©公益財団法人 財務会計基準機構最終更新日:2026/03/04
移管指針第12号金融商品会計に関するQ&A
金融商品の範囲
有価証券として取り扱うもの及び有価証券として取り扱わないもの
移管指針第9号「金融商品会計に関する実務指針」第8項(以下項番号のみ記載する。)
- Q1.

- A:企業会計基準第10号「金融商品に関する会計基準」(以下「金融商品会計基準」という。)は、金融商品取引法上の有価証券に類似し企業会計上有価証券として取り扱うことが適当と認められるものについては、同会計基準を適用し、金融商品取引法に定義する有価証券であっても企業会計上有価証券として取り扱うことが適当と認められないものについては、同会計基準を適用しないとしています。そして移管指針第9号「金融商品会計に関する実務指針」(以下「実務指針」という。)では、金融商品取引法上の有価証券に類似し企業会計上有価証券として取り扱うものの具体例として、国内CDを挙げています。一方、金融商品取引法に定義する有価証券に該当しても、信託受益権(金融商品取引法第2条第2項第1号及び第2号に該当するものに限る。)については、信託受益権が優先劣後等のように質的に分割されており、信託受益権の保有者が複数である場合(実務指針第100項(2))などを除き、有価証券として取り扱わないものとしています。
- 現時点において金融商品取引法で定義された有価証券以外で有価証券として取り扱うか否か検討した金融商品には、次のようなものがあります。
- ・ 有価証券として取り扱うもの:国内CD
- ・ 有価証券として取り扱わないもの:円建BA
保険契約
第13項
- Q2.

- A:実務指針では満期に返戻金が支払われるものも含めて保険会社が扱う保険契約は金融商品会計基準の対象外としています。一方、保険契約以外に銀行等が扱う保険に類似した商品についてはその商品及び対象となった資産等の内容によって取扱いを決定していくことになります。
- なお、輸出保険等の信用保険については、金融商品会計基準の対象外で現行の実務慣行に従い処理することになります。
金融資産及び金融負債の発生の認識
有価証券の売買契約の認識
第22項
- Q3.

- A:約定日から受渡日までの期間が通常の期間よりも長い場合、売買契約を買手も売手も先渡契約として約定日に認識し、決算日における未決済の先渡契約をデリバティブ取引として時価評価し、評価差額を当期の純損益に計上します。他方、約定済みの有価証券について、売手は受渡日まで保有区分に従った会計処理を継続することになります。したがって、保有する有価証券と先渡契約に係る売手及び買手の会計処理は次のようになります。
- (設 例)
- A社はB社に1か月後受渡しでC株式を売却することを約定しましたが、受渡しまでに決算日が入ります。約定価格は100、期末時の時価は105、受渡時の時価は120、A社におけるC株式の簿価は40であるものとします。なお、先渡契約の時価は約定時0、期末時5、受渡時20であるものとします。

- 当該先渡契約が、売手にとって売却対象である有価証券に関しヘッジ指定をしている場合には、ヘッジ会計を適用することが可能です。また、当該先渡契約が、買手にとって予定取引に係るヘッジの要件を満たしている場合には、ヘッジ会計を適用することが可能です。上記の例によりヘッジ会計(繰延ヘッジ会計)を適用した場合の会計処理は次のようになります。

- (注)厳密には、受渡時に売手は時価で売却し売却益は80となりますが、先渡契約から生じたヘッジ損失20だけ当該売却益を調整し60となります。また、買手もその他有価証券を時価120で取得しますが、先渡取引から生じたヘッジ利益20だけ当該帳簿価額を修正し100となります。
有価証券の信用取引及び空売りの認識
第24項及び第25項
- Q4.

- A:時価100の有価証券を、信用取引で取得又は売却し、その後時価が130になった時点で売却又は取得を行うことで手仕舞った場合の会計処理は次のようになります。なお、取引開始時と手仕舞い時の間に決算日があり、このときの時価は112であるものとします。

- (注)信用取引有価証券に係る評価損益及び売却損益は売買有価証券運用損益として損益計算書に表示されることになります(Q69参照)。
- 当該信用取引の売手が、保有するその他有価証券のヘッジとして上記の取引を行っている場合、繰延ヘッジ会計の処理は次のようになります(保有有価証券の簿価は90とします。)。

- (注)信用取引手仕舞い時の売却損は、繰延ヘッジ損益として原則として保有有価証券売却時まで繰り延べます。
- また、当該信用取引の売手が、保有するその他有価証券のヘッジとして上記取引を行っている場合における時価ヘッジ会計の処理は次のようになります。

自由処分権を有する担保受入金融資産の認識
第28項
- Q5.

- A:使用貸借、賃貸借の有価証券の借手側では、売却はできませんが、担保差入れ、再使用貸借及び再賃貸借はできるため、担保差入れ等という自由処分権がある旨及び貸借対照表日の時価の注記が必要です(実務指針第277項)。
- また、貸手側は品貸料の会計処理を行い、注記により担保差入有価証券について開示することになるものと考えられます。
第28項
- Q6.

- A:実務指針第28項では担保受入金融資産の自由処分権を「売却又は再担保という方法で自由に処分できる権利」としております。ご質問にあるように契約の条件から担保として受け入れた金融資産が、現実に買戻し条件付きの売却という形でしか処分できないとしても、再担保に供することはできますので、自由処分権があるものと考えることができます。したがって、実務指針第28項による注記の対象となります。
当初認識時の測定
第29項
- Q7.

- A:実務指針第29項によれば、金融資産の当初認識は、当該金融資産の時価により測定するとありますので、当該償還条項によって取得した株式の取得価額は、株式による償還が確定した日における時価になると考えられます。なお、他社株転換社債は保有者にとって複合金融商品のうち組込デリバティブのリスクが社債元本に及ぶ可能性があると考えられますので、区分処理が要求されます。したがって、区分処理後の他社株転換社債及び区分処理されたデリバティブの帳簿価額の合計額と株式の取得価額との差額は株式取得時における純損益として処理されます。
金融資産の消滅の認識
- Q8.

- A:金融商品会計基準において、子会社株式及び関連会社株式も金融資産に該当するものとして規定されていますので、通常、消滅の認識要件を満たしていれば、譲渡人にとって個別財務諸表上、売却処理されます。なお、個別財務諸表上、売却処理された場合でも、連結財務諸表における子会社及び関連会社の範囲を決定するに当たっては、企業会計基準適用指針第22号「連結財務諸表における子会社及び関連会社の範囲の決定に関する適用指針」(以下「連結範囲適用指針」という。)に留意する必要があります。また、事業分離における分離元企業の会計処理並びに共同支配企業の形成及び共通支配下の取引以外の企業結合における結合当事企業の株主(被結合企業又は結合企業の株主)に係る会計処理については、企業会計基準第7号「事業分離等に関する会計基準」に留意する必要があります。
支配の移転が認められる譲渡制限
第32項
- Q9.

支配の移転が認められる譲渡人の買戻権
第33項及び第250項
- Q10.

- A:実務指針第250項では、譲渡金融資産が市場からいつでも取得できるものでなく、かつ、譲渡人の買戻価格が固定価格であるものについては、譲受人は、いつ譲渡人から買戻権の行使を受けるか分からないので当該金融資産を自由に処分することができず、また、買戻価格も固定価格で確定している場合、譲受人は当該金融資産の契約上の権利を通常の方法で享受できないから、支配は移転していないものとしています。
- 債権の流動化等においては原債務者による原債権の期限前償還やデフォルト等の限定した場合においてのみ買い戻す場合がありますが、買戻価格が譲渡価格から著しく低い価格でない限り、買戻しは譲渡人にとって不利な条件と考えられます。それにもかかわらず買い戻すことは実質的に買戻権ではなく買戻義務と考えられるため、他の消滅の認識要件を満たしている限り、支配は譲受人に移転しているものと考えられます。なお、当該買戻義務は新たに発生した負債であるため、実務指針第37項及び第38項に従って処理することに留意する必要があります。
- また、譲渡人にとって不利な条件でないときにのみ買い戻す権利があるケースでも、その権利行使が限定した事象(デフォルト又はクリーンアップ・コールの対象となる譲渡金融資産残高の減少等)が発生した場合においてのみ行われ、また、譲渡金融資産と同様の資産全体や特定された個々の債権を対象とするものではない場合には、支配の移転が認められない買戻権には該当しないものと考えられます。
第41項
- Q11.

- A:経過措置として当分の間認められるローン・パーティシペーションの要件は、移管指針第1号「ローン・パーティシペーションの会計処理及び表示」(以下「移管指針第1号」という。)に記載の要件と同じですが、特別目的会社を参加者とするローン・パーティシペーションの場合、原債権者は債権の消滅を認識することはできないとされています(実務指針第41項)。これは、移管指針第1号の作成時に金融機関等の間で締結される取引が対象とされ、特別目的会社を参加者とすることは想定されていなかったため、経過措置として認められたローン・パーティシペーションの適用範囲を制限したものです。
- ここで、特別目的会社とは、財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則(以下「財務諸表等規則」という。)第8条第7項で示されるものをいい、原債権者である譲渡人が自ら組成したものを意味します。したがって、独立した第三者である複数の参加者(投資家)がいる場合で、そのうちある参加者が自ら組成した特別目的会社を通して参加することまで否定しているわけではありません。
- なお、1999年に企業会計審議会が公表した「金融商品に係る会計基準」(以下「1999年基準」という。)の適用日直前までに契約済みの特別目的会社を参加者とするローン・パーティシペーション(実務指針第35項⑤の取引を行う場合を含みます。)については、貸出債権残高の注記を前提にオフバランス処理のままとしても認められるものと解されます。
クロス取引
第42項
- Q12.

- A:譲渡人が譲渡した金融資産を当該金融資産の満期日前に買い戻す権利及び義務を実質的に有している場合には、金融資産の消滅の認識要件(金融商品会計基準第9項(3))を満たさないので、たとえ時価で取引されたとしても売却処理は認められません。したがって、金融資産を売却した後に同一の金融資産を購入した場合又は金融資産を購入した後に同一の金融資産を売却した場合で、譲渡人が譲受人から譲渡した金融資産を再購入又は回収する同時の契約があるときも、金融資産の消滅の認識要件を満たさないので売却処理はできません。当該契約の存在は法形式ではなく、書面によるもの、口頭によるもの、売り買いの注文を同時に行うものなど、実質によって判断すべきものと解されます。
- 例えば、金融資産を売却した後に同一の金融資産を同一数量若しくはほとんど同一数量購入した場合又は金融資産を購入した後に同一の金融資産を売却した場合で、かつ、譲渡価格と購入価格が同一の場合、又は譲渡の決済日と購入の決済日の期間に係る金利調整が行われた価格である場合には、譲渡人が譲受人から再購入又は回収する同時の契約があると推定されます(実務指針第42項)ので、金融資産の消滅の認識要件を満たさず売却処理は認められないと考えられます。また、例えば、金融資産を売却した直後(5営業日までは直後と考えられます。)に同一の金融資産を購入した場合又は金融資産を購入した直後に同一の金融資産を売却した場合であって、それらの取引における譲渡価格と購入価格がともに取引時の時価であるからといって必ずしも売却処理が認められるわけではなく、実質的に相対取引になっていると解される等、取引の実態によっては売却処理が否定されることもあります。この他にも、金融資産の譲渡と同時に譲受人との間にデリバティブ契約を締結することなどにより、譲渡人が譲渡金融資産の価格変動リスクを実質的に負うこととなる場合には、実務指針第42項で定める「譲渡価格と購入価格が同一の場合」に該当する可能性があります。
- 以上の状況に照らして金融資産の譲渡取引が、実質的に金融資産の消滅の認識要件を満たしていると合理的に判断されるのであれば、当該譲渡取引は売却取引として処理してよいものと考えられます。
金融負債の消滅の認識
金融負債の消滅の認識要件
第43項
- Q13.

- A:「第一次債務者の地位から法的に免除される」とは、例えば、契約によって、保証債務における催告の抗弁のように原債務者が原債権者からの履行請求につき原債務を引き受けた第三者が実行することを主張できるような場合や、原債権者に対して原債務を引き受けた第三者による履行の法的措置を取り、当該第三者による債務不履行の場合を除き原債務者が原債権者から債務の履行を請求されることがないときには、原債務者は第一次債務者の地位から法的に免除されるものと考えられます。
- なお、原債務者が第一次債務者の地位から法的に免除されているか否かの判断については、弁護士等専門家の意見に依拠することが望ましいものと考えます。
実質的ディフィーザンスとデット・アサンプション
第46項
- Q14.

- A:金融商品会計基準第42項(2)において、「取消不能の信託契約等により、社債の元利金の支払に充てることのみを目的として、当該元利金の金額が保全される資産を預け入れた場合等、社債の発行者に対し遡求請求が行われる可能性が極めて低い場合に限り、当該社債の消滅を認識することを認めることとする。」とされています。これを受けて作成されている実務指針第46項では、「デット・アサンプションに係る原債務の消滅の認識要件は、取消不能で、かつ社債の元利金の支払に充てることを目的とした他益信託等を設定し、当該元利金が保全される高い信用格付の金融資産(例えば、償還日がおおむね同一の国債又は優良格付の公社債)を拠出することである。」とされています。我が国において「元利金が保全される高い信用格付の金融資産」とは、国債や政府機関債のほかに、例えば、拠出時に複数の格付機関からダブルA格相当以上を得ている社債が含まれると考えられます。また、拠出する資産は金融資産であればよいため、銀行預金やキャッシュ・フローを調整するためのスワップによる契約がある場合でも元利金が保全される高い信用格付の相手先であれば含まれると考えられます。
- なお、金融商品会計基準で経過措置の対象となる債務は社債のみとされているため、借入金や未払金等の他の債務は該当しないことに留意する必要があります。また、経過措置により社債の消滅が認識されるときは、社債の発行者が追加の資金負担をする可能性が極めて低い場合であるため、社債の発行者にとって社債の履行は発生の可能性が低い偶発債務でありその開示は不要であるとも考えられますが、これまでのデット・アサンプションのうち一定の要件を満たしたものが経過措置として認められているにすぎないことから、経過措置によって社債の消滅が認識された場合でも、引き続き偶発債務としての開示を行う必要があるものと考えられます。
金融資産及び金融負債の評価
市場価格に基づく価額
第50項、第54項及び第102項
- Q15.

金銭の信託
金銭の信託の保有目的区分
第97項
- Q35.

- A:実務指針では、金銭の信託が運用以外の目的のために設定されることは例外的なケースであるとして、限定的な取扱いをしています。すなわち、金銭の信託は、運用以外の目的であることが客観的に判断できる場合を除き運用目的と推定され、当該信託財産の構成物である有価証券は売買目的有価証券とみなされます。信託財産の構成物である債券を満期保有目的の債券として区分するためには、自己で保有している満期保有目的の債券の適格要件及び分類要件を満たしていることに加えて、受託者に財産の売却を禁止していることと、信託期日と債券の償還期限とが一致していることが明確であることが求められます。この要件は、信託財産たる債券が全て債券の満期まで信託勘定において保有されていることを求めるとともに、債券の中途売却を排除するために、債券の償還期限が信託期日を超えることを禁じたものです。しかしながら、金銭の信託の構成物である全ての銘柄の債券の償還期限が一致していることは必要ありませんし、償還期限が信託期日前であることを禁じているわけでもありません。なお、一部の銘柄の債券の償還期限が信託期日前に到来するため、更に他の債券へ再投資する場合も想定されますが、当該再投資対象債券に関しても、償還期限が信託期日を超えなければ、当該信託契約は満期保有目的の要件を満たしていることになります。
第97項及び第288項
- Q36.

- A:実務指針第97項において、信託財産構成物である有価証券をその他有価証券として区分するためには、信託契約時において、企業が当該信託を通じて有価証券等を保有する目的が、運用目的又は満期保有目的のいずれにも該当しないという積極的な証拠によって裏付けられ、かつ、信託財産構成物である有価証券の売買を頻繁に繰り返していないという事実に基づかなければならないとされています。また、実務指針第288項では、金銭の信託を運用目的以外の区分とするためにはそれが客観的に判断できることが必要とされ、現物有価証券をその他有価証券に区分する場合よりも強い根拠が必要とされています。
- 「積極的な証拠」は、金銭の信託の目的が、実務指針第97項に定める運用目的(信託財産の短期的な売買等で信託財産の価値を上昇させ、受益者に帰属させること。)に該当しないものであり、かつ、その目的が客観的で明確であることを示す企業の意思決定文書を指すものと考えられます。その文書には、以下の内容が含まれる必要があると考えられます。
- ① その他有価証券を自己で直接保有せずに金銭の信託で保有する理由
- ② 金銭の信託の目的
- ③ 有価証券の売却が、委託者が事前に指示した方針に基づくこと。
- ④ 運用報告書を定期的に入手してモニタリングすること。
- また、信託契約書において、信託の目的を明記することが必要と考えられます。
金銭の信託の会計処理
第98項
- Q37.

- A:有価証券には、複数の会計処理方法が認められている項目があります。例として、有価証券の売買の認識基準(約定日基準・修正受渡日基準)、売買目的有価証券における評価損益の翌期の処理(切放し法・洗替え法)、償却原価法(利息法・定額法)等です。
- 金銭の信託で保有する有価証券の会計処理方法は、自己で直接保有する有価証券の会計処理方法と合わせることが原則として必要です。しかしながら、金銭の信託で保有する有価証券の会計処理は、受託者のシステム対応上の制限から、必ずしも委託者(受益者)の期待する方法を採用できないこともあり得ます。このような場合には、継続適用を条件として、信託契約ごとに会計処理方法が異なることも認められます。
債 権
債務者の信用リスクを反映した債権の取得価額と償却原価法
第105項
- Q38.

- A:債権を取得した場合の会計処理について、実務指針では、将来キャッシュ・フローの割引現在価値が取得価額に一致する割引率(実効利子率)をもって、キャッシュ・フローを利息の入金と元本の回収に区分して処理することとされています。また、実務指針では、高い信用リスクを有する債権の場合、その将来キャッシュ・フローは、債権の発生当初における約定の金利及び元本に基づき算定するのではなく、当該債権取得時における信用リスクによる減損見積額を反映して見積もり、当該将来キャッシュ・フロー見積額を基礎として償却原価法を適用するとされています。
- このように、信用リスクによる減損見積額を将来キャッシュ・フローから控除することにより、金利調整差額部分が債権の取得時点から最終弁済期限までの期間にわたり適正に配分されることとなります。
- しかしながら、取得差額の大部分が信用リスクから成る場合には、それから金利調整差額を区分して償却原価法を適用しても、各年度の純損益に及ぼす影響は重要性がなく、あまり実務的でないこととなります。したがって、このような場合には、償却原価法を適用せずに、債権の取得後において信用リスクが高くなったときに、将来キャッシュ・フローの減損見積額増加分の割引現在価値を貸倒見積高として計上することになります。
貸倒実績率法
第110項
- Q39.

第110項
- Q40.

- A:企業の業務の特性や債権の内容から、過去において貸倒れの実績がなく、将来においても発生の可能性がないと合理的に予想される場合には、貸倒引当金繰入額はゼロとなります。
- 一方、算定対象期間中には貸倒れの実績はないものの、それより前に貸倒れの発生があった場合には、一般に貸倒実績率の算定対象期間は景気変動の1サイクルよりも短いことから、当該貸倒れの相手先及び債権の内容、発生した当時における企業内の債権管理体制と外部経営環境等を現在企業が有する債権及び企業における状況と比較して、期末に有する債権の回収期間内において、貸倒れの発生がないものと合理的に予想される場合以外は貸倒引当金繰入額をゼロとすることは認められないと考えられます。この場合には、企業の過去における貸倒実績率の推移等に基づいて適用する貸倒実績率を算定しなければなりません。
第110項
- Q41.

- A:実務指針上、個別貸倒引当金の金額は貸倒懸念債権、破産更生債権等について、回収可能性を検討して損失となる可能性が高いとして見積もることを要求されたものですが、見積りである以上、まだ損失として実現していないことや、担保及び保証による回収見込額は実際の回収額とは差異が生じると見られること、また、貸倒懸念債権の場合、担保及び保証による回収見込額を控除した残額の50%を引き当てるなど簡便な方法によって見積もられることもあるため、貸倒実績率の算定上分子に含めるかどうか明確ではありません。
- しかし、専門家による評価など十分に精度の高い担保及び保証の回収見込額に基づいて引き当てられているものや、損失として早々に実現する可能性が高いものについては、これを貸倒実績率の分子に含めて算定することは差し支えなく、また、それが実態をより反映することになるものと考えられます。
直接減額による取崩し
第123項
- Q42.

- A:実務指針第117項において、破産更生債権等の貸倒見積高は、債権額から担保の処分見込額及び保証による回収見込額(清算配当による回収可能額も同様の取扱い)を減額したその残額とされています。また、実務指針第123項においては、債権の回収可能性がほとんどないと判断された場合には貸倒損失額を債権から直接減額するとした上で、当該貸倒損失額と当該債権に係る前期貸倒引当金残高のいずれか少ない金額まで貸倒引当金を取り崩し、当期貸倒損失額と相殺しなければならないとされています。したがって、実務指針では、破産更生債権等に区分した時点において、担保及び保証による回収見込額を控除した残額について貸倒引当金の計上を行い、次に損失がほとんど確実となった時点でその引当金を取り崩して、直接減額された回収不能額と相殺することとなっており、実質的な処理内容として金融商品会計基準(注10)と異なっているわけではありません。
その他の金融資産及び金融負債
現先取引及び現金担保付債券貸借取引の会計処理
第129項
- Q43.

- A:対象物の種類により会計処理を分ける理由はないと考えられるので、株式現先取引及び株式貸借も含まれると考えます。
投資事業有限責任組合等への出資の会計処理
第132項及び第308項
- Q43-2.

商品ファンドの会計処理
第134項
- Q44.

- A:商品ファンドへの投資は有価証券として会計処理します。すなわち、短期運用目的のものは売買目的有価証券として、また、中長期運用目的のものはその他有価証券として処理することになります。ただし、商品ファンドはそのスキームの性格から満期保有目的の債券とすることは認められません。
ゴルフ会員権等の会計処理
第135項及び第311項
- Q45.

- A:金融商品会計基準において金融商品とされたゴルフ会員権は、ゴルフ会員権の価値の下落が一般に重要と認められる水準に至っている一方で、これを取得原価で評価し続ける場合も多いため、実務指針第311項に解説されているように、現状におけるゴルフ会員権相場の信頼性には限界を認識しつつも、著しい相場の下落時に減損会計を適用することとされました。
- 現状では、一般に入手可能で一定の信頼性が確保されているゴルフ会員権に関する市場価格としては、ゴルフ会員権協同組合が日々作成している業者間の取引相場表、及びその相場表を元にして大手のゴルフ会員権売買業者が公表している「ゴルフ会員権相場表」があります。これらの情報は、日刊紙やインターネットを通しても、入手可能です。ただし、この場合には実際の取引実績のない会員権はこの相場表には表示されないという問題点も存在しています。
- なお、業者が公表する相場は、売買一本値で表示する場合と、売値買値の両建てで表示する場合とがあり得ますが、一般的には、売買一本値の場合は仲値に相当するものと考えられます。
第135項及び第311項
- Q46.

- A:ゴルフ会員権の発行会社の財政状態や預託保証金の回収可能性の評価方法は、個別の事例により異なり、一般的に規定することは難しい状況です。また、ゴルフ会員権発行会社によっては、貸借対照表や損益計算書等の財務情報を公表していないという事実があり、貸借対照表に関しても、資産の主たるものは土地を含む固定資産部分であり預託金の返済能力を判断することが困難であるという指摘も一概に否定できません。したがって、本来は、個別案件ごとに入手可能な情報を整理し、最も妥当と判断される方法により評価を行うこととなりますが、判断に窮する場合の代替手段として、大手のゴルフ会員権取引業者に評価鑑定を依頼する方法も考えられます。
- 市場価格が存在しないゴルフ会員権は、一部の譲渡不可の会員権を除き、その価値が大幅に下落している場合があり、安易に減損会計の適用を回避することは妥当ではありません。したがって、合理的に入手可能な情報があれば、その情報に基づき評価減の検討をすべきものと考えます。他方、ゴルフ場運営会社が破産法、会社更生法、民事再生法等の申立てをした場合には、実態に応じ評価減をしなければなりません。
- なお、市場価格と比較されるべきゴルフ会員権の価額は、直近の帳簿価額であり、適用がある場合には、帳簿価額と市場価格による評価額との差額が、減損として認識されることとなります。預託保証金方式によるゴルフ会員権の減損処理については、まず、帳簿価格のうち預託保証金を超える額を直接評価減し、さらに市場価格が預託保証金の額を下回る場合には、当該部分について貸倒引当金を設定します。ただし、預託保証金の回収可能性がほとんどないと判断される場合には、貸倒損失額を預託保証金から直接控除します。
クレジット・デリバティブの会計処理
第138項及び第104項
- Q47.

複合金融商品
新株予約権付社債及び新株引受権付社債の区分処理
第185-2項及び第186項
- Q59-3.

- A:2001年11月28日に公布された「商法等の一部を改正する法律」(平成13年法律第128号。以下「改正旧商法」という。)により、新株引受権付社債及び転換社債が廃止され、新たに新株予約権及び新株予約権付社債の概念が導入されました。これを受けて公表された実務対応報告第1号「旧商法による新株予約権及び新株予約権付社債の会計処理に関する実務上の取扱い」(以下「実務対応報告第1号」という。)Q2 A3 (1)では、新株予約権付社債の区分処理が示されています。また、改正旧商法施行前の決議に基づき発行された新株引受権付社債の会計処理については、改正旧商法施行後も、金融商品会計基準第115項及び実務指針第186項を適用して行います。
- このように、新株予約権付社債又は新株引受権付社債の発行体において、それらを区分処理する場合、発行時に、社債の対価部分と新株予約権又は新株引受権の対価部分とに区分しなければならないこととされていますが、旧商法の改正により新株の発行価額の取扱いに変更が生じたため、新株予約権又は新株引受権が行使された場合、それぞれ、以下のように会計処理が異なることとなります。
- ① 新株予約権付社債については、新株予約権の発行価額とその行使に伴う払込金額の合計額をもって新株の発行価額とみなされている(旧商法第280条の20第4項)ため、それを資本金又は資本金及び資本準備金に組み入れます(実務対応報告第1号Q2 A3 (1))。
- ② 新株引受権付社債については、新株引受権の行使に伴う払込金額が新株の発行価額となり、それを資本金又は資本金及び資本準備金に組み入れるとともに、新株引受権の対価部分を資本準備金に計上します(実務指針第186項)。
- 上記について例示により仕訳を示すと以下のようになります。
- なお、以下の設例では、旧商法による発行であるため、発行時は1999年基準に従って処理されていることを想定して、仕訳は同基準と同じ方法で首尾一貫させる形で示していますが、財務諸表上の表示については、社債発行差金の償却額は社債利息に含めて表示し、社債発行差金は社債から控除して表示することとなります(実務対応報告第19号「繰延資産の会計処理に関する当面の取扱い」4(2)③)。
- (設例1)
- 発行体における新株予約権付社債の区分処理(実務対応報告第1号Q2 A3 (1))
- 1. 前提条件
- (1) 新株予約権付社債の発行

- (2) 会社が同じ利子率(2%)で同一償還期限の普通社債を発行する場合には、発行価額は80,000となる(割引発行)。
- (3) 社債発行差金については、償還期間で定額法により償却する。
- (4) 決算日は3月31日である。
- (5) X2年7月31日に新株予約権の30%が行使された。
- 2. 会計処理
- (1) X1年4月1日(新株予約権付社債の発行時)

- *1 社債の額面金額を計上し、社債の対価部分(この場合には、同じ利子率で同一償還期限の普通社債を発行する場合の発行価額)と社債の額面金額との差額は社債発行差金とする。
- *2 新株予約権の対価部分20,000は、純資産の部に計上する。
- (2) X2年3月31日


- (3) X2年7月31日(新株予約権の30%の行使時)

- * 新株予約権の行使による行使価額による払込額((100,000+20,000)×30%=36,000)の2分の1を資本金に、残額を資本準備金に振り替える。
- (4) X3年3月31日

- (5) X6年3月31日(償還時)

- * 純資産の部に計上した新株予約権の対価部分のうち、行使が行われなかった部分14,000(20,000×70%)を特別利益に計上する。
- (設例2)
- 発行体における新株引受権付社債の区分処理(実務指針第186項)
- 1. 前提条件
- (1) 新株引受権付社債の発行

- (2) 会社が同じ利子率(2%)で同一償還期限の普通社債を発行する場合には、発行価額は80,000となる(割引発行)。
- (3) 社債発行差金については、償還期間で定額法により償却する。
- (4) 決算日は3月31日である。
- (5) X2年7月31日に新株引受権の30%が行使された。
- 2. 会計処理
- (1) X1年4月1日(新株引受権付社債の発行時)

- *1 社債の額面金額を計上し、社債の対価部分(この場合には、同じ利子率で同一償還期限の普通社債を発行する場合の発行価額)と社債の額面金額との差額は社債発行差金とする。
- *2 新株引受権の対価部分20,000は、純資産の部に計上する。
- (2) X2年3月31日


- (3) X2年7月31日(新株引受権の30%の行使時)

- *1 新株引受権の行使による行使価額による払込額(100,000×30%=30,000)の2分の1を資本金に、残額を資本準備金に振り替える。
- *2 純資産の部に計上した新株引受権の対価部分のうち、行使部分に対応する6,000(20,000×30%)を資本準備金に振り替える。
- (4) X3年3月31日

- (5) X6年3月31日(償還時)

- * 純資産の部に計上した新株引受権の対価部分のうち、行使が行われなかった部分14,000(20,000×70%)を特別利益に計上する。
組込デリバティブの区分処理
企業会計基準適用指針第12号「その他の複合金融商品(払込資本を増加させる可能性のある部分を含まない複合金融商品)に関する会計処理」第3項
- Q60.

- A:通常は、株式を保有している会社が、証券会社等に株式を貸し付け、当該株式の価格が一定の価格を上回ったときは、金銭で返還され、下回ったときには、当該株式が返還されるという取引が多いと思われます。株式を貸し付けている会社にとっては、コール・オプションの売却を行っているのと同じ経済的効果があります。企業会計基準適用指針第12号「その他の複合金融商品(払込資本を増加させる可能性のある部分を含まない複合金融商品)に関する会計処理」(以下「複合金融商品適用指針」という。)第3項によれば、組込デリバティブのリスクが現物の金融資産に及ぶ可能性がある場合、組込デリバティブは区分して時価評価し、評価差額は当期の損益として計上することが要求されています。ただし、上記の場合、会社が保有する株式にデリバティブが組み込まれたのではなく、金融取引としての貸借取引にデリバティブ契約を組み合わせたと解釈することが合理的です。したがって、当該取引については、デリバティブの会計処理と貸借取引とを区分して、期末にデリバティブについては時価評価により評価差額を純損益に計上するとともに、有価証券の品貸料を発生主義により収益計上することが必要です。他方、会社が貸し付けた株式がその他有価証券に保有区分されていた場合には、原則として当該株式の評価差額を純資産の部に直接計上することが要求されています。
複合金融商品適用指針第3項
- Q61.

- A:既発行債のリンク債及びリ・パッケージ債については、各々その契約内容及び構成する金融商品の性質が区分処理の3要件を満たす場合には、区分処理する必要があります。
- 既発行債のリンク債は、複合金融商品適用指針第6項(3)に従って判断することになります。
- リ・パッケージ債は、通常、既発行の債券を担保債券として発行され、その時価がアンダーパー等の当該債券のキャッシュ・フローをスワップ契約でパーに変換したものです。当該担保債券の発行会社がデフォルトを起こした場合には当該債券が償還されます。なお、スワップ契約先が不履行を引き起こした場合でも、担保債券により元本は回収されるので、元本リスクはないと考えられます。また、リ・パッケージ債の発行会社がデフォルトを起こした場合には、担保権が実行され担保債券である既発行の債券を社債権者は取得します。したがって、複合金融商品ではない通常の既発行社債のリ・パッケージ債は、元本リスクがないと考えられます。
- これに対し、当該既発行の債券が元本リスクのある複合金融商品である場合には、そのリ・パッケージ債も区分処理する必要があります。ただし、当該既発行債券に組み込まれた元本リスクのあるデリバティブと正反対のリスクのあるデリバティブをリ・パッケージ債に組み込んだ場合には、当該二つのデリバティブの契約先が同一相手先で、かつ法的に有効なマスターネッティング契約により純額決済できるときは、元本リスクがないと考えられます。
組込デリバティブのリスクが現物の金融資産又は金融負債に及ぶ可能性がある例
複合金融商品適用指針第6項
- Q62.

- A:他社債転換社債においては、一定の条件を満たす場合、現金に替えて他の社債によって償還されることになります。償還時における当該「他の社債」の時価が元本を上回っている保証はないため、通常、組込デリバティブのリスクが現物の金融資産に及ぶ可能性があるとみなされ、保有者にとって区分処理が要求されます。
適 用
その他有価証券に係る時価評価と会計処理
第195項
- Q63.

連結子会社における金融商品会計基準の適用時期
第195項
- Q64.

表 示
貸借対照表における表示
- Q65.

- A:実務指針における勘定科目の名称は便宜的に例示したものであり、会社計算規則及び財務諸表等規則に従い、取引の実態に即して決定すべきものと考えます。
- Q66.

- A:複合金融商品の性質を有するため、時価評価が要求される「債権」、「債務」等については、償却原価を貸借対照表に記載し、時価評価との差額については、その他の適当な科目に含めて貸借対照表上、開示することになると考えられます。
- 複合金融商品に該当するその他有価証券は、区分処理を行わないため時価評価及び評価差額の純損益計上が要求される場合でも、貸借対照表上、当該時価を有価証券を示す科目に含めて表示することになると考えられます。
- Q67.

- A:以下のものは、いずれも有価証券に含まれます。
- ・ CD
- ・ CP
- ・ 投資信託(又は外国投資信託)の受益証券(以下「契約型投信」という。)
- ・ 投資法人の発行する投資証券(又は外国投資証券)(以下「会社型投信」という。)
- ・ 貸付信託の受益証券(以下「貸付信託」という。)
- 金融商品取引法第2条第1項の有価証券にはCDのうち海外CDしか含まれません(金融商品取引法施行令第1条)が、国内CDも実務指針で有価証券として取り扱うとされています(実務指針第8項)ので、満期保有目的の債券に分類することができると考えられます。
- CPは、法人が事業に必要な資金を調達するために発行する約束手形(金融商品取引法第2条第1項第15号)であり、厳密には債券ではありませんが、満期に額面金額での償還が予定されていることから、その保有目的の要件を満たす限り、満期保有目的の債券に分類することが可能と考えられます。
- 契約型投信、会社型投信及び貸付信託は、一般には満期に額面金額で償還が予定されるものではありませんので、満期保有目的の債券には区分できず、その保有目的に従って、売買目的有価証券又はその他有価証券に区分されることになります。ただし、貸付信託のうち信託銀行が元本保証を行っているものは、満期保有目的の債券に分類することができると考えられます。
- 財務諸表等規則第15条第4号では「売買目的有価証券及び1年内に満期の到来する有価証券」は流動資産として表示することとされ、同第31条第1号ではこれら以外の有価証券は固定資産の投資その他の資産に属するものとされています。そこで、売買目的有価証券以外に区分されたCP、契約型投信、会社型投信及び貸付信託を流動資産に計上できるか否かが実務上の問題となっています。
- これらの有価証券のうち、下記に該当するものは、原則として、流動資産に有価証券として表示されると考えられます。
- ・ 1年以内に満期が到来するCD及びCP
- ・ 契約型投信、会社型投信及び貸付信託のうち、以下のもの
- - 1年以内に償還されるもの
- - キャッシュ・フロー計算書において資金の範囲に含めているもの
- - 預金と同様の性格を有するもの(Q19参照)
損益計算書における表示
- Q68.

- A:売買目的有価証券の売買損益は、有価証券の売買を主たる事業としている場合には営業損益の構成項目とし、それ以外の場合には営業外損益の構成項目として、いずれの場合にも純額で表示することが適切と考えられます。
- 子会社株式及び関連会社株式の売却損益は、特別損益に、原則として売却益と売却損を相殺せずに総額で表示することが適切と考えられます。
- 満期保有目的の債券の売却損益は、残りの満期保有目的の債券の保有意思を否定されない合理的な理由による売却に伴う損益である限り、純額で営業外損益に計上することが適切と考えられます。ただし、満期保有目的の債券の売却は厳しく制限されており(実務指針第83項)、合理的な理由によらない売却に伴う損益は特別損益に計上する必要があります。
- 財務諸表等規則及び「財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則」の取扱いに関する留意事項について(以下「財務諸表等規則ガイドライン」という。)では、その他有価証券の貸借対照表における表示について、1年内に満期が到来する有価証券を除いて固定資産区分の投資その他の資産に属するものとされています(財務諸表等規則第15条第4号及び第31条第1号)。一方、損益計算書における売却損益の表示に関しては、貸借対照表上の流動資産区分に計上されたものは営業外損益区分に表示し、固定資産区分に計上されたものは特別損益区分に表示することになるものと思われます。すなわち、特別損益のうちのその他の項目(財務諸表等規則第95条の2及び第95条の3)に、転売目的以外の目的で取得した有価証券の売却による損益を含むとされています(財務諸表等規則ガイドライン第95の2第1号)ので、その他有価証券(流動資産の有価証券に表示したものを除きます。)の売却損益は、原則として特別損益区分に表示しなければならないことになります。
- しかし、その他有価証券は「売買目的又は満期保有目的といった保有目的が明確に認められない有価証券」(金融商品会計基準第75項)としか定義されておらず、実務指針で、売買目的有価証券及び満期保有目的の債券の定義及び要件が厳格に定められた(実務指針第65項、第68項、第69項等)ことから、転売目的で取得し、売却が相当程度の経常性を有する有価証券も、その売買がいわゆるトレーディングに該当しない限り、その他有価証券に含まれます。
- 特別損益は本来、経常性を有しない臨時的な損益を表示する区分であることから、その他有価証券の売却損益のうち特別損益に計上するのは臨時的なものに限定し、それ以外の場合には営業外損益に計上することが適当と考えられます。
- 例えば、業務上の関係を有する株式(いわゆる政策保有株式)の売却や資金運用方針の変更に伴うその他有価証券の売却(売買目的有価証券への振替を含みます。)については、一般に臨時性が認められ、特別損益に計上すべきものと考えられます。他方、例えば、市場動向の推移を見ながら売却(転売)を行うことを目的として取得した有価証券(いわゆる純投資)の売却については、ある程度経常性が認められれば、営業外損益に計上することが適当と考えられます。
- なお、売却の臨時性の判定に当たって、売却した有価証券の保有期間が長期であり、売却損益の大部分が過年度における時価変動に起因していると認められる場合には、原則として臨時的な損益とし、特別損益に計上しなければなりません。
- Q69.

- A:財務諸表に表示する具体的な科目は、各企業が合理的に決定すべきですが、おおむね以下のように考えられます。
- 売買目的有価証券に係る損益について、利息、配当金、売却損益及び評価損益はその性質が異なるため、帳簿上は区分して処理する必要がありますが、損益計算書上は、それらを一括して売買目的有価証券運用損益として表示する方法も認められます。また、利息及び配当金を売買目的有価証券利息及び配当金とし、売却損益と評価損益を売買目的有価証券運用損益として表示する方法でも差し支えありません。
- 売買目的有価証券を除く有価証券に係る損益は、有価証券が計上されている資産区分(有価証券、投資有価証券、関係会社株式等)に応じて、①利息及び配当金、②売却損益又は③評価損益を区分して表示することが適切と考えられます。なお、その他有価証券の評価差額のうち当期の純損益を経由せず純資産の部に計上されるものについては、「その他有価証券評価差額金」の科目をもってその他の包括利益累計額の内訳に掲記されます。
- 有価証券の保有目的区分の変更による振替損益がある場合には、その内容を明瞭に示す科目で表示することが適切と考えられます。
- なお、金銭の信託に係る損益についても、有価証券に準じて取り扱うことができるものと考えられます。
連 結
連結・持分法適用の範囲
- Q70.

- A:譲受人が特別目的会社の場合、金融資産の譲受人が次の要件を満たす特別目的会社のときには、当該特別目的会社が発行する証券の保有者を当該金融資産の譲受人とみなして金融資産の消滅の認識要件を適用するとされています(金融商品会計基準(注4))。
- 「(1) 特別目的会社が、適正な価額で譲り受けた金融資産から生じる収益を当該特別目的会社が発行する証券の保有者に享受させることを目的として設立されていること
- (2) 特別目的会社の事業が、(1)の目的に従って適正に遂行されていると認められること」
- 一方、特別目的会社の連結については、企業会計基準第22号「連結財務諸表に関する会計基準」(以下「連結会計基準」という。)第7-2項において、「特別目的会社(資産の流動化に関する法律(平成10年法律第105号)第2条第3項に規定する特定目的会社及び事業内容の変更が制限されているこれと同様の事業を営む事業体をいう。以下同じ。)については、適正な価額で譲り受けた資産から生ずる収益を当該特別目的会社が発行する証券の所有者に享受させることを目的として設立されており、当該特別目的会社の事業がその目的に従って適切に遂行されているときは、当該特別目的会社に資産を譲渡した企業から独立しているものと認め、当該特別目的会社に資産を譲渡した企業の子会社に該当しないものと推定する。」とされています。
- 金融資産の消滅の認識要件と連結の範囲の取扱いは別のものですが、金融資産を特別目的会社に譲渡した際に金融資産の消滅の認識要件を満たせば、特別目的会社の連結についての上記取扱いも満たすため、当該特別目的会社は譲渡人の子会社に該当しないことになります(監査・保証実務委員会実務指針第88号「連結財務諸表における子会社及び関連会社の範囲の決定に関する監査上の留意点についてのQ&A」Q13)。
第132項及び第308項
- Q71.

- A:子会社・関連会社の範囲には、会社のほかに、組合その他これらに準ずる事業体(外国におけるこれらに相当するものを含む。)が含まれるとされています。具体的には、特定目的会社、海外における同様の事業を営む事業体、パートナーシップその他これらに準ずる事業体等で営利を目的とする事業体が考えられる(ただし、ベンチャーキャピタルが営業の目的を達成するために他の会社の株式を所有している場合は除く。)とされています(連結範囲適用指針第28項)。したがって、投資事業組合についても、子会社・関連会社の範囲に含まれることもあり得ます。
- 組合等への出資については、原則として、組合等の財産の持分相当額を出資金(金融商品取引法第2条第2項により有価証券とみなされるものについては有価証券)として計上し、組合等の営業により獲得した損益の持分相当額を当期の純損益として計上する(実務指針第132項)ことになりますので、投資事業組合がたとえ子会社・関連会社の範囲に含まれる場合であっても、その出資金は組合員の個別財務諸表上、取得原価ではなく持分相当額をもって貸借対照表価額とすることになります。また、組合員の財産が法律上組合員の共有であることから、出資持分ではなく、組合財産のうち持分割合に相当する部分を出資者の資産及び負債として貸借対照表に計上し、損益計算書についても同様に処理する方法も認められますが、組合等への出資については、その契約内容の実態及び経営者の意図を考慮し、経済実態を適切に反映した処理を採用することになります(実務指針第308項)。
- 投資事業組合については、通常、出資者は平等であり、共有財産として処理するのが原則ですが、連結上、支配力基準又は影響力基準により実質的に子会社又は関連会社として扱われるときには、連結上、当該組合の資産及び負債を連結した上で親会社に帰属しない部分を非支配株主持分として計上し(この場合、個別財務諸表の組合の処理を戻し入れて全体を改めて連結する方法が実務的です。)、持分法を適用する場合、投資者以外の出資者が負担しない損失についてのみ追加計上する(個別財務諸表の組合の会計処理はそのまま連結財務諸表に取り込む。)ことになります。
その他有価証券評価差額金に係る資本連結手続
資本連結手続上の時価評価差額との関係
- Q72.

新規(一括)取得時の処理
- Q73.

- A:S社が、X1年3月期において、投資有価証券(その他有価証券として分類)について時価評価を行い、全部純資産直入法により純資産に計上したその他有価証券評価差額金は、洗替処理によりX1年度の期首には振戻処理が行われています。しかしながら、資本連結手続上は、当該その他有価証券評価差額金は戻入れがなかったものとして取得時利益剰余金に準じて取り扱った上で、投資と資本の相殺消去を行うことが必要となります。
- また、S社が、X2年3月期においても投資有価証券(その他有価証券)について期首残高をそのまま保有している場合には、期末の時価に基づき評価差額が計上されます。ただし、資本連結手続上は、当期中における評価差額の変動は取得後利益剰余金に準じて取り扱われます。
- 上記について例示により仕訳を示すと以下のようになります。
- (前 提)
- <X1年3月31日>
- ① S社のX1年3月31日の時価評価前の純資産は8,000(資本金5,000及び繰越利益剰余金3,000)である。
- ② X1年3月期の決算における、S社の投資有価証券(その他有価証券として分類)の帳簿価額は2,000、時価は3,000、税引後(実効税率40%として計算)の評価差額600は全部純資産直入法により処理されていたものとする。
- ③ S社のX1年3月期の抜粋貸借対照表は以下のとおりである。

- <X1年4月1日>
- ④ P社はX1年4月1日をみなし取得日として、S社の発行済株式の60%を5,500で一括取得した。
- ⑤ S社の投資有価証券以外の資産及び負債には、重要な時価評価による簿価修正額はないものとする。
- <X2年3月31日>
- ⑥ S社のX2年3月31日の時価評価前の純資産は9,000(資本金5,000及び繰越利益剰余金4,000)である。
- ⑦ X2年3月期の決算における、S社の投資有価証券(その他有価証券として分類)の帳簿価額は2,000、時価は4,000、税引後(実効税率40%として計算)の評価差額1,200は全部純資産直入法により処理されていたものとする。
- ⑧ のれんは10年で償却するものとする。
- ⑨ S社のX2年3月期の抜粋貸借対照表は以下のとおりである。

- 1. 投資と資本の相殺消去
- S社は、その他有価証券に係るその他有価証券評価差額金について、X1年度の期首に振戻処理を行っているが、連結会計基準においては、資本連結手続に当たり、S社の株式取得日(支配獲得日)における資産及び負債を時価評価しなければならないこととなっているため、S社のX1年3月期の貸借対照表における純資産を用いて投資と資本の相殺消去を行うこととする。

- *1 (5,000+3,000+600)×40%=3,440
- *2 5,500-(5,000+3,000+600)×60%=340
- 2. 非支配株主持分等の計上
- S社純資産の当期増加額のうち非支配株主持分額を計上する。ただし、当期純利益に係る非支配株主持分額は非支配株主に帰属する当期純利益に計上するが、その他有価証券評価差額金は当期の純損益に計上されていないため、それに係る非支配株主持分額はその他有価証券評価差額金の当期増加額から直接振り替える。なお、子会社のその他有価証券評価差額金の増減額は、連結包括利益計算書又は連結損益及び包括利益計算書(以下「連結包括利益計算書等」という。)のその他の包括利益に、非支配株主持分額も含めて表示されることとなり、その非支配株主持分額は、同計算書に付記される非支配株主に係る包括利益の金額(企業会計基準第25号「包括利益の表示に関する会計基準」(以下「包括利益会計基準」という。)第11項及び設例2)に含められる。また、その他有価証券評価差額金に係る非支配株主持分額は、投資有価証券(その他有価証券)が売却又は減損処理により減少した場合にはそれを取り崩すとともに、その実現損益が非支配株主に帰属する当期純利益に計上されることとなる。当該取崩額は、親会社持分額と併せて、連結包括利益計算書等に注記される組替調整額(包括利益会計基準第9項及び第31項(1))に含められる。

- *1 1,000×40%=400
- *2 (1,200-600)×40%=240
- 3. のれん償却額の計上
- S社の支配獲得に伴い発生したのれんを、当期から10年間で定額法により償却を行う。

- * 340/10=34
追加取得時の処理
- Q74.

- A:S社が、X2年3月期において、投資有価証券(その他有価証券)について時価評価を行い、全部純資産直入法により純資産に計上したその他有価証券評価差額金は、洗替処理によりX3年3月期の期首には振戻処理が行われています。しかしながら、追加取得株式に係る資本連結手続上は、当該その他有価証券評価差額金は戻入れがなかったものとして取得時利益剰余金に準じて取り扱った上で、投資と資本の相殺消去を行うことが必要となります。
- また、S社が、X3年3月期においても投資有価証券(その他有価証券)について期首残高をそのまま保有している場合には、期末の時価に基づき評価差額が計上されます。ただし、資本連結手続上は、当期中における評価差額の変動は取得後利益剰余金に準じて取り扱われます。
- 上記について例示により仕訳を示すと以下のようになります。
- (前 提)
- <X2年4月1日>
- ① P社はX2年4月1日をみなし取得日として、S社の発行済株式の20%を2,500で取得した。
- ② S社の投資有価証券以外の資産及び負債には、重要な時価評価による簿価修正額はないものとする。
- <X3年3月31日>
- ③ S社のX3年3月31日の時価評価前の純資産は10,000(資本金5,000及び繰越利益剰余金5,000)である。
- ④ X3年3月期の決算における、S社の投資有価証券(その他有価証券として分類)の帳簿価額は2,000、時価は5,000、税引後(実効税率40%として計算)の評価差額1,800は全部純資産直入法により処理されていたものとする。
- ⑤ のれんは10年で償却するものとする。
- ⑥ S社のX3年3月期の抜粋貸借対照表は以下のとおりである。

- 1. 投資と資本の相殺消去(当初取得部分-開始仕訳)

- *1 (5,000+4,000+1,200)×40%=4,080
- *2 3,000×60%+4,000×40%+34=3,434
- *3 600+(1,200-600)×40%=840
- *4 340-34=306
- 2. 投資と資本の相殺消去(追加取得部分)
- S社は、その他有価証券に係るその他有価証券評価差額金について、X1年度の期首に振戻処理を行っているが、連結会計基準においては、S社の支配獲得日における資産及び負債の時価評価額に基づき資本連結手続上の評価差額を計算することとし、株式の追加取得日においては時価評価のやり直しを行う必要はないが、支配獲得後のその他有価証券評価差額金の変動は、追加取得株式に係る資本連結手続上は取得時利益剰余金に準じて取り扱われるため、S社のX2年3月期の貸借対照表における純資産のうち非支配株主持分額を用いて投資と資本の相殺消去を行うこととする。

- *1 4,080×20%/40%=2,040
- *2 2,500-2,040=460
- 3. 非支配株主持分等の計上
- S社純資産の当期増加額のうち非支配株主持分額を計上する。ただし、当期純利益に係る非支配株主持分額は非支配株主に帰属する当期純利益に計上するが、その他有価証券評価差額金は当期の純損益に計上されていないため、それに係る非支配株主持分額はその他有価証券評価差額金の当期増加額から直接振り替える。なお、子会社のその他有価証券評価差額金の増減額は、連結包括利益計算書等のその他の包括利益に、非支配株主持分額も含めて表示されることとなり、その非支配株主持分額は、同計算書に付記される非支配株主に係る包括利益の金額(包括利益会計基準第11項及び設例2)に含められる。また、その他有価証券評価差額金に係る非支配株主持分額は、投資有価証券(その他有価証券)が売却又は減損処理により減少した場合にはそれを取り崩すとともに、その実現損益が非支配株主に帰属する当期純利益に計上されることとなる。当該取崩額は、親会社持分額と併せて、連結包括利益計算書等に注記される組替調整額(包括利益会計基準第9項及び第31項(1))に含められる。

- *1 1,000×20%=200
- *2 (1,800-1,200)×20%=120
- 4. のれん償却額の計上
- S社株式の当初取得に伴い発生したのれんを、10年間で定額法により償却を行う。

- * 340/10=34
子会社保有有価証券売却時の処理
- Q75.

- A:
- (前 提)
- <X4年3月31日>
- ① S社のX4年3月31日の時価評価前の純資産は13,000(資本金5,000及び繰越利益剰余金8,000)である。
- ② のれんは10年で償却するものとする。
- ③ S社のX4年3月期の抜粋貸借対照表は以下のとおりである。

- 1. 投資と資本の相殺消去(開始仕訳)

- *1 (5,000+5,000+1,800)×20%=2,360
- *2 (3,000×60%+4,000×20%)+5,000×20%+34×2=3,668
- *3 (600×60%+1,200×20%)+1,800×20%=960
- *4 340-34×2=272
- 2. 投資有価証券(その他有価証券)の全額売却に伴うその他有価証券評価差額金の修正
- S社の個別財務諸表において、投資有価証券(その他有価証券)を全額売却したことに伴い、前期末に計上されていたその他有価証券評価差額金は取り崩され、有価証券売却損益が計上されているため、資本連結手続上も、その他有価証券評価差額金の全額を取り崩し、有価証券売却損益及び非支配株主持分へ振り替える。

- * 1,800×20%=360
- 3. 非支配株主持分等の計上
- S社純資産の当期増加額のうち非支配株主持分額を計上する。

- * 3,000×20%=600
- 4. のれん償却額の計上
- S社における投資有価証券の売却に係るその他有価証券評価差額金の有価証券売却損益(繰越利益剰余金)との相殺は、資本連結手続上は、取得時利益剰余金の性質を有するものとの間の振替にすぎないため、当該仕訳によりのれんの金額が変更されることはない。したがって、S社株式の取得に伴い発生したのれんは、当初の方針どおり、S社の支配獲得時に計上された金額を、10年間で定額法により償却を行う。

- * 340/10=34
段階取得時の処理
- Q76.

持分法による処理
- Q77.

- A:S社が、X1年3月期において、投資有価証券(その他有価証券として分類)について時価評価を行い、全部純資産直入法により純資産に計上したその他有価証券評価差額金は、洗替処理によりX1年度の期首には振戻処理が行われています。しかしながら、資本連結手続上は、当該その他有価証券評価差額金は戻入れがなかったものとして取得時利益剰余金に準じて取り扱った上で、持分法の処理を行うことが必要となります。
- また、S社が、X2年3月期の個別財務諸表において、保有する投資有価証券(その他有価証券)について期首残高をそのまま保有している場合には、期末の時価に基づき評価差額が計上されます。ただし、資本連結手続(持分法)上は、当期中における評価差額の変動は取得後利益剰余金に準じて取り扱われます。
- 上記について例示により仕訳を示すと以下のようになります。
- (前 提)
- <X1年3月31日>
- ① S社のX1年3月31日の時価評価前の純資産は8,000(資本金5,000及び繰越利益剰余金3,000)である。
- ② X1年3月期の決算における、S社の投資有価証券(その他有価証券として分類)の帳簿価額は2,000、時価は3,000、税引後(実効税率40%として計算)の評価差額600は全部純資産直入法により処理されていたものとする。
- ③ S社のX1年3月期の抜粋貸借対照表は以下のとおりである。

- <X1年4月1日>
- ④ P社はX1年4月1日をみなし取得日として、S社の発行済株式の20%を1,720で一括取得した(取得差額(のれん)は生じなかったものとする。)。
- ⑤ S社の投資有価証券以外の資産及び負債には、重要な時価評価による簿価修正額はないものとする。
- <X2年3月31日>
- ⑥ S社のX2年3月31日の時価評価前の純資産は9,000(資本金5,000及び繰越利益剰余金4,000)である。
- ⑦ X2年3月期の決算における、S社の投資有価証券(その他有価証券として分類)の帳簿価額は2,000、時価は4,000、税引後(実効税率40%として計算)の評価差額1,200は全部純資産直入法により処理されていたものとする。
- ⑧ S社のX2年3月期の抜粋貸借対照表は以下のとおりである。

- ・ 持分法投資損益等の計上
- S社純資産の当期増加額のうちP社持分額を計上する。ただし、当期純利益に係るP社持分額は持分法投資損益に計上するが、その他有価証券評価差額金は当期の純損益に計上されていないため、それに係るP社持分額はその他有価証券評価差額金の当期増加額に直接計上する。なお、持分法適用会社のその他有価証券評価差額金の増減額は、連結包括利益計算書等のその他の包括利益に、持分法を適用する被投資会社のその他の包括利益に対する投資会社の持分相当額として一括表示されることとなる。また、持分法を適用する被投資会社のその他の包括利益累計額(その他有価証券評価差額金)に対する投資会社の持分相当額は、被投資会社の投資有価証券(その他有価証券)が売却又は減損処理により減少した場合にはそれを取り崩すとともに、その実現損益が持分法による投資損益に計上されることとなる。当該取崩額は、連結包括利益計算書等に注記される組替調整額(包括利益会計基準第9項)に含められる。

- *1 1,000×20%=200
- *2 (1,200-600)×20%=120
- 以 上