©公益財団法人 財務会計基準機構最終更新日:2026/03/04
企業会計基準第35号「固定資産の減損に係る会計基準」の一部改正
目 的
- 1. 本会計基準は、企業会計審議会が2002年(平成14年)8月9日に公表した「固定資産の減損に係る会計基準」(以下「減損会計基準」という。)及び「固定資産の減損に係る会計基準注解」(以下「減損会計基準注解」という。)のうち、リースに関する事項を改正することを目的とする。
会計基準
会計処理
- 2. 減損会計基準注解の(注12)を、次のとおり改正する。
(注12)
1. 借手がリースについて、リース取引開始日が企業会計基準第13号「リース取引に関する会計基準」(以下「企業会計基準第13号」という。)の適用初年度開始前である所有権移転外ファイナンス・リース取引の取扱いにより通常の賃貸借取引に係る方法に準じた会計処理を行っている場合、借手が当該リースに係る使用権資産又は当該使用権資産を含む資産グループの減損処理を検討するにあたっては、当該リースに係る未経過リース料の現在価値を、当該使用権資産の帳簿価額とみなして、本基準を適用する。ただし、使用権資産の重要性が低い場合においては、未経過リース料の現在価値に代えて、割引前の未経過リース料を、使用権資産の帳簿価額とみなすことができる。
2. リース取引開始日が企業会計基準第13号の適用初年度開始前である所有権移転外ファイナンス・リース取引の取扱いにより通常の賃貸借取引に係る方法に準じた会計処理を行っている使用権資産に本基準を適用した場合、当該使用権資産に配分された減損損失は負債として計上し、リース契約の残存期間にわたり規則的に取り崩す。取り崩された金額は、各事業年度の支払リース料と相殺する。
適用時期等
- 3. 本会計基準の適用時期は、2024年に公表された企業会計基準第34号「リースに関する会計基準」(以下「リース会計基準」という。)と同様とする。
- 4. 本会計基準の適用前において、個々のリース資産に重要性が乏しいと認められる場合に、通常の賃貸借取引に係る方法に準じた会計処理を行い、リース資産の未経過リース料の現在価値を当該リース資産の帳簿価額とみなして減損会計基準を適用し、本会計基準の適用初年度の前事業年度の期末日においてリース資産に配分された減損損失について負債を計上しているときは、当該負債をリース契約の残存期間にわたり定額法によって取り崩し、当該取崩額を、各事業年度の支払リース料と相殺する会計処理を継続することができる。
議 決
- 5. 本会計基準は、第532回企業会計基準委員会に出席した委員13名全員の賛成により承認された。なお、出席した委員は、以下のとおりである。
(略)
結論の背景
経 緯
- BC1. 2024年に公表されたリース会計基準においては、日本基準を国際的に整合性のあるものとするため、借手のすべてのリースについて資産及び負債を計上することとした。また、借手のリースについて、ファイナンス・リース取引とオペレーティング・リース取引の区分を廃止し、すべてのリースについて使用権資産に係る減価償却費及びリース負債に係る利息相当額を計上する単一の会計処理モデルを採用した。
- これを受けて、減損会計基準注解の(注12)のリースに関する事項について見直しを行うこととした。
会計処理
- BC2. 2002年8月9日に企業会計審議会から公表された減損会計基準注解の(注12)においては、ファイナンス・リース取引について、借手側が賃貸借取引に係る方法に準じて会計処理を行っている場合、借手側が当該ファイナンス・リース取引により使用している資産(以下「リース資産」という。)又は当該リース資産を含む資産グループの減損処理を検討するにあたっては、当該リース資産の未経過リース料の現在価値を、当該リース資産の帳簿価額とみなして、減損会計基準を適用することとされていた。
- BC3. 企業会計基準適用指針第16号「リース取引に関する会計基準の適用指針」(以下「企業会計基準適用指針第16号」という。)においては、ファイナンス・リース取引について、次の場合に、借手側が通常の賃貸借取引に係る方法に準じて会計処理を行うことを認めていた。
- (1) 個々のリース資産に重要性が乏しいと認められる場合
- (2) リース取引開始日が企業会計基準第13号の適用初年度開始前のリース取引で、企業会計基準第13号に基づき所有権移転外ファイナンス・リース取引と判定された場合
- BC4. リース会計基準においては、これまでオペレーティング・リース取引として資産を計上していなかったリースも含め、借手のすべてのリースについて使用権資産を計上することとした。したがって、貸借対照表に計上される使用権資産について減損会計基準を適用することとし、ファイナンス・リースのうち通常の賃貸借取引に係る方法に準じて会計処理を行っているリースについて、当該リース資産の未経過リース料の現在価値を当該リース資産の帳簿価額とみなして減損会計基準を適用する定めは原則として削除することとした。
- BC5. ただし、リース会計基準及び企業会計基準適用指針第33号「リースに関する会計基準の適用指針」(以下「リース適用指針」という。また、以下、リース会計基準及びリース適用指針を合わせて「リース会計基準等」という。)においては、使用権資産を計上しないことができる場合として、次の取扱いを認めることとしたため、これらの取扱いを適用したリースに関して、未経過の借手のリース料の現在価値をこれらの使用権資産の帳簿価額とみなして減損会計基準を適用する取扱いを定めるか否かを検討した。
- (1) 短期リース及び少額リースに関する簡便的な取扱いとして、リース開始日に使用権資産及びリース負債を計上せず、借手のリース料を借手のリース期間にわたって原則として定額法により費用として計上することができる取扱い(リース適用指針第20項及び第22項)
- (2) リース取引開始日が企業会計基準第13号の適用初年度開始前のリース取引で、企業会計基準第13号に基づき所有権移転外ファイナンス・リース取引と判定されたものについて、引き続き通常の賃貸借取引に係る方法に準じた会計処理を適用することができる取扱い(リース適用指針第114項)
- BC6. この点、短期リース及び少額リースに関する簡便的な取扱い(本会計基準BC5項(1)参照)は、これらのリースが重要性に乏しいものであり、資産(及び負債)を計上しない場合にも財務諸表利用者の有用性が大きく損なわれるものでないことを理由にしたものであることから、これらのリースについて減損会計基準も適用しないことがリース会計基準等における考え方と整合的であると考えられた。したがって、借手がリース適用指針における短期リース又は少額リースに関する簡便的な取扱いを適用している場合、本会計基準を適用しないこととした。
- BC7. 一方で、リース取引開始日が企業会計基準第13号の適用初年度開始前である所有権移転外ファイナンス・リース取引の取扱い(本会計基準BC5項(2)参照)は、リース会計基準等において、企業会計基準適用指針第16号の定めを引き継ぐこととしたため、本会計基準においても、減損会計基準注解の(注12)の定めを引き継ぐこととした。すなわち、リース取引開始日が企業会計基準第13号の適用初年度開始前である所有権移転外ファイナンス・リース取引の取扱いにより通常の賃貸借取引に係る方法に準じた会計処理を行っている場合、当該リースに係る使用権資産又は当該使用権資産を含む資産グループの減損処理を検討するにあたり、当該リースに係る未経過リース料の現在価値について、当該使用権資産の帳簿価額とみなして減損会計基準を適用する定めを変更しないこととした(本会計基準第2項参照)。
適用時期
- BC8. 本会計基準は、リース会計基準に対応するための改正であることから、適用時期についてはリース会計基準と合わせることとした(本会計基準第3項参照)。
- 以 上