©公益財団法人 財務会計基準機構最終更新日:2026/03/04
移管指針移管指針の適用
目 的
- 1. 本移管指針は、移管指針の適用について定めることを目的とする。
構 成
- 2. 移管指針は、以下から構成される。
- (1) 本移管指針
- (2) 別紙に記載した移管指針
適用時期等
- 3. 2024年7月に公表された移管指針(以下「2024年7月移管指針」という。)は、公表日以後適用する。2024年7月移管指針が改正される場合、本移管指針に定めがあるときを除き、別紙に記載した移管指針においてそれぞれ定める適用時期に基づき適用する。
- 4. 企業会計基準第24号「会計方針の開示、会計上の変更及び誤謬の訂正に関する会計基準」(以下「企業会計基準第24号」という。)第10項にかかわらず、2024年7月移管指針の適用については会計方針の変更に関する注記を要しない。
- 4-2. 2024年9月に改正された移管指針第13号「特別目的会社を活用した不動産の流動化に係る譲渡人の会計処理に関する実務指針についてのQ&A」の適用時期は、2024年に公表された企業会計基準第34号「リースに関する会計基準」(以下「リース会計基準」という。)の適用時期と同様とする。
また、リース会計基準の適用により、移管指針第3号「連結財務諸表におけるリース取引の会計処理に関する実務指針」の適用を終了する。
議 決
- 5. 2024年7月移管指針は、第528回企業会計基準委員会に出席した委員12名全員の賛成により承認された。
- 6. 2024年9月に改正された移管指針(以下「2024年9月改正移管指針」という。)は、第532回企業会計基準委員会に出席した委員13名全員の賛成により承認された。
結論の背景
経 緯
- BC1. 我が国の会計基準は、当委員会が設立される前は、会計基準については企業会計審議会が公表し、実務上の取扱い等を示す実務指針等については日本公認会計士協会が公表していた。2001年に当委員会が設立された後は、新しい会計基準、適用指針及び実務対応報告についてはいずれについても当委員会が公表することとなった。
- BC2. 当委員会が設立される前に公表された実務指針等の効力については、2001年12月に開催された第5回企業会計基準委員会において審議され、「企業会計基準適用指針の開発についての当面の対応」(以下「当面の対応」という。)が公表された。当面の対応では、「従来、日本公認会計士協会(JICPA)が公表してきた企業会計に関する実務指針等については、現時点において、企業会計基準委員会(ASB)が包括的な承認等の評価を行う予定がないことから、個々に改廃されない限り、従前どおりの効力を有すると考える。」とされた。
- BC3. さらに当面の対応では、適用指針及び実務指針等の開発に関する基本方針を明確にすべきとされ、当委員会と日本公認会計士協会の役割分担については「新規の適用指針は、ASBが担当する。JICPAが公表した実務指針等のメンテナンスは原則としてJICPAが担当する。この場合であっても、修正の基本的な方向については、ASBが調整にあたる。」とした上で「JICPAが公表した実務指針等について、大幅な改定を行う場合及び新規の適用指針が必要と考えられる場合は、ASBが担当する。」とされた。これに基づき、日本公認会計士協会が公表した実務指針等について大幅な改定を行う場合は、当委員会でその改正内容の審議を行い、その審議結果を日本公認会計士協会に伝達し、日本公認会計士協会のデュー・プロセスを経て改定される。
- BC4. 従来、日本公認会計士協会が公表した実務指針等については、包括的に当委員会に引き継ぐことはせず、引き継げるものから引き継ぐ形をとってきた(例:企業会計基準適用指針第26号「繰延税金資産の回収可能性に関する適用指針」)。このため、多くの実務指針等はまだ日本公認会計士協会に残されている。
- BC5. 上述の経緯により、会計基準については企業会計審議会と当委員会が公表したものが存在しており、実務指針等、適用指針及び実務対応報告については当委員会と日本公認会計士協会が公表したものが存在している。このため、日本基準の全体像を把握しにくいなどの課題が指摘されている。また、日本公認会計士協会が公表した実務指針等を包括的に当委員会に引き継いでいないことに関して、以下の課題が指摘されている。
- (1) 当委員会が会計基準設定主体となっているにもかかわらず、形式的とはいえ日本公認会計士協会が実務指針等に関する基準開発を担う形となっている。
- (2) 内容を検討しながら移管するということになれば、内容を変更するニーズがない限り当委員会において取り上げられることがなく、いくつかの実務指針等は今後も継続して日本公認会計士協会に残る可能性がある。
- (3) 日本公認会計士協会が公表した実務指針等の改廃は実質的に当委員会が行っているにもかかわらず、日本公認会計士協会のデュー・プロセスを経て改廃を行わなければならず、基準開発の効率が悪い。
- BC6. 一方、日本公認会計士協会が公表した実務指針等を当委員会に包括的に引継ぎできない理由としては、日本公認会計士協会が公表した実務指針等であることから、会計に関する内容と監査に関する内容が混在しているものがあり、当委員会に移管する場合には会計に関する内容と監査に関する内容を切り分ける必要があること等が考えられる。
- BC7. こうした状況を受けて、当委員会及び日本公認会計士協会は、日本公認会計士協会が公表した実務指針等を当委員会に移管するプロジェクト(以下「移管プロジェクト」という。)についての考え方を示し、関係者からの意見を募集することを目的として2023年6月に「日本公認会計士協会が公表した実務指針等の移管に関する意見の募集」(以下「意見募集文書」という。)を公表した。
- BC8. 意見募集文書では、日本公認会計士協会が公表した実務指針等を「会計に関する指針のみを扱う実務指針等」と「会計に関する指針のみを扱う実務指針等以外の実務指針等」の2つの分類に分けた上で、会計に関する指針のみを扱う実務指針等については、内容的に当委員会が所管することが適切と考えられるため、該当するすべての実務指針等を移管プロジェクトの対象として移管を進める考えを示した。一方、会計に関する指針のみを扱う実務指針等以外の実務指針等については、継続企業と後発事象について実務指針等の移管に係る実行可能性について調査研究を行い、それ以外の実務指針等については移管プロジェクトにおける検討の対象外とする考えを示した。
- BC9. 意見募集文書に対して寄せられた意見では、会計に関する指針のみを扱う実務指針等を当委員会に移管することを支持する意見が多く聞かれた。寄せられた意見の中には、日本公認会計士協会が公表した業種別の実務指針等についても移管対象とすべきという意見が聞かれたが、移管プロジェクトは日本公認会計士協会が公表した実務指針等をそのままの内容で移管することを前提としており、当委員会は特定の業種を対象とした会計基準の開発は行っていないため、日本公認会計士協会が公表した業種別の実務指針等を移管プロジェクトの対象に含めないこととした。
- BC10. また、移管後の実務指針等の位置付けに関して、実務指針等の内容によっては「企業会計基準及び修正国際基準の開発に係る適正手続に関する規則」(以下「適正手続規則」という。)に定める「会計基準」、「適用指針」、「実務対応報告」の区分に該当しないものがあるため、2023年11月開催の理事会において適正手続規則が改正され、「移管指針」の区分が新たに設けられた。
- BC11. これらの検討を踏まえ、当委員会は、2024年4月に移管指針公開草案「移管指針の適用(案)」等(以下「公開草案」という。)を公表し広く意見を求めた。2024年7月移管指針は、公開草案に対して寄せられた意見を踏まえて検討を行い、公表するに至ったものである。
適用時期等
- BC12. 企業会計基準第24号は、会計方針の開示、会計上の変更及び過去の誤謬の訂正に関する会計上の取扱い(開示を含む。)を定めている。ここで、移管指針の設定は新たな会計基準等の設定に該当することから、移管指針を初めて適用する場合には原則としては会計方針の変更に該当すると考えられる(企業会計基準第24号第5項)。
- BC13. しかしながら、移管プロジェクトは、会計に関する指針のみを扱う実務指針等の所管を日本公認会計士協会から当委員会に移すことを目的としたものであり、実務指針等の名称を移管指針の体系に合わせるように変更することを除き、移管前の実務指針等の内容を変更していない。このため、2024年7月移管指針では、移管指針の適用は会計方針の変更に関する注記を要しないこととした(第4項参照)。
- BC14. 2024年9月改正移管指針は、2024年9月のリース会計基準の公表に伴い、次の移管指針について所要の改正を行ったものである。
- (1) 移管指針第6号「連結財務諸表等におけるキャッシュ・フロー計算書の作成に関する実務指針」
- (2) 移管指針第9号「金融商品会計に関する実務指針」
- (3) 移管指針第10号「特別目的会社を活用した不動産の流動化に係る譲渡人の会計処理に関する実務指針」
- (4) 移管指針第13号「特別目的会社を活用した不動産の流動化に係る譲渡人の会計処理に関する実務指針についてのQ&A」
- また、移管指針第3号「連結財務諸表におけるリース取引の会計処理に関する実務指針」については、連結会社相互間のリースは通常の連結手続に従って会計処理が行われるものであることから当該実務指針で定めている内容を改正して存続させる意義が乏しいと考えられるため、適用を終了することとした。
2024年7月移管指針の公表による他の会計基準等についての修正
- 2024年7月移管指針の公表により、当委員会が公表した会計基準等については次の修正を行う(下線は追加部分、取消線は削除部分を示す。)。
(略)
- 以 上
注
- 1 当面の対応を公表した当時は、当委員会をASBと略していた。以下同じ。