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移管指針第6号連結財務諸表等におけるキャッシュ・フロー計算書の作成に関する実務指針
Ⅰ 連結キャッシュ・フロー計算書等の作成に関する実務指針
はじめに
- 1. 1997年6月に、企業会計審議会は、「連結財務諸表制度の見直しに関する意見書」を公表し、その中で、連結情報重視の観点から連結ベースのキャッシュ・フロー計算書の導入を提言した。さらに、「連結財務諸表を作成しない会社については、従来の資金収支表に代えて個別ベースのキャッシュ・フロー計算書を導入すること」が適当であるとし、また、1998年3月に公表した「中間連結財務諸表等の作成基準の設定に関する意見書」において、中間連結キャッシュ・フロー計算書の導入及び連結財務諸表を作成しない会社については個別ベースの中間キャッシュ・フロー計算書の導入が適当であるとされている。これらの意見書の提言に基づき、企業会計審議会は、すべてのキャッシュ・フロー計算書を対象とした作成基準として、「連結キャッシュ・フロー計算書等の作成基準の設定に関する意見書」(以下「意見書」という。)を1998年3月に公表した。
- 意見書は、「連結キャッシュ・フロー計算書等の作成基準の設定について」(以下「作成基準の設定」という。)及び「連結キャッシュ・フロー計算書等の作成基準」(以下「作成基準」という。)との二部から構成されている。この作成基準の設定において、「連結キャッシュ・フロー計算書等の作成に関する実務指針については、今後、日本公認会計士協会が関係者と協議のうえ適切に措置することが必要と考える。」とされていることから、日本公認会計士協会では、その公表以来、鋭意検討を重ね、関係者と協議を行ってきた。このたび、当面必要と認められる実務上の指針について結論が得られたので、本実務指針を公表することとした。
- なお、本実務指針では、連結キャッシュ・フロー計算書、個別ベースのキャッシュ・フロー計算書、第二種中間連結財務諸表における中間連結キャッシュ・フロー計算書及び個別ベースの第二種中間財務諸表における中間キャッシュ・フロー計算書を総称して、「キャッシュ・フロー計算書」という。ただし、特に示す場合は、この限りでない。
- 1-2. 2007年改正の本実務指針では、会計基準の改正、税制の改正及び会社法の施行に対応するための改正を行った。
- 1-3. 2011年改正の本実務指針では、企業会計基準委員会から2009年12月に公表された企業会計基準第24号「会計上の変更及び誤謬の訂正に関する会計基準」及び企業会計基準適用指針第24号「会計上の変更及び誤謬の訂正に関する会計基準の適用指針」に対応するための改正を行った。
- 1-4. 2014年改正の本実務指針は、企業会計基準委員会により2013年9月に改正された企業会計基準第21号「企業結合に関する会計基準」(以下「企業結合会計基準」という。)及び企業会計基準第22号「連結財務諸表に関する会計基準」(以下「連結会計基準」という。)に対応するための改正を行ったものである。
- 1-5. 2023年改正の本実務指針は、企業会計基準委員会により2023年11月に公表された実務対応報告第45号「資金決済法における特定の電子決済手段の会計処理及び開示に関する当面の取扱い」(以下「実務対応報告第45号」という。)及び併せて公表された企業会計基準第32号「『連結キャッシュ・フロー計算書等の作成基準』の一部改正」(以下「作成基準一部改正」という。)に対応するために改正を行ったものである。
- 1-6. 2024年9月改正の本実務指針は、2024年9月に公表された企業会計基準第34号「リースに関する会計基準」(以下「リース会計基準」という。)、企業会計基準適用指針第33号「リースに関する会計基準の適用指針」(以下、これらを合わせて「リース会計基準等」という。)及び併せて公表された企業会計基準第36号「『連結キャッシュ・フロー計算書等の作成基準』の一部改正(その2)」(以下「作成基準一部改正その2」という。)に対応するために改正を行ったものである。
現金及び現金同等物
- 2. 作成基準一部改正では、「キャッシュ・フロー計算書」が対象とする資金の範囲は、現金及び現金同等物としており、その内容は次のとおりである。
- (1) 現金
- 現金とは、手許現金、要求払預金及び特定の電子決済手段をいう。
- ここでいう要求払預金とは、預金者が一定の期間を経ることなく引き出すことができる預金をいい、例えば、普通預金、当座預金、通知預金が含まれる。したがって、預入期間の定めがある定期預金は、ここにいう要求払預金には該当しない。
- また、作成基準一部改正第3項に定める「連結キャッシュ・フロー計算書等の作成基準注解」(以下「作成基準注解」という。)(注10)で示されている特定の電子決済手段とは、実務対応報告第45号の適用対象となる電子決済手段と同一である。すなわち、特定の電子決済手段は、第1号電子決済手段、第2号電子決済手段及び第3号電子決済手段が該当し、外国電子決済手段についてはこれらの電子決済手段のうち利用者が電子決済手段等取引業者に預託しているものに限られる。
- (2) 現金同等物
- 現金同等物とは、容易に換金可能であり、かつ、価値の変動について僅少なリスクしか負わない短期投資をいう。
- 現金同等物は、この容易な換金可能性と僅少な価値変動リスクの要件をいずれも満たす必要があり、市場性のある株式等は換金が容易であっても、価値変動リスクが僅少とはいえず、現金同等物には含まれない。
- 作成基準注解(注2)では、現金同等物の例として、取得日から満期日又は償還日までの期間が3か月以内の短期投資である定期預金、譲渡性預金、コマーシャル・ペーパー、売戻条件付現先及び公社債投資信託を挙げている。
- なお、現金同等物として具体的に何を含めるかについては、各企業の資金管理活動により異なることが予想されるため、経営者の判断に委ねることが適当と考えられている。したがって、資金の範囲に含めた現金及び現金同等物の内容に関しては会計方針として記載するとともに、その期末残高と貸借対照表上の科目別残高との関係について調整が必要な場合は、その調整を注記する。
負の現金同等物
- 3. 当座借越契約に基づき、当座借越限度枠を企業が保有する現金及び現金同等物と同様に利用している場合があり、この場合の当座借越は、負の現金同等物を構成するものとする。
資金の範囲の継続性
- 4. 資金の範囲は、「キャッシュ・フロー計算書」を作成する上で基本となる事項であり、毎期継続して適用することとし、これをみだりに変更してはならない。なお、資金の範囲の変更は、会計方針の変更として取り扱う(企業会計基準適用指針第24号「会計方針の開示、会計上の変更及び誤謬の訂正に関する会計基準の適用指針」(以下「企業会計基準適用指針第24号」という。)第9項)ものとされており、また、一定の注記事項が求められていることに留意する。
キャッシュ・フロー
- 5. 「キャッシュ・フロー」とは、資金の増加又は減少を意味する。したがって、資金の増加又は減少を伴わない交換取引等は、「キャッシュ・フロー計算書」には反映されない。また、当座預金から普通預金への預け替えのように、現金及び現金同等物相互間の取引は、資金に増加又は減少が生じないため、「キャッシュ・フロー計算書」上の記載対象とはならない。
キャッシュ・フローの表示区分
- 6. 作成基準では、1会計期間におけるキャッシュ・フローを「営業活動によるキャッシュ・フロー」、「投資活動によるキャッシュ・フロー」及び「財務活動によるキャッシュ・フロー」の3つの区分に分けて表示することとされている。個々のキャッシュ・フローを「営業活動によるキャッシュ・フロー」、「投資活動によるキャッシュ・フロー」又は「財務活動によるキャッシュ・フロー」のいずれの区分に記載するかについては、原則としてそのキャッシュ・フローに係る取引がいずれの性格をより強く有するか、つまり、当該キャッシュ・フローがどの活動とより強く関連しているかにより判定する。なお、キャッシュ・フローに係る取引の性格の判定においては、企業の事業目的や決済条件等の取引慣行を考慮するものとする。
- なお、ある特定のキャッシュ・フロー項目についてキャッシュ・フロー計算書における表示区分を変更した場合など、キャッシュ・フローの表示の内訳の変更については、表示方法の変更に該当することに留意する(企業会計基準適用指針第24号第9項及び第20項)。
営業活動によるキャッシュ・フロー
- 7. 「営業活動によるキャッシュ・フロー」の金額は、企業が外部からの資金調達に頼ることなく、営業能力を維持し、新規投資を行い、借入金を返済し、配当金を支払うために、どの程度の資金を主たる営業活動から獲得したかを示す主要な情報となる。
- 「営業活動によるキャッシュ・フロー」の区分には、営業損益計算の対象となった取引に係るキャッシュ・フロー、営業活動に係る債権・債務から生じるキャッシュ・フロー並びに投資活動及び財務活動以外の取引によるキャッシュ・フローを記載する。
- (1) 営業損益計算の対象となった取引とは、「商品及び役務の販売による収入、商品及び役務の購入による支出等」とされており、売上高、売上原価、販売費及び一般管理費に含まれる取引に係るキャッシュ・フローは、「営業活動によるキャッシュ・フロー」の区分に記載するものとする。
- (2) 営業活動に係る債権・債務から生じるキャッシュ・フローには、商品及び役務の販売により取得した手形の割引による収入、営業債権のファクタリング等による収入も含まれる。
また、営業活動に係る債権から生じた破産債権、更生債権等や償却済み債権の回収についても、「営業活動によるキャッシュ・フロー」の区分に記載するものとする。 - (3) 「営業活動によるキャッシュ・フロー」の区分に含まれる投資活動及び財務活動以外の取引によるキャッシュ・フローの例としては、災害による保険金収入、損害賠償金の支払、巨額の特別退職金の支給などがある。
- なお、取引先への前渡金や営業保証金の支出及び取引先からの前受金や営業保証金の収入等は、営業損益計算の対象には含まれず、また、営業活動に係る債権・債務から生じるキャッシュ・フローでもないが、その取引の性格から、「営業活動によるキャッシュ・フロー」の区分に記載するものとする。
投資活動によるキャッシュ・フロー
- 8. 「投資活動によるキャッシュ・フロー」の金額は、将来の利益獲得及び資金運用のために、どの程度の資金を支出し又は回収したかを示す情報となる。
- 「投資活動によるキャッシュ・フロー」の区分には、①有形固定資産及び無形固定資産の取得及び売却、②資金の貸付け及び回収、③現金同等物に含まれない有価証券及び投資有価証券の取得及び売却等の取引に係るキャッシュ・フローを記載する。
- 8-2. 作成基準では、連結範囲の変動を伴う子会社株式の取得又は売却に係るキャッシュ・フローは、「投資活動によるキャッシュ・フロー」の区分に独立の項目として記載することとされている。
- なお、支配獲得時に生じた取得関連費用に係るキャッシュ・フローは、「営業活動によるキャッシュ・フロー」の区分に記載する。
財務活動によるキャッシュ・フロー
- 9. 「財務活動によるキャッシュ・フロー」の金額は、営業活動及び投資活動を維持するためにどの程度の資金が調達又は返済されたかを示す情報となる。
- 「財務活動によるキャッシュ・フロー」の区分には、①借入れ及び株式又は社債の発行による資金の調達、②借入金の返済及び社債の償還等の取引に係るキャッシュ・フローを記載する。
- なお、作成基準では、自己株式の取得に係る支出は、取得事由にかかわらず「財務活動によるキャッシュ・フロー」の区分に記載することとされているため、自己株式の売却による収入も「財務活動によるキャッシュ・フロー」の区分に記載するものとする。
- 9-2. 子会社株式の追加取得又は一部売却(親会社と子会社の支配関係が継続している場合に限る。)による親会社の持分変動による差額は、資本剰余金に計上される(連結会計基準第28項及び第29項)。このため、連結範囲の変動を伴わない子会社株式の取得又は売却に係るキャッシュ・フローについては、当該変動に関連するキャッシュ・フロー(関連する法人税等に関するキャッシュ・フローを除く。)を、非支配株主との取引として「財務活動によるキャッシュ・フロー」の区分に記載するものとする。
- なお、上記に関連して生じた費用に係るキャッシュ・フローは、「営業活動によるキャッシュ・フロー」の区分に記載する。
法人税等の表示区分
- 10. 法人税等(住民税及び利益に関連する金額を課税標準とする事業税を含む。)に係るキャッシュ・フローは、「営業活動によるキャッシュ・フロー」の区分に「法人税等の支払額」として一括して記載する。なお、事業税のうち付加価値割及び資本割並びに電気供給事業、ガス供給事業、生命保険事業及び損害保険事業に係る事業税は利益に関連する金額を課税標準としていないことから、これらの事業税の支払は、「営業活動によるキャッシュ・フロー」に含まれるキャッシュ・フローではあるが、「法人税等の支払額」に含めてはならない。
利息及び配当金の表示区分
- 11. 作成基準では、利息及び配当金の表示区分について次の2つの方法の選択適用を認めているが、選択した方法は、毎期継続して適用しなければならない。
- ① 受取利息、受取配当金及び支払利息は、「営業活動によるキャッシュ・フロー」の区分に記載し、支払配当金は「財務活動によるキャッシュ・フロー」の区分に記載する方法
- ② 受取利息及び受取配当金は、「投資活動によるキャッシュ・フロー」の区分に記載し、支払利息及び支払配当金は「財務活動によるキャッシュ・フロー」の区分に記載する方法
- 現金及び現金同等物の運用から生じる受取利息等は、他の受取利息等と区分して把握することが実務的に困難であるから、上記受取利息に含めることとし、負の現金同等物に関連して支出する支払利息も同様に上記支払利息に含めることとする。
- なお、利息の受取額と支払額は、相殺せず総額で表示する。
直接法と間接法
- 12. 作成基準では、「営業活動によるキャッシュ・フロー」の表示方法として、直接法と間接法の選択適用を認めている。いずれの方法を採用しても「営業活動によるキャッシュ・フロー」の合計額は一致する。
- 直接法とは、営業収入、原材料又は商品の仕入れによる支出等、主要な取引ごとにキャッシュ・フローを総額表示する方法をいう。
- 間接法とは、税金等調整前当期純利益に、非資金損益項目、営業活動に係る資産及び負債の増減並びに「投資活動によるキャッシュ・フロー」及び「財務活動によるキャッシュ・フロー」の区分に含まれるキャッシュ・フローに関連して発生した損益項目を加減算して「営業活動によるキャッシュ・フロー」を表示する方法をいう。
- ここでいう非資金損益項目とは、税金等調整前当期純利益の計算には反映されるが、キャッシュ・フローを伴わない項目、例えば、減価償却費、のれん償却額、貸付金に係る貸倒引当金増加額、持分法による投資損益等を指す。しかし、営業債権の貸倒損失、棚卸資産の評価損等の営業活動に係る資産及び負債に関連して発生した非資金損益項目は、税金等調整前当期純利益の計算に反映されるとともに、営業活動に係る資産及び負債の増減にも反映されていることから、税金等調整前当期純利益に加減算する非資金損益項目には含まれない。
- また、「投資活動によるキャッシュ・フロー」及び「財務活動によるキャッシュ・フロー」の区分に含まれるキャッシュ・フローに関連して発生した損益項目とは、例えば、有形固定資産売却損益、投資有価証券売却損益等を指す。
- なお、作成基準注解(注7)に示されている様式1(直接法)及び様式2(間接法)の小計欄は、「営業活動によるキャッシュ・フロー」のうち、おおむね営業損益計算の対象となった取引に係るキャッシュ・フローの合計額を意味し、小計欄以下の項目には、投資活動及び財務活動以外の取引によるキャッシュ・フロー及び法人税等に係るキャッシュ・フローが含まれることとなる。
- 選択した「営業活動によるキャッシュ・フロー」の表示方法は、毎期継続して適用しなければならない。「営業活動によるキャッシュ・フローに関する表示方法」(直接法又は間接法)を変更した場合には、表示方法の変更に該当する(企業会計基準適用指針第24号第9項及び第20項)ことに留意する。
キャッシュ・フローの総額表示と純額表示
- 13. 「投資活動によるキャッシュ・フロー」及び「財務活動によるキャッシュ・フロー」に表示される主要な取引ごとのキャッシュ・フローは、原則として総額表示しなければならない。例えば、有価証券の取得と売却に係るキャッシュ・フローは、相殺せずに総額で表示する。
- ただし、作成基準注解(注8)では、「期間が短く、かつ、回転が速い項目に係るキャッシュ・フローについては、純額で表示することができる。」とされている。つまり、期間の短いコマーシャル・ペーパーの発行と償還が1会計期間を通じて連続して行われるような場合や、短期間に連続して借換えが行われる場合などにおいては、これらのキャッシュ・フローを総額表示すると、キャッシュ・フローの金額が大きくなり、かえって「キャッシュ・フロー計算書」の利用者の判断を誤らせるおそれがあり、1会計期間の純増減額で表示することができることとしたものである。なお、その場合には、純額であることが分かるように表示する必要がある。
その他の純額表示
- 14. 外注先のための資材の代理購入など企業が第三者のために行う取引や、単元未満株式の買取り及びその処分など企業自身の活動というより第三者の活動を反映している取引に係るキャッシュ・フロー及び重要性の乏しい項目に係るキャッシュ・フローについても、純額表示するものとする。
外貨建ての現金及び現金同等物に係る為替差損益
- 15. 外貨建ての現金及び現金同等物に係る為替差損益の額は、「現金及び現金同等物に係る換算差額」として表示する。
- すなわち、外貨建ての現金及び現金同等物の期中の為替相場の変動による円貨増減額は、現金及び現金同等物の増減額の調整項目である「現金及び現金同等物に係る換算差額」として区分表示することとなる。
作成基準注解(注7)様式2における「為替差損」等
- 16. 作成基準注解(注7)様式2(「営業活動によるキャッシュ・フロー」を間接法により表示する場合)においては、税金等調整前当期純利益に対する加算項目として為替差損が例示されているが、この為替差損(益)は、損益計算書において計上された為替差損(益)のうち、原則として、「営業活動によるキャッシュ・フロー」の小計欄以下の各項目又は「営業活動によるキャッシュ・フロー」以外の各表示区分に記載される取引に係る為替差損(益)である。
在外子会社のキャッシュ・フローの換算
- 17. 作成基準では、在外子会社における外貨によるキャッシュ・フローは、「外貨建取引等会計処理基準」における収益及び費用の換算方法に準じて換算するとされている。したがって、外貨による在外子会社の「キャッシュ・フロー計算書」の表示区分のうち、「営業活動によるキャッシュ・フロー」、「投資活動によるキャッシュ・フロー」及び「財務活動によるキャッシュ・フロー」については、当該在外子会社の収益及び費用の換算に用いられた為替相場、すなわち、期中平均相場又は決算時の為替相場のいずれかによる円換算額を付すことになる。また、「現金及び現金同等物の期首残高」は、前会計期間の決算時の為替相場、「現金及び現金同等物の期末残高」は、当会計期間の決算時の為替相場による円換算額を付すことになる。以上の換算手続の結果生じた円貨による差額は、「現金及び現金同等物に係る換算差額」に含めて表示する。
- なお、配当金、増資等の資本取引に関連するキャッシュ・フローについては、当該キャッシュ・フローの発生時の為替相場による円換算額を付す。
在外子会社の資産及び負債の増減額の換算
- 18. 在外子会社の円換算後の貸借対照表及び損益計算書を利用して当該在外子会社のキャッシュ・フローを求める場合には、前期と当期の決算時の為替相場の変動による影響額が資産及び負債の円貨による増減額に含まれて算出されるが、為替相場の変動による円貨増減額はキャッシュ・フローを伴うものではないため、その影響を調整しなければならない。
- 例えば、在外子会社の商品の販売による収入を、期中平均相場により換算した売上高に当期首の円貨による売上債権残高を加え、当期末の円貨による売上債権残高を控除して求めた場合の円貨額は、前項の外貨による「キャッシュ・フロー計算書」上の商品の販売による収入を期中平均相場で換算した場合の円貨額と比べて差異が生じる。この差額は、在外子会社の財務諸表を円換算した際に生じた為替換算調整勘定の増減額の一部を構成している。したがって、在外子会社の外貨による「キャッシュ・フロー計算書」を収益及び費用の換算方法に準じて換算した場合と結果が同一となるように、資産及び負債の円貨による増減額を原則として為替換算調整勘定増減額の分析を行うことにより調整しなければならない。
- なお、在外子会社の表示区分ごとのキャッシュ・フローに重要性がない場合又は為替相場の変動による影響額が重要でないと認められる場合には、当該調整を行わず、「現金及び現金同等物に係る換算差額」に含めて表示することができるものとする。
連結会社相互間のキャッシュ・フロー
- 19. 連結会社相互間のキャッシュ・フローは、連結キャッシュ・フロー計算書の作成にあたって相殺消去しなければならない。なお、連結会社相互間において、現金及び現金同等物の未達取引がある場合、これを調整した上で連結会社相互間のキャッシュ・フローを相殺消去しなければならない。
連結会社振出しの受取手形の割引
- 20. 商品及び役務の販売により取得した連結会社振出しの手形を他の連結会社が金融機関で割引いた場合、割引を行った連結会社の個別ベースのキャッシュ・フロー計算書では、当該収入を「営業活動によるキャッシュ・フロー」の区分に記載するが、連結上は手形借入と同様の効果であるため、連結キャッシュ・フロー計算書においては、「財務活動によるキャッシュ・フロー」の区分に記載することとなる。
連結追加・連結除外とキャッシュ・フローの記載期間
- 21. 新規の連結子会社については、連結の範囲に含めた時点以降のキャッシュ・フローを、また連結除外会社については、連結除外時点までのキャッシュ・フローを連結キャッシュ・フロー計算書に含める。すなわち、当該子会社の経営成績が連結損益計算書に含まれた期間とキャッシュ・フローが連結キャッシュ・フロー計算書に含まれた期間とは同一でなければならない。
非支配株主との取引等
- 22. 非支配株主に対する配当金の支払額及び非支配株主の増資引受による払込額は、「財務活動によるキャッシュ・フロー」の区分にそれぞれ独立掲記する。
持分法適用会社からの受取配当金
- 23. 持分法適用会社からの配当金の受取額は、利息及び配当金に係るキャッシュ・フローの表示区分について選択した方法に従い、原則として、「営業活動によるキャッシュ・フロー」の区分又は「投資活動によるキャッシュ・フロー」の区分のいずれかに記載する。
- なお、間接法により「営業活動によるキャッシュ・フロー」を表示する場合、税金等調整前当期純利益から「営業活動によるキャッシュ・フロー」への調整を行う際の非資金損益項目の1つとして、持分法による投資損益がある。受取配当金を「営業活動によるキャッシュ・フロー」の区分に記載することとしている場合には、持分法適用会社からの配当金受取額を持分法による投資損益と(合算)相殺して表示することもできることとする。
非資金取引
- 24. 作成基準で注記が求められている重要な非資金取引とは、「キャッシュ・フロー計算書」の目的から企業の財政状態には重要な影響を与えるがキャッシュ・フローを伴わない取引のうち、翌会計期間以降のキャッシュ・フローに重要な影響を与える取引をいう。
- 非資金取引の例としては以下のものがある。
① 社債の償還と引換えによる新株予約権付社債に付された新株予約権の行使
② 貸借対照表に計上された使用権資産の取得
③ 株式の発行等による資産の取得又は合併
④ 現物出資による株式の取得又は資産の交換 - 非資金取引の内容によっては、部分的にキャッシュ・フローを伴う取引もあるが、その場合にはキャッシュ・フローを伴う部分についてのみ「キャッシュ・フロー計算書」で報告しなければならない。
第二種中間連結財務諸表及び第二種中間財務諸表における中間連結キャッシュ・フロー計算書等の作成に関する実務指針
- 25. 作成基準では、「個別ベースのキャッシュ・フロー計算書」、「第二種中間連結財務諸表における中間連結キャッシュ・フロー計算書」及び個別ベースの「第二種中間財務諸表における中間キャッシュ・フロー計算書」は、連結キャッシュ・フロー計算書に準じて作成することとされている(企業会計基準第39号「『連結キャッシュ・フロー計算書等の作成基準』の一部改正(その3)」第2項及び第3項)。
- ただし、作成基準では、第二種中間連結財務諸表における中間連結キャッシュ・フロー計算書及び個別ベースの第二種中間財務諸表における中間キャッシュ・フロー計算書は、「中間会計期間に係るキャッシュ・フローの状況に関する利害関係者の判断を誤らせない限り、集約して記載することができる。」とされている。この集約して記載することができる範囲は、「キャッシュ・フロー計算書」の各表示区分内における主要な取引ごとに表示する場合の項目の集約であり、項目をすべて集約して各表示区分合計額のみを記載することではない。
適 用
- 26. 本実務指針は、連結キャッシュ・フロー計算書及びキャッシュ・フロー計算書については、1999年4月1日以後開始する事業年度から、また中間連結キャッシュ・フロー計算書及び中間キャッシュ・フロー計算書については、2000年4月1日以後開始する中間会計期間から適用する。
- 26-2. 「会計制度委員会報告第8号「連結財務諸表等におけるキャッシュ・フロー計算書の作成に関する実務指針」の改正について」(2007年9月4日)は、2007年9月4日以後終了する連結会計年度及び事業年度並びに中間連結会計期間及び中間会計期間から適用する。
- 26-3. 「会計制度委員会報告第8号「連結財務諸表等におけるキャッシュ・フロー計算書の作成に関する実務指針」の改正について」(2011年1月12日)は、2011年1月12日から適用する。ただし、第4項、第6項、第12項及び第30項については、2011年4月1日以後開始する事業年度の期首以後に行われる会計上の変更及び過去の誤謬の訂正から適用する。
- 26-4. 「会計制度委員会報告第8号「連結財務諸表等におけるキャッシュ・フロー計算書の作成に関する実務指針」の改正について」(2014年2月24日)は、2013年に改正された企業結合会計基準の適用時期と同様とする。
- なお、本改正の適用初年度において、本実務指針第8-2項及び第9-2項に基づく表示を行った場合、企業会計基準適用指針第24号「会計上の変更及び誤謬の訂正に関する会計基準の適用指針」第9項及び第20項に従い、表示方法の変更を行うこととなるが、比較情報の組替えは行わない。
- 26-5. 「会計制度委員会報告第8号「連結財務諸表等におけるキャッシュ・フロー計算書の作成に関する実務指針」の改正について」(2014年11月28日)は、2014年11月28日から適用する。
- 26-6. 「会計制度委員会報告第8号「連結財務諸表等におけるキャッシュ・フロー計算書の作成に関する実務指針」の改正について」(2023年11月17日)は、2023年に公表された実務対応報告第45号の適用時期と同様とする。
- 26-7. 移管指針第6号「連結財務諸表等におけるキャッシュ・フロー計算書の作成に関する実務指針」は、公表日以後適用する。
- 26-8. 2024年9月改正の本実務指針の適用時期は、2024年に公表されたリース会計基準の適用時期と同様とする。
Ⅱ 結論の背景
資金の範囲
- 27. 資金収支表においては、現預金及び市場性のある一時所有の有価証券が資金とされていたが、作成基準の設定に述べられているように、それでは資金の範囲が広く、企業における資金管理活動の実態が的確に反映されていないとの問題点が指摘されている。すなわち、一時所有の有価証券のうち、価値変動リスクを有する株式等の金融商品と短期の支払に充てることを目的とした現金及び現金同等物とは異なる投資意図及び内部統制手続の下に取引が行われるのが一般的であり、株式等の価値変動リスクを有する金融商品への資金運用は、それが短期間であっても、投資活動としての性格を有すると考えられる。同様に、容易に換金可能であり、かつ、価値の変動について僅少なリスクしか負わない金融商品への投資であっても、その運用期間が比較的長期のものについては、通常、短期の支払資金準備のためというよりは、資金管理上は異なる意図をもって運用されていると考えられる。
現金同等物
- 28. 作成基準注解(注2)では、現金同等物に該当するための取得日から満期日又は償還日までの期間について、3か月以内が一般的な例として示されているが、一律の基準を設けることは必ずしも適切ではない。資金管理上想定している短期の支払資金の運用期間は各企業によって異なり、3か月といった期間が妥当でない場合も想定される。例えば、取引先との営業取引における与信期間が比較的長い企業にあっては、資金計画が立てやすく、余裕資金を3か月を超える期間にわたって、容易に換金可能で、かつ、価値変動リスクの僅少な金融商品に運用することもあり得る。したがって、資金の範囲に含めた現金同等物の内容に関する会計方針の記載にあたっては、金融商品の主な種類及び取得日から満期日又は償還日までの最長の期間を記載する。
負の現金同等物
- 29. 金融機関からの資金調達は一般的には財務活動であるが、当座借越が企業の日常の資金管理活動において現金同等物とほとんど同様に利用されている場合には、財務活動とみるより、資金管理活動の不可分な構成部分として考えることに合理性があるため、現金同等物として扱うこととした。したがって、これら負の現金同等物期末残高を貸借対照表上短期借入金に含めている場合でも、「現金及び現金同等物の期末残高」は、負の現金同等物期末残高控除後の金額となる。なお、当座借越の状況が明らかに短期借入金と同様の資金調達活動と判断される場合は、「財務活動によるキャッシュ・フロー」の区分に記載することとなる。
資金の範囲の変更
- 30. 資金の範囲を変更した場合には、作成基準では、その旨、その理由及び影響額を注記することとされているが、注記する事項については、企業会計基準第24号「会計方針の開示、会計上の変更及び誤謬の訂正に関する会計基準」(以下「企業会計基準第24号」という。)第1項及び第11項に基づくことになる。なお、企業会計基準第24号第11項(3)において求められる表示期間のうち、過去の期間について影響を受ける財務諸表の主な表示科目に対する影響額の記載にあたっては、「変更の影響を受けた各表示区分の合計額」、「現金及び現金同等物の増減額」及び「現金及び現金同等物の期末残高」に与える影響額を記載する。
キャッシュ・フローの表示区分
- 31. 「営業活動によるキャッシュ・フロー」には、営業損益計算の対象となった取引、すなわち、そのキャッシュ・フローの性格から営業活動に分類されるもののほかに、営業活動に係る債権・債務から生じるキャッシュ・フローも含まれる。例えば、商品及び役務の販売により取得した手形の割引による収入のように、受取手形を約定期日より早期に回収する行為は、借入れによる資金調達と同様に財務活動としての性格を有するという意見もある。しかしながら、これを「財務活動によるキャッシュ・フロー」の区分に記載した場合、その企業の資金獲得能力を判断する上で重要な「営業活動によるキャッシュ・フロー」に関する情報が明確に表示されないこととなり、また、企業間の「営業活動によるキャッシュ・フロー」の比較可能性を損なうおそれがある。したがって、作成基準では、営業債権・債務から生じるキャッシュ・フローは、「営業活動によるキャッシュ・フロー」の区分に記載することとされている。同様に、営業債権のファクタリングや各種の営業債権の流動化に伴うキャッシュ・フローは、「営業活動によるキャッシュ・フロー」の区分に記載することになる。
- 32. あるキャッシュ・フローをいずれの表示区分に記載するかを、事業目的を考慮して判定する場合がある。例えば、貸付けを事業目的にしている企業においては、資金の貸付けは「営業活動によるキャッシュ・フロー」に分類し、貸付けを事業目的にしていない企業においては「投資活動によるキャッシュ・フロー」の区分に記載する。同様に、事業目的に有価証券の売買を含めている企業では、短期売買目的(いわゆるディーリング又はトレーディング目的)で保有する有価証券の売買に係るキャッシュ・フローは「営業活動によるキャッシュ・フロー」の区分に記載する。
- 33. あるキャッシュ・フローをいずれの表示区分に記載するかを、決済条件等の取引慣行を考慮して判定する場合がある。例えば、機械の購入代金を検収から6か月後に現金で支払ったとする。通常、企業は検収時に有形固定資産及び負債(未払金)を計上するが、これは、非資金取引である。検収から6か月後の債務の支払については、資金の返済猶予を受けたものとして、これを「財務活動によるキャッシュ・フロー」の区分に記載する考え方と、有形固定資産の取得を原因とした債務に係る支出として、「投資活動によるキャッシュ・フロー」の区分に記載する考え方がある。
- この場合、検収後6か月の支払が、その企業にとって通常の決済条件であったり、売手側の業界における取引慣行である場合は、我が国のように企業間信用が比較的長期の場合、これを「財務活動によるキャッシュ・フロー」の区分に記載すると、企業活動の実態が表示されないおそれがあるので、「投資活動によるキャッシュ・フロー」の区分に記載する。
- 一方、機械を割賦取引や延払取引により取得した場合の割賦代金等の支払は、ファイナンスとしての性格が強いと考えられることから、原則として、「財務活動によるキャッシュ・フロー」の区分に記載することが妥当である。
- 34. リースに係る支払リース料及び受取リース料の表示区分については次のとおりとする。
- (1) 借手の支払リース料
- 借手の支払リース料のうち、元本返済額部分は、「財務活動によるキャッシュ・フロー」の区分に記載し、利息相当額部分については、企業が採用した支払利息の表示区分に従って記載する。利息相当額部分を区分計算していない場合は、支払リース料を「財務活動によるキャッシュ・フロー」の区分に記載する。リース負債に含めていない短期リースに係るリース料、少額リースに係るリース料及び変動リース料は、「営業活動によるキャッシュ・フロー」の区分に記載する。
- なお、リース会計基準等において、借手のリースの会計処理についてIFRS第16号「リース」と同様に単一の会計処理モデルが採用され、ファイナンス・リース取引とオペレーティング・リース取引の区分が廃止されたため、2024年9月改正の本実務指針では、従来、原則として「営業活動によるキャッシュ・フロー」の区分に記載するとしていたオペレーティング・リースに係る支払リース料の取扱いを変更することとした。
- (2) 貸手の受取リース料
- 貸手の受取リース料については、それが営業損益計算の対象となる場合、「営業活動によるキャッシュ・フロー」の区分に記載する。それ以外の受取リース料のうち、元本返済額部分については「投資活動によるキャッシュ・フロー」の区分に記載し、利息相当額部分については、企業が採用した受取利息の表示区分に従って記載する。ただし、利息相当額部分を区分計算していない場合は、受取リース料を「投資活動によるキャッシュ・フロー」の区分に記載する。
- 35. 先物契約、オプション契約、先渡契約、スワップ契約等(以下「先物契約等」という。)を、特定のリスクを減殺する目的で利用している場合、その対象となった取引に係るキャッシュ・フローと同一表示区分の同一項目に、これら先物契約等に係るキャッシュ・フローを表示する。例えば、外貨建売上債権の為替リスクを減殺する目的で売り為替予約を付している場合には、一連の取引は同一表示区分の同一項目に記載する。すなわち、この場合のキャッシュ・フローは、外貨による売上債権の取引先からの入金、為替予約に伴う当該外貨の支払及び円貨の入金のキャッシュ・フローからなるが、「キャッシュ・フロー計算書」には、予約により確定した円貨の入金のみが「営業活動によるキャッシュ・フロー」として表示される。
- 特定のリスクを減殺する目的以外にこれらの先物契約等が利用されている場合、それらは短期的な売買差益の獲得を目的としているものと考えられるので、これら先物契約等に係るキャッシュ・フローは、「投資活動によるキャッシュ・フロー」の区分に記載する。
- ただし、事業目的としてこれらの先物契約等を短期売買目的で保有している企業にあっては、当該先物契約等に係るキャッシュ・フローは、「営業活動によるキャッシュ・フロー」の区分に記載する。
消費税及び地方消費税に係るキャッシュ・フロー
- 36. 消費税及び地方消費税(以下「消費税等」という。)の「キャッシュ・フロー計算書」上の表示としては次の方法が考えられる。
① 課税対象取引に係るキャッシュ・フローを消費税等込みの金額で表示する方法
② 課税対象取引に係るキャッシュ・フローを消費税等抜きの金額で表示する方法
③ 消費税等抜きの資産・負債の増加額若しくは減少額に、又は収益若しくは費用の額に、これらに関連する消費税等込みの債権・債務の期中増減額を調整して、各表示区分の主要な取引ごとのキャッシュ・フローを表示する方法 - 消費税等に係るキャッシュ・フローについては、いずれの処理も認められる。ただし、企業が採用した処理は、毎期継続適用することに留意する。
- なお、消費税等の申告による納付又は還付に係るキャッシュ・フローは、課税取引に関連付けて区分することが実務的に困難なため、「法人税等の支払額」と同様に「営業活動によるキャッシュ・フロー」の区分に消費税等支払額(還付額)又は未払(未収)消費税等の増減額として記載する。
- (例)
- 1.前 提
- (1) 消費税率は、5%とする。
- (2) 簡略化のため、期中において消費税等の納付はないものとする。また、前提として記載した以外の損益項目は考慮しないものとする。

- 2.①の方法による場合
- ア.「営業活動によるキャッシュ・フロー」を直接法で表示するとき。

- イ.「営業活動によるキャッシュ・フロー」を間接法で表示するとき。

- 3.②の方法による場合
- ア.「営業活動によるキャッシュ・フロー」を直接法で表示するとき。

- イ.「営業活動によるキャッシュ・フロー」を間接法で表示するとき。

- 4.③の方法による場合
- ア.「営業活動によるキャッシュ・フロー」を直接法で表示するとき。

- イ.「営業活動によるキャッシュ・フロー」を間接法で表示するとき。

純額表示
- 37. 「投資活動によるキャッシュ・フロー」及び「財務活動によるキャッシュ・フロー」に関し、純額表示が認められる期間が短く、かつ、回転が速い項目に係るキャッシュ・フローの例としては、次のものがある。
① 短期借入金の借換えによるキャッシュ・フロー
② 短期貸付金の貸付けと返済が連続して行われている場合のキャッシュ・フロー
③ 現金同等物以外の有価証券の取得と売却が連続して行われている場合のキャッシュ・フロー - 38. 前項の純額表示が認められる取引は、期間が短く、回転が速いという両方の条件を満たす必要があり、期間が短くても、取引の回転が速くない取引は、重要性のない場合を除き、総額で表示しなければならない。
- また、期間が短いとは、現金同等物の例に準じ、3か月以内が一応の目安となるが、各企業の資金管理活動の実態に照らして判断することとなる。
- 39. 企業が第三者のために行う取引及び第三者の活動を反映している取引に係るキャッシュ・フローは、企業の活動を反映しているものではなく、それを総額表示すると利用者が企業の活動と誤認するおそれがあるので、純額で表示する。これに該当するキャッシュ・フローの例としては、次のものがある。
① 従業員からの源泉所得税や社会保険料等の預かり及び納付に係るキャッシュ・フロー
② 金融機関における預金の受入れと払出しに関するキャッシュ・フロー
③ 債権譲渡後のサービシング契約に基づく売掛金の回収及び回収代金の支払に関するキャッシュ・フロー - 40. 社債や新株の発行等による資金調達の実質手取額は、発行価額から社債発行費や株式交付費を控除した額である。したがって、社債発行費及び株式交付費に重要性がある場合は、「キャッシュ・フロー計算書」上、実質手取額によって表示する。なお、これらの発行費等に重要性がない場合は、それぞれのキャッシュ・フローを総額によって表示することができる。
相殺取引
- 41. 相殺取引はキャッシュ・フローを伴わないため、「キャッシュ・フロー計算書」における報告対象とはならない。例えば、外注先への原材料等の有償支給に係る債権と外注先からの加工品の仕入れに係る債務とを相殺し、差額のみ決済するような取引の場合、「キャッシュ・フロー計算書」上は、当該差額部分のキャッシュ・フローを記載する。ただし、相殺取引に重要性がない場合は、あたかもキャッシュ・フローが発生したものとして記載することもできる。
外貨建キャッシュ・フロー
- 42. 作成基準注解(注7)様式2(「営業活動によるキャッシュ・フロー」を間接法により表示する場合)における税金等調整前当期純利益の調整項目として加減算される為替差損益は、原則として、同様式の小計欄以下に記載される取引に係る①外貨建債権又は債務を決算時の為替相場により換算したことに伴う為替差損益、及び②決済に伴う為替差損益からなり、当該取引に係るキャッシュ・フローをその取引日における為替相場(又は予約為替相場)で表示するための調整項目である。したがって、当期の「営業活動によるキャッシュ・フロー」に影響を与えない外貨建ての現金及び現金同等物の為替差損益並びに投資活動及び財務活動に係る為替差損益がこの調整項目に含まれる。
- (例)
- 1.前 提
- (1) 期首残高:期首為替相場 FC(外国通貨)1=22円
- 外貨建売掛金 FC200(円換算額4,400円)
- 外貨建貸付金 FC100(円換算額2,200円)
- (2) 期中取引:期中平均相場 FC1=23円
- 以下の回収取引のみであったと仮定する。
- 外貨建売掛金の回収 FC100(2,300円の入金、為替差益①100円)
- 外貨建貸付金の回収 FC 50(1,150円の入金、為替差益② 50円)
- (3) 期末残高:期末為替相場 FC1=24円
- 外貨建売掛金 FC100(円換算額2,400円、為替差益③200円)
- 外貨建貸付金 FC 50(円換算額1,200円、為替差益④100円)
- (4) 税金等調整前当期純利益は、上記為替差益合計450円だけであると仮定する。
- 2.様式2による「キャッシュ・フロー計算書」の記載例(単位:円)

- 上記調整により、「営業活動によるキャッシュ・フロー」の小計欄は、円貨による売掛金の当期回収額と一致し、また、「投資活動によるキャッシュ・フロー」の貸付金の回収額も、回収時の円貨による額と一致することとなる。
- 43. 在外子会社の外貨建「キャッシュ・フロー計算書」の換算によって生じる「現金及び現金同等物に係る換算差額」は、以下の項目からなる。
① 在外子会社の「現金及び現金同等物の期首残高」に係る期中の為替相場の変動による換算差額
② 期中平均相場又はキャッシュ・フロー発生時の為替相場によって在外子会社のキャッシュ・フローを換算したことによって生じる、決算時の為替相場と期中平均相場又はキャッシュ・フロー発生時の為替相場の差による換算差額 - これらの換算差額は、円貨による「現金及び現金同等物の期末残高」には影響を与えるが1会計期間のキャッシュ・フローを表すものではないため、「キャッシュ・フロー計算書」における3つの表示区分には含めず「現金及び現金同等物に係る換算差額」に含めて表示する。
- (例)期中平均相場を適用して在外子会社のキャッシュ・フロー計算書を換算した場合の現金及び現金同等物に対する為替相場の変動による影響額の計算

- (注)
① 在外子会社の「現金及び現金同等物の期首残高」に係る期中の為替相場の変動(期首と期末の為替相場差)による換算差額
② 期中平均相場によって在外子会社の外貨建キャッシュ・フローを換算したことによって生じる期末為替相場と期中平均相場の差による換算差額 - なお、在外子会社の外貨建キャッシュ・フロー計算書を期末為替相場によって換算した場合には②の差額は発生しないため、①の換算差額が「現金及び現金同等物に係る換算差額」となる。
- 44. 在外子会社の円換算後の貸借対照表及び損益計算書を利用して算出したキャッシュ・フローの額は、期中の為替相場の変動による影響額を含んでいる。このような為替相場の変動による影響額をキャッシュ・フローに含めた場合には、キャッシュ・フローが全く発生していない場合であっても為替相場の変動により、あたかもキャッシュ・フローが発生しているかのように報告されてしまうこととなる。これを避けるためには、為替換算調整勘定の増減額を分析することにより必要な調整を行い、原則として当該影響額を「キャッシュ・フロー計算書」から除外しなければならない。ただし、当該為替換算調整勘定の増減額が連結キャッシュ・フロー計算書に重要な影響を与えない場合には、この調整を行わず、為替換算調整勘定の増減額を「現金及び現金同等物に係る換算差額」として処理することができる。
- (例)在外子会社の貸借対照表及び損益計算書を基礎として間接法によって作成する場合の為替相場の変動による影響の調整
- 1.在外子会社の貸借対照表の分析
① 期首為替相場FC1=22円、期末為替相場FC1=24円、期中平均相場FC1=23円
② 資本金、期首利益剰余金は発生時の為替相場で、当期純利益は期中平均相場で換算している。
③ 法人税等は考慮しないものとする。 
- 2.在外子会社の資産及び負債の増減に係る為替換算調整勘定の調整

- 45. 間接法を採用した場合、連結上相殺消去の対象となった債権又は債務から生じた為替換算差額を調整する必要がある。当該為替換算差額のうち連結損益計算書上、為替差損益に計上されているものは税金等調整前当期純利益の調整項目として加減算する。
- なお、上記為替差額の金額が連結キャッシュ・フロー計算書に重要な影響を与えない場合には、簡便的に当該為替差損益を一括して「現金及び現金同等物に係る換算差額」に含めることができる。
- (例)間接法によって作成する場合の為替換算差額の調整
① 親会社は期中に第三者より商品Aを1,000円で購入し、これを米国子会社に10ドルで販売した(売却時の為替相場は1ドル=100円であり、利益は発生していないものとする。)。
② 米国子会社は期中に商品Aを15ドルで第三者に販売した。
③ 親会社の買掛金と子会社の売掛金は決済されていない。
④ 為替相場は以下のとおりである。
期中平均相場:1ドル=101円、期末為替相場:1ドル=106円
親会社が期末において売掛金に適用した予約為替相場:1ドル=110円
米国子会社(100%所有)設立時(当期首日)の為替相場:1ドル=200円
⑤ 簡便化のため、当期においては上記取引のみしか発生していないものとする。
⑥ 親会社及び米国子会社は当期首に設立され、親会社の当期首における資産は現金100円及び投資有価証券(米国子会社株式)200円のみであり、米国子会社の資産は現金1ドル(200円)のみであった。 
- <当期首貸借対照表>

- (注)連結調整
- 親会社の売掛金増加額は子会社に対するものであり、また、子会社の買掛金増加額は親会社に対するものである。したがって、連結キャッシュ・フロー計算書を両者の個別キャッシュ・フロー計算書を合算して作成する場合には、これらの連結会社相互間に係る債権及び債務の増減額は消去しなければならない。
- なお、調整後の為替換算調整額/為替差損益欄の90は、連結上相殺消去の対象となった親会社の子会社に対する外貨建売掛金に為替予約を付したことによる為替差益100と連結会社相互間の取引高の消去で発生した為替差損10からなる。
連結追加・連結除外に伴う現金及び現金同等物
- 46. 非連結子会社を新たに連結した場合の連結開始時点の現金及び現金同等物の残高、又は連結子会社を非連結子会社としたため連結の範囲から除外した場合の連結除外時点の現金及び現金同等物の残高は、「現金及び現金同等物の期首残高」に加算又は減算する形式で「キャッシュ・フロー計算書」において独立して表示する。
- なお、当期新たに他の会社の株式等を取得して、当該会社を連結子会社とした場合は、取得に伴い支出した現金及び現金同等物の額から、連結開始時に当該子会社が保有していた現金及び現金同等物の額を控除した額をもって「投資活動によるキャッシュ・フロー」の区分に記載する。
- また、連結子会社の持分の譲渡により連結から除外した場合は、譲渡により取得した現金及び現金同等物の額から、連結除外時点の該当子会社の現金及び現金同等物の残高を控除した額をもって「投資活動によるキャッシュ・フロー」の区分に記載する。
連結キャッシュ・フロー計算書の作成の簡便法
- 47. 作成基準では、「連結キャッシュ・フロー計算書の作成に当たっては、連結会社相互間のキャッシュ・フローは相殺消去しなければならない。」とされ、各連結会社の「キャッシュ・フロー計算書」を連結すること(原則法)が想定されているが、簡便的に、連結損益計算書並びに連結貸借対照表の期首残高と期末残高の増減額の分析及びその他の情報から作成することも認められる(Ⅲ 設例による解説参照)。ただし、原則法を採用した場合と同様のキャッシュ・フローに関する情報が得られるよう留意する。
非資金取引
- 48. 非資金取引を「キャッシュ・フロー計算書」から除くことは、「キャッシュ・フロー計算書」の目的に整合するが、これら非資金取引の中には、翌期以降長期にわたりキャッシュ・フローに影響する取引がある。例えば、社債の償還と引換えによる新株予約権付社債に付された新株予約権の行使は、将来の社債利息の支払及び新株予約権付社債元本の償還額を減少させる一方、将来の配当金の支払を増加させるであろうし、貸借対照表に計上されたリース債権又はリース負債は、将来のリース料の収入又は支払を予想させる。
- なお、これら重要な非資金取引のすべてを「キャッシュ・フロー計算書」に注記することも考えられるが、財務諸表の他の箇所に開示されている場合には、開示が重複し明瞭性を損なうこととなるため、「キャッシュ・フロー計算書」との関連を明確にした上で財務諸表の他の箇所に開示することもできる。
- 49. 対価の一部に現金が含まれる合併や事業譲受(譲渡)のように部分的にキャッシュ・フローを伴う取引については、キャッシュ・フローを伴う部分のみを「キャッシュ・フロー計算書」に含め、それ以外の部分は「キャッシュ・フロー計算書」には記載しない。例えば、事業譲受に伴う支出(事業譲受により取得する現金及び現金同等物を控除した額)は「投資活動によるキャッシュ・フロー」として記載するが、事業譲受に伴う資産(現金及び現金同等物を除く。)の増加及び負債の増加による影響は「キャッシュ・フロー計算書」に含めてはならない。このような部分的にキャッシュ・フローを伴う取引についても、「キャッシュ・フロー計算書」又は財務諸表の他の箇所において、取引の全容とキャッシュ・フローとの関連を明らかにするための注記をしなければならない。
- なお、合併により受け入れた消滅会社の現金及び現金同等物の残高は、非連結子会社を新たに連結した場合の処理に準じて独立して表示する(第46項参照)。
適 用
- 50. 企業結合会計基準第58-2項(3)において、「非支配株主との取引及び取得関連費用について過去の期間のすべてに新たな会計方針を遡及適用した場合の適用初年度の期首時点の累積的影響額を、適用初年度の期首の資本剰余金及び利益剰余金に加減し、当該期首残高から新たな会計方針を適用する。」とされており、同項(4)では、「(3)の定めによらず、2013年改正会計基準が定める新たな会計方針を、適用初年度の期首から将来にわたって適用することができる。」とされている。
- また、連結会計基準第44-5項(3)では、「非支配株主との取引について過去の期間のすべてに新たな会計方針を遡及適用した場合の適用初年度の期首時点の累積的影響額を、適用初年度の期首の資本剰余金及び利益剰余金に加減し、当該期首残高から新たな会計方針を適用する。ただし、表示方法(第39項参照)に係る事項については、当期の連結財務諸表に併せて表示されている過去の連結財務諸表について組替えを行う。」とされており、同項(4)では、「(3)の定めによらず、2013年改正会計基準が定める新たな会計方針を、適用初年度の期首から将来にわたって適用することができる。ただし、表示方法(第39項参照)に係る事項については、当期の連結財務諸表に併せて表示されている過去の連結財務諸表について組替えを行う。」とされている。
- 非支配株主との取引及び取得関連費用等に係るキャッシュ・フローの取扱い(本実務指針第8-2項及び第9-2項参照)を適用するにあたっては、表示方法の変更に該当するが、上記の会計処理の変更に伴うものであり、それらについて過去の期間の財務諸表は遡及適用が反映されないことを踏まえ、比較情報の組替えは行わないこととした。
Ⅲ 設例による解説
- 以下では、本実務指針による会計処理等について、理解を深めるために設例による解説を示すこととする。
- 設例は、本実務指針で示されたすべての会計処理等を網羅しているわけではなく、前提条件に示された状況に適合するものである。したがって、前提条件が異なれば、それに適合する会計処理等も異なる場合があり、この場合には本実務指針で示されている会計処理等を参照することが必要となる。なお、設例で示された金額や比率などの数値は、特別な意味を有するものではなく、説明の便宜のために用いられているにすぎない。
- 本設例は、以下の項目をもって構成している。
- 1.前提条件
- 2.連結財務諸表の作成
- 3.個別キャッシュ・フロー計算書(間接法)の作成
- 4.連結キャッシュ・フロー計算書(間接法)の作成
-連結決算数値を基に作成する場合(簡便法) - 5.連結キャッシュ・フロー計算書(間接法)の作成
-個別キャッシュ・フロー計算書を連結する場合(原則法) - 6.直接法による「営業活動によるキャッシュ・フロー」の求め方
- 7.連結キャッシュ・フロー計算書(直接法)の作成
-個別キャッシュ・フロー計算書を連結する場合(原則法) - 8.連結キャッシュ・フロー計算書に関する注記例
- 1. 前提条件
- (1) 親会社甲社(商品販売会社)は、X9年3月31日現在、国内子会社乙社(製造子会社)及び在外子会社X社(商品販売会社)を有している。乙社については、X8年10月1日にその発行済株式の80%を590円で取得した。X社は、X7年4月1日に、100%子会社として新規設立(投資額400円)した。
- (2) 各社の貸借対照表、損益計算書(売上原価、販売費及び一般管理費の内訳)及び株主資本等変動計算書は、以下に示すとおりである。各社の会計期間はX8年4月1日からX9年3月31日である。ただし、乙社の期首残高はX8年10月1日(新規取得日)の残高であり、資産及び負債の簿価と時価に差異はない。
- (3) 甲社(親会社)及び乙社(国内子会社)の金額の単位は円であり、X社(在外子会社)の金額の単位はFC(外国通貨)とする。
- (4) 「キャッシュ・フロー計算書」作成にあたっての各社に関する追加情報は以下のとおりである。
- [甲 社]
- ① 当期中に退職金を20円支払い(全額引当金取崩し)、70円を退職給付引当金に繰り入れた。
- ② 株式発行により250円、長期借入金により250円を資金調達した。当期の長期借入金の返済額は100円である。
- ③ X8年4月1日に額面800円の社債を750円で発行した。差額50円を社債発行差金に計上し、当期10円を償却した。
- (注)社債を社債金額よりも低い価額で発行した場合には、償却原価法に基づいて算定された価額をもって貸借対照表価額としなければならないが(企業会計基準第10号「金融商品に関する会計基準」第26項)、本設例では、説明の便宜上、キャッシュ・フロー計算書を作成する場合に必要となる仕訳において、当該差額を「社債発行差金(社債控除)」、その償却額を「社債発行差金償却費(社債利息)」として表記することとする。
- ④ 受取手形のうち一部を割引しており、手形売却損が20円発生している。なお、割引手形については両建表示しており、勘定残高は割り引いた手形のうち満期が到来していないものである。
- ⑤ 受取配当金は200円であり未収はなかった。
- ⑥ 当期中に機械をリースし、有形固定資産勘定とリース負債勘定に950円を計上した。リース負債の当期中の支払額は90円(利息相当額部分を区分計算していない。)である。このほかに975円で有形固定資産を取得しているが未払はない。
- ⑦ 取得原価80円、減価償却累計額60円の有形固定資産を除却した。
- ⑧ X8年10月1日に乙社の発行済株式の80%を590円で取得した。取得時における付随費用は20円であった(甲社は、個別財務諸表上、当該付随費用を乙社株式の取得原価に含めている。また、連結財務諸表上は、取得関連費用に該当するものとして費用処理している。)。
- ⑨ X8年12月31日に、乙社の増資に応じ、80円の株式を引き受けた。なお、この引受けによっても持分比率80%に変化はなかった。
- ⑩ X9年3月31日に、乙社の発行済株式の10%を70円で取得した。取得時における付随費用は10円であった(甲社は、個別財務諸表上、当該付随費用を乙社株式の取得原価に含めている。また、連結財務諸表上は、追加取得時に要した関連費用として費用処理している。)。
- ⑪ 当期末、外貨預金について為替差損が10円発生した。
- ⑫ 期首及び期末における預金勘定には、それぞれ1年満期の定期預金が200円含まれている。
- ⑬ 当期中の法人税等支払額は、当期首の未払法人税等の1,000円及び中間納付額1,200円である。
- ⑭ 消費税等の会計処理は、税抜方式を採用しており、期首及び期末時には、仮受消費税等と仮払消費税等を相殺して未払消費税等に計上している。
- ⑮ 期中において、消費税等の納付はなかったものとする。
- ⑯ 剰余金の配当については、未払はなかった。
- ⑰ 当期中の有価証券の取得は760円で売却はなかった。
- [乙 社]
- ① 甲社との間の営業取引はない。
- ② 当期末に貸倒引当金を5円追加計上した。当期中の貸倒れはなかった。
- ③ X9年2月に設備投資120円を全額自己資金で行った。
- ④ 当期末に取得原価100円、減価償却累計額95円の固定資産を甲社に25円で売却し、現金で全額受け取った。なお、甲社では、当該固定資産の減価償却を当期は実施していない。
- ⑤ X9年3月に長期借入金を30円返済した。
- ⑥ X8年10月1日及びX9年3月31日現在の未払金はすべてその他の営業支出に関するもので、人件費関連支出について未払はなかった。
- ⑦ X9年3月31日に株式発行による増資を100円行い、甲社が80円、外部株主が20円引き受け、入金した。
- ⑧ 消費税等の会計処理は、税抜方式を採用しており、期首及び期末時には、仮受消費税等と仮払消費税等を相殺して未払消費税等に計上している。
- ⑨ 期中において、消費税等の納付はなかったものとする。
- [X 社]
- ① 甲社から商品を購入し、現地で販売している。
- ② 棚卸資産に含まれている未実現利益は、期首FC5.4、期末FC7.2である。
- ③ 当期中、固定資産を第三者よりFC15で購入した。当期中の減価償却費はFC3である。
- ④ 長期借入金について、新規にFC15借り入れ、FC2を返済した。
- ⑤ 当期末に貸倒引当金をFC3追加計上した。当期中の貸倒れはなかった。
- ⑥ 当期中に甲社に配当金をFC4支払った。
- ⑦ 当期中の甲社からの仕入金額は、4,725円であった。また、期首及び期末時点での甲社に対する買掛金は、それぞれ902円、1,323円であった。
- ⑧ 為替相場は以下のとおりである。
- 期首:FC1=22円
- 期末:FC1=27円
- 期中平均:FC1=25円
- 配当金支払時:FC1=23円
- (5) その他
- ① 説明の簡略化のため、事業税は考慮していない。
- ② 特に記載のない場合には、金額の単位は円とする。
- ③ 未実現利益の消去に伴う為替換算調整勘定の金額は、便宜上、無視する。
- ④ のれんは5年間で均等償却する。
- ⑤ 短期借入金は、いずれも期間3か月であり、原則として満期日に借換えを行っており、そのキャッシュ・フローは純額表示する。
- ⑥ 甲社及び乙社の株式発行及び社債発行に関して、発行費用は発生していない。
- ⑦ 製造子会社乙社の棚卸資産及び仕入高は、原材料等を含んでいるが、説明の簡略化のため、商品販売会社である甲社及びX社の棚卸資産及び仕入高と区別していない。なお、本設例では、これら棚卸資産に係る仕入支出の表示について、「営業活動によるキャッシュ・フロー」を直接法により作成する場合、便宜的に「原材料又は商品の仕入支出」の名称を用いている。
- ⑧ 甲社による乙社の株式の取得(X8年10月1日)、増資の引受け(X8年12月31日)及び追加取得(X9年3月31日)は、契約等により明確に1つの企業結合を構成しているものではなく、それぞれ単独で行われたものと判断されているとする。
- 貸借対照表

- (注)割引手形については便宜上、両建表示している。
- 損益計算書

- 株主資本等変動計算書

- (注)乙社の取得時の資本金及び利益剰余金は、便宜上、「乙社取得時の残高」欄に記載している。
- X社財務諸表(外貨から円貨への換算)



- 2. 連結財務諸表の作成
- 連結決算数値を基に連結キャッシュ・フロー計算書を作成する場合に必要なX8年3月期及びX9年3月期の連結仕訳及び連結精算表を以下に示す。
- (1) 連結財務諸表作成のための仕訳
- ① X8年3月31日
- ア.投資と資本の消去(X社)

- イ.連結会社間(甲社とX社間)債権及び債務の消去

- ウ.棚卸資産の未実現利益の消去

- * FC5.4×22≒119
- ② X9年3月31日
- ア.投資と資本の消去(X社)

- イ.投資と資本の消去:乙社の支配獲得時の取得関連費用の費用処理

- ウ.投資と資本の消去(乙社)

- * 590-(300+250)×80%=150
- エ.投資と資本の消去:乙社による増資

- オ.投資と資本の消去:乙社株式の追加取得に要した関連費用の費用処理

- カ.投資と資本の消去:乙社株式の追加取得

- キ.棚卸資産の未実現利益の消去(X社)

- * FC7.2×27≒194
- ク.配当金の消去(X社から甲社)

- * FC4×23=92
- ケ.連結会社間(甲社とX社間)債権及び債務の消去

- コ.連結会社間(甲社とX社間)売上及び売上原価の消去

- サ.のれんの償却

- * 150/5=30
- シ.非支配株主に帰属する当期純利益の認識(乙社)

- ス.有形固定資産売却に係る未実現利益の消去(乙社から甲社)

- (2) 連結財務諸表
- 連結貸借対照表-X8/3/31

- 連結貸借対照表-X9/3/31

- 連結損益計算書-X8/4/1~X9/3/31

- (注)連結損益計算書及び連結キャッシュ・フロー計算書上、社債利息10円は、支払利息に含めて表示する。
- 連結株主資本等変動計算書-X8/4/1~X9/3/31

- なお、以下の設例において、仕訳科目に(C/F)の印が付してある項目が借方のときは、当該項目が「キャッシュ・フロー計算書」上における現金及び現金同等物の支出又は営業活動によるキャッシュ・フローを間接法によって表示する場合の税金等調整前当期純利益からの減算項目を意味し、貸方のときは「キャッシュ・フロー計算書」上における現金及び現金同等物の収入又は営業活動によるキャッシュ・フローを間接法によって表示するときの税金等調整前当期純利益への加算項目を意味している。
- 3. 個別キャッシュ・フロー計算書(間接法)の作成
- 各社の個別ベースのキャッシュ・フロー計算書(間接法)を作成する場合の例を以下に示す。
- (1) 甲社 間接法
- ① キャッシュ・フローを伴わない減価償却費の修正

- ② キャッシュ・フローを伴わない退職給付引当金増加額の修正

- ③ 現金及び預金から発生した為替換算差損に関する修正

- ④ 有形固定資産の除却に関する修正

- ⑤ 営業活動に係る資産・負債の増減に関する修正

- ⑥ 利息受取額の把握のための修正

- ⑦ 利息支払額の把握のための修正

- ⑧ 法人税等支払額の把握のための修正

- ⑨ 定期預金の預入れ及び払戻しに関する修正

- ⑩ 有価証券及び子会社株式の取得に関する修正

- ⑪ 有形固定資産の取得に関する修正

- ⑫ 借入金による資金調達に関する修正

- ⑬ 社債発行による資金調達に関する修正

- ⑭ 株式発行による資金調達に関する修正

- ⑮ 借入金の返済に関する修正

- ⑯ リースに関する修正

- ⑰ 配当金支払額に関する修正

- ⑱ 税金等調整前当期純利益への振替

- ⑲ 現金及び現金同等物への振替

- 甲社キャッシュ・フロー計算書(間接法)精算表

- (注)割引手形の減少額は、売上債権の増加額と合算して表示すべきであるが、便宜上、両建表示してある。
- (2) 乙社 間接法
- ① キャッシュ・フローを伴わない減価償却費の修正

- ② キャッシュ・フローを伴わない貸倒引当金増加額の修正

- ③ 営業活動に係る資産・負債の増減に関する修正

- ④ 利息支払額に関する修正

- ⑤ 法人税等支払額の把握のための修正

- ⑥ 有形固定資産の売却に関する修正

- ⑦ 有形固定資産の取得に関する修正

- ⑧ 増資に関する修正

- ⑨ 借入金の返済に関する修正

- ⑩ 税金等調整前当期純利益への振替

- ⑪ 現金及び現金同等物への振替

- 乙社キャッシュ・フロー計算書(間接法)精算表

- (3) X社 間接法
- ① キャッシュ・フローを伴わない減価償却費の修正

- ② キャッシュ・フローを伴わない貸倒引当金増加額の修正

- ③ 営業活動に係る資産・負債の増減に関する修正

- ④ 利息支払額の把握のための修正

- ⑤ 法人税等支払額の把握のための修正

- ⑥ 有形固定資産の取得に関する修正

- ⑦ 借入金による資金調達に関する修正

- ⑧ 借入金の返済に関する修正

- ⑨ 配当金支払額に関する修正

- ⑩ 為替相場変動の影響の修正

- ⑪ 現金及び預金から発生した為替換算差額に関する修正

- ⑫ 税金等調整前当期純利益への振替

- ⑬ 現金及び現金同等物への振替

- X社キャッシュ・フロー計算書(間接法)精算表

- 4. 連結キャッシュ・フロー計算書(間接法)の作成
-連結決算数値を基に作成する場合(簡便法) - 連結決算数値を基に連結キャッシュ・フロー計算書(間接法)を作成する場合の例を以下に示す。
- この場合、連結会社各社の個別キャッシュ・フロー計算書の作成は要しないが、非資金損益項目や「投資活動によるキャッシュ・フロー」及び「財務活動によるキャッシュ・フロー」の各項目に係るキャッシュ・フローに関する情報を連結会社各社より入手する必要がある。
- (1) 仕 訳
- ① キャッシュ・フローを伴わない減価償却費の修正

- * 150+535=685
- ② のれん償却に関する修正

- ③ キャッシュ・フローを伴わない退職給付に係る負債増加額(甲社)の修正

- ④ キャッシュ・フローを伴わない貸倒引当金増加額の修正

- ⑤ 現金及び預金から発生した為替換算差額に関する修正

- *1 X社
- *2 甲社外貨預金から生じた為替差損10
- ⑥ 有形固定資産の除却(甲社)に関する修正

- ⑦ 営業活動に係る資産・負債の増減に関する修正

- ⑧ 利息受取額の把握のための修正

- ⑨ 利息支払額の把握のための修正

- ⑩ 法人税等支払額の把握のための修正

- ⑪ 甲社定期預金の預入れ及び払戻しに関する収入並びに支出の総額表示に関する修正

- ⑫ 甲社有価証券の取得に関する修正

- ⑬ 乙社買収額の純額表示に関する修正

- * 590-25=565
- ⑭ 非支配株主からの乙社株式の追加取得に関する修正

- ⑮ 有形固定資産の取得に関する修正及び甲社に売却した有形固定資産の乙社減価償却累計額の調整

- * (975-25(甲社))+120(乙社)+375(X社)=1,445
- ⑯ 借入金による資金調達に関する修正

- * 250(甲社)+375(X社)=625
- ⑰ 甲社社債発行による資金調達に関する修正

- ⑱ 株式発行による資金調達に関する修正

- * 甲社250、乙社非支配株主から20
- ⑲ 借入金の返済に関する修正

- * 100(甲社)+30(乙社)+50(X社)=180
- ⑳ 甲社リースに関する修正

- ㉑ 甲社配当金支払額に関する修正

- ㉒ 為替相場変動の影響の修正

- (注)連結上相殺消去の対象となった買掛金に配分された為替換算差額221は、原則として調整する(「為替差損」に加減算するか、「現金及び現金同等物に係る換算差額」に含める。)ことになるが、本設例では、当該調整を省略している。
- ㉓ 連結会社間(甲社とX社間)の配当金に関する換算差額の調整

- ㉔ 非支配株主に帰属する当期純利益に関する修正

- ㉕ 税金等調整前当期純利益への振替

- ㉖ 現金及び現金同等物への振替

- (2) 連結キャッシュ・フロー計算書精算表(間接法)

- (注1) (1)の金額は、X8年3月31日現在での甲社及び子会社X社の連結金額である。
- (注2) (4)の金額は、X9年3月31日現在での甲社及び子会社(X社、乙社)の連結金額である。
- (注3) 割引手形の減少額は、売上債権の増加額と合算して表示すべきであるが、便宜上、両建表示してある。
- (注4) 連結損益計算書及び連結キャッシュ・フロー計算書上、社債利息10円は、支払利息に含めて表示する。
- 5. 連結キャッシュ・フロー計算書(間接法)の作成
-個別キャッシュ・フロー計算書を連結する場合(原則法) - 個別ベースのキャッシュ・フロー計算書(間接法)の合算、連結会社相互間の債権及び債務の消去仕訳に係る増減額等の調整、及び連結会社相互間のキャッシュ・フローの相殺を行い、連結キャッシュ・フロー計算書(間接法)を作成する場合の例を以下に示す。
- なお、以下の仕訳はすべて連結キャッシュ・フロー計算書上の項目であるため(C/F)の印は省略している。
- (1) 連結ベースに修正するための仕訳
- ① 連結会社間(甲社とX社間)の売上債権・支払債務の相殺消去増加額に関する修正

- * 1,323-902=421
- ② 連結会社間(甲社とX社間)の配当金に関するキャッシュ・フローの消去

- ③ 連結会社間(甲社と乙社間)の有形固定資産の売却に係る未実現利益の消去

- ④ 連結会社間(甲社とX社間)取引の棚卸資産の未実現利益の消去増加額に関する修正

- * 194-119=75
- ⑤ 連結会社間(甲社と乙社間)の有形固定資産売却に関するキャッシュ・フローの消去

- ⑥ のれんの償却

- ⑦ 買収時の乙社保有の現金及び現金同等物並びに乙社株式の取得関連費用に関する修正

- ⑧ 連結会社間(甲社と乙社間)の株式発行による資金調達に関するキャッシュ・フローの消去

- ⑨ 非支配株主からの乙社株式の追加取得に関する修正

- (2) 連結キャッシュ・フロー計算書精算表(間接法)

- (注1)割引手形の減少額は、売上債権の増加額と合算して表示すべきであるが、便宜上、両建表示してある。
- (注2)連結損益計算書及び連結キャッシュ・フロー計算書上、社債利息10円は、支払利息に含めて表示する。
- 6. 直接法による「営業活動によるキャッシュ・フロー」の求め方
- 「営業活動によるキャッシュ・フロー」の小計欄以降は間接法の場合と同様のため、小計欄までの個別ベース及び連結ベース(連結決算数値を基に作成する場合)の「営業活動によるキャッシュ・フロー」の求め方の例を以下に示す。
- (1) 仕 訳
- [甲 社]
- ① 営業収入額の把握のための修正

- (注)受取手形の割引等による収入は、①手形売却損控除後の手取額による方法と②手形金額等の総額による収入があったとみなす方法があるが、いずれの方法によることもできる。本設例では、①の方法によっている。
- ② 原材料又は商品仕入額の把握のための修正

- ③ 人件費支出額に関する修正

- ④ その他の営業支出額に関する修正

- [乙 社]
- ① 営業収入額の把握のための修正

- ② 原材料又は商品仕入額の把握のための修正

- ③ 人件費支出額に関する修正

- ④ その他の営業支出額に関する修正

- [X 社]
- ① 営業収入額の把握のための修正

- ② 原材料又は商品仕入額の把握のための修正

- ③ 人件費支出額に関する修正

- ④ その他の営業支出額に関する修正

- [連結ベース]
- ① 営業収入額の把握のための修正

- ② 原材料又は商品仕入額の把握のための修正

- ③ 人件費支出額に関する修正

- ④ その他の営業支出額に関する修正

- (2) 「営業活動によるキャッシュ・フロー」精算表(直接法)-甲社、乙社、X社、連結ベース

- 7. 連結キャッシュ・フロー計算書(直接法)の作成
-個別キャッシュ・フロー計算書を連結する場合(原則法) - 個別ベースのキャッシュ・フロー計算書(直接法)を合算し、連結会社相互間のキャッシュ・フローを相殺して連結キャッシュ・フロー計算書(直接法)を作成する場合の例を以下に示す。
- (1) 連結ベースに修正するための仕訳
- ① 連結会社間(甲社とX社間)の当期売上・仕入に関するキャッシュ・フローの消去

- ② 連結会社間(甲社とX社間)の売掛金・買掛金の相殺消去増加額

- * 1,323-902=421
- ③ 連結会社間(甲社と乙社間)の有形固定資産売却に関するキャッシュ・フローの消去

- ④ 連結会社間(甲社とX社間)の配当金に関するキャッシュ・フローの消去

- ⑤ 買収時の乙社保有の現金及び現金同等物並びに乙社株式の取得関連費用に関する修正

- ⑥ 連結会社間(甲社と乙社間)の株式発行による資金調達に関するキャッシュ・フローの消去

- ⑦ 非支配株主からの乙社株式の追加取得に関する修正

- (2) 連結キャッシュ・フロー計算書精算表(直接法)

- 8. 連結キャッシュ・フロー計算書及び注記の記載例
- 甲社及び子会社の連結キャッシュ・フロー計算書(自X8年4月1日 至X9年3月31日)並びに作成基準で求められている注記を、以下に例示する。
- なお、以下の連結キャッシュ・フロー計算書は、連結キャッシュ・フロー計算書精算表との関連について理解を容易にするため、表示項目について重要性の判断を行っていない。同様に、金額単位についても便宜上、円単位で記載しているが、他の連結財務諸表の金額単位と整合性を保つ必要がある。
- (1) 連結キャッシュ・フロー計算書の記載例
- ① 「営業活動によるキャッシュ・フロー」を直接法により表示する場合

- ② 「営業活動によるキャッシュ・フロー」を間接法により表示する場合

- (注)なお、連結キャッシュ・フロー計算書精算表では、便宜上、売上債権の増加額及び両建表示していた割引手形の減少額については、上記連結キャッシュ・フロー計算書上は、売上債権の増加額に含めている。
- (2) 会計方針の記載例
- 資金の範囲
- 連結キャッシュ・フロー計算書における資金(現金及び現金同等物)は、手許現金、随時引き出し可能な預金及び容易に換金可能であり、かつ、価値の変動について僅少なリスクしか負わない取得日から3か月以内に償還期限の到来する短期投資からなる。
- (3) 連結キャッシュ・フロー計算書に関する注記
- 現金及び現金同等物の期末残高と連結貸借対照表に掲記されている科目の金額との関係

- 株式の取得により新たに連結子会社となった会社の資産及び負債の主な内訳
- 株式の取得により新たに乙社を連結したことに伴う連結開始時の資産及び負債の内訳並びに乙社株式の取得価額と乙社取得のための支出(純額)との関係は次のとおりである。

- (注1)科目に重要性がある場合は、適宜、区分掲記する。
- (注2)株式取得のための支出に重要性がない場合であっても、新規連結子会社の資産及び負債の金額が連結財務諸表の資産及び負債の金額に与える影響が大きいときには、注記しなければならないことに留意する。
- (注3)複数の新規連結子会社が存在する場合には、項目ごとに合計額をもって記載することができる。
- 重要な非資金取引の内容
- 当連結会計年度に新たに計上した使用権資産及びリース負債の額は、それぞれ950円である。
- (4) その他の非資金取引に係る注記の記載例
- 作成基準一部改正その2第2項に定める作成基準注解(注9)では、上記(3)の使用権資産の取得以外に転換社債の転換(社債の償還と引換えによる新株予約権付社債に付された新株予約権の行使)、株式の発行による資産の取得又は合併、現物出資による株式の取得又は資産の交換を非資金取引の例として示されている。
- これらの非資金取引の注記としては、次のような記載が考えられる。
- ① 社債の償還と引換えによる新株予約権付社債に付された新株予約権の行使

- ② 合 併
- 当連結会計年度に合併したA社より承継した資産及び負債の主な内訳は次のとおりである。また、合併により増加した資本金及び資本準備金は、それぞれ×××百万円及び×××百万円である。

- 以 上
