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企業会計基準第38号「中間連結財務諸表等の作成基準」の一部改正
目 的
- 1. 本会計基準は、企業会計審議会が1998年(平成10年)3月13日に公表した「中間連結財務諸表等の作成基準」(以下「中間作成基準」という。)及び「中間連結財務諸表等の作成基準注解」(以下「中間作成基準注解」という。また、以下、中間作成基準と中間作成基準注解を合わせて「中間作成基準等」という。)のうち、会計処理及び開示に関する事項を改正することを目的とする。
会計基準
中間連結財務諸表等の作成基準
中間連結財務諸表作成基準
一般原則
- 2. 中間作成基準の「中間連結財務諸表作成基準 第一 一般原則 一」の定めを次のとおり改正する。
一 第二種中間連結財務諸表(以下「中間連結財務諸表」という。)は、中間会計期間に係る企業集団の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に関し、有用な情報を提供するものでなければならない。
作成基準
- 3. 中間作成基準の「中間連結財務諸表作成基準 第二 作成基準 一」の定めを次のとおり改正する。
一 中間連結財務諸表は、原則として連結財務諸表の作成に当たって適用される会計処理の原則及び手続に準拠して作成しなければならない。ただし、中間会計期間に係る企業集団の財政状態及び経営成績に関する利害関係者の判断を誤らせない限り、簡便な決算手続によることができる。(注1)(注2)
また、中間連結株主資本等変動計算書は、連結株主資本等変動計算書に準じて作成する。
なお、中間連結キャッシュ・フロー計算書の作成基準、表示方法及び注記事項は、「連結キャッシュ・フロー計算書等の作成基準」による。 - 4. 中間作成基準の「中間連結財務諸表作成基準 第二 作成基準 二」の定めを次のとおり改正する。
二 親会社及び連結される子会社の法人税その他利益に関連する金額を課税標準とする税金については、中間会計期間を含む事業年度の法人税等の計算に適用される税率に基づき、年度決算と同様の方法により計算する。ただし、中間会計期間を含む事業年度の実効税率を合理的に見積もり、税引前中間純利益に当該見積実効税率を乗じて計算することができる。
なお、税効果会計については、「税効果会計に係る会計基準」及び企業会計基準適用指針第29号「中間財務諸表等における税効果会計に関する適用指針」(以下「中間税効果適用指針」という。)による。
注記事項
- 5. 中間作成基準の「中間連結財務諸表作成基準 第四 注記事項 4 その他の注記事項」(7)の定めを次のとおり追加する。
(7) 1株当たり中間純損益及び潜在株式調整後1株当たり中間純利益並びに中間期の1株当たり純資産額(注3)
中間財務諸表作成基準
一般原則
- 6. 中間作成基準の「中間財務諸表作成基準 第一 一般原則 一」の定めを次のとおり改正する。
一 第二種中間財務諸表(以下「中間財務諸表」という。)は、中間会計期間に係る企業の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に関し、有用な情報を提供するものでなければならない。
作成基準
- 7. 中間作成基準の「中間財務諸表作成基準 第二 作成基準 一」の定めを次のとおり改正する。
一 中間財務諸表は、原則として年度決算に適用される会計処理の原則及び手続に準拠して作成しなければならない。ただし、中間会計期間に係る企業の財政状態及び経営成績に関する利害関係者の判断を誤らせない限り、簡便な決算手続によることができる。(注1)(注2)(注3)
また、中間個別株主資本等変動計算書は、個別株主資本等変動計算書に準じて作成する。
なお、中間キャッシュ・フロー計算書の作成基準、表示方法及び注記事項は、「連結キャッシュ・フロー計算書等の作成基準」による。 - 8. 中間作成基準の「中間財務諸表作成基準 第二 作成基準 二」の定めを次のとおり改正する。
二 法人税その他利益に関連する金額を課税標準とする税金については、年度決算と同様の方法により計算する。ただし、中間会計期間を含む事業年度の実効税率を合理的に見積もり、税引前中間純利益に当該見積実効税率を乗じて計算することができる。
なお、税効果会計については、「税効果会計に係る会計基準」及び中間税効果適用指針による。 - 9. 中間作成基準の「中間財務諸表作成基準 第二 作成基準 三」の定めを次のとおり追加する。
三 自己株式の処分及び消却(企業会計基準第1号「自己株式及び準備金の額の減少等に関する会計基準」(以下「自己株式等会計基準」という。)第10項及び第11項)の会計処理の結果、中間決算日において、その他資本剰余金の残高が負の値になった場合には、中間決算において、その他利益剰余金(繰越利益剰余金)で補てんする(自己株式等会計基準第12項)。
注記事項
- 10. 中間作成基準の「中間財務諸表作成基準 第四 注記事項」(10)の定めを次のとおり追加する。
(10) 1株当たり中間純損益及び潜在株式調整後1株当たり中間純利益並びに中間期の1株当たり純資産額(注4)
中間連結財務諸表等の作成基準注解
中間連結財務諸表作成基準注解
- 11. 中間作成基準注解の中間連結財務諸表作成基準注解(注3)の定めを次のとおり追加する。
(注3) 1株当たり中間純損益及び潜在株式調整後1株当たり中間純利益並びに中間期の1株当たり純資産額について
1株当たり中間純損益及び潜在株式調整後1株当たり中間純利益の算定は、中間会計期間を一会計期間とみて、1株当たり当期純損益及び潜在株式調整後1株当たり当期純利益の算定に準ずるものとする。また、中間期の1株当たり純資産額は、期末の1株当たり純資産額の算定に準ずるものとする。
中間財務諸表作成基準注解
- 12. 中間作成基準注解の中間財務諸表作成基準注解(注2)ハの定めを次のとおり改正する。
ハ 退職給付費用は、年間の退職給付費用を期間按分する方法により計上することができる。 - 13. 中間作成基準注解の中間財務諸表作成基準注解(注2)ニの定めを次のとおり追加する。
ニ 中間財務諸表における役員賞与の会計処理は、財務諸表における会計処理に準じて処理する。なお、役員賞与の金額が事業年度の業績等に基づき算定されることとなっているため中間会計期間において合理的に見積ることが困難な場合や、重要性が乏しいと想定される場合には、中間会計期間においては、費用処理しないことができる。 - 14. 中間作成基準注解の中間財務諸表作成基準注解(注3)の定めを次のとおり追加する。
(注3) 企業結合日に認識された繰延税金資産及び繰延税金負債への取得原価の配分額の見直しについて
企業結合日に認識された繰延税金資産及び繰延税金負債への取得原価の配分額の見直しのうち、将来年度の課税所得の見積りの変更等による繰延税金資産の回収見込額の見直しによる修正(企業会計基準適用指針第10号「企業結合会計基準及び事業分離等会計基準に関する適用指針」(以下「結合分離適用指針」という。)第73項(2))は、企業結合日と取得企業の事業年度との関係から、具体的には次のように処理することになる。
イ 企業結合日が取得企業の事業年度期首の場合
企業結合日の1年後(企業結合年度末)に繰延税金資産への取得原価の配分額を確定し、その額が企業結合日の繰延税金資産への取得原価の配分額となる。
企業結合年度の中間会計期間末においては、その時点で入手可能な合理的な情報等に基づき計上する。これは基本的に「暫定的な会計処理」(結合分離適用指針第69項)として取り扱う。
ロ 企業結合日が取得企業の事業年度の期首の翌日以降の場合
企業結合年度の中間会計期間末においては、その時点で入手可能な合理的な情報等に基づき計上する。これは基本的に「暫定的な会計処理」(結合分離適用指針第69項)として取り扱う。
企業結合日から1年を経過した日(実務上は、1年経過後最初に到来する中間会計期間末)において、企業結合日における繰延税金資産への取得原価の配分額が確定する。企業結合日において計上した繰延税金資産の額を修正する場合は結合分離適用指針第73項に従い会計処理する。 - 15. 中間作成基準注解の中間財務諸表作成基準注解(注4)の定めを次のとおり追加する。
(注4) 1株当たり中間純損益及び潜在株式調整後1株当たり中間純利益並びに中間期の1株当たり純資産額について
1株当たり中間純損益及び潜在株式調整後1株当たり中間純利益の算定は、中間会計期間を一会計期間とみて、1株当たり当期純損益及び潜在株式調整後1株当たり当期純利益の算定に準ずるものとする(企業会計基準適用指針第4号「1株当たり当期純利益に関する会計基準の適用指針」[設例 13])。また、中間期の1株当たり純資産額は、期末の1株当たり純資産額の算定に準ずるものとする。
適用時期
- 16. 本会計基準の適用時期は、企業会計基準第37号「期中財務諸表に関する会計基準」(以下「期中会計基準」という。)と同様とする。
議 決
- 17. 本会計基準は、第559回企業会計基準委員会に出席した委員13名全員の賛成により承認された。なお、出席した委員は、以下のとおりである。
(略)
結論の背景
経 緯
- BC1. 2023年11月に「金融商品取引法等の一部を改正する法律」(令和5年法律第79号)(以下「金融商品取引法等の一部改正法」という。)が成立し、金融商品取引法(昭和23年法律第25号)が改正されたことにより、従前の四半期連結財務諸表及び四半期個別財務諸表(以下合わせて「四半期財務諸表」という。)が第一種中間連結財務諸表及び第一種中間財務諸表(以下合わせて「第一種中間財務諸表等」という。)、従前の中間連結財務諸表及び中間財務諸表が第二種中間連結財務諸表及び第二種中間財務諸表として規定されたため、当委員会は、第一種中間財務諸表等に適用される会計処理及び開示を定めるものとして、2024年3月に企業会計基準第33号「中間財務諸表に関する会計基準」及び企業会計基準適用指針第32号「中間財務諸表に関する会計基準の適用指針」(以下合わせて「企業会計基準第33号等」という。)を公表した。
- BC2. 企業会計基準第33号等は金融商品取引法等の一部改正法の成立日から施行日までの準備期間が短い中での短期的な対応であったが、企業会計基準第33号等の審議の過程では上場会社及び財務諸表利用者から中間決算と四半期決算は同じ会計基準等に基づいて行うべきであるとの意見が聞かれた。このため、金融商品取引法に基づく第一種中間財務諸表等と、金融商品取引所の定める規則に基づく第1四半期及び第3四半期の四半期財務諸表の両方に適用可能となるように、企業会計基準第12号「四半期財務諸表に関する会計基準」及び企業会計基準適用指針第14号「四半期財務諸表に関する会計基準の適用指針」(以下合わせて「企業会計基準第12号等」という。)並びに企業会計基準第33号等を統合したものとして、2025年に期中会計基準及び企業会計基準適用指針第34号「期中財務諸表に関する会計基準の適用指針」(以下合わせて「期中会計基準等」という。)を公表している。
- BC3. 一方、改正後の金融商品取引法により規定された第二種中間連結財務諸表及び第二種中間財務諸表には、引き続き中間作成基準等が適用されるため、本会計基準では、中間作成基準等の適用対象となる中間連結財務諸表及び中間財務諸表が第二種中間連結財務諸表及び第二種中間財務諸表であることを明確化している。
- BC4. また、期中会計基準等の公表に伴う他の会計基準等の修正にあたり、個別のテーマに関する企業会計基準及び企業会計基準適用指針では年度の会計処理及び開示を取り扱うものと整理し、従来、企業会計基準第33号等及び企業会計基準第12号等以外の他の企業会計基準及び企業会計基準適用指針(以下「他の企業会計基準及び企業会計基準適用指針」という。)で定められていた四半期財務諸表の取扱いについては期中財務諸表の取扱いとして期中会計基準等に取り込むこととした(期中会計基準BC19項)。
- BC5. 前項との整合性を考慮し、本会計基準は、他の企業会計基準及び企業会計基準適用指針で定められていた中間連結財務諸表及び中間財務諸表の会計処理及び開示の取扱いを、第二種中間連結財務諸表及び第二種中間財務諸表の会計処理及び開示の取扱いとして中間作成基準等に取り込むこととした。
- BC6. ここで、第二種中間連結財務諸表及び第二種中間財務諸表は、金融商品取引法の枠組みにおいて求められるものであり、第二種中間連結財務諸表及び第二種中間財務諸表の開示について、実務は「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和51年大蔵省令第28号)及び「財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和38年大蔵省令第59号)(以下合わせて「財務諸表等規則等」という。)によっている部分が多いと考えられる。期中会計基準等の開発においてこの点を変更することは意図されていないため、これまでに当委員会の企業会計基準及び企業会計基準適用指針に含めていた内容を維持して取り込むこととした。したがって、財務諸表等規則等のみで定められている第二種中間連結財務諸表及び第二種中間財務諸表の取扱いは本会計基準に取り込んでいない。
会計処理
- BC7. 本会計基準では、次の項目について、他の企業会計基準及び企業会計基準適用指針の取扱いを第二種中間連結財務諸表及び第二種中間財務諸表に関する定めとして引き継いでいる。
- (1) 自己株式の処分及び消却(本会計基準第9項参照)
本会計基準公表前の自己株式等会計基準第42項及び第45項の取扱い - (2) 役員賞与の会計処理(本会計基準第13項参照)
本会計基準公表前の企業会計基準第4号「役員賞与に関する会計基準」第14項の取扱い - (3) 企業結合日に認識された繰延税金資産及び繰延税金負債への取得原価の配分額の見直し(本会計基準第14項参照)
本会計基準公表前の結合分離適用指針第74項の取扱い - BC8. 一方、中間税効果適用指針は、中間作成基準等には取り込まず、税効果会計の適用にあたって中間税効果適用指針が適用されることを明確化することとした(本会計基準第4項及び第8項参照)。これは、中間税効果適用指針はその全体が中間連結財務諸表及び中間財務諸表の取扱いを定めているためである。
- BC9. また、中間作成基準等では企業会計審議会が公表した「連結キャッシュ・フロー計算書等の作成基準」を参照していることとの整合性を考慮し、企業会計審議会が公表した「税効果会計に係る会計基準」については中間作成基準等に取り込まず、「税効果会計に係る会計基準」を参照することとした(本会計基準第4項及び第8項参照)。
- BC10. なお、本会計基準第12項が改正する中間財務諸表作成基準注解(注2)ハでは、本会計基準公表前の企業会計基準適用指針第25号「退職給付に関する会計基準の適用指針」(以下「退職給付適用指針」という。)第74項の考え方を引き継いでいる。本会計基準公表前の退職給付適用指針の結論の背景では、次のとおり記載されていた。

開 示
表 示
- BC11. 本会計基準第3項が改正する「中間連結財務諸表作成基準 第二 作成基準 一」また書き及び第7項が改正する「中間財務諸表作成基準 第二 作成基準 一」また書きは、本会計基準公表前の企業会計基準第6号「株主資本等変動計算書に関する会計基準」(以下「株主資本等会計基準」という。)第10項の定め及び第25項の考え方を引き継いでいる。本会計基準第3項が改正する「中間連結財務諸表作成基準 第二 作成基準 一」また書き及び第7項が改正する「中間財務諸表作成基準 第二 作成基準 一」また書きの定めについて、本会計基準公表前の株主資本等会計基準の結論の背景では、次のとおり記載されていた。

注記事項
- BC12. 本会計基準第11項及び第15項は、本会計基準公表前の企業会計基準適用指針第4号「1株当たり当期純利益に関する会計基準の適用指針」(以下「1株当たり当期純利益適用指針」という。)第37項の定め及び第62項の考え方を引き継いでいる。本会計基準第11項及び第15項の定めについて、1株当たり当期純利益適用指針の結論の背景では、次のとおり記載されていた。

適用時期
- BC13. 本会計基準は、2025年に公表された期中会計基準に対応するための改正であることから、適用時期については2025年に公表された期中会計基準と合わせることとした(本会計基準第16項参照)。
- 以 上
