©公益財団法人 財務会計基準機構最終更新日:2026/03/04
企業会計基準第31号会計上の見積りの開示に関する会計基準
目 的
- 1. 本会計基準は、会計上の見積りの開示について定めることを目的とする。
会計基準
Ⅰ.範 囲
- 2. 本会計基準は、会計上の見積りの開示に適用する。
Ⅱ.用語の定義
- 3. 「会計上の見積り」とは、資産及び負債や収益及び費用等の額に不確実性がある場合において、財務諸表作成時に入手可能な情報に基づいて、その合理的な金額を算出することをいう(企業会計基準第24号「会計方針の開示、会計上の変更及び誤謬の訂正に関する会計基準」(以下「企業会計基準第24号」という。)第4項(3))。
Ⅲ.開 示
1.開示目的
- 4. 会計上の見積りは、財務諸表作成時に入手可能な情報に基づいて合理的な金額を算出するものであるが、財務諸表に計上する金額に係る見積りの方法や、見積りの基礎となる情報が財務諸表作成時にどの程度入手可能であるかは様々であり、その結果、財務諸表に計上する金額の不確実性の程度も様々となる。したがって、財務諸表に計上した金額のみでは、当該金額が含まれる項目が翌年度の財務諸表に影響を及ぼす可能性があるかどうかを財務諸表利用者が理解することは困難である。
- このため、本会計基準は、当年度の財務諸表に計上した金額が会計上の見積りによるもののうち、翌年度の財務諸表に重要な影響を及ぼすリスク(有利となる場合及び不利となる場合の双方が含まれる。以下同じ。)がある項目における会計上の見積りの内容について、財務諸表利用者の理解に資する情報を開示することを目的とする。
2.開示する項目の識別
- 5. 会計上の見積りの開示を行うにあたり、当年度の財務諸表に計上した金額が会計上の見積りによるもののうち、翌年度の財務諸表に重要な影響を及ぼすリスクがある項目を識別する。識別する項目は、通常、当年度の財務諸表に計上した資産及び負債である。また、翌年度の財務諸表に与える影響を検討するにあたっては、影響の金額的大きさ及びその発生可能性を総合的に勘案して判断する。
- なお、直近の市場価格により時価評価する資産及び負債の市場価格の変動は、項目を識別する際に考慮しない。
3.注記事項
- 6. 前項に基づき識別した項目について、本会計基準に基づいて識別した会計上の見積りの内容を表す項目名を注記する。
- なお、会計上の見積りの開示は独立の注記項目とする。識別した項目が複数ある場合には、それらの項目名は単一の注記として記載する。
- 7. 第5項に基づき識別した項目のそれぞれについて、前項に基づき注記した項目名に加えて次の事項を注記する。
- (1) 当年度の財務諸表に計上した金額
- (2) 会計上の見積りの内容について財務諸表利用者の理解に資するその他の情報
- (1)及び(2)の事項の具体的な内容や記載方法(定量的情報若しくは定性的情報、又はこれらの組み合わせ)については、第4項の開示目的に照らして判断する。
- なお、(1)及び(2)の事項について、会計上の見積りの開示以外の注記に含めて財務諸表に記載している場合には、会計上の見積りに関する注記を記載するにあたり、当該他の注記事項を参照することにより当該事項の記載に代えることができる。
- 8. 前項(2)の「会計上の見積りの内容について財務諸表利用者の理解に資するその他の情報」として第4項の開示目的に照らして注記する事項には、例えば、次のようなものがある。
- (1) 当年度の財務諸表に計上した金額の算出方法
- (2) 当年度の財務諸表に計上した金額の算出に用いた主要な仮定
- (3) 翌年度の財務諸表に与える影響
- 9. 連結財務諸表を作成している場合に、個別財務諸表において本会計基準に基づく開示を行うときは、第7項(2)の注記事項について連結財務諸表における記載を参照することができる。
- なお、識別した項目ごとに、当年度の個別財務諸表に計上した金額の算出方法に関する記載をもって第7項(2)の注記事項に代えることができる。この場合であっても、連結財務諸表における記載を参照することができる。
Ⅳ.適用時期等
- 10. 本会計基準は、2021年3月31日以後終了する連結会計年度及び事業年度の年度末に係る連結財務諸表及び個別財務諸表から適用する。ただし、公表日以後終了する連結会計年度及び事業年度における年度末に係る連結財務諸表及び個別財務諸表から本会計基準を適用することができる。
- 11. 本会計基準の適用初年度において、本会計基準の適用は表示方法の変更として取り扱う。ただし、企業会計基準第24号第14項の定めにかかわらず、本会計基準第6項及び第7項に定める注記事項について、適用初年度の連結財務諸表及び個別財務諸表に併せて表示される前連結会計年度における連結財務諸表に関する注記及び前事業年度における個別財務諸表に関する注記(以下「比較情報」という。)に記載しないことができる。
Ⅴ.議 決
- 12. 本会計基準は、第428回企業会計基準委員会に出席した委員14名全員の賛成により承認された。なお、出席した委員は以下のとおりである。
- (略)
結論の背景
経 緯
- 13. 2016年3月及び2017年11月、公益財団法人財務会計基準機構内に設けられている基準諮問会議に対して、国際会計基準審議会(IASB)が2003年に公表した国際会計基準(IAS)第1号「財務諸表の表示」(以下「IAS第1号」という。)第125項において開示が求められている「見積りの不確実性の発生要因」について、財務諸表利用者にとって有用性が高い情報として日本基準においても注記情報として開示を求めることを検討するよう要望が寄せられた。
- その後、2018年11月に開催された第397回企業会計基準委員会において、基準諮問会議より、「見積りの不確実性の発生要因」に係る注記情報の充実について検討することが当委員会に提言された。この提言を受けて、当委員会では、2018年12月より審議を開始し、2019年10月に企業会計基準公開草案第68号「会計上の見積りの開示に関する会計基準(案)」を公表して広く意見を求めた。本会計基準は公開草案に寄せられた意見を踏まえて検討を行い、公開草案の内容を一部修正したうえで公表するに至ったものである。
開発にあたっての基本的な方針
- 14. 当委員会では、本会計基準の開発にあたっての基本的な方針として、個々の注記を拡充するのではなく、原則(開示目的)を示したうえで、具体的な開示内容は企業が開示目的に照らして判断することとした。また、本会計基準の開発にあたっては、IAS第1号第125項の定めを参考とすることとした。
- なお、検討の過程では、IAS第1号第125項は「見積りの不確実性の発生要因」の表題のもとに定めが記述されているものの、注記が要求されている項目は会計上の見積りの対象となる資産及び負債に焦点を当てていると分析された。このため、本会計基準の開発にあたっても、IAS第1号第125項と同様の内容の開示を求めたうえで、内容をより適切に表す会計基準の名称として「会計上の見積りの開示に関する会計基準」を用いることとした。
Ⅰ.開 示
1.開示目的
- 15. 財務諸表を作成する過程では、財務諸表に計上する項目の金額を算出するにあたり、会計上の見積りが必要となるものがある。会計上の見積りは、財務諸表作成時に入手可能な情報に基づいて合理的な金額を算出するものであるが、財務諸表に計上する金額に係る見積りの方法や、見積りの基礎となる情報が財務諸表作成時にどの程度入手可能であるかは様々であり、その結果、財務諸表に計上する金額の不確実性の程度も様々となる。したがって、財務諸表に計上した金額のみでは、当該金額が含まれる項目が翌年度の財務諸表に影響を及ぼす可能性があるかどうかを、財務諸表利用者が理解することは困難である。
- このため、当年度の財務諸表に計上した金額が会計上の見積りによるもののうち、翌年度の財務諸表に重要な影響を及ぼすリスクがある項目における会計上の見積りの内容についての情報は、財務諸表利用者にとって有用な情報であると考えられる。
- 16. ここで、翌年度の財務諸表に重要な影響を及ぼすリスクがある項目は企業によって異なるため、個々の会計基準を改正して会計上の見積りの開示の充実を図るのではなく、会計上の見積りの開示について包括的に定めた会計基準において原則(開示目的)を示し、開示する具体的な項目及びその注記内容については当該原則(開示目的)に照らして判断することを企業に求めることが適切と考えられる。
- 17. したがって、本会計基準では、当年度の財務諸表に計上した金額が会計上の見積りによるもののうち、翌年度の財務諸表に重要な影響を及ぼすリスクがある項目における会計上の見積りの内容について、財務諸表利用者の理解に資する情報を開示することを目的とすることとした(第4項参照)。また、リスクには有利となる場合及び不利となる場合の双方が含まれることを明記することとした。
- 18. 会計上の見積りは、企業の置かれている状況に即して行われるものであることから、会計上の見積りの内容について財務諸表利用者の理解に資する情報を開示するためには、当該企業の置かれている状況について財務諸表利用者が理解できるような情報を開示する必要があると考えられる。また、企業の置かれている状況に加えて、企業による当該状況の評価に関する情報を開示することも財務諸表利用者が財務諸表を理解するために有用であると考えられる。
- 19. なお、本会計基準に基づく開示は、将来予測的な情報の開示を企業に求めるものではないが、開示する項目の識別に際しては、財務諸表利用者の理解に資する情報を開示するという開示目的を達成するために、翌年度の財務諸表に及ぼす影響を踏まえた判断を行うことを企業に求めることとした。
- この点について、公開草案における考慮すべき将来の期間を翌年度とする提案に対し、翌年度以降の財務諸表に影響を及ぼす可能性がある項目とすべきというコメントが寄せられた。しかし、本会計基準の開発にあたって参考としたIAS第1号第125項に係る結論の根拠では、「開示に係る期間が長くなればなるほど、開示が必要な項目の範囲は広がり、特定の資産又は負債について行われる開示は具体的なものではなくなっていく。期間が翌事業年度中を超える場合には、その他の開示によって最も目的適合性のある情報を不明瞭なものにしてしまうことがある。」とされている。そのため、IAS第1号第125項の定めも踏まえた検討の結果、翌年度とすることとした。
- 20. 公開草案で提案した開示目的の内容に対して、「重要な影響を及ぼす可能性が高い項目」では項目の識別の閾値が相当程度高く、記載の意図が正しく伝わらないというコメントや、IAS第1号第125項を参考に項目の文言を見直すべきというコメントが寄せられた。これらのコメントに対し、発生可能性の閾値の解釈について混乱が生じることを避けるため、及び本会計基準で識別される項目はIAS第1号第125項により識別される項目と異なるものとすることを意図していないことを明確化するため、公開草案の「可能性が高い」との記載を削除し、「翌年度の財務諸表に重要な影響を及ぼすリスクがある項目」と記載を変更することとした。
2.開示する項目の識別
(1)項目の識別における判断
- 21. 本会計基準では、開示する項目として、当年度の財務諸表に計上した金額が会計上の見積りによるもののうち、翌年度の財務諸表に重要な影響を及ぼすリスクがある項目を識別するとともに、翌年度の財務諸表に与える影響を検討するにあたっては、影響の金額的な大きさ及びその発生可能性を総合的に勘案して企業が判断するとしている(第5項参照)。
- 22. 一方、翌年度の財務諸表に与える影響を検討するにあたり、何と比較して影響の金額的な大きさを判断するのか、どの程度の影響が見込まれる場合に重要性があるとするのかなど、会計基準において判断のための規準を詳細に定めることとした場合、財務諸表に計上する金額に係る見積りを行う項目や、見積りの方法が様々であることから、ある場合には有用な情報を開示することになっても、他の場合には有用な情報を開示することにならないなど、すべての状況において有用な情報を開示するようにこれを定めることは困難であると考えられる。また、会計上の見積りが翌年度の財務諸表に重要な影響を及ぼすリスクがある項目は、経営上の重要な項目であり、会計基準において判断のための規準を詳細に定めなくとも、各企業で行っている会計上の見積りの方法を踏まえて開示する項目を識別できると考えられたことから、本会計基準では、項目の識別について、判断のための詳細な規準は示さないこととした。
(2)識別する項目
- 23. 本会計基準は、識別する項目は、通常、当年度の財務諸表に計上した資産及び負債であるとしている(第5項参照)。
- ここで、本会計基準では、当年度の財務諸表に計上した金額に重要性があるものに着目して開示する項目を識別するのではなく、当年度の財務諸表に計上した金額が会計上の見積りによるもののうち、翌年度の財務諸表に重要な影響を及ぼすリスクがあるものに着目して開示する項目を識別することとした。このため、例えば、固定資産について減損損失の認識は行わないとした場合でも、翌年度の財務諸表に重要な影響を及ぼすリスクを検討したうえで、当該固定資産を開示する項目として識別する可能性がある。
- なお、翌年度の財務諸表に重要な影響を及ぼすリスクがある場合には、当年度の財務諸表に計上した収益及び費用、並びに会計上の見積りの結果、当年度の財務諸表に計上しないこととした負債を識別することを妨げない。また、注記において開示する金額を算出するにあたって見積りを行ったものについても、翌年度の財務諸表に重要な影響を及ぼすリスクがある場合には、これを識別することを妨げない。
- 24. 前項に加え、直近の市場価格により時価評価する資産及び負債の市場価格の変動は、会計上の見積りに起因するものではないため、項目を識別する際に考慮しないこととした(第5項参照)。
(3)識別する項目の数
- 25. 第4項の開示目的に照らせば、識別する項目の数は、企業の規模及び事業の複雑性等により異なると考えられるものの、本会計基準では、翌年度の財務諸表に重要な影響を及ぼすリスクがある項目を識別するとしていることから、比較的少数の項目を識別することになると考えられる。
3.注記事項
- 26. 本会計基準では、第5項に基づき識別した項目について、本会計基準に基づいて識別した会計上の見積りの内容を表す項目名を注記することを求めている(第6項参照)。
- 検討の過程では、会計上の見積りの開示については、本会計基準に基づき開示された情報であることが明瞭にわかるようにすることが有用、かつ、従来の日本基準の開示の枠組みに基づけば、通常はまとめて注記されることが多いと考えられたため、本会計基準の開発にあたって参考としたIAS第1号第125項では求められていないものの、当該注記は独立の注記項目とし、識別した項目が複数ある場合には、それらの項目名は単一の注記として記載することを求めることとした。
- 27. 本会計基準に基づく開示は、企業の置かれている状況に即して情報を開示するものであると考えられることから、第7項に定める注記の具体的な内容や記載方法(定量的情報若しくは定性的情報、又はこれらの組み合わせ)については、第4項の開示目的に照らして判断するとしている。このため、例えば、第7項(1)の注記事項については、財務諸表に表示された金額そのものではなく、会計上の見積りの開示の対象項目となった部分に係る計上額が開示される場合もあり得ると考えられる。
- 28. 本会計基準に基づき注記する事項については、個々の会計基準等により既に注記が求められている場合もあると考えられることから、会計上の見積りの開示以外の注記に含めて財務諸表に記載している場合には、注記の重複を避ける観点から、当該注記における記載を参照することができることとした(第7項なお書き参照)。これについて、公開草案に寄せられたコメント及び審議の過程において、既存の会計基準等で会計上の見積りに関する開示が求められている場合には当該注記を参照することが想定されていることの確認を求める意見が聞かれた。この点、企業が識別した項目について、他の会計基準等に従って開示している内容が第4項の開示目的を満たしている場合、結果的に追加で開示する情報はないと考えられる。
(財務諸表利用者の理解に資するその他の情報)
- 29. 第8項(1)の当年度の財務諸表に計上した金額の算出方法や、第8項(2)の当年度の財務諸表に計上した金額の算出に用いた主要な仮定に関する情報の開示は、財務諸表利用者が当年度の財務諸表に計上した金額について理解したうえで、企業が当該金額の算出に用いた主要な仮定が妥当な水準又は範囲にあるかどうか、また、企業が採用した算出方法が妥当であるかどうかなどについて判断するための基礎となる有用な情報となる場合がある。なお、第8項(2)の主要な仮定については、第8項(1)の当年度の財務諸表に計上した金額の算出方法に対するインプットとして想定される数値(定量的な情報)若しくは当該定量的な情報の前提となった状況や判断の背景の説明(定性的な情報)又は定量的な情報と定性的な情報の双方の場合もあると考えられる。
- ただし、これらの情報は、単に会計基準等における取扱いを算出方法として記載するのではなく、企業の置かれている状況が理解できるようにすることで、財務諸表利用者に有用な情報となると考えられる。
- 30. 第8項(3)の翌年度の財務諸表に与える影響に関する情報の開示は、当年度の財務諸表に計上した金額が翌年度においてどのように変動する可能性があるのか、また、その発生可能性はどの程度なのかを財務諸表利用者が理解するうえで有用な情報となる場合がある。翌年度の財務諸表に与える影響を定量的に示す場合には、単一の金額のほか、合理的に想定される金額の範囲を示すことも考えられる。
- ただし、これらの情報は、単に会計基準等における取扱いに基づく結果としての影響を翌年度の財務諸表に与える影響として記載するのではなく、企業の置かれている状況が理解できるようにすることで、財務諸表利用者に有用な情報となると考えられる。
- 31. また、審議の過程では、開示の詳細さ(開示の分量)について、本会計基準において指針や目安を示すべきか検討を行ったものの、注記の内容は企業によって異なるものであり、したがって開示の詳細さは各企業が第4項の開示目的に照らして判断すべきものと考えられたことから、本会計基準では開示の詳細さを特段定めないこととした。なお、第8項に記載した事項がチェックリストとして用いられることを懸念する意見が寄せられたことから、これらの事項は例示であり、注記する事項は第4項の開示目的に照らして判断する旨を明記した。
- 32. 本会計基準に基づく会計上の見積りの開示は、連結財務諸表と個別財務諸表で同様の取扱いとすることを原則としているが、連結財務諸表を作成している場合に、個別財務諸表において本会計基準に基づく開示を行うときは、第7項(2)の注記事項について連結財務諸表における記載を参照することができるとしている。この取扱いを定めた趣旨は、注記の重複を避けることにある。なお、既存の会計基準等で個別財務諸表での開示が免除されている項目が開示対象として識別されることが考えられるが、この場合は連結財務諸表における記載の参照が可能な場合が多いと考えられる。
- 33. また、2013年6月20日に企業会計審議会から公表された「国際会計基準(IFRS)への対応のあり方に関する当面の方針」で取り上げられた「単体開示の簡素化」を踏まえ、連結財務諸表を作成している場合の個別財務諸表の開示については、識別した項目ごとに、当年度の個別財務諸表に計上した金額の算出方法に関する記載をもって第7項(2)の注記事項に代える、簡素化された開示を認めることとした。
Ⅱ.適用時期等
- 34. 本会計基準に基づく会計上の見積りの開示は、当年度の財務諸表に計上した金額が会計上の見積りによるもののうち、翌年度の財務諸表に重要な影響を及ぼすリスクがある項目における会計上の見積りの内容について、財務諸表利用者の理解に資する情報を開示することを目的としている(本会計基準第4項参照)。
- 過去の時点において判断した当年度の財務諸表に及ぼす影響と、当年度末時点において判断した翌年度の財務諸表に及ぼす影響を比較することは有用と考えられるが、適用初年度の比較情報を開示するために過去の時点における判断に本会計基準を遡及的に適用した場合、当該時点に入手可能であった情報と事後的に入手した情報を客観的に区別することが困難であると考えられる。
- また、多数の子会社を有している企業において、本会計基準の適用初年度の比較情報として、すべての子会社から、本会計基準に基づく開示に必要な過去情報を入手し集計することは、実務上煩雑であり、特に、会計上の見積りの内容について財務諸表利用者の理解に資するその他の情報(本会計基準第7項(2)参照)に関して、翌年度の財務諸表に与える影響(本会計基準第8項(3)参照)を定量的に記載する場合には、これを過去に遡って示すことが煩雑であると考えられる。
- このため、本会計基準の適用初年度において、本会計基準の適用は表示方法の変更として取り扱われることになるものの、企業会計基準第24号第14項の定めにかかわらず、本会計基準第6項及び第7項に定める注記事項について比較情報に記載しないことができることとした(本会計基準第11項参照)。
- 以 上