©公益財団法人 財務会計基準機構最終更新日:2026/03/04
実務対応報告第8号コマーシャル・ペーパーの無券面化に伴う発行者の会計処理及び表示についての実務上の取扱い
- 平成15年1月6日から施行されている「社債等の振替に関する法律」(「短期社債等の振替に関する法律」(平成13年法律第75号)を一部改正、以下「社債等振替法」という。)に基づいて、コマーシャル・ペーパー(以下「CP」という。)の無券面化(ペーパーレス化)を実際に導入するにあたり、当該会計処理及び表示に関する質問が多い。従来、法律上、約束手形とされていたCP(以下「手形CP」という。)は、社債等振替法においては、社債(短期社債(注1)とされているが、以下では「電子CP」という。)と位置付けられている。しかしながら、電子CPは、主に決済方法の利便性や安全性を向上するために導入され、従来の手形CPと同一の商品性を保つよう商法における社債の規定の一部を適用除外とするなど、その経済的実質は、今後も並存する手形CPと相違はないと考えられる。
- このため、電子CPについては、以下のとおり、社債として取り扱われる法律上の位置付けに従うほか、経済的実質を重視して、従来の手形CPと同様の取扱い(注2)もできると考えられる。
- なお、電子CPの資金運用側の会計処理と表示については、「有価証券」として、従来の手形CPと同様の取扱い(注2)となると考えられる。
- 本実務対応報告は、第26回企業会計基準委員会に出席した委員11名全員の賛成により承認された。
- (注1)社債等振替法第66条において、同法第83条及び第84条における短期社債とは、以下の要件のすべてに該当する社債をいうとされている。
- (1) 契約により社債の総額が引き受けられるものであること
- (2) 各社債の金額が1億円を下回らないこと
- (3) 元本の償還期限が1年未満であり、かつ、分割払いの定めがないこと
- (4) 利息の支払期限を、(3)の元本の償還期限と同じ日とする旨の定めがあること
- (5) 無担保である(担保付社債信託法上の担保が付されるものではない)こと
- (注2)従来の会計処理及び表示については、日本公認会計士協会調査研究部審理課から平成5年10月28日付で「審理室情報No.8(国内コマーシャル・ペーパーの会計処理と表示について)の適用に当たっての留意事項について」が公表されている。
- 1. 貸借対照表
- 発行した電子CPについては、原則として償却原価法に基づいて算定された価額をもって貸借対照表価額とし(企業会計基準第10号「金融商品に関する会計基準」(以下「金融商品会計基準」という。)第26項)、流動負債において「短期社債」又は従来の手形CPと同様に「コマーシャル・ペーパー」等の当該負債を示す名称を付した科目をもって掲記する。なお、その金額に重要性がない場合には、流動負債において「その他」に含めて表示することができる。
- 2. 損益計算書
- 「短期社債利息」又は従来の手形CPと同様に「コマーシャル・ペーパー利息」等の当該費用を示す名称を付した科目をもって区分掲記し、その金額に重要性がない場合には、「その他」に含めて表示する。なお、債務額よりも低い価額で発行したことによる差額を「前払費用」として計上した場合には、発行日から償還期限までを計算期間として当該発行差額を定額法により按分する(金融商品会計基準第26項、及び「金融商品会計に関する実務指針」第126項)。
- 以 上