている場合における当該損失の発生状況などにより判断することとなる。
また、営業循環過程から外れた滞留又は処分見込等の棚卸資産であって、前年度末において帳簿価額を処分見込価額まで切り下げている場合には、当該中間会計期間において前年度から著しい状況の変化がないと認められる限り、前年度末における貸借対照表価額を引き続き計上することができる。
原価差異の配賦方法における簡便的な会計処理
- 9. 予定価格等又は標準原価を用いているために原価差異が生じた場合、当該原価差異の棚卸資産と売上原価への配賦は、年度決算と比較して簡便的な方法によることができる。
経過勘定項目
- 10. 経過勘定項目は、財務諸表利用者の判断を誤らせない限り、合理的な算定方法による概算額で計上することができる。
固定資産
減価償却費の算定における簡便的な会計処理:合理的な予算制度の利用
- 11. 固定資産の年度中の取得、売却又は除却等の見積りを考慮した予算を策定している場合には、当該予算に基づく年間償却予定額を期間按分する方法により、中間会計期間の減価償却費として計上することができる。ただし、期中に取得、売却又は除却する固定資産の減価償却費に重要性がある場合には、その部分について適切に反映するよう当該期間按分額を調整するものとする。
減価償却費の算定における簡便的な会計処理:定率法を採用している場合
- 12. 減価償却の方法として定率法を採用している場合には、年度に係る減価償却費の額を期間按分する方法により、中間会計期間の減価償却費として計上することができる。
減損の兆候
- 13. 中間会計期間における減損の兆候の把握にあたっては、使用範囲又は方法について当該資産又は資産グループの回収可能価額を著しく低下させる変化を生じさせるような意思決定や、経営環境の著しい悪化に該当する事象が発生したかどうかについて留意することとする。
税金費用
年度決算と同様の方法による税金費用の計算における簡便的な取扱い
- 14. 法人税その他利益に関連する金額を課税標準とする税金(以下「法人税等」という。)については、原則として年度決算と同様の方法により計算するものとされているが(会計基準第18項本文)、財務諸表利用者の判断を誤らせない限り、納付税額の算出等において、簡便的な方法によることができる。この場合における簡便的な方法としては、例えば、納付税額の算出にあたり加味する加減算項目や税額控除項目を、重要なものに限定する方法がある。
繰延税金資産の回収可能性の判断における簡便的な取扱い
(経営環境等に著しい変化が生じていない場合における繰延税金資産の回収可能性の判断)
- 15. 重要な企業結合や事業分離、業績の著しい好転又は悪化、その他経営環境の著しい変化が生じておらず、かつ、一時差異等の発生状況について前年度末から大幅な変動がないと認められる場合には、繰延税金資産の回収可能性の判断にあたり、前年度末の検討において使用した将来の業績予測やタックス・プランニングを利用することができる。
(経営環境等に著しい変化が生じた場合における繰延税金資産の回収可能性の判断)
- 16. 重要な企業結合や事業分離、業績の著しい好転又は悪化、その他経営環境に著しい変化が生じ、又は、一時差異等の発生状況について前年度末から大幅な変動があると認められる場合には、繰延税金資産の回収可能性の判断にあたり、財務諸表利用者の判断を誤らせない範囲において、前年度末の検討において使用した将来の業績予測やタックス・プランニングに、当該著しい変化又は大幅な変動による影響を加味したものを使用することができる。
税引前中間純利益に年間見積実効税率を乗じて計算する中間特有の会計処理
(税引前中間純利益に年間見積実効税率を乗じて計算する方法による税金費用の計算)
- 17. 中間会計期間に係る税金費用については、年度決算と同様の方法に代えて、同期間を含む年度の税引前当期純利益に対する税効果会計適用後の実効税率を合理的に見積り、税引前中間純利益に当該見積実効税率を乗じて計算する方法によることができる(会計基準第18項ただし書き)。
なお、前年度末に計上された繰延税金資産及び繰延税金負債については、繰延税金資産の回収見込額を中間決算日時点で見直した上で中間貸借対照表に計上することになるが、当該見直しにあたっては、財務諸表利用者の判断を誤らせない限り、前2項で定める簡便的な方法によることも認められる。
(見積実効税率の算定方法等)
- 18. 前項の方法における見積実効税率の算定方法、税率が変更された場合の見積実効税率の算定方法及び見積実効税率を用いて税金費用を計算すると著しく合理性を欠く結果となる場合の取扱いについては、企業会計基準適用指針第29号「中間財務諸表等における税効果会計に関する適用指針」第12項から第16項に準じて処理する。なお、見積実効税率の算定においては、税額控除を考慮することに留意する必要がある。
また、見積実効税率の算定において、財務諸表利用者の判断を誤らせない限り、一時差異等に該当しない項目や税額控除等の算定にあたり、重要な項目に限定する方法によることができる。
重要性が乏しい連結会社における簡便的な会計処理
- 19. 連結財務諸表における重要性が乏しい連結会社(親会社及び連結子会社)において、重要な企業結合や事業分離、業績の著しい好転又は悪化及びその他の経営環境に著しい変化が発生しておらず、かつ、中間財務諸表上の一時差異等の発生状況について前年度末から大幅な変動がない場合には、中間財務諸表における税金費用の計算にあたり、税引前中間純利益に、前年度の損益及び包括利益計算書又は損益計算書における税効果会計適用後の法人税等の負担率を乗じて計算する方法によることができる。
なお、この方法によった場合、当該連結会社の前年度末に計上された繰延税金資産及び繰延税金負債については、同額を中間貸借対照表に計上することになる。
中間連結財務諸表における会計処理
(中間連結財務諸表における法人税等の会計処理)
- 20. 中間連結財務諸表における税金費用は、連結会社の個別財務諸表上の税金費用と連結手続上生じる一時差異等に係る法人税等調整額に分けて計算する。すなわち、連結会社の税金費用については、連結会社ごとに、第14項(年度決算と同様の方法を含む。)、第17項又は前項のいずれかの方法により計算し、また、連結手続上行われた修正仕訳に係る一時差異については、中間会計期間を含む年度の法人税等の計算に適用される税率に基づいて計算する。
(中間連結財務諸表における未実現利益消去に係る税効果)
- 21. 中間会計期間の連結会社間での取引により生じた未実現利益を中間連結の手続上で消去するにあたって、当該未実現利益額が、売却元の年間見積課税所得額(税引前中間純利益に年間見積実効税率を乗じて計算する方法による場合は、予想年間税引前当期純利益)を上回っている場合には、連結消去に係る一時差異の金額は、当該年間見積課税所得額を限度とする。
(グループ通算制度を採用した場合における税引前中間純利益に年間見積実効税率を乗じて計算する方法の適用の可否)
- 22. グループ通算制度を採用した場合であっても、予想年間税金費用と予想年間税引前当期純利益を合理的に見積ることができるときには、中間会計期間に係る税金費用については、同期間を含む年度の税効果会計適用後の実効税率を合理的に見積り、税引前中間純利益に当該見積実効税率を乗じて計算する方法によることができる。
また、この場合においても、第17項なお書き及び第18項を適用することとする。
退職給付に係る負債
- 23. 期首に算定した年間の退職給付費用については、期間按分した額を中間会計期間に計上する。
- 24. 数理計算上の差異を発生した年度に全額費用処理する会計方針を採用している場合以外においては、中間会計期間の費用処理額は、数理計算上の差異の年間費用処理額を期間按分することにより算定する。
- 25. 過去勤務費用について、発生時に全額費用処理する方法を採用している場合以外においては、中間会計期間の費用処理額は、過去勤務費用の年間費用処理額を期間按分することにより算定する。
中間連結財務諸表上の会計処理
連結会社相互間の債権債務及び取引の相殺消去における簡便的な会計処理
- 26. 連結会社相互間の債権と債務を相殺消去するにあたり、当該債権の額と債務の額に差異が見られる場合には、合理的な範囲内で、当該差異の調整を行わないで債権と債務を相殺消去することができる。
- 27. 連結会社相互間の取引を相殺消去するにあたり、取引金額に差異がある場合で、当該差異の重要性が乏しいときには、親会社の金額に合わせる又は金額の大きい方に合わせるなど、一定の合理的な方法に基づき相殺消去することができる。
未実現損益の消去における簡便的な会計処理
- 28. 連結会社相互間の取引によって取得した棚卸資産に含まれる中間会計期間末における未実現損益の消去にあたっては、中間会計期間末在庫高に占める当該棚卸資産の金額及び当該取引に係る損益率を合理的に見積って計算することができる。また、前年度から取引状況に大きな変化がないと認められる場合には、前年度の損益率や合理的な予算制度に基づいて算定された損益率を使用して計算することができる。
開 示
中間財務諸表の科目の表示
中間財務諸表の科目の集約記載の取扱い
- 29. 中間連結貸借対照表又は中間個別貸借対照表、中間連結損益及び包括利益計算書、中間連結損益計算書又は中間個別損益計算書、並びに中間連結包括利益計算書の表示科目については、質的及び金額的な重要性を考慮して主要な表示科目を決定した上で、原則として独立掲記し、その他の科目は集約して記載することができる。なお、主要な科目について独立掲記しない場合には、当該科目及びその金額を注記することとする。
- 30. 中間連結キャッシュ・フロー計算書又は中間個別キャッシュ・フロー計算書の表示科目は、各表示区分におけるキャッシュ・フローの主要な項目のみを記載することができる。なお、この場合における主要な項目は、各表示区分のキャッシュ・フローの状況を説明するにあたり、質的及び金額的な重要性を考慮して決定する。例えば、営業活動によるキャッシュ・フローを間接法により表示する場合の一般的な主要項目は、税金等調整前中間純損益又は税引前中間純損益、減価償却費、売上債権の増減額、棚卸資産の増減額、仕入債務の増減額、法人税等の支払額等が挙げられる。
また、「営業活動によるキャッシュ・フロー」の表示にあたっては、「連結キャッシュ・フロー計算書等の作成基準注解」(注7)の様式1及び様式2で示されている「小計」の記載は省略することができる。
注記事項
重要な会計方針の変更
- 31. 会計基準等の改正に伴う会計方針の変更が行われた場合、会計基準第25項(2)及び第36項(1)の変更の理由に代えて、会計基準等の名称を記載する。経過的な取扱いに従って会計処理を行った場合には、その旨及び当該経過的な取扱いの概要を、会計基準第25項(2)及び第36項(1)の内容に含めて記載する。
また、会計基準第25項(2)及び第36項(1)の影響額とは、新たな会計方針の遡及適用により影響を受ける前年度の中間会計期間に係る税金等調整前中間純損益又は税引前中間純損益、その他の重要な項目への影響額をいうものとする。ただし、会計基準等の改正に伴う会計方針の変更で経過的な取扱いに従って会計処理を行った場合及び遡及適用の原則的な取扱いが実務上不可能な場合(企業会計基準第24号「会計方針の開示、会計上の変更及び誤謬の訂正に関する会計基準」第9項(1)又は(2))で、前年度の中間財務諸表について遡及適用を行っていないときには、新たな会計方針の適用により影響を受ける、前年度又は当年度(前年度の期首以前の実行可能な最も古い日から将来にわたり新たな会計方針を適用している場合には前年度のみ)の中間会計期間に係る税金等調整前中間純損益又は税引前中間純損益、その他の重要な項目への影響額をいうものとする。当年度の影響額を適時に正確に算定することができない場合には、資本連結をやり直さないなど適当な方法による概算額を記載することができる。
会計上の見積りの変更を行った場合及び会計方針の変更を会計上の見積りの変更と区分することが困難な場合の影響額の取扱い
- 32. 会計基準第25項(5)及び(6)並びに第36項(4)及び(5)の影響額とは、会計上の見積りの変更を行った場合又は会計方針の変更を会計上の見積りの変更と区分することが困難な場合に、変更により影響を受ける当年度の中間会計期間に係る税金等調整前中間純損益又は税引前中間純損益、その他の重要な項目への影響額をいうものとする。なお、影響額を適時に正確に算定することができない場合には、資本連結をやり直さないなど適当な方法による概算額を記載することができる。
過去の誤謬の修正再表示を行った場合の影響額の取扱い
- 33. 会計基準第25項(21)及び第36項(21)の影響額とは、過去の誤謬の修正再表示により影響を受ける前年度の中間会計期間に係る税金等調整前中間純損益又は税引前中間純損益、その他の重要な項目への影響額をいうものとする。
中間特有の会計処理
- 34. 会計基準第25項(7)及び第36項(6)に基づき、中間特有の会計処理を採用している旨及びその内容を記載する場合には、質的及び金額的な重要性を考慮する。具体的には、税金費用の計算における年度と異なる処理方法(会計基準第18項ただし書き)を採用している場合のほか、原価差異を繰延処理する方法(会計基準第17項)である。
セグメント情報等に関する事項
- 35. 年度の連結財務諸表又は個別財務諸表のセグメント情報の開示にあたり、企業会計基準適用指針第20号「セグメント情報等の開示に関する会計基準の適用指針」第14項に定める方法を適用している場合には、会計基準第25項(8)①及び第36項(7)①の開示にあたっても同様の方法を適用することとする。
- 36. 報告セグメントの売上高の記載(会計基準第25項(8)①及び第36項(7)①)にあたっては、外部顧客への売上高と、セグメント間の内部売上高又は振替高とを区分せずに記載することができる。
- 37. 報告セグメントの変更又は事業セグメントの利益(又は損失)の測定方法に重要な変更があった場合には、その内容を記載することとされている(会計基準第25項(8)④及び第36項(7)④)。この内容は、次の(1)及び(2)のとおりとする。
- (1) 報告セグメントの変更
- ① 事業セグメントの量的な重要性の変化による報告セグメントとして開示する事業セグメントの範囲の変更
その旨、中間会計期間に係る報告セグメントの利益(又は損失)及び売上高の情報に与える影響を記載する。 - ② 組織変更等、企業の管理手法が変更されたことによる報告セグメントの区分方法の変更
その旨、前年度の中間会計期間について変更後の区分方法により作り直したセグメント情報に基づく報告セグメントの利益(又は損失)及び売上高の情報を記載する。ただし、当該情報を開示することが実務上困難な場合には、中間会計期間について前年度の区分方法により作成した報告セグメントの利益(又は損失)及び売上高の情報を記載することができる。 - (2) 事業セグメントの利益(又は損失)の測定方法の重要な変更
その旨、変更の理由、当該変更が中間会計期間に係る報告セグメントの利益(又は損失)及び売上高の情報に与えている影響を記載する。 - なお、(1)及び(2)の記載のすべて又はその一部について、記載すべき金額を正確に算定することができない場合には概算額を記載することができる。また、記載すべき金額を算定することが実務上困難な場合には、その旨及びその理由を記載する。
- 38. 各報告セグメントに属する主要な製品及びサービスの種類について重要な異動がある場合には、その内容を記載することとする。
- 39. 会計基準第25項(8)②及び第36項(7)②に定める「報告セグメントの資産の金額に著しい変動があった場合」の著しい変動の有無は、前年度末の金額と比較して判断するものとする。
1株当たり中間純損益
(1株当たり中間純損益及び潜在株式調整後1株当たり中間純利益の算定上の基礎)
- 40. 開示する1株当たり中間純損益及び潜在株式調整後1株当たり中間純利益の算定上の基礎には、次の事項が含まれることとする。
- (1) 中間連結損益及び包括利益計算書、あるいは中間連結損益計算書又は中間個別損益計算書における中間純損益、1株当たり中間純損益の算定に用いられた普通株式に係る中間純損益及びこれらの差額(普通株主に帰属しない金額)の主要な内訳
- (2) 1株当たり中間純損益の算定に用いられた普通株式(普通株式と同等の株式を含む。)の期中平均株式数
- (3) 潜在株式調整後1株当たり中間純利益の算定に用いられた中間純損益調整額
- (4) 潜在株式調整後1株当たり中間純利益の算定に用いられた普通株式増加数
- (5) 希薄化効果を有しないため、潜在株式調整後1株当たり中間純利益の算定に含まれなかった潜在株式について、前年度末から重要な変動がある場合にはその概要
(会計方針の変更又は誤謬の訂正が行われた場合)
- 41. 会計方針の変更又は過去の誤謬の訂正により中間財務諸表等の遡及適用又は修正再表示が行われた場合は、開示対象期間の1株当たり中間純損益及び潜在株式調整後1株当たり中間純利益を、遡及適用後又は修正再表示後の金額により算定する。
(企業結合に係る暫定的な会計処理の確定が行われた場合)
- 42. 中間会計期間の中間財務諸表と併せて表示される前年度の財務諸表及び前年度の中間財務諸表に、企業結合に係る暫定的な会計処理の確定による取得原価の配分額の見直しが反映されている場合は、開示対象期間の1株当たり中間純損益及び潜在株式調整後1株当たり中間純利益を、当該見直しが反映された後の金額により算定する。
(中間会計期間において株式併合又は株式分割が行われた場合)
- 43. 当年度の中間会計期間において株式併合又は株式分割が行われた場合は、開示対象期間の中間会計期間に係る1株当たり中間純損益及び潜在株式調整後1株当たり中間純利益を、前年度の期首に当該株式併合又は株式分割が行われたと仮定して算定する。
また、この場合はその旨、及び当該株式併合又は株式分割の影響を1株当たり中間純損益及び潜在株式調整後1株当たり中間純利益に反映している旨を注記する。
(中間会計期間後に株式併合又は株式分割が行われた場合)
- 44. 中間会計期間の末日後に株式併合又は株式分割が行われた場合には、第43項に準じて取り扱う。
配当に関する事項
- 45. 中間会計期間において行われた配当に関して、次に掲げる事項を記載する。
- (1) 配当財産が金銭の場合には、株式の種類ごとの配当金の総額、1株当たり配当額、基準日、効力発生日及び配当の原資
- (2) 配当財産が金銭以外の場合(分割型の会社分割を含む。)には、株式の種類ごとの配当財産の種類並びに帳簿価額(配当の効力発生日における時価をもって純資産を減少させる場合には、当該時価により評価した後の帳簿価額をいう。)、1株当たり配当額、基準日、効力発生日及び配当の原資
- (3) 基準日が中間会計期間に属する配当のうち、配当の効力発生日が当年度の中間会計期間の末日後となるものについては、(1)又は(2)に準ずる事項
株主資本の金額の著しい変動
- 46. 会計基準第25項(12)及び第36項(11)に定める「株主資本の金額に著しい変動があった場合」の著しい変動の有無は、前年度末の金額と比較して判断するものとする。
なお、著しい変動があった場合に記載することとなる主な変動事由としては、例えば次のものが挙げられる。 - (1) 新株の発行又は自己株式の処分
- (2) 剰余金(その他資本剰余金又はその他利益剰余金)の配当。ただし、配当に関する事項を参照することとした場合には、省略することができる。
- (3) 自己株式の取得
- (4) 自己株式の消却
- (5) 企業結合(合併、会社分割、株式交換、株式移転など)による増加又は分割型の会社分割による減少
- (6) 連結範囲の変動又は持分法の適用範囲の変動(連結子会社又は持分法適用会社の増加又は減少)
- なお、主な変動事由の金額を記載する場合には、概算額によることができる。
重要な保証債務その他の重要な偶発債務
- 47. 会計基準第25項(15)及び第36項(15)に定める「重要な保証債務その他の重要な偶発債務」を記載するにあたっては、金額及びその内容(種類及び保証先など)を記載することとする。
重要な企業結合に関する事項
(取得とされた重要な企業結合)
- 48. 取得とされた重要な企業結合を行った中間会計期間において記載が求められる注記には、以下のものを含むこととする。なお、中間会計期間において複数の取得とされた企業結合が行われ、個々の企業結合においては重要性が乏しいが、企業結合全体で重要性がある場合には、当該企業結合全体で(1)及び(2)を注記する。
- (1) 会計基準第25項(16)①及び第36項(16)①アに定める「企業結合の概要」とは、被取得企業の名称及び事業の内容、企業結合を行った主な理由、事業を取得した場合は、相手企業の名称及び取得した事業の内容、企業結合日、企業結合の法的形式、結合後企業の名称及び取得した議決権比率をいう。
- (2) 同項に定める「実施した会計処理の概要」には、被取得企業等の取得原価及び対価の種類ごとの内訳、発生したのれんに関する事項を記載する。
- ① 被取得企業等の取得原価及び対価の種類ごとの内訳には、株式を交付した場合における株式の種類別の交換比率及びその算定方法並びに交付又は交付予定の株式数を含むものとする。
- ② 発生したのれんに関する事項には、のれんの金額、発生原因、償却方法及び償却期間、また、負ののれんの場合には、負ののれんの金額及び発生原因を記載する。なお、暫定的な会計処理により算定されている場合はその旨も記載することとする。その後、暫定的な会計処理の確定した中間会計期間においてはその旨を記載することとする。また、暫定的な会計処理の確定に伴い、中間会計期間の中間財務諸表と併せて表示される前年度の財務諸表及び前年度の中間財務諸表に、暫定的な会計処理の確定による取得原価の配分額の重要な見直しが反映されている場合には、その見直しの内容及び金額を注記することとする。
(逆取得となる吸収合併の場合で、結合後企業が中間連結財務諸表を作成しない企業結合)
- 49. 逆取得となる吸収合併の場合で、結合後企業が中間連結財務諸表を作成していないときは、パーチェス法を適用したとした場合に中間個別貸借対照表及び中間個別損益計算書に及ぼす損益への影響の概算額を注記する。
- 当該注記は、企業結合年度の翌年度以降の中間会計期間においても、「影響の概算額」の重要性が乏しくなった場合を除き、継続的に開示する。また、企業結合年度の翌年度以降に中間連結財務諸表を作成することとなった場合には、「影響の概算額」の重要性が乏しくなった場合を除き、当該逆取得を反映した中間連結財務諸表を作成する。
(重要な共通支配下の取引等)
- 50. 中間会計期間において重要な共通支配下の取引等がある場合の注記には、以下のものを含むこととする。なお、当年度の中間会計期間において複数の共通支配下の取引等が行われ、個々の共通支配下の取引等では重要性が乏しいが、共通支配下の取引等の全体で重要性がある場合には、当該企業結合全体で注記する。
- (1) 会計基準第25項(16)②及び第36項(16)②に定める「企業結合の概要」とは、結合当事企業又は対象となった事業の名称及びその事業の内容、企業結合の法的形式、結合後企業の名称、取引の目的を含む取引の概要をいう。
- (2) 同項の「実施した会計処理の概要」には、子会社株式を追加取得した場合における取得原価及び対価の種類ごとの内訳を記載することとし、当該内訳には、株式を交付した場合における株式の種類別の交換比率及びその算定方法並びに交付又は交付予定の株式数を含むこととする。
(子会社が親会社を吸収合併した場合で、当該子会社が中間連結財務諸表を作成しない企業結合)
- 51. 子会社が親会社を吸収合併した場合で、当該子会社が中間連結財務諸表を作成していないときは、親会社が当該子会社を吸収合併したものとした場合と比較した当該子会社の中間個別貸借対照表及び中間個別損益計算書に及ぼす損益への影響の概算額を注記する。
- 当該注記は、企業結合年度の翌年度以降の中間会計期間においても、「影響の概算額」の重要性が乏しくなった場合を除き、継続的に開示する。また、企業結合年度の翌年度以降に中間連結財務諸表を作成することとなった場合には、「影響の概算額」の重要性が乏しくなった場合を除き、当該企業結合を反映した中間連結財務諸表を作成する。
(共同支配企業の形成が行われた場合の共同支配投資企業における注記)
- 52. 共同支配投資企業は、企業結合を行った中間会計期間(共同支配企業を形成した中間会計期間)において重要な取引がある場合には、共通支配下の取引等に係る注記事項(第50項参照)に準じた注記を行う。
- 53. 会計基準第25項(16)②及び第36項(16)②に定める「実施した会計処理の概要」の記載にあたっては、共同支配企業の形成と判定した理由を併せて注記する。
重要な事業分離に関する事項
(企業結合に該当しない重要な事業分離における分離元企業の注記)
- 54. 分離元企業が、共通支配下の取引や共同支配企業の形成に該当しない重要な事業分離を行った場合において記載が求められる注記には、以下のものを含むこととする。なお、中間会計期間において複数の事業分離が行われ、個々の事業分離において重要性が乏しいが、事業分離全体で重要性がある場合には、当該事業分離全体で(1)及び(2)を注記する。
- (1) 会計基準第25項(17)及び第36項(17)に定める「事業分離の概要」とは、分離先企業の名称、分離した事業の内容、事業分離を行った主な理由、事業分離日及び法的形式を含む取引の概要をいう。また、中間財務諸表におけるセグメント情報等に関する事項において、当該分離した事業が含まれていた報告セグメント区分の名称も記載することとする。
- (2) 同項に定める「実施した会計処理の概要」には、分離元企業の継続的関与があるものの移転損益を認識した場合、当該継続的関与の主な概要を含むこととする。
(企業結合に該当しない重要な事業分離における分離先企業の注記)
- 55. 中間会計期間に、分割型の単独新設分割のように、企業結合に該当しない重要な事業分離を行った場合には、分離先企業は、前項(1)に準じてその概要を注記する。
(子会社が重要な企業結合を行った場合の親会社(結合当事企業の株主)における注記)
- 56. 中間会計期間に子会社が重要な企業結合を行った場合において、子会社を結合当事企業とする株主(親会社)は、結合当事企業(子会社)の企業結合により子会社に該当しなくなったときには、当該企業結合日の属する中間会計期間において、当該企業結合に関する次の事項を注記する。なお、中間会計期間において複数の企業結合が行われ、個々の企業結合においては重要性が乏しいが、企業結合全体で重要性がある場合には、当該企業結合全体で(1)及び(2)を注記する。
- (1) 子会社が行った企業結合の概要
各結合当事企業の名称、その事業の内容、企業結合を行った主な理由、企業結合日、法的形式を含む取引の概要及び当該結合当事企業が含まれていた報告セグメント区分の名称 - (2) 実施した会計処理の概要(結合当事企業の株主の継続的関与があるものの交換損益を認識した場合には、当該継続的関与の主な概要を含む。)
- (3) 中間連結損益及び包括利益計算書又は中間連結損益計算書に計上されている結合当事企業に係る損益の概算額
重要な後発事象
- 57. 中間会計期間の末日後から中間財務諸表を作成する日までの間に発生した重要な開示後発事象を注記する。なお、中間会計期間の末日が中間決算日と異なる子会社及び関連会社については、当該子会社及び関連会社の中間会計期間の末日後に発生した事象を注記の対象とする。
- 58. 前項の記載にあたっては、日本公認会計士協会 監査基準報告書560実務指針第1号「後発事象に関する監査上の取扱い」で記載された開示後発事象の例示を参考とするものとする。
財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況を適切に判断するために重要なその他の事項
- 59. 会計基準第25項(20)及び第36項(20)で定める「財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況を適切に判断するために重要なその他の事項」とは、企業集団又は企業の状況に関する財務諸表利用者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のあるものであり、例えば次のようなものが挙げられる。なお、金額の記載にあたり、適時に正確な金額を算定することができない場合には、概算額によって記載することもできる。
- (1) 資産の控除科目として表示されていない貸倒引当金の記載
- (2) 子会社の決算日に変更があり、かつ中間損益に重要な影響を及ぼす場合に変更があった旨及びその内容
- (3) 企業集団の事業運営にあたっての重要な項目であり、かつ、前年度末と比較して著しく変動している資産又は負債等に関する次の事項
なお、中間個別財務諸表を開示する場合は企業集団を企業と読み替える。 - ① 金融商品に関する中間貸借対照表の科目ごとに、中間会計期間末における時価及び中間貸借対照表計上額とその差額
- ② 満期保有目的の債券については、中間会計期間末における時価及び中間貸借対照表計上額とその差額、その他有価証券については、有価証券の種類(株式及び債券等)ごとに中間会計期間末における中間貸借対照表計上額及び取得原価とその差額
- ③ デリバティブ取引(ヘッジ会計が適用されているものは除くことができる。)については、取引の対象物の種類(主な通貨、金利、株式、債券及び商品等)ごとの契約額又は契約において定められた元本相当額、時価及び評価損益
- ④ 時価をもって貸借対照表価額とする金融資産及び金融負債について、適切な区分に基づき、中間貸借対照表日におけるレベル1の時価の合計額、レベル2の時価の合計額及びレベル3の時価の合計額
適用時期等
適用時期
- 60. 本適用指針の適用時期は、会計基準と同様とする。
経過措置
- 61. 第3項の定めにかかわらず、第1四半期の貸倒実績率等と著しく変動していないと考えられる場合には、第1四半期の貸倒実績率等の合理的な基準を使用して中間会計期間末における一般債権に対する貸倒見積高を算定することができる。
- 62. 第4項の定めにかかわらず、中間会計期間末における有価証券の減損処理について、第1四半期の末日において切放し法を適用したものとして中間会計期間末において切放し法を適用することができる。
- 63. 第7項の定めにかかわらず、棚卸資産の簿価切下げについて、第1四半期の末日において切放し法を適用したものとして中間会計期間末において切放し法を適用することができる。
- 64. 第28項の定めにかかわらず、第1四半期から取引状況に大きな変化がないと認められる場合には、連結会社相互間の取引によって取得した棚卸資産に含まれる中間会計期間末における未実現損益の消去について、第1四半期における損益率を使用して計算することができる。
議 決
- 65. 本適用指針は、第522回企業会計基準委員会に出席した委員12名全員の賛成により承認された。
結論の背景
会計処理
本適用指針で個別に検討したもの
- BC1. 会計基準BC5項に記載のとおり、会計基準及び本適用指針(以下合わせて「中間会計基準等」という。)では、中間財務諸表の作成にあたって必要な会計処理について基本的に企業会計基準第12号「四半期財務諸表に関する会計基準」(以下「四半期会計基準」という。)及び企業会計基準適用指針第14号「四半期財務諸表に関する会計基準の適用指針」(以下「四半期適用指針」という。)の会計処理に関する定めを引き継いでいるが、会計基準BC13項に記載のとおり、中間財務諸表において期首から6か月間を1つの会計期間(中間会計期間)とすることに伴い差異が生じる可能性がある次の項目については個別に検討を行った。
- (1) 原価差異の繰延処理(会計基準第17項)
- (2) 子会社を取得又は売却した場合等のみなし取得日又はみなし売却日(会計基準第20項)
- (3) 有価証券の減損処理に係る中間切放し法(本適用指針第4項参照)
- (4) 棚卸資産の簿価切下げに係る切放し法(本適用指針第7項参照)
- (5) 一般債権の貸倒見積高の算定における簡便的な会計処理(本適用指針第3項参照)
- (6) 未実現損益の消去における簡便的な会計処理(本適用指針第28項参照)
- なお、このうち(1)及び(2)については、会計基準の結論の背景において検討の経緯を記載している。
有価証券の減損処理及び棚卸資産の簿価切下げに係る方法
- BC2. 四半期適用指針においては、関連諸制度との整合性を考慮し、有価証券の減損処理に係る方法として継続適用を条件に四半期切放し法と四半期洗替え法の選択適用を認めている(四半期適用指針第4項)。同様の理由により、四半期適用指針においては、棚卸資産の簿価切下げに係る方法として年度決算において切放し法を採用している場合について、継続適用を条件に切放し法(以下、有価証券の減損処理に係る四半期切放し法と合わせて「四半期切放し法」という。)と洗替え法(以下、有価証券の減損処理に係る四半期洗替え法と合わせて「四半期洗替え法」という。)の選択適用を認めている(四半期適用指針第7項)。
- 会計基準BC4項に記載のとおり、期首から6か月間を1つの会計期間(中間会計期間)とする中間財務諸表に係る会計処理を定めることを原則としたため、本適用指針においては、四半期切放し法及び四半期洗替え法に代えて、中間切放し法及び中間洗替え法の適用を認めることとした(本適用指針第4項及び第7項参照)。
- ここで、現行の四半期適用指針に基づき有価証券の減損処理又は棚卸資産の簿価切下げに係る方法として四半期切放し法を適用している会社においては、第1四半期決算で減損又は評価損を計上する場合に、現行の四半期切放し法による第2四半期決算の会計処理と中間切放し法とで、会計処理の結果が異なると考えられる。審議の過程では、「金融商品取引法等の一部を改正する法律」(令和5年法律第79号)(以下「本法律」という。)の成立日から施行日までの期間が非常に短い中で、会計処理の変更に対応してシステム変更等が必要となる可能性もあり、対応が困難であるとの意見があった。このため、会計基準BC8項に記載のとおり、会計処理の見直しにより企業の実務負担が生じることがないよう従来の四半期での実務が継続して適用可能となる経過措置を設けることとした(本適用指針第62項及び第63項参照)。
- 公開草案では、経過措置を設けた経緯から四半期適用指針に基づいて四半期切放し法を適用していた場合という条件を記載していたが、会計基準BC24項に記載のとおり、中間会計基準等の適用初年度において従前の四半期財務諸表において採用していた会計方針(年度の会計方針との首尾一貫性が求められる会計方針を除く。)との継続性は求められないため、当該記載を削除している。
一般債権の貸倒見積高の算定及び未実現損益の消去における簡便的な会計処理
- BC3. 四半期適用指針においては、四半期財務諸表に求められる開示の迅速性の観点から、一般債権の貸倒見積高の算定における簡便的な会計処理として、前年度又は前四半期会計期間から著しく変動していないと考えられる場合に、前年度又は前四半期会計期間の決算において算定した貸倒実績率等の合理的な基準を四半期決算で使用することを認めている(四半期適用指針第3項)。同様の理由により四半期適用指針においては、未実現損益の消去における簡便的な会計処理として取引状況に大きな変化がないと認められる場合に、前年度又は前四半期会計期間の損益率を四半期決算で使用することを認めている(四半期適用指針第30項)。
- 前年度からの著しい変動がない場合に前年度末の決算において算定した実績率等を中間決算で使用することができるとする取扱いは、中間会計基準等が適用される中間財務諸表では、中間連結財務諸表作成基準、中間連結財務諸表作成基準注解、中間財務諸表作成基準及び中間財務諸表作成基準注解が適用される中間財務諸表より開示の迅速性が求められることから、簡便的な会計処理として引き継ぐこととした(本適用指針第3項及び第28項参照)。
- 一方で、本法律により改正された金融商品取引法では四半期報告書制度が廃止されるため、前四半期の決算において算定した基準等を中間会計期間において使用することは、決算日以外の期中の特定の日において算定した実績率等を使用することとなり、使用する実績率として適切ではないと考えられる。しかしながら、簡便的な会計処理は、財務諸表利用者の判断を誤らせないことを条件として認められた(四半期会計基準第9項及び第20項)ものであることから、引き続き当該簡便的な会計処理を認めたとしても財務諸表利用者の判断を誤らせるものではないと考えられるため、会計基準BC8項に記載のとおり、会計処理の見直しにより企業の実務負担が生じることがないよう従来の四半期での実務が継続して適用可能となる経過措置を設けることとした(本適用指針第61項及び第64項参照)。
四半期適用指針の定め及び考え方を引き継いだもの
- BC4. 会計基準BC5項に記載のとおり、本適用指針では、中間財務諸表の作成にあたって必要な会計処理について、基本的に四半期適用指針の会計処理の定め及び考え方を引き継いでいる。本適用指針が引き継いでいる会計処理の考え方は、次のとおり四半期適用指針の結論の背景に記載されている。
- (1) 債権(四半期適用指針第83項)
- (2) 有価証券(四半期適用指針第85項及び第86項)
- (3) 棚卸資産(四半期適用指針第88項及び第89項)
- (4) 固定資産(四半期適用指針第90項から第92項)
- (5) 税金費用(四半期適用指針第93項から第97項)
- (6) 退職給付に係る負債(四半期適用指針第98項から第100項)
- (7) 中間連結財務諸表上の会計処理(四半期適用指針第102項)
開 示
- BC5. 会計基準BC5項に記載のとおり、本適用指針では、中間財務諸表の作成にあたって必要な開示について、基本的に四半期適用指針の開示の定め及び考え方を引き継いでいる。本適用指針が引き継いでいる開示の考え方は、次のとおり四半期適用指針の結論の背景に記載されている。
- (1) 中間財務諸表の科目の表示(四半期適用指針第104項)
- (2) 注記事項
- ① 重要な会計方針の変更(四半期適用指針第104-2項)
- ② 重要な企業結合に関する事項(四半期適用指針第104-3項)
- ③ セグメント情報等に関する事項(四半期適用指針第106項)
- ④ 1株当たり中間純損益(四半期適用指針第107項、第107-2項及び第109項)
- ⑤ 重要な後発事象(四半期適用指針第110項及び第111項)
- ⑥ 財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況を適切に判断するために重要なその他の事項(四半期適用指針第112項及び第114項から第116項)
- 以 上
